光速の走り屋オオサキショウコ   作:まとら魔術

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ACT.47 未来は僕らの手の中

あらすじ

 

赤城最速を決めるバトルは大沼に入った。

そこで一進一退の攻防戦が繰り広げられる。

そこが終わって、赤城のダウンヒルに入ると雨原は切り札<終末のラブソング>を発動する。

それを発動させた彼女は、パワーアップを遂げた。

 

 ダウンヒルの最初のコーナー近くでWHITE.U.F.Oの2人がギャラリーしていた。

 

「いよいよ、ここから後半に入るじゃん」

 

「超高速で直ドリしたと聞いたとき、おれはここから激しくなると考えている」

 

「イグザクトリーじゃんか」

 

「言われたか……」

 

 雨原のFDはものすごい速さで直線を駆け抜けると、次の3連続ヘアピンも一瞬で抜けていった。

 

 一方のおれは雨原の半分くらいのペースで、それらの区間を走っていく。

 雨原との距離が差はどんどん離れていった。

 

「ここは葛西モミジとの戦いを思い出し、ここからゼロカウンタードリフトを使っていこう」

 

 3連続ヘアピンに入ると、それを使って攻めていく。

 3つ目では<スティール・ブレイド>を発動させて攻めた。

 

 しかし、それらをもってしても距離を縮めることはできなかった……。

 

「どうすればいいんだ……!?」

 

 3つ目のヘアピンを抜けたその時、変化が起きた。

 ワンエイティの車体が巨大なオーラに包まれる。

 

「ついに能力が発動した……!?」

 

 そのオーラを纏うと、超高速で直線を駆け抜ける!

 直線の後はU字ヘアピン、ここをものすごい速さのゼロカウンタードリフトで攻めていく。

 その後はS字からの2連ヘアピン、そこもさっきと同じ走りで攻める。

 

 雨原との距離を大きく縮めた。

 

 その様子をスタート地点に報告される。

 

「こちら第1高速セクション前の2連ヘアピン! ワンエイティがものすごい速さで駆け抜けていっています!」

 

「智さん! サギさんが覚醒技を発動させたみてぇですよ!」

 

「そうか……。身体が倒れないほどに逆転して欲しいな」

 

「弟子が逆転しそうな時やのに、冷たい反応やな」

 

「前に言ったろ? 能力の代償でオオサキが倒れるかもしれないんだ……」

 

「けど、心配いらないよ……智さん。すぐ逆転するから……」

 

 第1高速セクション。

 おれは猛スピードで追い上げ、雨原のFDのすぐ後ろに接近していた。

 

「やるな、さすが能力を発動させただけあるな。だが、この技はどうかな?」

 

 それを発動させたのは、第2高速セクションに入った時だった。

 

「いよいよ、ここで変化しそうだね」

 

 雨原の動きを、側でギャラリーしていたSC430の少女はすぐ感じ取った。

 

「赤城のテイルガンナー流<ビクトリー・ジェネレート>!」

 

 火のような赤いオーラを纏って、超加速をする。

 おれのワンエイティを引き離していった。

 

「すぐ離されたァ!?」

 

 能力を使って接近したアクションは水の泡になった。

 

「よくやるのう。簡単にはワンエイティ抜かさんつもりじゃな」

 

 走りを間近で見たS15の女はそう感心した。

 

 雨原に大きく離されたまま第2高速セクションを終え、次にジグザグゾーンに入る。

 それを終えると、ナイフ型のヘアピンが見えてくる。

 

「小山田疾風流<スティール・ブレード>! イケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケー!」

 

 銀のオーラを纏い、鉄の刃で斬るような凄まじい速さのゼロカウンタードリフトでそこを攻めていく!

 雨原との距離が縮まる!

 そこを抜けると、ここからサクラゾーンに突入する。

 

「イケイケー!」

 

 最初のポイント、左S字コーナーに入る。

 ここで、さらに雨原との距離を縮めていく。

 おれはここで自分のある変化に気付く。

 

「どんどん車が速くなっていく!」

 

 能力の発動する時間が立つほど、おれの能力は強くなっていた。

 しかし同時に全身が痛くなってくる。

 代償が来ているようだ。

 

 U字ヘアピンが来る。

 ここを抜けると、雨原は黄色い雷にようなオーラを大量に纏った。

 

「赤城のテイルガンナー流<ライラ>!」

 

 この技を使うと、雨原はフロー状態に入る。

 雨原の表情に余裕が出る。

 

 フローに入ったことで、既に<終末のラブソング>で速くなっていた彼女は鬼に金棒と化した。

 その後にある中速右ヘアピンを物凄い速さで抜けていく。

 おれとの距離がどんどん離れていく。

 

「技を使えたらな……」

 

 ナイフ型のヘアピンで<スティール・ブレード>を使ってしまった影響で30秒間技が使えない。

 それまで待つしかない。

 おれも抜けていく。

 

 その後の左中速ヘアピンも抜ける。

 雨原との距離を縮めることは出来なかったものの、そこを抜けたときにある変化に気付く。

 

「おれ、時間が経つ度に速くなっている!?」

 

 能力が発動してから時間が経つ度に、その能力を纏ったワンエイティが速くなっている。

 しかし、同時におれの身体の痛みも激しくなっていた。

 

 2台は2連ヘアピンに入る。

 先に雨原が入り、<終末のラブソング>と<ライラ>で得た速さと共に1つ目の右ヘアピンを抜けていく。

 おれもそこを抜けた。

 

「速くなっているな、オオサキちゃん」

 

 少しずつだが、どんどんパワーアップしている能力で雨原に接近していく。

 時間が経つ度に速くなっているおれは雨原の速さについていっている。

 

 直線に入る。

 ここでの戦いは互角で、距離に変化はなかった。

 

 右ヘアピン。

 そこを抜けると、ある技を発生させる!

 彼女のある状態を止めるためだ。

 

「<GTRサウンド>! イケイケイケイケイケイケイケイケェー!」

 

 ワンエイティからとてつもないエンジン音が響く。

 その音を聞いた雨原は耳が痛くなり、それを片手で塞ぐ。

 

「く、やるなァ!」

 

  集中を妨げる音によって、雨原のフロー状態が解除された。

 

 サクラゾーン最後のコーナーである左ヘアピン。

 ここでFDは氷のような水色のオーラを纏う。

 

「赤城のテイルガンナー流<ホワイト・エヴァー>!」

 

 雪が舞うようなドリフトで攻める。

 おれとの距離を離していく。

 

「簡単には抜かせようとはしないね……」

 

 第3高速セクションに入る。

 どんどん強くなっている能力を纏うおれは雨原の後ろに接近していく。

 

 最後の5連ヘアピンに突入する。

 

 いよいよ、赤城最速を決める戦いは終盤だ。

 どちらも精神力が限界であり、2台ともふらつきながら走っている。

 

「終盤だ……ここで抜かれたら、最速の座は陥落してしまう。本当強いぜ、オオサキちゃん」

 

「もし抜くなら、あれを使って抜こう……」

 

 5連ヘアピンの1つ目の右ヘアピン、ここは2台とも技を使わないドリフトで攻める。

 おれのほうはゼロカウンタードリフトを使った。

 2つ目の左ヘアピン、ここもさっきと同じ走りで攻める。

 そして3つ目……。

 

「今だ! 攻める!」

 

 オレンジ色のオーラを発生させる!

 

「小山田疾風流<スケルトン・アタック>!」

 

 ドリフトで大量の煙を発生させて、そこに隠れながら追い抜こうとした!

 しかし! 

 

「何かぶつかった!」

 

 雨原のFDのフロントフェンダーに接触してしまう!

 技を使った追い抜きは失敗してしまった。

 おれのワンエイティにフェンダーをぶつけられたFDはすごくふらつき、ハーフスピン寸前状態だ。

 4つ目のヘアピン直前で立て直す。

 

「もうゴールまで技を使えない。正々堂々、技を使わず攻める!」

 

「抜けるもんなら抜いてみな、オオサキちゃん!」

 

 残りコーナーは2つだ。

 4つ目の左ヘアピンに入り、おれはゼロカウンタードリフトで雨原のFDを追う。

 コーナーの出口でサイドバイサイドの状態に入った。

 

「いよいよ最後の戦いだよ……」

 

「悪いが、最速の座は渡さない!」

 

 5つ目の右ヘアピン、最後のコーナーだ。

 イン側にはおれのワンエイティ、アウト側には雨原のFDが走る。

 能力の力でパワーアップしているおれと<終末のラブソング>でパワーアップしている雨原がこのコーナーで白黒付ける!

 

「行かせねー、行かせねー、行かせねーぜッ!」

 

「イケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケイケェー!」

 

 前に出たのは……おれだった。

 

「勝った……!?」

 

 そのままゴールラインを走りきった……。

 

 勝利:大崎翔子

 

 最終コーナーを抜けた雨原のFDは、ドライバーが精神力を大きく削っていたのかハーフスピンをして、そのまま停止した。

 おれのワンエイティもゴールラインを抜けるとすぐ停止する。

 

「雨原さんがついに負けた……」

 

「最速の座が陥落してしまった……」

 

「上には上があるとは……」

 

 雨原の敗北に、DUSTWAYのメンバーたちはショックを受ける。

 

 その知らせは他の場所にいるギャラリーたちにもトランシーバーで知れ渡った。

 

「よくやるのう、雨原を倒すとは……。わしもあいつを倒したワンエイティ乗りと戦ってみたくなったのう」

 

 そう言い残すとS15の女はクルマに乗り込み、SR20のエンジンと共にこの場所から去っていった。

 

「よく倒したね……機会があれば、僕も戦ってみたくなったよ」

 

 それを言ったBRZの少年もクルマに乗り込み、ターボ化されたFA20の音と共にここから去る。

 

「赤城最速の座が変わるとは……このニュースをお姉ちゃんにも届けたいな」

 

 その言葉と共にSC430の少女もクルマに乗り込み、後付けで換装した3S-GEとスーパーチャージャーの音と去っていく。

 

 ゴール後で停止したワンエイティの近くに、おれの関係者が来る。

 

「サギさん!」

 

「ついに倒したんだね」

 

「これで、あんたが最速やね!」

 

「おめでとう、オオサキちゃん」

 

「やりましたね」

 

「やってくだはるやないですか!」

 

「おめでとうオオサキ、そして無事に事故もせずによく戻ってきたな」

 

「智姉さん……やり……ま……し……」

 

 その後、ワンエイティの中でおれは倒れてしまった。

 

「オオサキ、オオサキ!」

 

 そのまま、意識を失ってしまった……。

 

「やれやれだな……心配した事が起きてしまったな……」

 

 どうやら能力を使いすぎたらしい。

 バトルの熱狂が終わった後も、おれは目を覚ますことはなかった……。

 

TheNextLap

 

 

 

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