そして前回のアンケート皆さまありがとうございますっ面白いと思ってくれる方がいてくれてとても嬉しく思うと同時に今後も精進してゆく所存でございます。
では三部作最後の後編をどうぞお楽しみくださいませ!
PS:今回も咲夜の一人称視点が多めですのでご了承くださいませ。
「久しぶりだね…咲夜」
「千…束?」
千束が…千束が僕の目の前に現れた。ということは先ほど男たちが言っていた”赤ずきん”というのは千束のこと!?
いきなりの展開に頭が混乱する僕を他所に千束はコートのポケットからスマホを取り出し何処かに電話をし始めた
「あっわたし…”赤ずきん”だよ。ごめん…組織の
「………」
「お金のことは気にしなくていいから。うん…大丈夫っ多分これが”最後”の依頼だから…ありがとうっそれじゃ後よろしくね」
”ピィッ”
「……色々と驚かせちゃったよね?」
「あぁっ…まぁそうだね」
「ここじゃ話すのもあれだし…私の家まで来てくれるかな?」
「わっ…わかった」
再度フードをかぶった千束の後に続き僕は歩き始めた。ちなみに倒れた男たちは千束が依頼したクリーナーのような業者たちが回収していったらしい
しばらく歩き進めるととあるマンションに到着し、僕は千束が住んでいると思われる部屋に到着し千束と一緒に中に入った
「千束は今…ここに住んでるの?」
「そうだよ。まぁ前のセーフハウスみたいに忍者屋敷仕様には作れなかったけどね」
”バサッ”
「ふぅぅ~っ…改めてっ久しぶり咲夜♪」
「うん…千束も元気そうで良かったよ。ちなみに聞くけど心臓は?」
「大丈夫大丈夫っこの世界じゃ疾患わずらってないから健康そのもの!なんだったら心音聴いてみても良いんだよぉ♪」
「えっ…遠慮しときます////」
「なんだなんだぁ~今さら照れることないだろ~♪」
「恥ずかしいものは恥ずかしいっ‼」
「初心だねぇ~咲夜は♪」
「……ふふっ…僕がよく知る千束のままでホッとしたよ」
赤のロングコートを脱ぎ捨てた千束は改めて僕に再会の言葉を伝えた。あの頃と同じ可愛らしい笑顔で僕をいじってくるところは全然変わっていないようで安心した
そして一番心配していた心臓の方もこの世界では先天性心疾患を患っておらず人工心臓にする必要もないため問題ないと教えてくれた
「そこのソファーに座ってて。インスタントだけど飲み物はコーヒーで良いかな?」
「ありがとうっ頂くよ」
千束は2つのマグカップにインスタントコーヒーを注ぎ、僕はその間にソファーに座りながら千束の現在の住まいを見渡した
家具やインテリアは必要最低限だがテーブルには色んなタイトルの洋画のBlu-rayが置いてあり相変わらずだなと思いつつさり気なく片付けた
そうしてる間に千束がコーヒーが入ったマグカップを持ってきてテーブルに置き、ソファーに座る僕の隣に腰を下ろコーヒーを一口飲んで一息ついた
「……さてっ…どこから話せばいいかなぁ~」
「千束はいつ記憶が戻ったの?」
「私は5年前…14歳の時だったかなぁ」
「へぇっじゃあリコリコメンバーの中では一番早かったってこと!?」
「そうなるのかなぁ~…仕事してる時に不意に戻って最初はテンパっちゃったよ」
「仕事…そういえば千束はいま何してるの?銃だって所持してるし…さっきの物騒な男たちとも関係ありそうだし」
「……私はとある組織の
「あっ暗殺者!?」
口に含んでいたコーヒーを思わず吹きそうになった。暗殺者ってことは千束は裏世界の中で生きてるってことになるよね!?じゃあ所持していた銃に装填されているのは…
「私の銃が気になる?」
”カチャッ”
「見ての通り全部実弾だよ。この世界には先生の作った弾は無いし…何より私は不殺に拘ってないから」
「……どうして?」
「理由はいくつかある。1つは裏の世界で生きていくためには優しさを捨てないと自分の命が危うくなる…この世界の私は幼少期に両親が事故で他界しちゃってね、その後は孤児院を転々としながら子ども時代を過ごして12歳の時にいまの組織に拾って貰ったの」
「そんなことが…」
「この世界じゃ私には”殺しの才能”はないみたいでさぁ…仕事を始めた頃は銃もまともに撃てなくて何回も死にかけたなぁ。まぁ何回も死に直面していくうちに自然と技術も上がっていって…最終的には前と変わらない力を身につけられたってわけ」
「…っ」
「勿論最初の頃はなるべく相手を殺さないように心がけたよ。でも本当の裏の世界を生きてきた人間ていうのは命の価値観がバグっててさ…死んでも敵は殺すの精神だったから結果じぶんの身が危険になっちゃうんだ、だから私は”生きる”ために
千束も僕と似たような考えを持っていた。前の世界の自分への贖罪…19歳という若さで命を絶ってしまったことへの罪の意識…生きていた場所は違ったけど思うことはお互い一緒だった
「もう1つの理由は…もう大切な人たちを失いたくなかったからかな」
「それって…」
「たきなにクルミ…先生にミズキ…そして咲夜…私にとっては誰一人欠けてほしくない大切な家族。リコリコがあってみんながいて初めて”錦木千束”っていう人間は形作られていた…それが一遍にいなくなったからあの時の私はおかしくなったんだと思う」
「っ…」
「悪人だろうと命を奪って自分が嫌な気分になりたくない…誰かの時間を奪うようで嫌だ…そんな私の我儘のせいでみんなを死なせた。自暴自棄になって自分のことを責めることしかできなくて…アラン機関を壊滅させて人の命を奪ってもそれが晴れることはなかった、結局は生きることが辛くなって自傷行為にはしって…踏んだり蹴ったりな最後だったよね」
「千束っ…ごめんっあの時の僕は千束の気持ちを考えてなかった。本当の意味で千束に向き合えてなかった…どんな形になっても千束に生きてほしいっ生きて幸せになってほしいっ…でもそんな僕の
僕は…ただ謝ることしかできなかった。千束の最後をあんな形で終わらせてしまった原因は僕だ、千束の意志を無視し自分勝手な思いばかりを押しつけ千束の心を疲弊させた…
記憶が戻りリコリコのみんなと再会してからもそのことだけはずっと頭に残っていた。謝罪しようとも消えることのない罪悪感…千束を目の前にしたらその罪の意識が僕の心を絞めつける
そして頭の中に蘇るかつての自分の愚挙…僕は本当にバカだった、10年以上の時を共に過ごしていたのに千束のことを何もわかっていなかった…こんな僕がいまの千束と向き合うなんてとてもっ
”ギュウッ”
「っ…千…束?」
「もうっ…謝らないで咲夜っ…」
「でも僕はっ…僕はっ…」
「咲夜はっ…咲夜は最後まで私の傍にいてくれた。自分の勝手な
「っ……」
「最後の頃の私はあんな風になっちゃったけど…そんな私に咲夜は最高の舞台を用意してくれたじゃんっ」
「最高の…舞台?」
「忘れちゃったの?旧電波塔で私たち”結婚式”やったじゃん!そしてこれからも愛し支え合っていくって誓ったじゃん!」
「っ‼」
僕を抱きしめながら千束は言った…忘れることなどできるわけがない。純白のウェディングドレスに身を包んだ千束と旧電波塔の最上階で2人だけで行った結婚式…
これから死ぬとわかっていながらも僕たちは互いを愛し支え合うと誓いあい…暮れ始めた陽の光を背景に東京の町を見ながら最後のひと時を過ごした
「私ね…記憶が戻っても咲夜たちに会おうとはしなかった。勿論会いたかったけど今の私がみんなに関わったら色々と迷惑をかけちゃうから会いに行けなかった…でも私はそれでもいいと思ったったきなたちが幸せになって生きていけるのならって」
「千束…」
「けど咲夜が生きてる姿を見たときだけは気持ちが抑えられなかったっ…咲夜に会いたいっ咲夜の傍にいたいって気持ちは日に日に強くなっていった!だから私は咲夜を監視保護対象っていう名目で組織に伝えて貴方の近くにいたの…」
「僕の近くに…ずっといてくれた…」
「でも過激派がそれを見逃さなかった。私のことを崇拝し誇張に表現してた一部の暗殺者たちが咲夜を消そうと動き出して、それが今日の事態を引き起こしちゃったの…咲夜が襲われてるのを見た時っ私は気が気じゃなかった!咲夜が死んじゃうっそう思ったら体が動いで組織の仲間たちを殺した!」
僕の頬に伝わってくる冷たい水の感触…目を千束の方に向けると彼女は泣いていた。僕は感じとった…千束は僕を巻き込み平穏な日常を壊してしまったと後悔しているのだと
裏の世界を生きる人間が一般人に関わるということはその人間が二度と日常に戻れないということ…それほどのリスクがあると承知の上で千束は僕を守るために動いてくれたのだ
「ごめんっ…ごめんね咲夜っ…私がっ…私がこの世界の咲夜の人生を壊しちゃった!近づいちゃ駄目だってっ…話しかけちゃ駄目だってわかってたのにっ…」
「……やっぱり僕ってバカな男だよね…愛した女の子の気持ちにここまでされないと気づけられないんだから」
”ギュウッ”僕は泣きながら謝る千束のことを抱き返した。心臓の鼓動を感じる…そしてとても温かかくて優しい匂いがした
千束は僕を危険に晒してしまうことを恐れていた。それでも彼女は僕に会いに来てくれた…なら僕が出す答えは1つだけだ
「千束…あの時の僕は罪を背負う覚悟がなくて君に全てを押し付けてしまった。だから同じ過ちは繰り返さないっもう千束を1人にはさせない…」
「咲…夜…」
「僕が…僕がいま一番したいことはっ…千束っ君と一緒に未来を歩むことだ!」
「っ!」
「日常は戻ってこなくたって!危険な目にあったとしても千束と一緒にいれるならっ…僕はどんな修羅の道にだって君と共に行く!それが…それが僕の答えだよ」
「っ……たきなたちとさよならしなくちゃいけないんだよ!?日本にだっていられなくなっちゃうかもしれないんだよ!?」
「それでも構わないっ…だってあのとき誓ったじゃないかっ”助け合い…喜び合い…どのようなことも分かち合いながら生涯をふたりで歩んでいくことを誓います”って」
「あっ…」
「千束…5年も待たせてごめんね。これからは…いやっこれからもずっと千束と一緒にいるよ、あの時果たせなかった…幸せにするという約束を叶えるために」
「っっっ…咲夜ぁっ…咲夜ぁぁっ…」
”ギュッ”
「私っ…ずっと1人ぼっちでっ……寂しかったぁっ…辛かったよぉっ……」
「今は泣いてっ…今日までよく頑張ったっ…そしてっ…生きててくれてありがとうっ」
あの日止まった僕と千束の時間が再び動き出した気がした。僕の胸の中で泣きじゃくる千束…どんなに世界が変わっても泣き虫なところは相変わらずだった…でもそんな姿すら愛おしく感じる僕はやはりどこか歪なのかもしれない
でももうあの時の過ちは繰り返さない!今度こそっ…僕は千束と共に未来に行くっどんな困難が待ち受けようとも僕たち2人が力を合わせれば乗り越えられない壁はないんだ
「……咲夜…私も覚悟を決めたよ。私のこれまでに決着を着けるっ…だから咲夜っ私と一緒に来てくれないかな?」
「っ?」
「私が所属する組織のトップに…会ってほしいの」
--------------------------------------------------
--翌日・都内某地下施設--
「よく俺の前に姿を現わせた…と言いたいところだがっまさか男を連れてくるとは思ってなかったぞ赤ずきん」
「えへへっ…急でごめんね零さん♪」
「(千束ぉぉ~~っ組織のトップが福山司令だなんて聞いてないんですけどぉぉ~~っ‼)」
次の日…僕は千束に連れられ千束が現在所属している組織の本部と思われる地下施設に訪れていた。いかにもな顔つきの人間たちが何人もおり…その全員が僕の方を睨んでいた
別にそれはいい…前の世界でも睨まれる事なんて日常茶飯事だったし。僕が頭を抱えている原因は別にある…そうっこの組織の頂点に君臨しているのは前世でDA管轄の実働部隊・リリベルの司令に27歳という若さでたどり着いた男・福山 零さんだったのだ
僕が言うのもあれだがこの人は正真正銘の化け物だ。戦闘能力こそ高くはないが指揮能力はまるで現場を実際に見えているかのように的確かつ迅速な判断を下し即座にそれを実行に移す大胆さを兼ね揃えている
更に情報部出身ということもありネットワークや人脈を駆使しあらゆる情報を収集する能力も高く、あのクルミが”零という男は規格外だ”と言わせるほどの知略を持つ男なのだ
そんな人が暗殺者集団のリーダーだって!?無理だっ…勝てるわけがないっ…実戦ならまだ五分に持ち込めたかもしれないけど話術に関してこの人の右に出る人を僕は知らない
「零さんっ…この間はごめんなさいっ理由はどうであれ組織の人間を殺めてしまって」
「……それについてはこちらもすまなかった。正直言って奴らの処遇には手を焼いていた、民間人を巻き込むことも厭わない行動は私たちの行動理念に反する…事態が大きくなる前に処分してくれたことに感謝するよ」
「えっえぇっと…どういたし…まして?」
「それでっお前がここに来た要件は…いや聞くのは野暮というモノだな。大方組織を辞めそこの男と共に新たな人生を歩みたいと言ったところか?」
「あぁ~…あははははっ…」
「(見抜かれてるっ…世界は変わってもこの人の観察眼は変わってないよぉ‼)」
「赤ずきん…いや千束、わかってると思うがお前はこの業界においてその存在を知らない者はいない。組織を辞め堅気に戻ればお前に恨みを持つ連中たちは牙を剥き襲い掛かってくるぞ…去る者は追わずの精神だが辞めた人間の尻拭いをするほど私はお人好しではない」
「………」
「そしてお前っ…名は皇 咲夜と言ったか。お前と千束がそういう関係なことに口を出すつもりはない、だがただの一般人であるお前が千束と共に歩んでいけると本気で思っているのか?裏の世界を知らない…戦う力を持たないお前が千束のことを守れると言い切れるか?」
「っ…」
「生半可な決意ならいますぐ千束から手を引け…自分の命を懸ける覚悟もないのならすぐにここから立ち去れ…今ならば私の力でどうとでもっ」
「違う…間違ってますよ福山さん」
「…何が間違っているというのだ?」
「命は懸けるものじゃない…大切な人と共に未来を生きるために捧げるものです!」
「………」
「僕は…僕はずっと後悔していた。千束が苦しんでいた時に傍にいてあげられなかった自分の不甲斐なさを……でもだからこそっ僕は千束から離れることはしません!例え貴方が相手であっても…この信念も曲げることは絶対にありません‼」
「……それで死ぬ運命が来てもか?」
「運命は変えられるっ…いやっ変えてみせます!僕が千束に与え続けてきた”呪い”を本物の”願い”に変え彼女と共に幸せを掴み取るっ…だから僕は命を懸けるという安易なことはしません!千束と一緒に明日にっ未来に行くために僕は生きるっ生きなきゃいけないんだ‼」
「咲夜……」
「それが君の覚悟か…皇 咲夜」
「はいっ」
鋭い目つきを輝かせながら睨みつける福山さんに僕は自分の覚悟を言い放つ。それを聞き届けた福山さんは覇気を放つのをやめ優しく微笑んだ
「ふっ…見ない間に大きくなったな咲夜…お前の覚悟っしかと聞き届けたぞ」
「「えっ!?」」
「まぁお前なら千束のために生きることを諦めないとわかってはいたがな…愛する者のためなら強大な壁が立ちふさがろうともそれを乗り越えていく…”想い”の力というのはやはりはかり知れんな」
「ちょっ…福山さんもしかして!?」
「あぁっ俺もお前たちと同じで前世の記憶を持っている」
「「えぇぇぇ~~~~~っ!?」」
「千束…お前気づかなかったのか?あんなに気にかけてやったのに」
「だっだっ…だって零さん組織の中で私に接する時って凄く怖いオーラー放ってたじゃないですか‼」
「人目がある中でトップが一個人を贔屓するわけにはいかないからな…まぁ誤解させたのなら謝ろう」
「零さん…」
「咲夜…お前にも謝らなくてはならないな。どんな形にしてもお前たちへの負債を償うと言いながらお前たちを死なせてしまった……本当にすまなかった」
「福山さん…」
「これは…私からのささやかお詫びの印だ」
”シュッ…”
「っ…これは?」
「私が所有する資産の一部が入ったブラックカードだ…名義は咲夜のものに変えてある。どんな無理な使い方をしても一生を暮らせる額は入っているぞ」
「「はいぃぃ!?」」
こっこの人サラッと言いながらとんでもない物を渡してきたぞ‼僕と千束はアタフタしながら互いにブラックカードをお手玉のように渡し合った…福山さんが”止めろ”と言うまで
「千束が組織を抜けたという情報はどんなに隠蔽工作をしようともいずれバレる。もって1週間といったところか…それまでに国外へ逃げ出す準備を進めろ、飛行機は私が所有するプライベートジェットを貸してやるっ行く場所はお前たちの好きにするがいい」
「じゃっじゃあ私は‼」
「あぁっお前はもう銃を持つ必要はない。殺人マシンではなく人として生き…その余命をまっとうしろ」
「っ……」
「咲夜…千束と末永く幸せに過ごせ。そして今度は…赤く染まらない結婚式を2人で挙げろ」
「……色々とっ…ありがとうございますっ」
「さぁっ時間は待ってくれないぞ!やることを残しているのなら早く済ませろ!私は私で準備を進める!1週間後に指定する空港に来いっ時間厳守だから遅れるなよ!」
「「はいっ」」
「この隠し通路で地上に戻れ。組織の者たちには私から上手く伝えておく」
「零さんっ本当にありがとう!そしてっ…今までお世話になりました!」
「あぁっまた会うその日までさよならだ…千束」
「うんっそれじゃ行こう咲夜!」
「そうだねっでは福山さん…僕たちはここで」
「咲夜っ」
「っ?」
「お前は…私の事を恨んでいるか?」
「……確かにDAのことは好きじゃないし今でも恨んでいます。でも福山さんのことは嫌いじゃなかったですよ♪」
「そうか…それだけ聞ければ十分だ」
福山さんと別れ隠し通路を使って地上に戻った僕と千束は早速準備に取り掛かった。そして僕は…今日まで過ごしたあの場所へ別れの言葉を伝えに向かった
--------------------------------------------------
--同日・喫茶リコリコ--
「千束が見つかったって本当ですか!?」
「うん…本当だよたきな」
「何処にいるんですか!?教えてください咲夜!」
「ごめんっ…それは言えないんだ」
「どうしてだ咲夜っ」
「千束は…裏世界の中で生きてきた暗殺者だったんです」
「はぁぁ!?」
「マジかぁ…」
千束と一旦別れリコリコに来た僕は千束と再会したことを伝え、それと同時に千束のこれまでの経緯と今後のことをたきなたちに話した
千束と共に行くために日本を離れることを…そのためにたきなたちと…リコリコとお別れをしなくてはならないことを……
「そんなっ…千束も見つかってようやくみんな揃ったのにまたお別れしなきゃいけないんですか!?」
「千束なりの優しさなんだよ…組織を抜けても千束のことを狙う輩は日本にはいる。千束と関わりを持つとみんなが危険に晒される…裏の世界を知った僕だって本来ならここに来るべきじゃないんだ」
「…ッ」
「んであんたは1週間後に千束と一緒に国外へ脱出するとっ…まさに愛の逃避行ってやつだねぇ」
「行く宛はあるのか?」
「千束の案でまずはヨーロッパ方面に行くことにしました。そこからは風の向くまま…気の向くままって感じですね」
「計画性もなにもねぇじゃねぇか!」
「千束らしくていいじゃないですか。それにずっと放浪する気はありません、ほとぼりが冷めたらどこか自然が豊かな場所に永住しようとは思ってるので…そこでもう一度式は挙げるつもりです」
「…お前と千束が決めたことなんだな?」
「はいっ」
「…ならば私がとやかく言うことではないな」
「店長っそれでいいんですか!?もう二度と千束に会うことができなくなるんですよ‼」
「千束が幸せに生きてくれるなら私はそれで構わない。元よりあの子は短い人生の中で自分が一番にやりたいことをして生きてきたんだ…今更わたしが千束の生き方をどうこう言う権利はない」
「……」
「それに”我が子”たちが旅立つのを止める親はいないだろ?咲夜と千束が決めた事なら私はそれを応援する…もう会えなくなったとしてもな」
「店長っ…」
「千束はともかく咲夜がいなくなるのはリコリコとしては痛い打撃だけどねぇ~…まっ余裕が出来たら手紙くらいは送りなっけど惚気話だけは書くじゃないよ‼」
「餞別に僕特製のオリジナルOS搭載のPCとスマホを準備しとくよ。ネット回線も独自のモノを使ってるから逆探知される心配は無いからいざってときに役立つはずだ」
「ミカさん…ミズキさん…クルミ…本当にありがとうっ」
「………っ」
「たきな…せっかく再会できたのにごめんね。まだ納得できないことは多いと思うけど…これが千束が選んだ道だってわかってほしい」
「千束はっ…千束はいつも勝手です!みんなに心配かけた挙句に咲夜を連れてまた何処かに消えてしまうなんてっ…本当に勝手な人です‼」
「そう言われると痛いなぁ…でもねたきなっ千束からたきなにメッセージを預かってるんだ」
『急展開になっちゃってごめんねたきな!諸事情あって会いには行けないけど…何処にいても空は繋がってるっもし寂しくなった時は空を眺めてみて、私と咲夜も同じ空を見ていると思うから…だから私たちは離れていても繋がってるっそれだけは忘れないでね、喫茶リコリコの看板娘として先生たちのことを頼んだぞ相棒‼』
「千束がっ…そんなことをっ…」
「確かに僕たちは離れ離れになる…けど空が見える限り僕たちは同じ世界に生きている。この世界の何処かで…たきなの幸せを僕と千束は願っているから」
「っっっ…ぅぅぅっ……」
「たきな…僕を見つけてくれてありがとう…リコリコのみんなにもう一度会わせてくれてありがとう…そしてっ僕の罪を許してくれて本当にありがとう」
目から涙を流すたきなの頭を優しく撫でた。僕が立ち直り千束と向き合える勇気が持てたのはたきなの存在があってこそだと思う
大した恩返しは出来なかったかもしれないけど…最後は彼女の”兄貴分”としてたきなが落ち着くまで傍にいてあげよう…千束が嫉妬するかもしれないけど
「……千束のことっ…また泣かせたら殴りに行きますからっ」
「ちょっと待ってたきなっていつからそんなバイオレンスな性格になったの!?」
「千束の幸せを願っているの者として彼女を泣かせるような奴は許せないだけです!」
「がっ頑張って幸せにします‼」
「けどあんたお金の方は大丈夫なの?ここでのバイト代程度じゃ雀の涙もいいところでしょ」
「実は千束が所属してた組織のトップが福山さんで…あの人も記憶があって資金や移動手段諸々の準備を引き受けてくれたんです」
「はぁぁぁ!?あの零がかぁ!?」
「その証拠に…ブラックカードも貰いましたし」
「おぉぉ~久しぶりに見たなブラックカード」
「相変わらずやることが大胆な男だ」
「あんの野郎っならDA時代の飲み代全部払えやぁぁぁ‼なんで割り勘しやがったんだぁぁぁぁ‼」
「当然のことだと思いますけど…」
「福山さんとミズキさんの関係性ってなんなのでしょうか?」
「あの2人はDA時代は同期で同じ情報部出身だそうだ」
「「えぇっ!?」」
「零ぉぉ~~っ‼町中で会ったら一発ぶん殴ってやるからなぁぁぁ~~っ‼」
--1週間後…--
「うぉっほぉぉぉ~~っ‼プライベートジェットなんて人生初だから興奮しちゃうなぁぁ‼」
「これから国外逃亡だっていうのに余裕あるね」
「何言ってるのさ!新しい人生の始まりなんだよっ楽しまなきゃ損ってもんでしょ‼」
「はいはいっテンション高いのは結構だけどもうすぐ離陸だからベルトしようね」
「ちぇっケチ…」
あれから1週間後…東京郊外にあるとある空港に準備されたプライベートジェットに僕と千束は準備した荷物と一緒に乗り込み離陸の時を待っていた
これで日本とはお別れ…けどこれからは千束と一緒に新たな人生を歩んでいく始まりとなる。そんなことを考えていると”ピピッ”2日前に貰ったクルミ特製のスマホが鳴りポケットから取り出した
「なんだ…ビデオ通話?」
「えっ!?」
”ピィッ”
『おぉ~繋がった。どうだ?画質も綺麗でビデオ通話も快適だろ』
「「クルミ!?」」
『久しぶりだな千束…最後に顔を見れて良かったよ』
「クルミ…」
『そんなしけた顔するなっ僕は元気に過ごしてるよ。あそうだっ最後にどうしても千束の顔が見たいって奴がいてな』
「?」
『繋がりましたか!?千束っ見えてますか千束!?』
「たったきな‼」
『久しぶり…ですね。言いたいことはたくさんありますが時間がないので手短に言いますよっ』
「…っ」
『咲夜と幸せになってください‼何処にいても私たちは繋がっている…貴女の言葉を信じて日本から2人のことを見守っていますから‼』
「たき…な…」
『ほらっ店長とミズキさんも‼』
『私はいいってぇ~っ…あぁ~もうっおいこら千束!私を差し置いて幸せになるんなら今度は絶対に咲夜の手離すなよ‼』
『千束…最後にお前の顔を見れて良かった。向こうに行っても元気でな』
『ミズキッ…先生っ…ぅぅぅっ…』
「まもなく離陸しますっ通信機器は一度切ってください」
『おっと時間の様だな。じゃあ2人とも…向こうの土産期待してるぞぉ』
『千束っ…いつかっいつかの明日にまた会いましょう‼』
「うんっ…うんっ!みんなっ…ありがとうっ‼」
”ピィッ…”
「ぐすっ…みんなずるいよぉ…最後の最後で泣かせにくるなんてさぁ」
「そのセリフ…前世の僕も言ったような気がするよ」
「……ねぇ咲夜…やっぱりリコリコのみんなは最高で素敵な家族だよね‼」
「うんっ僕たちにとってかけがえのない大切な家族だよ」
「それじゃ私たちもリコリコに負けないくらい素敵な家庭を築かないとね‼」
「そうだねっ…千束」
「うん?」
「僕たち…今度こそ幸せになろうね」
「……モチのロン♪」
こうして…僕たちは日本を旅立った。この先に何が待ち受けているかはわからない…でも千束と一緒なら何があっても乗り越えられる
辛いこともあった…悲しい出来事もたくさんあった…けどこうして僕たちは一緒にいる。この新しい世界で…2人で作る明日が素晴らしいものになると信じてっ僕たちは大きな一歩を踏み出したのであった
《revolving curse・end》
はい…前中後編と3部作にわたってきた”revolving curse”はこれにて完結!皆さまっ長いことお付き合いくださりありがとうございました!
最初に構想で思いついた時は書ききる自信がありませんでしたがガバガバながらもこうして後編まで書ききれて満足しております。
これからしばらくはまたアンケートを元に短編形式の話を書いていこうと思います。リクエストがあればこの話のエピローグなんかも書きたいと思いますので…それでは皆様っ本当に長いことお付き合いくださりありがとうございました‼
revolving curseのエピローグを…
-
読んでみたいです!
-
別にいいかな…
-
どちらでもOKです!