俺がカードゲームで無双できる都合のいい世界 〜カードゲームアニメの世界に転移したけど、前の世界のカード持ち込めたので好き放題します〜   作:鴨山兄助

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第二百九話:不戦勝

 翌日。本戦の1日目がやってきた。

 ちなみに今日はちゃんと学園で試合をするぞ。

 というわけで俺を含めて、今日は合計32名でトーナメント戦を行う。

 予選とは打って変わって、最もオーソドックスな形式だ。

 

「いや、そもそも特殊ルールを採用する予選が変なのかもだけど」

 

 それを言い始めたら、そもそもこの世界では特殊ルールで試合をする大会は結構ある。

 一般的な大会だけではなく、それこそプロリーグで行われる事も少なくはないんだ。

 恐らく学園の意図としては、そういうプロの現場を先に体験しておけという事なのだろう。

 ……アトラクションファイトなんて他でもやるのか?

 

「ないだろ……とは言い切れないのが怖い」

 

 学園の敷地に建てられているファイト用施設にある控え室。

 俺はそこで一人何となくぼやいてしまう。

 今日は本戦に出る生徒以外は自由登校となっている。

 だからこのファイト用施設……ちょっとした体育館よりもデカい建物に集まっている生徒は、友人の応援や単純に見学を目的とした奴だけだ。

 あとは教職員の皆様と……昨日と同じくスカウトの皆様くらい。

 

「にしても、あんな如何にもなスーツ姿で来られると少し緊張するだろ」

 

 今更になって昨日のソラの気持ちが少し分かってしまう。

 プロ選手というのも興味はあるし、入学前は俺もそれをやりたいと思っていた。

 ただ今はそれどころじゃないという実情があるせいで、どうにもスカウトの皆様がノイズに思えてしまう。

 

(明日……か)

 

 今を集中したいけど、どうしても頭の中には来るべき瞬間が浮かんでしまう。

 

「キュプ。難しい顔してるっプイ」

「だろうな。鏡を見なくてもわかる」

 

 デッキから出てきたカーバンクルは、控え室にあるテーブルの上に乗っている。

 だけど俺の目線は、既に始まっている本戦の試合を中継しているモニターに向いたままだ。

 

「ツルギは、戦った先で何をしたいっプイ?」

「それ、どこかの和尚みたいな質問だな」

 

 合宿の時にも、召臨寺(しょうりんじ)の和尚から似たような問いかけはあった。

 

――強さの果てを想像しろ。それを怠れば、いずれ道を外すことになるぞ――

 

「強さの果て。勝利した先には得られるものがある。だけど得た後にどうするかって想像し難いよな」

「目的の無い強さはただの暴力っプイ。ツルギは今、何のために戦いたいっプイ?」

「目的か」

 

 今は(まつり)誠司(せいじ)を倒すこと。

 だけどそれを義憤と言われてしまえば、何も言い返せない。

 もっと長い目で戦う理由を問われると……俺は自分が本当は何をしたいのか分からなくなる。

 

「勝てば得られる。負ければ失う。時と場合によるけど、自分が目指す強さの果ては全く分からない」

「でも答えには近づいている筈っプイ。でなきゃブランクカードも変化し始めてないっプイ」

「……は?」

 

 カーバンクルの言葉を聞いた俺は大慌てで召喚器からデッキを取り出した。

 そして万が一の保険として1枚だけ入れておいたブランクカードを取り出して確認する。

 確かにカーバンクルの言う通り、変化が始まっているようではあった。

 

「マジか」

 

 とはいえ具体的なカードに変化し切っているわけでは無い。

 モンスターカードらしき枠組みと色が僅かに浮かび上がっているだけ。

 イラストやカード名に至っては何も出ていない。

 でもまさかこのタイミングで1枚変化し始めるとは思わなかった。

 

「……あれ? なんか裏面おかしくね」

 

 元々ブランクカードは裏面は通常のカードと全く同じだった。

 だけど変化が始まっている俺のブランクカードは、何故か裏面のデザインが薄くなっていたのだ。

 これじゃあ試合には使えない……普通ならそう思うが、俺はふと奇妙な事に気がついた。

 

「これ、召喚器に入れてもエラー吐かないぞ」

 

 召喚器には不正なカードを検出して警告音を出す機能が標準搭載されている。

 こんな裏面が変化しているカードなんて入れようものなら、即座にマークドのイカサマ扱いで警告音が鳴る筈だ。

 だけど何もない。召喚器が正常なカードとして認識しているのだ。

 

「う〜ん?」

「ツルギ、そんなにブランクカードが気になるっプイ?」

「そりゃそうだろ。裏面まで変化するなんて想定してないぞ」

 

 前の世界では外部領域に置かれていた、所謂ウイルス感染したモンスターカードでさえ裏面は共通デザインだったぞ。

 しかもモンスター・サモナーには、他のカードゲームにあるような両面カードは存在しない。

 

「……なぁカーバンクル」

「プイ?」

「昨日、ゼウスCEOに聞かれたんだ。俺は観測者なのか登場人物なのかって」

 

 前の世界でアニメとして物語を見てきた俺は、観測者なのかもしれない。

 だけど今、この世界でみんなと一緒に戦おうとしている俺は……どっちなんだ。

 

「俺はどっちの人間なんだろうな」

「ツルギ……それはツルギ自身が選ぶ事っプイ。自分が戦いたい世界、自分が生きたいと思う世界を選ぶのは、他でもないツルギ自身っプイ」

「カーバンクル」

「ボク達化神は、この世界ではサモンファイターと一緒にいないと存在できない。だけどボクは、自分達の意思で明日を創っていく人間と一緒にいるのが大好きっプイ」

 

 自分の意思で、明日を創る。

 決められた物語を見るんじゃない。

 自分で動いて、自分の意思で物語を動かしていく。

 だったらそれは、きっと……

 

「ヘイヘイヘーイ! 気分はどうだい天川(てんかわ)!」

 

 突如、控え室の扉を開けて現れたのは我が校のナンバー3。

 (ワン)牙丸(きばまる)先輩であった。

 

「牙丸先輩、来てたんですか?」

「評議会の3年生としてね、お偉いさん達の相手をしていたんだよ」

「まだ本戦やってる最中ですけど」

「途中で勇吾(ゆうご)にバトンタッチしてきた」

 

 うわ、これ絶対に退屈になったとかそんな理由で偶然目についた黒崎先輩に押し付けたパターンだ。

 牙丸先輩の性格的に絶対そうだ。後で黒崎先輩にお菓子でも差し入れよう。

 

「でも以外ですね。抜け出してまで女子の控え室じゃなくて俺のとこに来るなんて」

「実はさっきまで武井(ぶい)ちゃんのところに行ってたんだ。だから次は天川だ」

 

 そう言うと牙丸先輩は俺に、深々と頭を下げてきた。

 

「本当にすまない。ボク達がもっとしっかりしていれば、キミ達にこんな選択をさせずに済んだのに」

「謝らないでくださいよ。途中リタイアするのは俺達が自分で選んだ事です」

「だけど本来なら、キミ達はこのランキング戦で――」

「勝ち進んで、次の評議会入りを目指していたかもしれない。だけど少なくとも俺には、戦わなくちゃいけない理由ができました。それは藍達も同じはずです」

 

 牙丸先輩の気持ちは十分に理解できる。

 六帝(りくてい)評議会に名を連ねる者として、譲れないラインがあったんだろう。

 それに先輩が俺達だけじゃなく、生徒全体を気にかけてくれているのは初めて会った時からよく伝わってきた。

 

「むしろ、ありがとうございます。無理に俺達を止めるような事を言ってくれなくて」

「……キミ達は、言っても止まらないタイプだろ?」

「あっ、バレてました?」

 

 頭を上げた牙丸先輩に、思わず俺はそう言ってしまう。

 すると牙丸先輩は少し和らいだ表情で、俺に語りかけてきた。

 

「やっぱり惜しいな。キミが玉座に着いた学園を少しくらい見たかったよ」

「来年の今頃には玉座に着いてるんで、写真つきで報告しますよ」

「ハハっ、それは楽しみだね」

 

 本当に、この人が先輩で良かった。

 心残りはできるけど、俺は自分の選択を貫く。

 そのためにも、せめて今見せられる最高のファイトを今日はしよう。

 

「おっ、そろそろ武井ちゃんのファイトが終わるようだね」

 

 俺は牙丸先輩に言われてモニターに映る中継に目を向ける。

 ちょうど(らん)が〈ビクトリー・ドラゴン〉でトドメを刺しにいく場面だった。

 

「てことは次は俺の番ですね」

「そうか。天川の相手は財前だっけ?」

「はい。運が良いのかどうか、本戦でアイツと戦えるなら良い方かなって」

「そうだね。彼は随分とキミをライバル視しているようだし……ところで財前の控え室は?」

「えっ、俺は知らないですけど」

 

 まぁ総当たりでいけば見つかるだろ。

 この建物、控え室の数めっちゃあるけど。

 牙丸先輩も同じような事を考えたのか「そうか」と短く答えると、俺のいる控え室から出ていくのだった。

 

「最高のファイト、期待しているよ」

「はい」

 

 胸を張って、自信を持って牙丸先輩に返事をする。

 モニターにはファイトに勝利した藍が映っている。

 俺は控え室を出てファイトステージへと向かうのだった。

 

 

 

 だけど、どれだけ待っても、財前がファイトステージに現れる事はなかった。

 

「な、なんで」

 

 流石に少し動揺してしまう。

 俺が入ってきたファイトステージの入場口には、事態に気がついた速水(はやみ)と牙丸先輩が来ていた。

 

「速水、財前は!?」

「黒崎先輩や赤翼(あかばね)達が探している」

「ボクも今来ている知り合いに頼んで探している。だから天川はそこで待っているんだ!」

 

 そう言い残して、二人は入場口から走り去っていく。

 観客席からも騒めいた声が聞こえてくる。

 中には「逃げたのか?」といった言葉も聞こえてくるが、アイツに限ってそれは絶対にない。

 何かがあった……だけど制限時間内に姿を現さない以上、この試合は……

 

「時間切れです。よってこの試合、1年A組天川ツルギの不戦勝となります」

 

 俺の不戦勝になってしまった。

 呆然とした気持ちで、俺はファイトステージから控え室のある場所まで戻っていく。

 控え室の近くには、同盟の皆が集まっていた。

 

「ツルギくん……」

「ソラ、財前は」

 

 聞いてみるものの、ソラは目を伏して首を横に振るのみ。

 他の皆も同様、財前はどこにもいなかったようだ。

 

「逃げた、なんて彼に限ってありえないわね」

「宮田に同じくだ。アイツが天川から逃げるなんて考えられない」

 

 アイと速水も俺と同じ考えだった。

 昨日出会った財前の様子からしても、こんな事になるなんて想像もできない。

 

「藍、今日って財前の姿は」

「一度も見てない。アタシもブイドラと一緒に探したんだけど」

「アーサーの奴も見当たらなかったブイ。そもそも学園からアーサーの気配が無いブイ!」

 

 気配すら無し、という事は財前のやつ学園にすら来てないのか。

 その時だった、アイのデッキからウィズが出てきた。

 

「そういえば、今日はアイツの気配も感じないのね。あの銀ピカの偉そーなドラゴンなのね」

「キュプ。言われてみれば確かに、シルドラの気配も感じないっプイ」

 

 ウィズとカーバンクルが同時にシルドラの不在に言及してくる。

 いや、今日はランキング戦だし、いくら評議会メンバーとはいえ1年生の九頭竜(くずりゅう)さんは自由登校だから居なくてもおかしくは――

 

「なぁ、昨日から今日にかけて九頭竜さんと連絡取った奴いるか?」

 

 自分で顔が青くなっていくのが分かる。

 自由登校。だけど今の九頭竜さんの性格を考えれば、藍の応援をする為だけに予選会場に来ていてもおかしくはない。

 しかも今日は本戦。藍に直接会わなくても、どこかで試合を観戦していても不自然ではない。

 ましてやシルドラの気配すら無いというのも気になる。

 

「……アタシ、ちょっと真波(まなみ)ちゃんに電話してみる」

 

 スマホを取り出して電話をかけ始める藍。

 財前と九頭竜さんがいなくなった。

 同時に、偶然なのか? これは本当に何かの偶然なのか?

 特に九頭竜さんは既にフラグなんて折れているはずだし。

 

(そういえば昨日、卯月(うづき)が財前について……)

 

 アイツの弟から、様子が変だって話が回ってきて。

 その後に確か、財前が自分の弟に妙な召喚器を渡したって話もきて。

 

「なんで、なんで出ないの真波ちゃん?」

「……ブイ? この気配は、王様野郎の気配ブイ!」

 

 突然ブイドラが声を上げる。

 同時にウィズとカーバンクルも感じ取ったのか、通路の向こうに顔を向けていた。

 

「キュ……ツルギ、なにか変っプイ」

「変って、シルドラだよな?」

「シルドラだけど、動きがゆっくりというか、遅いっプイ……」

 

 胸騒ぎがした俺は藍と一緒にシルドラがいるであろう方角へ、通路を走っていく。

 シルドラは、すぐに見つけられた。

 後ろから他の皆もやってきたが、俺と藍の心境はそれどころではなかった。

 

「シルドラ、どうしたの!?」

「怪我だらけじゃねーかブイ! 何があったブイ!?」

 

 銀色の鱗の隙間から痛々しく血が流れ出ている。

 シルドラはその傷だらけの身体で翼を動かして、俺たちの元へとやってきたようだ。

 藍とブイドラが駆け寄った瞬間、シルドラは抱えるように持っていたカードを落として、自分も通路の床に倒れてしまった。

 

「オイ! しっかりするブイ!」

「なにがあったのシルドラ!? 真波ちゃんは!?」

「キュプ、離れて! ボクがエネルギーを分けて傷を治すっプイ!」

 

 俺の頭上から飛び降りて、カーバンクルはすぐさまシルドラの身体にエネルギーを分け与え始める。

 淡い緑色の光に包まれて、ゆっくりとシルドラは傷を回復させていくが、まだまだ息は荒い。

 

「このカードは」

 

 俺は床に落ちていた2枚のカードに目をやる。

 シルドラが先程落としたそれは〈【王子竜(おうじりゅう)】シルドラ〉のカードと、〈キングダムセイバー〉のカードであった。

 まさかシルドラは、自分の本体であるカードを抱えて逃げてきたのか?

 

「グっ……マ、マナ、ミが……」

「キュ! 無理に喋っちゃダメっプイ! 傷がかなり深い」

「マナ、ミ、が……」

 

 必死に何かを訴えようとしているシルドラ。

 その時であった、ポケットに入れてあった俺のスマホに誰かから電話が掛かってきた。

 俺はスマホを取り出して、着信者が卯月である事を確認する。

 なんでこんな時間に……そう思いながら俺は電話に出た。

 

「もしもし卯月、どうした――」

『お兄、大変な事になったの! さっき半蔵の奴から焦った感じで連絡があって――』

 

 

「シルドラ、真波ちゃんに何があったの!?」

「ぐっ……マナミが――」

 

 

『財前兄が――』

 

 

嵐帝(らんてい)に、負けた」

 

 

『九頭竜さんと一緒に、救急車で運ばれたって!』

 

 二つの言葉が聞こえた瞬間、俺達の時間が止まったような錯覚を覚えた。

 九頭竜さんが嵐帝に負けて、財前と一緒に救急車で運ばれた?

 頭がぐちゃぐちゃになりながらも、言いたい事は必要な分だけに抑え込む。

 

「卯月、どこの病院か聞いてるか?」

 

 俺は必死に理性で感情を抑え込みながら、二人が運ばれた病院の場所を聞き出して電話を切る。

 言いたい事や叫びたい事はあるが、今は事実だけを伝える。

 

「財前と九頭竜さんが病院に運ばれたそうです、場所は――」

 

 一気緊張が広がる。

 幸いにして全員今日の試合は終わっていたので、俺達はすぐさま二人が運び込まれた病院へと向かうのだった。

 

 

 

 

 先輩にタクシーを二台手配してもらい、俺達は病院へと到着する。

 受付で牙丸先輩が二人のいる場所を聞こうとしていたが、それよりも早く俺は知っている顔に出会えた。

 身なりの良さそうな黒髪の中学生。だけど以前出会った時とは異なり焦りや不安が表に出ている。

 

「お前、半蔵か」

「お義兄(にい)様、よかった来てくれた」

「アイツはどうなってる」

「こっちです!」

 

 牙丸先輩に受付は任せて、ひとまず俺達は半蔵の案内で病院の奥へと進んでいく。

 だが辿り着いた場所は……赤いランプが灯っている手術室の前であった。

 長椅子には以前少し顔を合わせた事がある財前の臣下達が座っている。

 

「何があったんだ……」

「真波ちゃん、まさか今ここに?」

 

 呆然と立ちすくむ俺と藍の姿に気がついたのか、長椅子に座っていたゴスパンクな女がこちらに近づいてきた。

 そういえば以前、伊賀崎さんを探している時に会った事があるな。

 

「今、小太郎ともう一人、一緒に運ばれてきた女の子が治療を受けてるって」

「状態は、どんな感じだ?」

「難しい事はアタシらには分からない。だけど二人ともかなりヤバい状態だったっぽい。電気ショックがどうとか言ってたし」

 

 電気ショック、心臓か。

 するとゴスパンクの女は俺に、1枚の紙を渡してきた。

 とりあえず受け取って開いてみると、何かのパスワードらしき文字列が書かれているのみ。

 

「小太郎が昨日アタシらに渡してきたの。次に集まるまでに何かあったら、コレを天川ツルギに渡せって」

「財前が? だけどこれ何のパスワードだよ」

「あっ、もしかして」

 

 何かに気づいたのか、半蔵は肩から掛けていた自分のカバンをガザゴソとし始める。

 そしてチラリと見えた箱から、半蔵は一台の召喚器を出してきた。

 

「これ! 兄様がボクに渡してきたけど、パスロックがかかっていた召喚器」

 

 昨日卯月から聞いたやつか。

 俺は半蔵からその召喚器を受け取って、起動させてみる。

 確かにパスロックが掛かっているので、ほぼ確信に近い気持ちで紙に書かれたパスワードを入力した。

 

「……ロック解除」

 

 ロック解除成功と同時に、仮想モニターにダウンロード表示が出てきた。

 予め起動と同時にデータにダウンロードが開始されるように設定していたのだろうか。

 しかもデータ名を見る限りOSの更新なんかじゃない。

 データ名は「fight_log」となっている、召喚器用の動画ファイルらしい。

 

(ファイトログ……緊急入院……まさか!)

 

 ダウンロードが終わると同時に、俺達は一度病院の外に出て動画を再生し始めた。

 藍とソラ、アイや速水、そして先輩達と一緒にその動画を見る。

 

 そこに映されていたのは財前と九頭竜さんの戦いの記録。

 そして財前が俺に託してきた、相手の情報であった。

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