東雲家の末っ子。   作:水が死んでる

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お気に入りが1000人も...。ありがとうございます。
評価とかしてくれちゃっても...いいんですよ?(乞食)

それより、そのうちどこかの章で誰か目線を入れるかもしれません。

候補としては、彰人か杏のどっちかでしょうか。
最近彰人とか、タグにいるだけになってるんでね...。

アンケでも出来たら便利なんでしょうけど、プロセカのキャラ数がね...。多いよ...。


第11話 Solving your problems in no time!

シンセサイザーを店員の薦めるままに購入した咲希は、一歌を連れて早速とばかりにセカイへと飛び込んでいった。

 

私は置いてけぼり、というわけではなく、『今日はありがとう! それじゃあ、ワタシといっちゃんは練習してくる!』とちゃんと告げられた上で、私はこの商店街に1人で立っている。

 

彼女たちの脳内では、まずは志歩から、ということなのだろうけど、どうしても効率を考えずにはいられない私からしたら、同時に穂波の事も、と思わずにはいられない。

 

ただまぁ、それを実際にどうこうするのは、私の役目じゃないのはさすがに分かる。

 

「幼馴染であるが故の距離感、だよね」

 

私と絵名、私とみのり。それぞれの距離感が違うように、彼女たちには彼女たちの距離感がある。

これまで関わってきた少年少女たちの中で、全員が距離の近い、というパターンは無かった。

言ってしまえば、私は未だに今回の4人との距離感を掴みかねているのだ。

 

私の今の演奏技術だけでも、志歩を唸らせることは可能だろう。

ただそれをしたからどうなるのか、という話だ。

志歩から『考える』という言葉を引き出したのも、咲希たちだからなのだろうし。

 

私がここにいるということは、私がいなければいけない理由があるということ。

ただどう考えても彼女たちだけで解決しそうな現状、私は私のことを何とかするのがいいんだろう。

もしかしたら、そのために用意された時間なのかもしれない。

 

「だったら...うん、少し予定を早めるけど、会ってみよう」

 

まずは、アイドルたちの問題を片づけてしまおう。

出来もしないのにあれこれと手を伸ばすのは良くない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈♪〉

 

 

 

 

 

 

 

 

「この子が、この前みのりが全予定をバックレてでも会いたかった子...って、瀬名じゃない。知り合いだったの?」

 

「うん」

 

「...アイドル、じゃないんだよね?」

 

「瀬名ちゃんはアイドルはしないよ」

 

「東雲さんも一緒にアイドルできたら、楽しそうだと思うけど...」

 

「しないよ。瀬名ちゃんは」

 

数日後。

再びみのりへと連絡を取った私は、若干懐かしさを感じるアイドルたちと会っていた。

場所は変わらず、この間の個室のある喫茶店である。

芸能人御用達なのだろうか。

 

アイドルを辞めることなく続けている彼女たちが、私の知っている1度折れたことのある彼女たちとどう違うのかは、分からないけど。

 

とりあえず、私がアイドルをやらないことを私じゃなくて、みのりが強く否定しているのがなんか面白い。

こんな語気の強いみのりが彼女たちにとっては普通なのか、他3人は特に違和感を持っているような顔じゃない。

...というか、私を覚えているのはみのりだけなのか。

 

店員が持ってきた紅茶を飲みながら彼女たちの話を聞き流していると、遥が私とみのりを見比べながら、やっぱり、と呟いた。

 

「みのりと...えっと、東雲さんだっけ。2人とも似てる気がする」

 

遥に名字呼びされるのは新鮮な気分...じゃなくて。

 

その指摘は尤もだろう。

私がその話をするのはちょっと自意識過剰みたいで恥ずかしいけど、今の世の中の『花里みのり』は、私を模倣した存在なのだから。

 

まぁ、その話をしたらますます私の存在が謎に包まれるだろうから、曖昧な笑みを浮かべて誤魔化そう...と思ったけど、私の表情筋は全然私の意志に沿って動いてくれないんだった。

 

私が真顔で遥の話を無視していると、みのりが薄く微笑みながら遥に答えた。

 

「別に姉妹とかじゃないよ。似てる者同士惹かれあったってだけ」

 

それに対する反応は、まさに三者三葉だったと思う。

 

遥はますます私に興味を持ったように見つめてくるし、愛莉は若干頬を引きつらせているし。

雫は楽しそうに「まぁ!」なんて言いながら手を合わせている。

 

「ま、まぁいいわ。あなたたちの関係をとやかく言うつもりはないもの。世間は同性の恋愛にまだ疎いし、一緒に出掛けてもただの友人で済むでしょう」

 

なんだか私とみのりの関係が、『そういう』関係だと誤解されているようだけど...もう否定するのもめんどくさいから、ほっといていいか。

誤解してそうなのは愛莉だけだし。

遥は純粋にアイドルとしての向上心から私に興味を持っているのだろうし、雫はただ仲良さそうでいいな、ぐらいだと思われる。

 

愛莉はおませさんなのだ。

 

「それで、みのりはどうして私たちと瀬名を会わせようと思ったわけ? 私は友達の妹だから会ったことあるけど...遥と雫は初めましてでしょう?」

 

「ちょっとした目的があったんだけど...まぁ、それも果たされたからいいかな」

 

みのりの返答に要領を得なかった愛莉は首を傾げるが、みのりはそれ以上説明する気もない様で紅茶に口を付けていた。

 

むやみに説明をしない、という方針なんだろう。それなら、私も別に敢えて説明する必要もない。

 

みのりの考えを予想すると、特に期待はしていなかったけど、実際に私と顔を合わせてみれば何かを思い出す人がいるんじゃないだろうか、という確認だったんだろう。

みのりと遥たちの違いがよくわからないけど...何か基準でもあるんだろうか。

 

「そっか。...じゃあ、普通に雑談でもしようか」

 

こうなったみのりは何も教えてくれないということを理解しているのか、遥たちはすぐに私の方へと向いた。

 

「東雲さんって、妹さんとかいらっしゃるのかしら」

 

「? いないけど」

 

「確かに瀬名ってしっかりしてるけど、この子は末っ子ね。姉と兄がいるわ。そのどっちかと一緒にいる所を見たら常に甲斐甲斐しく世話を焼かれてるのを見れるから、それさえ見たらすぐに妹だなってなるんじゃないかしら」

 

雫の疑問に短く答えた私の代わりに、愛莉が説明してくれる。

この中だと愛莉が1番、私の家族のことについて詳しいだろうな。

絵名は言わずもがなだし、彰人とも、どうやら昔に会って話をしたことがあるらしい。

 

愛莉が私の事を手のかかる妹なのだと説明している中で、みのりが声を上げた。

 

「でも、瀬名ちゃんは頼りになる子だよ。そういう意味では、私たちも含めても1番姉かもしれないね。こう、後ろで見守っててくれる、みたいな」

 

「へぇ、みのりがそこまで言うんだ。でも、みのりの説明と、愛莉の説明。なんだか矛盾しているような...」

 

「妹のようでもあり、姉のようでもある、ということなのかしら」

 

なぜか愛莉の説明とは逆の事をみのりが説明し始めたせいで、遥と雫が首を傾げている。

私としてはどうでもいいのだけれど、愛莉とみのりは譲れない部分があるようで、若干空気がぴりつきはじめた。

 

「でも私の方が昔から付き合いがあるんだし、やっぱり妹なんじゃない?」

 

「瀬名ちゃんの事を語るのに、時間の優劣なんてないよ。どれだけ濃い時間を過ごしたか。どれだけ濃い思いを寄せたか」

 

...なんか、流れがおかしくなり始めた。

 

ぶっちゃけ私が妹ポジか姉ポジかなんてどうでもいいのだが、それは本人だからなのだろうか。

この状況をどうにかしてもらえないだろうか、と遥と雫を見てみると、2人は珍しいものを見ているように目を見開いていた。

 

「珍しいね。愛莉はともかく、みのりが誰かと言い合いになるなんて初めてみたかも」

 

「これがこの間遥ちゃんが言っていた、『チャンスを逃さない』っていうやつね。もう見られないかもしれないし、よく見ておかないと」

 

見てないで止めて。

 

というか、今更だけど遥たち、お互いを名前で呼び合う程度には仲が深まっているようだ。

まだみのりが相手のことをどう呼んでいるのかはまだ確認できてないけど...私をトレースしているのだとしてもベースはみのりなのだし、そこは心配しなくてもいいか。

 

「桃井さんは瀬名ちゃんの魅力にほんの少し触れただけだよ。私はその奥底まで知ってる」

 

「あ、あんたねぇ...!」

 

やっぱり心配するべきだったかも。

というか、愛莉のこめかみがピクピクしだした。そろそろ止めなければいけないだろう。

 

あぁ、もう。

元の純真無垢なみのりを返して...変えたのは私か...。




やだ、うちのみのりちゃん、重すぎ...?

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