マイペースに書き綴っておりますのでよろしければお読みください。
「ぎりぎり間に合いましたね………」
わたわたと教室に入って先生がいないことに安堵しつつ、席に着く。
ふ、と息をついていると、轟くような声が廊下から響く。
「わーたーしーがー?普通にドアから来たー!」
オールマイト先生だ。
彼の登場で、クラスメイトたちが湧き上がるのをみるとさすが、ナンバーワンヒーローなんだな、と思う。
けど、と少し怖くなった。
「オールマイトだ!」
金髪の子が嬉しそうに言う。
「すげえや!本当に先生やってるんだな!」
と切島くんが拳を握った。
「あれ、
と言う梅雨ちゃんに、シルバーエイジって何?とか聞けなかった。
「画風違いすぎて、鳥肌が…」
なんで同じ空間にいるのに画風が違うのかわたしも気になるよ。バグかな?と尾白くんに心の中で話しかける。
オールマイト先生が教壇に立つ。
「わたしの担当はヒーロー基礎学。ヒーローの素地を作るため、さまざまな訓練を行う科目だ。単位数も最も多いぞ。」
座学じゃないのか…。訓練…嫌いじゃないけど本当は自分のペースでやりたい。
あんまり人前で
うっかりそんなことがバレたら主に個性届の偽造とかで校長先生にも迷惑がかかってしまう。
「早速だが今日はこれ!戦闘訓練!」
と言って「Battle」と書かれたカードを掲げた。
「そしてそいつに伴って…こちら!」
と言う言葉に合わせて教室の壁から棚が迫り出してきた。
「入学前に送ってもらった個性届けと、要望に沿ってあつらえた
「コスチューム…!」
緑谷くんは感慨深そうに繰り返す。
「着替えたら順次グラウンドβに集まるんだ。」
と言う言葉で一旦解散となった。
「あれ?弓月なんでカバン二つあるの?」
三奈ちゃんに聞かれる。
「ちょっと、コスチューム自分で考えられなくてデザインを丸ごと人にお願いしたんですけど、決まりきらなくて2パターン頼んだんです。」
「ほえーそうなんだ。そういう頼み方もあったんだね。」
ミッドナイトさんの頑張りを無下にはできなかった…と過去の自分に遠い気持ちを馳せた。
でも今日、どっち着ようかな。
「三奈ちゃん、スカートスタイルとパンツスタイル、どっちが好きですか?」
とりあえず三奈ちゃんに聞く。
「えー?じゃあスカートがみたい!」
「じゃあ今日はそっちにします。」
「やったー!!!!!」
要望通りに誂えてもらった膝丈のスカートが揺れる。
スパッツの上からホルスターを巻いた。
紺色の布地にゴールドのボタン。
ボタンの色に合わせたパイピングが綺麗に布地の縁を彩っている。
着替え終わって、カバンの底に軍帽に近いデザインの帽子が入っているのを見つける。
コスチューム制作の方が付けてくれたのだろうか。
ありがたいので、髪は低めにくくって帽子を被って更衣室を出た。
「弓月のコスチュームめちゃめちゃ可愛いね!」
と三奈ちゃんが言うので変ではないだろう。
でもミニスカじゃないんだー。弓月ならミニスカに合いそうなのになぁーーー。と三奈ちゃんがじたじたしている。
「足の付け根があまり細くないので出来れば出したくないんですよね。」
最もらしい理由をつけてミニスカは履かないと伝えた。
「格好からはいるってのも大切な事だぜ少年少女!」
グラウンドに集合した私たちにオールマイト先生はそう言った。
「自覚するのだ。今日から自分はヒーローなんだと!」
みんなの顔が心做しか凛々しい。
「いいじゃないかみんな。かっこいいぜ。さあ始めようか。有精卵ども!」
まだ生まれてもないのか私たち。
「あっ、デクくん!かっこいいねぇ地に足着いた感じ!」
麗日ちゃんの声で振り返る。
今回ばかりは緑谷くんがテンパるのも仕方がない。
「要望ちゃんと書けば良かったよ…パツパツスーツんなった。恥ずかしい…」
そう、麗日ちゃんの
ちなみに梅雨ちゃんもぴったぴただったし、八百万ちゃんに関しては露出が多すぎる。
「ヒーロー科最高…!」
と紫の小柄な男の子が言う。
この子下心しかないのかな。と思う。
「さあ、戦闘訓練のお時間だ!」
「先生!ここは入試の演習場ですが、また市街地演習を行うのでしょうか?」
と、飯田くん。
「いいや、もう2歩先に踏み込む。
そのままオールマイト先生は続ける。
「監禁、軟禁、裏商売…このヒーロー飽和社会…真の賢しい
「基礎訓練なしに?」
梅雨ちゃんが問う。
「その基礎を知るための実践さ!」
「ただし、今度はぶっ壊せばOKなロボじゃないのがミソだ。」
「勝敗のシステムはどうなります?」
八百万ちゃんが質問する。
「ぶっ飛ばしてもいいんすか?」
ほんと爆豪くんって懲りないな。
「また、相澤先生みたいな除籍とかあるんですか?」
麗日ちゃんは不安そうだ。
「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか?」
飯田くんは挙手して話す。
「このマントやばくない?」
きらきらしい青年がマントをひらめかせる。なんで?
「んんー聖徳太子!」
オールマイト先生でも聖徳太子にはなれないようだった。
「いいかい?状況設定は、
「コンビおよび対戦相手はくじだ!」
「適当なんですか?!」
飯田くんが声を荒げかけた。
「ぷ、プロは他事務所のヒーローと急造チームアップすることが多いし、そう言うことじゃないかな?」
と緑谷くんが飯田くんを諌める。
「そうか…先を見据えた計らい。失礼いたしました!」
きっちり90度に腰を曲げた。
「いいよ!早くやろう!」
あ、でも。とオールマイト先生が付け足す。
「このクラスは奇数だからね。相澤少女。君についてはまだ他と組ませない方がいいと相澤くんから聞いている。」
ざわりと周りがどよめいた。
「あぁ、わかりました。」
「え?なんでダメなんですか?!」
三奈ちゃんが不公平だと訴える。
「わたしの個性が不安定だからですね?」
オールマイト先生に、それで同意しろと暗に示しつつ、質問を呈する。
「あ、あぁ、そうだよ。相澤少女の個性はまだ味方を巻き込んだ使い方は厳しいと聞いている。」
空気を読んでくれたオールマイト先生が肯定する。
「私のこと助けてくれた時はそんなふうに見えなかったです!」
三奈ちゃんが抗議してくれる。嬉しいけどね。
大丈夫ですよ。私も納得してますから。と三奈ちゃんを制する。
「でも、相澤少女。君だけやらせないという訳にも行かないよね。だからどうだい?最後にエキシビジョンマッチなんて言うのは。」
オールマイト先生がびし!と自らを指さした。
なるほど、生徒とは混ぜたくないけど、先生ならいいってことか。
いい提案だなと思った。オールマイト先生とは戦ったことがない。
「そうなるとここだけ1対1になるってことですかね?」
肯定が返る。入試1位の君の実力、見てみたかったんだよね!と話すオールマイト先生と戦うのは、すこし、いやすごく楽しみだ。
「是非、やりましょう。」
唇が弧を描いた。
爆豪くんからの視線はもう殺意でも混ざってるんじゃないかってくらい突き刺さってきた。
…出血多量で倒れちゃいそう。心が。
いろいろ考えては見たのですが、3人でやるっていうのもなかなか難しそうだなぁと思い、弓月ちゃんには高い壁を知ってもらおうと考えました。