魔法使い、ヒーローになります!   作:ysrm

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お気に入り、感想、ここすき、誤脱のご連絡ありがとうございます。
都合上視点変わりまくりです。すみません。


魔法使いのクラスメイト達

──Side 爆豪

 

「俺と組め!」

「ねえ爆豪、私と組も?」

「…僕でしょ?ねえ?」

俺を取り巻いている連中がクラスにいるこたぁ知ってるが、個性は知らねえ。

ついでに言やぁ名前も知らねえ。

 

「てめえらの個性知らねえ!なんだ?」

「B組ならまだしも、」

「周り見てねえんだな…。」

黒目とゴリラが呆れたように言う。

てめえらが目立たねえのが悪ぃだろ。

モブのことまで覚えておく頭の容量が勿体ねぇ。

 

周りに目を走らせる。

あのクソアマ、何処のどいつと組むつもりだ。

 

モブと話しているところが視界に入った。

あのヒョロガリなモブと組む気かよ。

ちったぁ戦いごたえ見せろよ。

 

近くにいる尻尾と見たことねえモブを引っ叩いている。

どういうつもりなんだ。意味がわからねぇ。

 

「おい、轟のやつ即行チーム決めやがったぜ。爆豪!俺と組もう!」

あぁ、こいつは誰だったか。

根性はあったような気がする。

 

「クソ髪。」

「切島だよ!覚えろ!お前の頭とそんな変わんねえぞ。」

噛みついてくるクソ髪は更に続けやがる。

 

「おめえ、どうせ騎手やるだろ。そんならおめえの爆発に耐えられる前騎馬は誰だ。」

「根性あるやつ。」

肘から先を硬化してみせるこいつにとりあえず返事を返してやる。

 

「違うけどそう!硬化の俺さ!ぜってえブレねぇ馬だ。取るんだろ?1000万!」

俺の爆発に耐え切れるっつうなら確かに魅力的じゃああるな。

 

「んじゃあそこの黒目としょうゆ顔。んで4人だ。」

「え?いいの?」

「あー、うん。よろしくな。」

あの女にゃ負けねえ。

もちろん、デクにもだ。

あいつら全員ぶっ殺して俺が1位を獲る。

 

 

 

──Side 障子

 

「障子、障子ぃ!」

「ん?」

自分の遥か下から声が聞こえる。

峰田だろうか。

 

「女と組みてえけどダメだ!おいらと組んでくれーーっ!」

なんだその理由は。

そんな理由で組むと思うのか、と背を向けて歩みを進める。

 

「おいらチビだから馬にはなれねえ。おいらが騎手じゃ誰も馬なんてやってくれねえんだ。お前の巨体と触手ならおいらの体、すっぽり覆えるだろ?」

確かにそうだ。

峰田はかなりの小柄。

俺の体格なら、いけるかもしれない。

 

複製腕を伸ばして泣きながら演説する峰田に複製した口を近づける。

 

「名案だ。峰田。」

うまくやれば、相澤にも轟や爆豪にも、そして緑谷にも勝てるかもしれない。そう思った。

 

 

 

──Side 緑谷

 

やっぱり同じ組同士で組むよな。

他クラスの個性なんて把握してないし、僕も早くどうにかしなきゃ。

 

…超避けられてるこの現状を。

 

「あのぉ、砂藤くん。」

「…悪りぃな。」

砂藤くんは後ろめたそうに僕のそばから離れていく。

 

やっぱり保持し続けるより終盤で奪うとかの方が戦法として理にかなってるもんなぁ…。

轟くんやかっちゃん、そして相澤さんと違って個性もちゃんと見せてないから信用もない。

 

「デクくん!組もう!」

「う、麗日さん!」

ギシギシと固まった首元を回して振り返ると麗日さんがいた。

滝のように涙が溢れる。

 

「い、いいの?!多分僕1000万故に超狙われるけど…。」

「ガン逃げしたらデクくん、勝つじゃん!」

驚いて涙が止まる。

 

「えっ、それ過信してる気がするよ麗日さん。」

「するさ!何より仲良い人とやった方がいい!」

麗日さんの満面の笑みにぎゅんときた。

 

「どうしたの?!不細工だよ?」

「う、ぁあいや、直視できないくらいうららかで…」

ごしごしと目元を擦る。

 

「実は僕も麗日さんと組みたかったんだ。ありがとう。チームを組むならなるべく意思疎通がスムーズにできる人が望ましいもの。」

「うん、うん、うん!」

麗日さんはうららかに頷きを返してくれる。

 

「実は、麗日さんの個性ともうひとりである策を考えついたんだ。」

麗日さんとふたりで飯田くんの元へと向かう。

 

「飯田くん!」

「ん?」

ぐっとふたりでハンドサインを繰り出して飯田くんを呼び出す。

 

「飯田くんを先頭に僕、麗日さんで馬を作る。そんで麗日さんの個性で僕と飯田くんを軽くすれば、機動性は抜群。」

「なるほど!」

麗日さんの相槌を聞いてそのまま続ける。

 

「騎手はなるべくフィジカルが強い人がいいけど…まだ、決めかねてる。とにかく、逃げ切りを可能にする策はこんくらいしか。」

「流石だ、緑谷くん。」

飯田くんの褒め言葉と、それにそぐわない表情に驚いた。

 

「だがすまない。断る。」

「えっ?」

 

「入試のときから君には負けてばかり。素晴らしい友人だが、だからこそ、君についていくだけでは未熟者のままだ。」

かちゃりと飯田くんはメガネをあげなおした。

 

「君をライバルとして見るのは爆豪君や轟君だけじゃない。俺は、君に挑戦する。」

そう言って飯田くんは轟くんたちの元へと歩みを進めた。

 

「飯田くん…。」

もう、騎馬戦は始まっている。

全員敵。

そうだ、僕は今トップ。

友達ごっこじゃ、いられないんだ。

 

「ふふふ、やはりいいですねぇ。目立ちますもん。」

後ろから機械音と共に女の子の声が聞こえた?

 

「私と組みましょう、1位の人!」

「わ、わぁ!ちっかい!誰?!」

ゴーグルが鼻先に触れそうな距離にその子はいた。

 

「ふっふふふ、私はサポート科の発目明!」

「あっ!あのときの妙な人!」

麗日さんがいうあのときがいつなのかわからないけど、今目の前にいる時点ですでに妙だ。この人!

 

「あなたのことは知りませんが、立場利用させてください。」

「あ…あけすけ。」

 

 

「あなたと組めば必然的に注目度がナンバーワンになるじゃないですか。」

 

「そうすると必然的に私のドっ可愛いベイビーたちがですね。大企業の目に留まるわけですよ。」

 

「それってつまり、大企業の目に私のベイビーが入るってことなんですよ!」

「ちょ、ちょっと待って。ベイビーが大企業?何を…」

麗日さんの言葉に耳も貸さずに僕にずいずいと歩み寄り続ける発目さん。

 

「それでですねえ、あなたたちにもメリットはあると思うんですよ。サポート科はヒーローの個性をより扱いやすくする装備を開発します。ふふふ、私ベイビーがたくさんいますので、きっとあなたに見合うものがあると思うんですよ。」

がさごそと鞄を漁りながら話し続ける発目さんを見つめることしか僕にはできなかった。

 

「あっ、これなんかお気に入りでして。とあるヒーローのバックパックを参考に独自の解釈を加えて作った…」

「それひょっとしてバスターヒーローエアジェット!?僕も好きだよ!」

バックパックを手に取ってしまった。

 

「ほんとですか!」

「うん、事務所が近所で昔見学させてもらったことがあってね!」

思ったより気が合う人だった。

 

飯田くんと組めなかったことはかなり痛い。

でも、発目さんと麗日さんとなら…いけるかもしれない。

これであとひとり。

 

周りを見渡すともうだいぶみんな固まっている。

僕らの騎馬に足りない力はなんだ?

そしてそれを補えるのは誰だ?

 

周りを見渡して、ピンときた。

 

「デクくん?」

足を動かし始めた僕を見て麗日さんが心配そうに声をかけてくれる。

他の誰かに彼を取られるわけには行かない、と思うと足が逸る。

 

「君だ…!」

ぼくは目的の彼の肩に手を置いた。




明日は弓月ちゃんの騎馬集めです。
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