アンテナ(だけ)でダンジョンに行くのは、流石に間違っている。 作:クロジャ/時々シロジャ
【いちごおばけ】、それは物語も序盤も序盤で現れる、いわゆるスライム的存在。
大抵の人はこいつをまず滅多打ちにし、レベルを上げるだろう。レベル2への一歩はだいたいこいつだったりする。自分もなんならそうだった。
アンテナを使わずとも、【せつやく】で倒せるし、特になんでもない普通の敵ではあるのだがーーこの場では別。
なぜ、いる。
「まさかこの世界は電波人間の世界?いや、でも両親も村のみんなも、見る限り普通の人間だった。アンテナらしきものも生えてないし、頭も別に変な形の人はいなかった。ということは、自分たちは地底人的存在、なのか?」
たかが【いちごおばけ】かもしれないが、なにもわからないこの世界では、そのたかがで一気に色々と状況が変わる。
こいつは倒せるのか、そもそも倒す必要があるのか、倒したところでなにか変わるのか、脅威なのか、誰かを襲うのかーー村のみんなに危険が及ぶのか。
「【せつやく】なんかは使えないし、そもそも自分の攻撃でダメージは与えられるのか?いっそのこと使ったことはないけど、攻撃系のアンテナを使うしか....」
未だ動じず、何もしない【いちごおばけ】に、そういえば、舐めるを喰らったっけ、なんて考えーー
ーーそなたよ、とりあえず落ち着け
「へぁ⁈」
喋った?【いちごおばけ】ってあれ喋ったっけ、というかいまの声どこかで、そうだそういえばこの世界に来た時の、ってあぁ‼︎
「おま、あんた、あの時の!」
ーーなんだ、覚えておったか
【いちごおばけ】から発せられる、あのなんともいえない声質。実に八年ぶりに聞いた声に、いろんな感情を起こしつつ、ひとつの仮説が浮かぶ。
「...【いちごおばけ】だったのか、あんたの正体」
ーーそんなわけなかろう。こちらも事情があるゆえ、このものに取り憑いた。どうだ、愛くるしかろう?
「はぁ」
愛くるしい、愛くるしい....ちょっと分からない。
スライムは分かるが、【いちごおばけ】は分からない。
ーー反応が冷たいな、そなた。まぁ、よい。時間もあまりないのでな、早めに済まそう
「用事?」
ーーそなたに伝えるべきことを色々と忘れていた。私も初めてでな、許せ
なるほど、キレそう。
忘れていたと言う割には、高圧的すぎないか、こいつ。もうなんか、相手が神だったとしても、殴りかかれそう。
ーー簡潔に言おう。この世界は『ダンまち』という世界だ。そなたの記憶を覗いたときに、真っ先に出てきたのでな、パッと見で選んだ
「パッと見」
異世界っぽい雰囲気から、戦闘系かなとか仮説は立てていたが、そうか、ダンまちか。神いるんか、この世界。
でもなー、あんまし詳しくは知らんのよなー。大まかな人とか、流れは分かるんだけど、詳細はちょっと無理。というか、パッと見て。
ーーそれとそなたに与えた能力。あれは、ステータス、と呟くだけでも言えば、詳細が見れるぞ。
「あぁ、うん、それは知ってる」
異世界転移ものあるあるの、初っ端ステータスコールはすでにクリア済み。データ状に出てきた画面には、確かに自分の使える能力が書いてあった。
.......あれ、でもこの世界、ダンまち、なんだよな。ステータス画面、じゃなくて、あれファルナ、神の恩恵は?
ーーそうか、ならばもう知ってあるだろうが、そなたは
「は」
神の恩恵、受けられない?
神の恩恵ありきで進められてる話なのに?
受けられない?
ーーなんだ、その驚いておる顔は。ちゃんとステータスの下に書いておいただろう
下、下...?
※神の恩恵及び神の影響を受けられません、ご注意ください。.....書いてある、確かに書いてあるんだけどさぁ.....あの、やり方が食品に小さく記入してある、個人の感想です、と同義なんだが。
「小さすぎるだろ......」
というか、これ見つけてたら、一瞬でこの世界がダンまちだってわかったじゃん....。
ーーふむ、なるほどな。能力をあまりにも活用しないものだから、どうしたのだと考えていたが....まさか知らなかったとはな
「いや、見なかった自分も悪いけど、最初に説明くれればさぁ....」
ーーなに、過ぎたものは仕方あるまい。これから努めよ。.....念の為と思い、連れてきたのは正解だったな
あっけらかんと言った様子。勝手に棚に上げないで欲しい。説明義務を果たさなかったのは、そっちなんだからな...!
にしても連れてきた、ということはこの【いちごおばけ】は、ひょっとして自分の特訓用.....?
ーー私はもうじき離れる。そうすれば、襲ってくるだろう。倒せなければ、もちろんそなたの村を襲うだろう。仲間を呼ぶかもしれん
違った、こいつ本番用だわ、いきなりド初っ端から、本気の戦闘を用意するとか鬼畜か。仲間を呼ぶかも、とか言ってるし、さらっと村を人質に取ってるし。
ーー最後になにかないか。ないのならば、早々に始めてしまうが
「一つだけ、質問いいか」
ーー...なんだ、もう時間はあまりないゆえ、手短にな
手のひらでずっと転がされていた(気がする)から、少しだけやり返し、もしくは八つ当たり。いや、八つ当たりではないか。
「最初、舐めてきたのは、あんたか、それとも【いちごおばけ】か?」
ーー........ではな
逃げたな。理由は知らんが、舐めたのはあいつっぽい。やり返し成功.......舐めてきたのはホントに謎だけど。まさかと思って問いかけてみただけだけど、まんまと成功してしまった。
【いちごおばけ】が目覚めるよりも前に、念の為に自身を強化しておく。決してズルではない。戦いにズルもへったくれもない、死ねば終わり、どれくらい強いのかも分からないなかでの慢心は危険すぎる。
「すごくかたくなれ」
MPは既に心許なくなっているが、背に腹はかえられない。生身で戦えば確定で死ぬだろうし、【ちょっとつよくなれ】で強化しても、今の自分じゃたかがしれてるだろう。攻撃系のアンテナに頼るのが一番だ。
....いや、これ攻撃してしまうか。わざわざ目が覚めるのを待つ必要性なんかないもんな。
まだ覚めるなよ〜と念じながら、こちらにきてから初めてのアンテナを使う。どうなるか分からないが、なるようになれ。
「ひのたま」
どこからか現れた数十センチほどの火が、【いちごおばけ】目掛けて飛んでいく。
未だ眠る【いちごおばけ】は避けることが出来ず、そのまま直撃する。当たった衝撃でよろけ、そのまま倒れ、る、ことなく、そのまま目覚め、自分目掛けて襲いかかってくる。
「あっぶ....‼︎」
間一髪で避けることには成功した。だが、不安が途端に押し寄せる。
【ひのたま】一発で倒せないのは分かっていたが、思っていた以上に【いちごおばけ】が《速すぎる》。
能力を使うには謎の動作に一秒弱かかってしまう。だが、この速さでは容易に追いつかれるだろう。ゲームのようなターン制でもない、リアルな戦い。
あれ、詰んだのでは。
これ作品としてどうなんだろ。夜パワーで書いとるけど、朝とか昼とかにみたくない。絶対駄作やん。
こんなの見てくれてありがとね
誰と戦わせる?
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アルファア
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ザルド
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その他
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え、どっちも逝くの?死ぬぞ?作者が