東方 人妖伝   作:無限バンダナ

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よし、やるか


序章 幻想郷
第一話 登場


 

少年「...どこだ、ここ...」

 

少年は呟く。

自分達は近所の神社で遊んでいたはずだ。

夕暮れになり帰ろうと、鳥居をくぐった瞬間、目の前が真っ暗となり、気づけばそこら中に墓地が立つ、見知らぬ場所に居た。

 

少年「ゆりぃー!どこだー!」

 

名を呼ぶ。直前まで一緒に手を繋いでいた妹の名だ。

気づいた時にはその手に妹の手は繋がれていなかった。

とはいえ、共にこの場所に来た可能性は高い。

自分もそうだが、いきなり見知らぬ、しかも異様な雰囲気のある場所に放り込まれた妹の事を考えると不安でいっぱいになった。泣いていないか、怪我をしていないか、もしかしたら...そう考えると恐怖でどうにかなりそうだった。それでも不安と涙を押し殺し、必死に妹の名前を呼び続ける。

 

ふと、気配を感じ林の方に目をやる。見えてはいないが明らかに"何か"がそこには居た。気のせいか唸るような声も聞こえた気がした。その何かはゆっくりとこちらに近づいてきた。

 

少年「な、なんだ?なんだよ、これぇ」

 

その何かは明らかに人では無かった。まして熊や鹿といった獣でも無かった。少年は初めて見る、あまりにも現実離れした姿にただ恐怖した。

 

少年「ば、化け物...」

 

妖怪A「ニンゲンダ、シカモ"ソト"カラ...」

 

妖怪B「モウナンネンモ、オレラニンゲンクッテネェナ」

 

妖怪C「ギャッギャッ、ソトカラナラ、アノカタモモンクナイダロウ」

 

...妖怪。獣型の妖怪が3、4匹近づいてきた。

言葉の意図はわからなかったが、少なくとも自分を食べようと狙ってきた事は幼ながら本能で理解できた。

 

少年「...嫌だ、もう嫌だよぉ...ぐずっ」

 

あまりの恐怖に脚がすくみ、動くことができない。

そのうち、妖怪がこちらに口を開いて向かってきた。

 

少年「うああああああああっ!!!!」

 

反射的に目を閉じうずくまる。もうだめだ、食われる。そう思った次の瞬間、

 

ゴッパァーンッ!

 

激しい不快な音が鳴り響き、直後何か液体のようなものが打ち付けられる音がした。不思議と痛みは無かった。

少年は恐る恐る目を開けてみた。

一瞬、何が起こったかわからなかったが、目を前にやると、誰かがいるのがわかった。

 

妖怪B「オ、オマエ八ッ!」

 

???「...怪我ねぇか?坊主」

 

少年「...っ」コクコクッ

 

この男が助けてくれたのだろうか。状況がいまいち掴めない中、周囲を見渡してみる。そこには襲ってきた妖怪だったものが広く飛散していた。嗅いだことの無い異臭は少年の鼻腔を強烈に刺激し、それは非常に不快なものだった。

 

少年「うっ、おええぇ、...ゲホッゲホッ」

 

???「...目と耳塞いでろ。安心しな、こいつらすぐに消してやるさ」

 

妖怪B「アァ?ヤッテミロヨ!」

 

妖怪C「テメェモクッテヤルゥ」

 

???「...上等だ」

 

ズゴッ、グチャ、パァーンッ!

 

男は棒のようなものを振り回し、ただひたすらに乱暴に妖怪達を細切れにしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妖怪「...グッ...ギッ...」

 

???「完全には殺しはしねぇさ、ちょっと眠ってもらうだけだ」

 

ドスッ

 

男は妖怪にトドメを刺し、ふうっと息を吐く。

そして振り返って縮こまっている少年の方に近づいた。

 

???「終わったぜ、もう大丈夫だ。...まぁ水でも飲んで落ち着けよ」

 

恐る恐る立ち上がる少年に、男は水の入った筒を渡した。既に妖怪達の姿は無く、少年はとりあえず命が助かったことに安堵した。まだ気分は悪いが、ならべく周囲を見ないようにした。

 

少年「...ありがとうございます。あの...」

 

???「剛鬼だ、俺が安全なところまで連れてってやるよ。坊主、名前は?」

 

少年「優太といいます。」

 

少年は少しずつ落ち着きを取り戻してきていた。

ふと、少年は我に返ったように重要なことを思い出した。

 

優太「...ゆり。...っ!!そ、そうだ、ゆり!ゆりは!?」

 

剛鬼「ゆり?」

 

優太「僕の妹ですっ!気づいたらいなくて。で、でももしかしたらこっちに来てるかもしれなくて...どうしよう、ゆりに何かあったら...」

 

先程の妖怪の件もあり、少年は再び不安になる。

 

剛鬼「探そう、近くにいるはずだ。」

 

優太「...はいっ!」

 

???「キャアアアアッッ!!」

 

刹那、少女の叫び声が鳴り響いた。

 

優太「ゆり!?」

 

剛鬼「いくぞっ!」

 

剛鬼は優太を抱き抱えると同時に声の元へ走り出した。

 

草をかき分け、林を抜けると、そこにはぐったりする少女の姿。そして今まさに獣型の妖怪達が少女を喰わんとしていた。

 

それを目にした剛鬼は、頭の中で何かが弾けるのを感じた。思い出したくも無い、嫌な光景が入り込んでくる。

 

剛鬼「っ...!」

 

ゴッパァーンッッ!!!!

 

刹那、尋常じゃない速度と殺意で振りかざされた棒により、妖怪達は瞬く間に肉塊へと変えられた。

 

剛鬼「...はぁ、はぁ、...くそが...」

 

落ち着きを取り戻しつつ武器を払い、血振りする。

らしくもない、感情的になるのはいつ以来か。

剛鬼は反省しつつ、少女を抱き抱え少年の元へ近寄った。

 

 

剛鬼「...どうやら無事みてぇだな、こいつが妹か?」

 

優太「はい!よかったっ、本当に無事でよかったっ。剛鬼さん、妹を助けてくださりありがとうございます!」

 

剛鬼「いいってことさ。...それじゃあ、はやいこと博麗神社に向かうか。」

 

 

 

 

 

 




切り時がわかんねぇ、こんなもんでええかな?...恥ずかしくなってきたw
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