東方 人妖伝   作:無限バンダナ

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前回までのあらすじ!

結界の緩みにより、意図せず幻想入りしてしまう子供達!
妖怪にあと一歩襲われるところを謎の屈強な男、剛鬼に豪快に助けられる!
その後、剛鬼の提案により、子供達は元の世界へ帰してくれるという博麗神社へ足を運ぶのだった!




第二話 博麗神社

優太「博麗神社...ですか?」

 

意識を失っている妹、ゆりを背負いながら尋ねる。

 

剛鬼「ああ、そこの巫女さんならお前たちを元の世界に帰してやれるだろうさ」

 

優太「本当ですか!」

 

剛鬼「ああ、お前たちは俺が責任もって帰してやる。安心しな。...さて」

 

剛鬼「博麗神社までは歩いて行けなくもない距離だが、数時間はかかっちまう。それに夜の森は奴らが黙ってねぇ。そこでこいつだ」

 

俺は腰のポーチから複数の御札を取り出し見せた。

 

優太「それは?」

 

剛鬼「こいつは物体を転送できる便利な代物だ、いわゆる瞬間移動ってやつさ。」

 

御札を地面の四方四隅に置き、四角い枠が出来るように配置した。

 

剛鬼「内側に入るんだ、じき転送が始まる。」

 

優太「よいしょっと、入りました」

 

剛鬼「よし、いくぞ」

 

数秒後、視界が眩い光に覆われる。しばらくしてゆっくり目を開けると先程とは別の場所に居た。

 

剛鬼「...到着だ。ここが博麗神社。そして...」

 

目の前に赤い巫女服を纏った女性が立っていた。

 

 

???「私は博麗の巫女、博麗霊夢。よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 

剛鬼「...寝たか?」

 

霊夢「ええ、よっぽど恐ろしい体験をしたのね。なかなか寝付かなかったわ」

 

2人が寄り添って寝息をたてているのが聞こえる。

霊夢は2人が寝ている部屋の襖を静かに閉じ、縁側に座り込む。

 

剛鬼「転送は明日やるのか?」

 

霊夢「そうね、今日はもう遅いし、やる気じゃないしね」

 

剛鬼「そうか」

 

全く相変わらず怠惰な巫女だ。しかし、その言葉の影にはあの2人を気遣う霊夢の優しさもあるのだろう。

ここに来るまで気を失っていた少女、ゆりはしばらくして目を覚ましたが、やはり短期間に様々な事が起こり、軽くパニックになっていた。その後は霊夢や優太のお陰で今は安心したようだった。

 

剛鬼「...それにしても、最近は不慮の幻想入りが多いな。」

 

このような事故は今年に入ってもう4件目だ。

これまでは数年に1、2件だった。結界が不安定になっているのだろうか。

 

霊夢「そうね。事が大きくならなければいいけど。」

 

霊夢は博麗の巫女として幻想郷を監視しており、結界の管理も一部任されている。その時になればアイツと共に動くだろう。

 

霊夢「さてと、あんたももう寝れば?監視は私がやっとくから」

 

剛鬼「いや、俺がやろう。お前は明日の転送のために万全にさせておきたい。それに...」

 

剛鬼「夜は嫌いだが、この上なく好きでね」

 

霊夢「...よくわからないけど、お気遣いどーも」

 

 

 

 

 

 

 

 

夜が明けた。結局あの後妖怪達は襲ってこなかった。

やはり神社付近は巫女を警戒しているのか、安易には近寄ってこないらしい。

 

霊夢「ふぁ〜ぁ、おはよう、監視ご苦労さま」

 

霊夢が近づいてくる。その後ろに子供達2人がついてくる。

どうやらぐっすり眠れたらしい。

 

剛鬼「寝癖ついてんぞ」

 

霊夢「あら、ほんと」

 

優太「おはようございます剛鬼さん」

 

ゆり「...おはよう...です...」ペコリッ

 

剛鬼「ああ、おはよう。眠れたみてぇだな。」

 

優太「はい、剛鬼さんが一晩僕たちを守ってくれたと霊夢さんから聞きました。本当にありがとうございます!」

 

ゆり「...ありがとう...です...」ペコリッ

 

優太は昨日から話しているからある程度打ち解けていた。

ゆりの方は初対面であり、俺自身が話しかけやすい容姿ではないのか、少しぎこちなかった。

 

剛鬼「いいってことよ。それより、これからやるのか?」

 

霊夢「ええ、すぐに準備するわ。少し待ってて」

 

 

 

 

 

 

 

 

霊夢「お待たせ、それじゃあやるわよ」

 

霊夢は御札を取り出す。幻想郷から外の世界へ転送させることのできる特別な御札だ。霊夢はそれを地面に配置していく。

 

霊夢「これでいいわね。さ、2人とも中に入って」

 

2人は札の内側に入る。すると、札が淡く輝き出した。

 

霊夢「これからあなた達を元いた神社に転送します。...申し訳ないけど、ここでの出来事は全て記憶を消させてもらうわ。その方があなた達にとっても都合が良いと思うの。いいわね?」

 

優太「はい」

 

ゆり「...」コクッ

 

霊夢「...それじゃあ、お別れよ」

 

剛鬼「もう来んじゃねぇぞ」

 

次第に光が強くなっていく。その時、ゆりが大きく口を開けた。

 

 

ゆり「お、おにいちゃん!」

 

剛鬼「?」

 

ゆり「ゆり達をた、助けてくれて、」

 

ゆり「ありがとう!」

 

...眩い光が消え終わると2人の姿はもう無く、使い終わって燃えて塵となった札だけが残っていた。

 

霊夢「どうやら上手くいったみたいね」

 

剛鬼「ああ、ご苦労だったな」

 

霊夢「これくらいなんともないわ、それにしても」

 

霊夢がこちらの顔をニヤニヤしながら覗いてくる。

 

霊夢「満更でも無いって顔してるじゃない」

 

剛鬼「...いってろ」

 

感謝されるためにやっている訳ではないが、まぁ、悪くは無い。

俺は咄嗟に顔を逸らしつつ、階段方向へ足を進める。

 

剛鬼「...俺は帰って寝る、またな」

 

霊夢「ええ、また」

 

まだまだ寒い日が続く3月の朝日が、その日は不思議と心地よく感じた。

 

 

 

 

 

 




むぅ、なかなか進まんな(´・ω・`)
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