それとシュヴァルツェスマーケンを見ていると本編がいかに平和かがわかる。というかシュバルツェスマーケンが悲惨すぎるだけかもしれないが
……正直に言って、今回侵攻してきた連中は全て殲滅すると決めていた。いくら油断していたとはいえ家に土足で上がられたのだ。俺が仕掛けていることだとしても許せることではなかった。
だが、俺はそれを見たときに一瞬で虜になった。20世紀にいるとは、それこそ21世紀でもありえないと思っていた二足歩行のロボットに俺は一目ぼれしていた。しかも明らかな試作ではなくいろいろと問題はありそうだがロボットとして完成されたその機体性能は目を見張るものがある。別に前世の俺はロボットにはまるようなやつではなかった。むしろ戦艦や空母の方が好きな方だ。今でもそれは変わらないがあれを見た時から俺の中にはある欲望が渦巻いた。
-あれを無傷で手に入れ技術を模倣して自分だけのロボットを作りたい
そう思った俺は罠の内容を変えた。本来の予定ではメインシャフト中央部まで降りたロボットを上下からの100を超えるレーザー級の一斉攻撃で殲滅する予定だっただが、それを変更して逃げられないようにしつつ下へと誘導した。結果的に10機のうち8機は墜落したがうち2機は上半身と下半身がそれぞれ無傷に近い状態で残っている。解析する事は出来るだろうがやはり無傷の機体が欲しい。
「人類のために人類を裏切らないか?」
ゆえに予備の人間級を持ち出して彼らと交渉を試みた。十中八九失敗すると理解してなおだ。当然、彼らからの反応は警戒だった。
「人類のために人類を裏切る? 矛盾しているように感じられるが?」
「そうではないさ。お前らがこちら側につくというのなら一定数の人間を生かそう。生きていくに必要な土地は残し、決して君たちの存在を脅かさないと誓おうではないか。もちろん、生き残らせる人類は君たちで決めていいさ」
「都合がよすぎるな」
隊長らしき男の声は明らかにこちらを敵として認識し、交渉は応じるような相手ではないと分かる。こいつはどれほど絶望的、今のような状況なら少しでも多くのBETAを道連れにして戦死するのだろう。正直に言ってこいつは真っ先に始末するべき相手だったな。
「お前たちにとっても悪くはない内容だとは思うのだがな。このままいけば人類は滅亡するというのにそれを回避できるのだから」
「ふ、本気で人類を滅亡させられると思っているのか?」
「逆に問うが俺たちは人類を滅亡させられないと本気で思っているのか?」
「それは……」
隊長が言葉に詰まった。当然だ。発展途上国とはいえ明らかに前世の中国より力を持っていた中華人民共和国を滅亡寸前までに追いやっているのだ。ロボットの登場でどうなるかは分からないが人類では対抗するのは難しい存在なのだ、我らBETAは。
「どうだ? 別に今決める必要はない。持ち帰って党とやらに報告しても構わんぞ?」
「ほう? この場から逃がすと?」
「そうだな。だが、そのおもちゃからは降りてもらうがな。さすがにそんなものを無傷で帰らせたいとは思わない」
あくまで戦力を削ぐという名目でロボットを無傷で回収できるようにする。あれから降りてしまえば後はどうでもいい。奴らを殺しても別に構わないからな。だが、俺の予想通りなら……。
「確かに良い条件かもしれないが貴様らBETAを信用などできない! 我らはたとえ手足をもがれようとも最後まで戦うことをやめたりはしない!」
「うん、だろうな」
交渉は決裂。ゆえに俺はレーザー級に攻撃を行わせた。だが、それは破壊を目的とした攻撃ではない。
「がっ!?」
「隊長!? 一体何g……!」
視認すらぎりぎりの細いレーザーがロボットの膨らんでいる胸のあたりの中心部を貫いた。こういうロボットというのはコックピットが胸か頭部にある事がほとんどだ。複数人乗る場合にはそれ以外にもあったりするが大半はそこだ。そして俺の読み通りに隊長らしき人物と生き残った隊員らしきものは即死した。
あとはこれらを徹底的に解析して自分だけのロボット開発のデータにすればいい。それを細かい作業が出来るという事から栽培級をメインに補助として比較的小型の戦車級を用いて破壊しないように気を付けつつ解体してデータ解析を始める。
それを行わせている間に俺は地上のソ連軍の掃討を……って、言いたいところだが既にそれは始めている。突撃級を先頭に踏みつぶし、生き残った者たちは要撃級と戦車級で掃討する。基本的ないつもの動きだ。これだけで非力な人類はあっけなく死んでいく。このロボットはソ連にとって虎の子だったようで突入した機体以外に確認できていない。ならばこそ敵の地上戦力を今のうちに叩き潰しておくか。そして、慢心していた俺にそれがどれだけいけないことかを教えてくれた彼らには感謝しよう。だから、中国と同じように殲滅してやるよ。中央アジアを突破してモスクワを落としてソ連という国を東西に叩き割ってやる!
ソビエト連邦単独で行われた血旗作戦。これは人類史上初となるハイヴへの突入に成功し、内部の情報を把握する事に成功したが投入された戦術機は1機も帰還できず、さらには地上にて警戒してたソ連軍をハイヴから出てきたBETAが強襲。ほぼ全滅に追いやると中国の時のように報復と言わんばかりにBETAの大群がソ連領の中央アジアに侵攻を開始した。
BETAは東に向かっても西には来ない。そう油断して疎開をしていなかった中央アジアの人々はBETAの侵攻に伴いそのことごとくが犠牲となった。
この侵攻を受け、ソ連は非常事態宣言を発令し、全国民を軍属へと編入してBETAを迎えうった。しかし、これにより非ロシア系の住民はほぼすべてが兵役に就くこととなり、その子供たちは軍人としての教育を受けるなど明らかな非人道的行為であったがBETAという明確な脅威の前にそのことで反発する者はほぼ現れず、声を上げたものは存在その者を抹消されていく事になる。
ソ連領内に侵攻したBETAだが不思議とソ連と他国を理解しているかのようにソ連領内のみに侵攻していた。それを見た他国はこう考えるようになった。
「BETAを刺激しなければ侵攻を受ける事はないのではないか?」
その説はあっというまに世界に駆け回った。その結果として発生したのが国連軍などの共闘の拒否や救援要請を拒むようになった。それはそうだろう。もし、この説が本当であればBETAに手を出さなければ自国が脅かされる心配はないのだ。結果的にソビエト連邦を盟主とするワルシャワ条約機構加盟国と国連の母体ともいえるアメリカ、位置関係から大陸の陥落を恐れる日本帝国や東南アジア諸国以外の国々はBETAとの戦いから遠ざかるようになった。
結果として派兵を続ける国々はBETAを止められるだけの戦力を集める事に苦労していく事になり、次第に派兵ではなく武器供与などで済ませるようになっていき、共産党勢力ということもあって中ソは世界から半ば見捨てられた形となっていき、絶望的な防衛線を強いられることになる。
そして、その結果起こる最悪の結末を予測できる人物はまだほとんど存在しなかった。
BETAが戦術機を用いるという展開は前々から考えてました。どういう感じにするかは未定ですが。
それと現在の地球におけるBETAの進出範囲を簡単に作ってみました。赤い箇所が進出範囲です。
【挿絵表示】
地図は冷戦時使用になってます。
まりもちゃんは
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マミる(原作準拠)
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マミらない(トラウマ回避)
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武の精神をぶっ壊せ(更なるグロ描写)