とはいえ一度の供給率はそっちの方が高いかもしれないが安定的に長期にわたって回収できるメリットも大きいっちゃ大きいと思う。そんな長期戦になるほどBETA相手に人類が優勢になるとは思えないけど。
「くそ! くそ! くそおおおおぉぉぉぉぉっ!!!!」
1979年日本帝国北九州に上陸したBETAは突撃級のみだった。これらは避難が間に合っていない九州地方全土を蹂躙し、次いで中国四国地方を襲った。帝国軍はこれを頑強にはねのけようと奮戦したが圧倒的な正面装甲を持つ突撃級の前に踏みつぶされていった。幸いなのは第一波が到来した後にBETAが上陸してくるような事がなかった点だがそれでも上陸した突撃級だけで数万にも及んでいた。これらは沿岸部は連合艦隊が、内陸部は戦術機が攻撃することで確実に数を減らしていったが、突撃級は最後の一体になるまで攻撃をやめないといわんばかりに前進し続けた。
「だめです! 突撃級の速度変わらず! このままでは一週間以内に西日本は蹂躙されます!」
「なんとしても食い止めるのだ! 上陸したBETAにレーザー級は確認されていない! 航空戦力を用いて撃破するのだ!」
中部地方までのすべての住民に対して避難命令が発令されているがそれも遅々として進んでいない。とはいえ避難に遅れが出ているわけではない。敵の動きが速すぎるのだ。
「敵の動きから京都が蹂躙されるのは時間の問題か……。これでは日本は壊滅してもおかしくはないぞ」
「あなた……」
篁祐唯は避難の準備を終えて京都から脱出するところだったが軍からもたらされた情報から日本の終わりを予期した。去年実戦配備された戦術機が防衛を行っているがはっきり言えば敵の数に対してあまりにも少なすぎた。突撃級という正面での相対はしてはいけない相手であるからこそここまでの被害と言えた。まだ要撃級であればここまで早期の侵攻を許しはしなかっただろう。
「幸いな事に戦術機の被害がそこまで出ていないことだな。こうしてみると戦術機はBETAとの戦闘において重要な兵器となりうる。やはり開発は継続していくべきだ」
「あなた。そろそろ……」
「あ、ああ。そうだな」
ついつい考えすぎてしまう祐唯に妻の栴納が声をかける。既に屋敷の荷物は避難先に運び終えている。二度と見る事が出来ないであろう京都の姿を目に焼き付けた彼らは車に乗り込むと生まれ育った帝都を後にした。
……そんな帝都は数日後に突撃級によって踏みつぶされた。数千にも及ぶ突撃級の侵攻で更地となっていく京都はまさに日本帝国の今後を教えているかのようであった。
そして、これら突撃級は日本アルプス最終防衛線と名付けられた日本帝国の防衛線によって殲滅され、辛うじて日本帝国の完全なる蹂躙を防ぐ事が出来たものの、この侵攻によって九州・四国・中国・関西・中部地方は壊滅。犠牲者は日本帝国の人口の50%に至っていた。
しかしそれでも突撃級以外でBETAが上陸していなかったことで日本帝国は国土を失わずに済んだ事は不幸中の幸いと言え、日本帝国は以後沿岸部の防衛線の構築を行いつつ中部地方から順に復興作業を行っていく事になる。
最近知ったが俺が手に入れたロボットは戦術機というらしい。ロボットのようだが名前を見る限りどでかいパワードスーツにも感じられる。
さて、俺はこの二年の間に侵攻を行いつつ戦術機の開発を行いつつ人間の生成となかなか脳を酷使していたが今のままでは効率が悪いと並列思考を可能とした。これでソ連に攻撃されたような一つに集中して他をおろそかにしてそこを突かれるという状況を防ぐ事に成功した。更には人間の生成や戦術機開発でも活かすことが出来るし、覚えて損はない能力だ。
そんで順番に説明していけばまずは中国を陥落させた。戦術機の登場でうまく制圧が出来なくなっていたが戦術機がいない箇所から落としていき中国は台湾を除いてすべて落とし、そのまま朝鮮半島とソ連のシベリアに進出した。西部においてはモスクワを落として東西を分断することを主目標としつつ中央アジアで抵抗する軍勢を包囲するようにカスピ海以外の大地を封鎖した。見る限りそれなりの数がいるしこれらを殲滅出来ればG元素をさらに回収できるだろう。
次に人間の生成だがこれはようやくうまくいくようになってきた。ついに脳と心臓の生成が出来たのだ。脳は俺が操作しなくても複雑な動きを可能とするくらいにはスペックが高く、人間として生活させる分には何も問題ないレベルに仕上がった。心臓も一定のリズムで血液を循環させることに成功している。これで強すぎて破裂したり、弱すぎて循環できなかったりなどとはおさらばだな。あとはこれらを人間を模した人形に移植すれば稼働実験が行える。BETAをどう認識するのか? 喋れるのか? 欲望はどうなっているか? 生理現象についてなど調べる事は多いがそれらをクリアできれば完全なる人間の生成は成功したと言える。そうなればBETAにひざまずき、忠誠を誓う新人類が誕生するだろう。
そして、戦術機に関しては上記二つよりも成果が出ている。何なら既に第一世代と言える試作品が
一部は次に紹介するタイプと同じようなものが使われているがBETAの肉体を一部戦術機に組み込んでいる。不可動部の装甲には突撃級の正面装甲や要撃級の鎌のような腕を流用することで防御力を高めている。この装甲はかなり強く、レーザー級の一撃を喰らっても貫通はしないと中々の性能を誇っている。更に電気信号にBETAの遺伝子を使うことでロボットのような機械的な動きではなく生物的な流れるような動きを可能としている。
武装としては銃火器を……と、思っていたが残念ながらハイヴには武器を作れる工場は存在しない。そのためにBETAの力を武器として転用する事にした。頭部にはレーザー級の光線発射装置を、腕には収容できる3爪のかぎ爪を装着。10m程まで伸ばせる要塞級の触手を装備した。オリジナルよりだいぶ短いが戦術機に装着するとなるとこれが限界だった。
総評としては遠距離における継戦能力はダダ下がりしたものの中近距離における戦闘能力は他の戦術機を圧倒している。弱点としては上述の通り火力の低さがあるがそれは敵の武装を奪って攻撃してもいいし、それを補って余りある近接戦闘能力と一撃必殺のレーザー級の光線を持っている。あとはこれを扱うためには生身では不可能な点だな。BETAの力を用いているためにこれを扱うには手足のように感覚を共有する必要がある。分かりやすく言えばエヴァンゲリオンと同じようにシンクロする事だ。そのため最低でもパイロットはBETAである必要がある。つまり現状では俺しか満足に動かせない機体ということだ。いろいろと詰め込んだ結果乗る人を選ぶ必要があるのはよくある事ではあるけどな。
だが、そんな問題を解決するべく作ったのが次のやつだ。簡潔に言えば戦術機をBETAにした。戦術機級とでも言うべき機体だ。これの特徴はパイロットを必要とせずに他のBETAのように攻撃を行う事が出来る点だ。基本的な武装に違いはないが一番の利点は頭部につけた口にある。ここから人間などを食うことで体内に設置したG元素への変換装置を介してG元素を生成するというものだ。これは俺が作った戦術機の動力をG元素にした事が理由としてある。つまり、この戦術機級は敵を喰らい続ける限り永久に行動できるのだ。
そして、最大の利点だがコストや作成時間が大量に必要とはいえ量産できることにある。BETAとしている以上生成は可能であり、BETAとして行動を委任することも出来る。動きが単調になりやすいというデメリットもあるがそれは数を用意すれば問題ないだろう。更には体内のG元素を使用することで負傷箇所の修復も可能としている。こちらはまだ試作段階で戦場での即時回復には至っていない。腕一本の修復が最大2時間かかっているからな。いずれは一秒以内に回復できるようにすればこいつらはゾンビのごとき存在として世界中を絶望させることが出来るだろう。
こんな風に戦術機の開発は順調に進んだ。俺は最初に紹介した方をプロトタイプと仮称しているがそのうち名前を付けてみるか。今はこいつ一機だから問題はないがこれ以降も作っていくならば必ず必要になるからな。ああ、ちなみに戦術機級の方は戦術機種量産機α級と名前を付けている。新しいタイプの量産機を作っていくごとにβ、γと名前を付けていくつもりだ。いずれはBETAすべてがこいつらに更新されていくかもしれないな。こちらにはそれだけのポテンシャルがあるのだから。
人類は泣いていい
まりもちゃんは
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マミる(原作準拠)
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マミらない(トラウマ回避)
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武の精神をぶっ壊せ(更なるグロ描写)