【本編完結】BETA転生   作:鈴木颯手

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シュヴァルツェスマーケンに入ります。
それと隻影のベルンハルトを試し読みしたけどユルゲンお兄ちゃんシスコンで草だった。アイリスディーナをほめている内容は同意したけど


第2章【欧州戦線~黒の宣告(シュヴァルツェスマーケン)~】
第十三話「黒の宣告(シュヴァルツェスマーケン)


『見つけた……!』

 

 東ドイツ国家人民軍第666戦術機中隊を率いるアイリスディーナ・ベルンハルト大尉は目当ての存在を確認し、そうつぶやいた。彼女の視線のはるか先では天空に向けて伸びるいくつもの光の線が見える。人類の航空戦力を無力化してしまった光線(レーザー)級が放ったレーザー攻撃の光だ。

 

『総員傾注! お待ちかねの狩りの時間だ。これより国家人民軍第666戦術機中隊は光線級吶喊(レーザーヤークト)を開始する。前衛は突撃路を開く。後衛は背後を守りつつ支援攻撃。BETAの屑どもに容赦なく黒の宣告(シュヴァルツェスマーケン)を喰らわしてやれ!』

『『『『『『『了解!』』』』』』』

 

 東ドイツが誇る最強の戦術機中隊と言われる第666戦術機中隊“黒の宣告(シュヴァルツェスマーケン)”。彼らの任務は航空戦力を無力化される原因となっているレーザー級の排除であり、そのために大きな戦果とそれと同じくらいに損耗を受ける部隊であった。それゆえに中隊を名乗っているが所属するのは12機のうち8機しか存在していない。それでも隊長のアイリスディーナをはじめとして所属する全員がエリート級の実力者ばかりだ。

 

 BETAの大群の上を飛んでいき、レーザー級がいる群れに接近していく。レーザー級は前面を突撃級に、左右を要撃級が、後方に要塞級が陣取り、それぞれの間を無数の戦車級が埋め尽くしている。最近よくみられるようになったBETAのレーザー陣形だ。欧州、というよりもどこでもそうではあるがレーザー級の撃破を主目標としている。彼らさえいなければ航空戦力を投入する事が出来るからだ。更には砲弾すら空中で迎撃するためにレーザー級がいる限り航空戦力どころか砲撃すら無力化してくるのだ。なんとしても破壊したいと思い、行動するのは当然だった。

 そして、その結果が陣形という形でBETAは対応してきた。レーザー級がいる場合はこの陣形を作るために特定は容易になったが代わりに撃破は極めて困難になったといわざるを得ない。盾のごとく正面からの攻撃を防ぎ、左右の奇襲すら難しく、それらを後方から支援できる要塞級。更には無数の戦車級が近づいた戦術機を返り討ちにしていた。

 

「射撃、開始!」

 

 しかしそんなことは彼女たちには百も承知だ。彼女たちはあえて正面からの吶喊を行う。理由は単純だ。近づくギリギリまでレーザー級は正面の突撃級のせいでレーザーを撃てない。射線が通らない以上撃ちようがないのだ。そして突撃級は前には進めても横には移動できない。盾の役割を施した結果近づかれるまで対応できない陣形となってしまっていたのだ。

 それを補おうと要撃級と戦車級が突撃級の前に出てくるがそれらをシュヴァルツェスマーケンは銃火器で掃討していく。突撃級ほどの装甲を持たない彼らは銃弾一発でも大ダメージは必須であり、少しずつ削られていく。

 そして、突撃級の前までくると跳躍ユニットを吹かして飛び越える。しかし、その先では待っていたといわんばかりにレーザー級が発射準備を終えており、一斉に放つ。一撃一撃が戦術機を一撃で葬る必殺の一撃が盾に阻まれる。数秒間耐え忍んだ盾を放棄して一斉に射撃を開始する。

 

 レーザー級という凶悪な敵を前に人類とて何も手を講じていなかったわけではない。人類は重金属雲というものを展開する事でレーザー級の攻撃を弱らせることを可能とした。通信阻害にジャミングのような効果を伴う為に連携が取れなくなるがそれを補って余りある効果を持っていた。

 ゆえに、自慢のレーザーですら撃墜に至れない彼らはあっけなく銃撃で無力化されていった。そして、そのタイミングで重金属雲の濃度は低下。なくなるころにはレーザー級が死骸以外に残されていなかった。

 

「ベルンハルト大尉に告げる。レーザー級の殲滅を確認した。180秒後に砲撃が開始される。さっさと戦線を離脱せよ」

『……了解。総員傾注! 味方の砲撃が来る! ただちに離脱を図るぞ!』

『同志大尉! 新手です! 突撃級を先頭に要撃級と戦車級多数!』

『戦う必要はない。連中は砲撃に任せて離脱するぞ!』

 

 レーザー級の殲滅を終えればここにいる理由はない。アイリスディーナはすぐさま撤退を決め、離脱を図り隊員たちもそれに続いた。……2機を除いて。

 

『死ね! 死ね! BETAの屑が!』

『アネット! 落ち着いて!』

 

 隊員の一人、アネット・ホーゼンフェルト少尉は度重なる戦闘で戦争神経症に掛かってしまっており、理性のタガが外れ暴走する事が多々あり、今回もそれが発症したのだ。弾薬の切れた銃を放り投げ、隊員の中で唯一装備した長刀を取り出す。そんな彼女に待ったをかけるのは友人であり、何かとストッパーの役割をこなす事が多いイングヒルト・ブロニコフスキー少尉だ。

 

『もう時間切れです! もう離脱しましょう!』

『でも! あたしは!』

「何をしている。さっさと離脱しろ」

『『っ!』』

 

 アイリスディーナに指示を出していた者が離脱しようとしないアネットに通信を入れる。冷徹とも言える寒気すら感じる男の声にアネットは冷や水をかけられたように冷静さをと戻した。

 

『あ、あたしは……』

「死にたいのなら一人で死ね、と言いたいところだが今の我々にそんな無駄なことをする余裕はない。速やかに離脱せよ。これは命令である」

『シュヴァルツ06、了解……』

『ッ! アネット!』

 

 アネットが渋々離脱しようとした時だった。雪の中を潜っていた突撃級が姿を現してアネットに襲い掛かった。とっさにイングヒルトがアネットが乗る戦術機を押して身代わりとなるが、彼女の機体に突撃級が攻撃するまえに上空から放たれた銃弾によって突撃級は活動を停止した。

 

「アネット・ホーゼンフェルト少尉。今貴様は戦友を失うところであったぞ。自ら身を挺して守ろうとしてくれたブロニコフスキー少尉と“監査官”の私に感謝する事だ」

 

 そう言って上空から降り立ったのは黒い戦術機。シュヴァルツェスマーケンが乗るMIG-21バラライカとは違う()()()()()()()()()()()()()()であった。アネットは悔しそうにしつつ、呟くような声で「感謝します。……同志少佐、イングヒルト」といった。イングヒルトは悲し気な表情をしつつもそれを受け入れ離脱の準備に入った。

 そして、僅か数十秒後には砲撃が開始され迫りくるBETA群を吹き飛ばしていく。そんな砲弾の下をシュヴァルツェスマーケンは無傷で帰還するのだった。

 

 

 

 

 

 日々戦況が悪化する欧州戦線において東ドイツ軍は社会主義国の中で最大の兵数を誇っていた。理由としては本来最大数となるソ連がシベリア方面に兵を割いている為という事と前々から国家保安省(シュタージ)によって戦力増強が行われていた結果であった。

 しかし、いくら数をそろえようとも質の方面ではカバーは難しかった。それゆえに、劣勢であることに変わりはなく、毎日のように後退が続いていた。

 そんな中にあってシュヴァルツェスマーケンは目覚ましい戦果を挙げ続けていたがそれを快く思わない者たちも一定数存在する。特にシュタージでは隊長であるアイリスディーナの()()から常に不信感を持っていた。そして、それを対処するためにシュタージは“監査官”という事実上の見張りを付ける事にした。その結果が第666戦術機中隊監査官アルフレート・ヴァルデの派遣であった。20代後半と思われる彼は一切自分の事に関して喋らずに無表情でいるために不気味さを持っていたが監査官という立場をわきまえているようでコミュニケーション以外においては非の打ち所がない男であり、アイリスディーナをはじめとしたシュヴァルツェスマーケンの隊員から彼の経歴と第一印象の悪さ以外ではある程度の信頼を得る事に成功していた。

 

「……ん? ……救難信号? ……了解した。ベルンハルト大尉、国連軍の戦術機の救難信号が近くで発見された。二人程救援に向かわせてやれ。国連に貸しを作る」

『了解した。救援には私とエーベルバッハ少尉が良く。部隊はイェッケルン中尉が臨時に指揮を執り帰還せよ』

『了解した』

『っち。了解』

 

 そして、この救援に向かったことで、東ドイツを巻き込んだ革命の幕開けとなっていくのだった。

 




ブロニコフスキー少尉のまさかの生還。そして今更だけどアルフレートってカティアの父親と同じじゃんと。だけど大分書いた後だし物語的に問題ないしこのままいく

ちなみにいつも通りの現状の地図です

【挿絵表示】

1983年地図
見ての通り戦線が原作より東側にありますがまぁ、このくらい誤差の範囲でしょう。

次話は2022/11/07 23:10投稿予定です。

アンケートをやりました。なんかアンケートをやりたいけどいい感じのが思い浮かばなかったのでちょうど漫画読んでたら死んだまりもちゃんでアンケート取ります。
ちなみにトラウマ回避できなかった場合まりもちゃんを冒涜するようなことをする予定です

まりもちゃんは

  • マミる(原作準拠)
  • マミらない(トラウマ回避)
  • 武の精神をぶっ壊せ(更なるグロ描写)
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