兵士級が誕生したのが1995年だったので修正
第一話「転生」
「転生させてやる」
「本当ですか?」
「ああ、BETAとしてな」
「へ?」
俺の第二の人生、いや人ではないけどとにかくあたらしい生はこうして始まった。
最初はテンプレ通りといっていい動きだった。事故にあい、気付いたら神様がいて、転生させてくれて特典をくれる。テンプレと違う点と言えば特典を無理やり決めさせられ、よく知りもしないものになった事だろう。
なんだよBETAって。アルファ、ガンマ、ベータのやつか? そう思っていたからだろうか。基本的な知識を特典の一部としてくれたようで知識に困る事はなくなったのだが……。結果として人間をやめる事になった。地球外生命体で?炭素系でできた生物を生命体として認めていないやつの手先で?人類を28年に渡り駆逐しているやつら?
ふ! ざ! け! る! な!
しかも俺がなったのってその中でもオリジナルとされる重頭脳級と呼ばれる「あ号標的」。BETAはこいつの指示で動いているようなものなので実質的に地球のBETAを統括する化け物になってしまったということだ。
「別に人類と講和してもよい。我が干渉する事はもうない。好きにするといい」
それが神様から聞いた最後の言葉だが、正直に言って講和というのは難しい。別にBETAだから無理ってわけではない。まぁ、それに近いけど人間がBETAを受け入れられるとは思えない。きっと自分たちの都合のいい兵器として利用する可能性があるし、何なら信用できないと一方的に攻撃してくるかもしれない。人間というのは自分達とは違う存在に恐怖を抱くものだ。それが自分達よりも強大な存在であれば余計に。
である以上俺にできるのは二つ。一つはこのまま関わらないこと。もう一つが人類を滅ぼして地球の覇者となること。別に物語にそう必要がない以上最初の案を適用するべきかもしれない。しかし、それは出来ない。できなかったというべきか。俺の意識が覚醒した時には俺は重頭脳級としてハイヴを作り上げ、中国軍らしき軍隊を退けた後だった。
「ば、化け物……」
そんな恐怖に支配された兵士の言葉が聞こえてきそうなほど中国軍は近くまで接近していたが俺の意識が覚醒前のあ号標的は徹底的に反撃したらしく周囲には瓦礫と化した戦車や航空機の残骸が落ちている。こんな様子を見る限り関わらないというのは不可能だろう。
【目の前の物体を吸収し、G元素を生成せよ】
ふと、俺の脳内にそのようなアナウンスが流れてきた。ゲームで言うところのチュートリアルのようなものだろうか? 反抗する理由もないために俺はその指示に素直に従う。
神様からもらった知識によると俺という重頭脳級はハイヴという物体、建造物と言っていいものの中にある。そして重頭脳級という名前から分かる通り俺本体は動かすことが出来ないようだ。しかし、動けない代わりと言っていいのかわからないが俺は全BETAを好きに操れるようだ。とはいってもすべてを同時に操るなんてできないために基本はオートモード、一定の動きをとれるようにしているらしい。このオートモードにも種類は幾つかあり、陸地を移動する……、事実上の侵攻を行う移動モード、ハイヴの建設を行う建造モード、その場でハイヴの防衛を行う防衛モード。防衛しないがその場から動かない停止モード。そして資源回収を目的とする採取モードがある。俺はこの中から採取モードを選択し、それが可能なBETAのユニットに指示を出していく。BETAは小型種、大型種、光線属種の3つに分けられる。それらはもじどおりの役割を意味しており、その中で採取モードが可能なのは小型種だ。小型種には闘士級、戦車級の2体が存在する。小型ゆえか採取は基本的にこいつらが行うようだ。
モード変更を受けて一番俊敏な闘士級を先頭に戦車級が続いていく。その様子をハイヴから確認するが視覚がBETAに頼らないといけないようでとてもつもなく見づらい。仕方がないので戦車級一体をマニュアルモードという俺が直接操るモードに切り替えてハイヴを登らせていく。比較的上の方まで来たために戦場だったと思われる箇所がとてもきれいに見える。だが、これは……。
「ひ、ひぃ!? 助け……!」
「いやだぁぁぁっ!!!! 死にたくない!」
「神様……!!!」
BETAのいう採取とは、人間を含めた物体を集める事だったようだ。戦車や航空機の残骸は当然として負傷して逃げられなかった兵士を小型種が群がり食い殺していく。なるほど、BETAが登場する作品はグロゲームだったようだな。それは理解できた。しかし、これは思った以上にきついな……。あ号標的となったためか吐き気はないが忘れられそうにないショッキングなものとして記憶に残りつ受けそうだ。
【回収した資源をG元素に変換し、BETAを作成せよ】
採取がある程度完了したためか、次のステップの指示が入る。採取を一定数切り上げさせて資源をG元素に変換するとそれらが具体的な数値として表示された。総数は元の蓄えも含めて100万。これが多いのか少ないのかは分からないが指示に沿ってBETAを作成する。
最初に作るのは小型種だ。戦車級、闘士級をそれぞれ100体ずつ作り上げた。G元素の減少とともに僅か数分で作られたそれらはモードを指示していないために待機モードとなっている。いくつかモードを指示すればそれに沿った動きをするために作成は成功したようだ。
さて、気になる減少量だが……。残量は99万8500。戦車級10、闘士級が5という計算だ。意外に消費が少ないが神様の知識にあればBETAは数によるごり押しで人類相手に優勢に進めていた。この消費の少なさがその原因なんだろう。これならあっというまに戦車級だけでも万をそろえる事が出来る。とはいえ大型種の欄を見ればそれに見合った数値が必要となっている。最近、というか中国軍の侵攻時に作成された光線属種など5000というとんでもない数値になっている。それでも200体は出せるあたり消費の少なさはあるのかもしれないが。
【以後、これらを繰り返し、この地の資源を回収せよ。生命体を発見した場合は通信し、指示を仰ぐように。それ以外は任意とする。以上】
……BETAには人類と戦争をしているという意識がない。生命体として認識していないからだ。それゆえか、チュートリアルもおおざっぱすぎた。資源の回収方法とそれを実行、補助するユニットの作成方法のみ。知識にあるハイヴの枝分かれなどについては一切説明されないまま放り出されることとなった。なるほど、BETAが戦術を使用しないのはこういうところにもあるのかもしれない。
さて、これで俺は本格的にこの世界で生きていく事になったわけだが不安はある。原作知識がない以上主人公側の動きを先読みしていてつぶすことが出来ない。
俺はBETAになり、中国軍という人類と戦闘している時点で講和や関わらないという手立ては難しい。ならば人類に命を差し出すか? 答えはノーだ。そこまでして人類を助ける理由がない。俺の命を差し出してまで人類は救う価値があるのか? たとえあったとしても俺だけはないと答える。俺の命がかかっているのだから。
そんなわけでしばらくは戦力やハイヴの増強を行い、人類相手に優勢になれる状況を作り上げていく。そしてから侵攻だ。目指すは
人類よ。済まないな。俺が生き残るために死んでくれ。
まりもちゃんは
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マミる(原作準拠)
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マミらない(トラウマ回避)
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武の精神をぶっ壊せ(更なるグロ描写)