「進め! 我らが中華の大地を不当に占領する異星人どもに鉄槌を降すのだ!」
中華人民共和国軍を率いる将軍は怒鳴り声のような叫び声をあげてハイヴに向けて前進する自軍の兵を鼓舞していく。前回とは比べ物にならない戦車や航空機が空と大地を覆い、ハイヴを攻略せんと飛んでいく。
前回の戦闘で自国だけでは対応するのは無理だと悟った中華人民共和国だが国連に介入はされたくない。そういう思いから同盟国にして同じイデオロギーを持ったソビエト連邦に協力を要請。中ソ両軍による人海戦術と大量の兵器による物量作戦を展開した。
「まもなくわが軍の先頭がBETAの勢力圏に入ります!」
「BETAめ……。前回はいいようにやられたが今度はそうはいかんぞ。ソ連の協力もあり、前回の数倍の物量をそろえた以上これらを以て貴様らを蹂躙してくれる!」
前回とは違い、ソビエト連邦の協力がある為か将軍をはじめとする将校は勝利することを疑っていなかった。これだけの物量があればBETA相手に勝利できると思っていた。
それを分からせるようにBETAは中ソ両軍に対して牙を向けた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」
中国軍の兵士がその悲鳴を最後に
-第一段階はこれで完了だな。
そんな中国軍をハイヴに張り付けた戦車級から確認したあ号標的は脳内でそう呟いた。四方八方より押し寄せる中ソ両軍に対してあ号標的が行ったのは突撃級による地ならしだ。紅旗作戦に備えてあ号標的は突撃級と要撃級をそれぞれ2万体用意している。戦車級の1.5倍程度のコストの安さが実現させた人海戦術であり、同じく物量で圧倒しようとした中ソ両軍を相手に猛威を振るい始めたのである。
-一部の人間は殺さずにつれてくるように。実験の材料として使うがそれ以外は資材に変換する。
まず、突出していた中国軍が突撃級の洗礼を受けた。野砲や戦車の砲撃をはじく正面装甲の突撃級に成すすべく踏みつぶされていく。そして、そんな突撃級の突進を辛うじて回避できた兵士に対して要撃級と戦車級の大群が止めを刺しに来る。1割にも満たない生き残りは要撃級につぶされ、戦車級に食い殺されていく。
ソビエト連邦の方も同様であり、辛うじて防御の薄い箇所に攻撃が当たった突撃級を何体か倒した程度だ。それでも何の戦果も挙げられなかった中国軍よりはマシと言えるかもしれないが。
「くそっ! 敵は一体いつの間にこんな大軍を……!」
「だめだ! このままじゃ全滅だ!」
BETAは中国軍に圧をかけるように数の比重を中国軍側に傾けている。既に前衛は文字通り全滅し、中衛にすら損害を出していた。このままいけばすぐにでも後衛にまで迫るだろう。
「馬鹿な……! これだけの数を物ともしないだと!?」
「将軍! ソビエト連邦が撤退を開始しました!」
「何!? 我らを見捨てるというのか!?」
ソビエト連邦はこれ以上の作戦継続は不可能と判断して撤退を開始した。中国軍に比重が傾ているために事実上囮として使った形になる。そして、BETAも
「……撤退する」
そこまできて、ようやく将軍も撤退を決めた。中衛は壊滅状態であり、後衛も戦闘を開始しているために命令が通り、逃げる事が出来たのは本陣付近の軍勢のみだった。あとは突撃級に囲まれた戦場で次々とその命を減らしていき、やがて静寂が訪れた。
これより数日にわたり中ソ両軍、特に中国軍は軍を派遣し続けたがそのことごとくが返り討ちに会い、それどころか中国領内への侵攻を開始した。これを受けて紅旗作戦は完全なる失敗で幕を閉じ、以後中国領内はBETAによって蹂躙されていく事になる。そして、これを以て人類の滅亡へのカウントダウンが始まった瞬間でもあった。
中ソ両軍を意外とあっけなく蹴散らせた。本来はもっと手間がかかると踏んでいただけに少し予想外だ。せっかく用意した突撃級、要撃級は半分しか出さずに終わってしまった。これらは突撃級を先頭に中国横断マラソンでもしてもらうか。要撃級は新たに生み出した1万の戦車級とともにその後ろから資源回収だな。
今回の中ソ両軍の侵攻でG元素を大量に確保できた。今後はG元素の残量を気にしないでBETAを生み出していく事が出来るだろう。
ああ、それと。どうやらハイヴの大きさ次第で生み出せる個体数が決まっているみたいだ。今、このハイヴには5万近いBETAがいるがこれ以上増やすにはフェイズを上げる必要があるようだ。火星のフェイズ9くらいあれば許容限界なんて気にする必要はなくなってくるが今の俺はフェイズ2。出来立てほやほやの赤ちゃんのようなものだ。地道に拡張していくしかないという事だろう。
そんなわけで突撃級と要撃級に中国の焦土化は任せて戦車級で急ピッチに拡張を行っていく。フェイズ3まで拡張したら頭脳級という俺の補助脳的なものを作り出して新たなハイヴの建設を行ってもいいかもしれない。チュートリアルではその辺の事さえ説明してくれない不親切設計だったが神様からの知識のおかげで何とか理解できている現状だ。
「ひ、ひぃ! 助けて……!」
「いやだ! 死にたくない!」
そして、俺の本体である重頭脳級の前には今回の侵攻で生き残った中ソ両軍の兵士が並べられている。戦車級に鷲掴みにされる形で拘束された彼らは顔を恐怖で引きつらせながら命乞いやら悲鳴やらを上げている。別に野郎の悲鳴を聞きたいわけではないので一番騒がしかったやつをほかの者たちに見えるような状態で握りつぶした。悲鳴すらまともに上げられずに血を果実ジュースのように絞り出す姿にその場の誰もが騒げばどうなるかを理解したようで静かになる。
ふむ、こうしてみると女性の素材も必要だな。人間というくくりで見れば女性でも男性でも構わないが性別があってこその人間だ。となると男性だけでは材料として不十分だ。コイツらは男性を作る素材や見本として活用し、女性に関してはそのうち捕獲するとしよう。
さて、まずは何から作り上げるか……。素材はたくさんあるとはいえ無駄に使用するのは避けたい。となると腕や足などを作る事から始めよう。ショック死するかもしれないし失血死かもしれないが腕や足なら即死には至らない。むしり取っても問題はないだろう。
「っ!? な、なにを……あ“あ”ぁぁぁぁっ!!」
「ひぃッ!?」
早速一人目を実験材料として使う。悲鳴がうるさいが手を調べるために多少乱暴に扱うんだ。このくらいは許してやろう。
安心しろ。お前が死んでもまだまだ捕獲した人間はたくさんいるんだ。使い物にならないと判断したら楽に死なせてやるから勘弁してくれよ。
まりもちゃんは
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マミる(原作準拠)
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マミらない(トラウマ回避)
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武の精神をぶっ壊せ(更なるグロ描写)