【本編完結】BETA転生   作:鈴木颯手

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シュヴァルツェスマーケンがとても面白い作品だった。たぶん時系列的にシュヴァルツェスマーケン→トータルイクリプス→マブラヴオルタネイティブになると思います。そもそも今のBETAがシュヴァルツェスマーケンの舞台となる東ドイツに1983年付近まで到達するのかわかりませんが。


第五話「暗躍する者たち」

 中華人民共和国はBETAとの戦争において最も損害を被った国家となった。第二次世界大戦、国共内戦を経て自分たちの国を持った中国共産党だがいまや風前の灯火となっている。二度の敗北と国内への侵攻を受け、すでに中華人民共和国は沿岸部を除くほぼすべての領土を喪失した。20億を超える国民は発展した沿岸部に人口が偏っていたこともあり、いまだ健在だがそれでも一連の侵攻によって5億人以上が犠牲となっている。BETAは突撃級を先頭に侵攻しており、逃げられなかった者たちは一様に踏みつぶされていただろう。そして、BETAは人間を食べる。命からがら突撃級に踏みつぶされなかった者たちはその後にやってくる戦車級によって残らず食い殺されていた。中にはあ号標的の命令でハイヴに生きたまま連れていかれる者もいるが全体で見ればごく少数であり、大半はG元素生成の為の資源となっていた。

 

 そんな中国だが、世界からの視線はあまりよくはない。そもそも、単独で攻略しようとしてしっぺ返しを食らったのが今の中国の現状であり、最初から国連の介入を受け入れて全国家が協力して対応していればここまで大事にならずに済んだのではないか? それが世界中の人々が考えている事であった。とはいえレーザー級の出現までは中国軍は順調に進行出来ており、空からの支援もあってレーザー級さえ出なければ単独でハイヴ攻略を可能としていたかもしれない。その危機感がレーザー級誕生のきっかけになったといえばそれまでではあるがそれならば国連がいたところで同じ末路をたどっていただろう。

 しかし、そんな中国の劣勢を違う観点から悲しむものも存在した。

 

「中国という発展の見込みがあった土地が使えなくなったのが痛手だな」

「ああ、せっかく援助を行ってきたというのに……」

 

 とあるビルの一室では複数人の男女がテーブルを囲み、会議を行っていた。議題は当然と言わんばかりに中国に関してである。

 

「とはいえ中国は現在国家としての機能を辛うじて維持している状態。足りない物を販売してやればすぐに飛びつきましたな」

「武器・弾薬・船に衣類。食料に医療品……。こちらが倍の値段を提示しても買っていくあたり国内は本当にひどいのでしょう」

「現在中国共産党は購入した物資を軍事関連に注ぎ込んでいるようです。そのためにいくらあっても充実するという事がないのでしょう」

 

 中国としてはすぐにでも国土を取り戻したいという思いが強く、これ以上のBETAの拡大を防ぎ、力を温存する方向に舵を切った国連軍との足並みがそろわなくなってきた。中国軍自体が大きな損害を受けているために今のところはおとなしいがある程度復興すれば単独で反抗作戦をしかねない状況だった。

 

「我々としては中国軍が無謀な反抗作戦をして中国全土を喪失するような事にならないのを祈るがそのための準備としていろいろと買いあさっている現状は望ましい。このまま購買だけ続ける状態を維持できないものか……」

「そのためには中国軍に戦線維持を出来る戦力を残して損害を受け続けてもらう必要がありますな。前線の中国軍の比率を上げますか?」

「いや、それでは我らの思惑に感づかれる。今はおとなしく販売だけをすうべきだ。それに、今はそんなことよりも重要な事がある」

 

 そう言って一人の男がグラフを見せる。そこにはこの一年で発生した中国人の難民の数が表されていた。

 

「いまだ中国は15憶を超える人口を持った国だ。だが、そのうち3割ほどが国外脱出を図り、ソ連や日本、東南アジアに難民としてなだれ込んできている。我が国にも1000人単位で難民が押し寄せてきている」

「面倒ですな。コストの安い労働力と考えればいいのですがそれでも億を超える数はいりませんな」

「中国共産党は何をしているのだ? 彼らとて対応は打っているのだろう?」

「どうやら奴らは一定数を切り捨てるつもりのようだ。国家機能を辛うじて維持できている彼らにしてみれば15億の国民は邪魔でしかないのだろう。むしろ彼らが国外脱出を支援している様子まである」

「なんと面倒くさいことをしてくれるのだ。これだから極東の猿どもはこざかしくて好きになれん」

「我ら白色人種と違い色を持った劣等人種です。過度な期待がそもそもまちがっているのでしょう」

「ではいつも通りに?」

「ああ、すでに準備は出来ている。彼らの大好きな()()だ。喜んで受け入れてくれるだろう」

「その後はどうするのだ? ちょうどいい人物でもいるのか?」

「そんなものは探せばいくらでもいる。それに、物資の販売で経済を握ったに等しい我らに彼らが強く出られるとは思わん。革命後なら特にな」

「では、中国という良き友人のためにひと肌脱ぐということでよろしいな?」

「「「「「異議なし」」」」」

「よろしい。では早速実行に移すとしよう。全ては偉大なる我らが祖国と我らの富のために……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ついに、ついに完成した。人間が……ではなくその皮をかぶったBETAが!

 

「あーいーうーえーおー。あーーーーー。んーーーーーー。マイクチェックマイクチェック……」

 

 声の方もだみ声や金切り声ではなく成人男性の声だ。ここまで長かった……。声を作り上げるのがこんなに大変だったなんて思いもしなかったな。まぁ、肝心の人間を作る方は遅々として進んでいないけどな。やはり臓器が複雑すぎる。マジでこれは数を作って試行錯誤していくしかないな。

 さて、今回作ったのは20代後半の男性に擬態したBETAだ。皮は特殊な加工をしてあるために腐敗することはないが人間らしい汗をかいたり血を流す事は出来ない。だが、人間の皮を使っているだけあって見た目は人間そっくりだ。そこに人間のように受け答えが出来れば余程踏み込んだ関係にでもならない限り問題はないだろう。

 で、こいつの名前は何にするか……。正直中国人っぽい名前なんて分からない。知っているのはせいぜい三国志の英雄たちに元の世界の国家主席の名前くらいだ。前者は名前としては有名すぎて疑惑を持たれやすいし、後者はなんか使ったらまずい気がするから使わない。となると兵士たちから名前を聞き出すしかないな。

 幸いな事に捕まえた兵士や民は中国人だ。日本人の俺としては中国語なんて分からなかったが叫んだりする彼らの声を聴いているうちにある程度は理解できるようになった。……こいつを人間社会に出したらあらゆる言語を覚えないと意味がないな。そこは重頭脳級のハイスペックな頭脳に期待しよう。あ号標的になってから頭の回転や処理能力がすさまじいからな。まるで高性能なコンピューターになった気分だ。

 

「にーはお」

「っ!? ひぃ!」

 

 早速こいつを使って捕まえた人間とのコミュニケーションをとってみる。目の前でBETAが皮を被っていくのを見ていた人間たちは化け物を見る目でがくがくと震えている。ふむ、さすがに最初から会話は無理か。だが……。

 

「にーはお」

「っ!?」

 

 俺のあいさつに答えなかった人間を戦車級が食い殺す。そして次の人間の前に立って同じように挨拶をして答えなければ食い殺す。ここまでして彼らも何が起こっているのか理解できたようだ。次に声をかけた女性は涙を流して震える声であいさつをしてくれた。俺はにっこりと笑みを浮かべると覚えた単語を使って会話をしていく。女性は戦車級3体に囲まれ、目の前には人間に近づこうとしているBETAと生きた心地がしない中で必死に会話をしてくれた。

 おかげで数時間もしないうちに中国語をマスターすることが出来た。難しい言い回しや方言はまだ無理だがこれからこの人形がいくのは中国ではない。それ以外の国だ。余程中国人に詳しくない限りバレる心配はない。

 ああ、それと会話をしてくれた女性には褒美として二つの道を選ばせてやることにした。一つは苦しまずに即死するかみんなと同じ運命をたどるがその順番を最後にするか。女性は死ぬことを選んだよ。ある意味では賢明な判断だ。どうせ死ぬのなら苦しまずに死にたい。俺は女性の願いをかなえて彼女が自覚するまもなく戦車級に殺させる。おそらく一瞬だけ痛みを感じてすぐにそれも感じなくなっただろう。女性の死体はG元素の変換資材としてありがたく使わせてもらう事にした。心なしか女性の変換効率は他の者よりも多かった気がする。まぁ、親和を抱いた相手だからってだけだろうけど。

 

 

 さて、すべての準備は整った。BETA初の人間型、いや小型種人間(ヒューマン)級の活動開始だ! 人間よ。これに気が付いて絶望するまでの短い希望をかみしめるんだな。

 

まりもちゃんは

  • マミる(原作準拠)
  • マミらない(トラウマ回避)
  • 武の精神をぶっ壊せ(更なるグロ描写)
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