【本編完結】BETA転生   作:鈴木颯手

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第四話「ハーディの誤算」

 やはり明確な相手がいると全てが楽しく思えてくる。今なら何でも楽しく出来そうだ。

 この機に専用機と機龍を開発させてしまおう。敵はかつての人類と比べても圧倒的に劣る奴らだが異世界である以上警戒を怠るべきではない。異世界においては魔物や亜人は定番の存在だ。捕らえたものの中にはそういったやつらも多い。今は繁殖場にて品種改良を試しているところだ。

 とはいえ明確な目標もなしに品種改良なんて出来ない。だから目指すべき目標としては短命長命にかかわらず、早熟で繁殖能力が高い個体だ。短命でも構わないのは平均的な収穫時期が15歳であり、犬程度の寿命さえ確保できれば問題はないからだ。だが、早熟であればそれだけ早く収穫が可能というわけだ。必要な栄養も大幅に減らす事が出来、その分だけ数を増やすことも可能となるだろう。

 そして繫殖能力。これはネズミとまではいないまでも犬猫のように一度に10匹くらいは増えられればいいと思っている。妊娠から出産まで時間がかかる以上一度に産まれる数を増やせればと思ってしまうのは仕方ない事だろう。

 

「ふむ、繁殖能力に変わりはないか……」

「んー! んー!」

 

 肉々しい、というかまんま肉で出来た椅子に拘束されている亜人達の検査結果に目を通す。ここにいるのは全て雌であり、子を宿す能力を持っていると確認できた者たちだ。そして残念な事にここにいる亜人達は驚異的な繁殖能力を持っているわけではないようだ。若干猫耳の亜人、この場合は獣人と呼ぶべき種だけ出産が早いことが分かっている。これは子供が早く成長するわけではなく早期出産でしかないためにあまり意味はない。

 

「んー!」

「……ったく、うるさいぞ。そんなに騒ぐようなら()()()に放り込んでもいいんだぞ?」

「んぅ!?」

 

 俺が指さした方向、そこでは戦車級によるG元素変換作業が行われている。周囲には血肉が飛び散りほとんどが原型を留めていないほど悲惨な状態となっているが俺にとっては何時もの光景だ。だが、こいつらにとっては衝撃的な光景であり、そこに放り込まれると言われれば黙るしかないだろう。これでも騒ぐ奴がいるなら容赦なく放り込むつもりだしな。

 

「さて、次は実際に妊娠させて見てG元素の変換効率と成長速度のデータを取ってみるか」

「……」

 

 俺の言葉の意味を理解したのか雌たちはおびえた目をしてくる。ちなみに俺が喋っているのは日本語だけど彼女たちには異世界の言語で聞こえているだろう。これは翻訳作業を終えた夕呼先生によって作成された翻訳機を使っているからだ。元々この世界ではこういた物が、正確には英語を国際標準後に定めて英語に翻訳する機械だけどそれがあったから意外と簡単に作成できていた。それを試験も兼ねて使用しているのだ。彼女たちとのコミュニケーションも特に問題ないようだし翻訳機は十分な性能となっているな。

 

「……まさかとは思うけど俺がお前らを犯す、なんて考えてないよな? 俺はそんなのに興味ないし出来ないからな、代役はきちんと存在しているから安心しろよ」

「……」

 

 そもそもこの体に生殖器官は存在しない。だからやりたくても出来ないが別にどうでもいい。どうせ使わない器官だし取り除いても問題ないからな。

 

「んじゃ早速繫殖場へご案なーい」

「んぅ!?」

 

 シュタージによって雌たちは連れていかれる。亜人はかなり力が強い物もいるからな。拘束は解かずに椅子を変形させ、車いすのように移動可能な状態にして運ばせる。繫殖場では様々な国の、というか黒人白人黄色人種の男がそれぞれ10人待機している。雌たちはこれから男たちと行為に入っていくだろう。

 

「んー、やっぱり敵がいるのといないのとでは全然違うな。……やっぱりなんとしても門の技術は欲しいな」

 

 あれがどれだけの能力があるのか分からないがもし、異世界へと道をつなげるものであるならあの異世界とは別の世界に行くことも出来るという事だろう。そうなればつながった世界の技術や人間を集めて更なる発展や進化を促進できるという事だ。それに、それを続けていけば俺が退屈することもなくなる。アイリスディーナ達だって指揮経験や戦闘経験を積めるしな。皆が幸せになれる良いアイディアじゃないか。

 

 ああ、早く手に入らないかな。アイリスディーナ、伊隅次女、唯依。誰でもいいから早く持ってきてくれよ? そしたらもう異世界に用はない。さっさと蹂躙を再開しようじゃないか。だから、早く、早く、早く! 

 

 頼むぞ?

 

 

 

 

 

 

-ああ、もう! なんなのよあいつら!

 

 冥府の神、ハーディは新たに門を潜ってやってきた存在にいら立ちを覚えていた。というのも帝国に門を開く技術を与えたは良いがその結果として帝国は反撃に遭い大きく揺らいでいた。現世を面白おかしく引っ掻き回すのが好きなハーディにとってはそれ自体は喜ばしい事であったが誤算はこの後の事だ。

 なんと帝国の皇子が皇帝の座を手に入れようと別の門を開き、侵攻したのだ。こちらも反撃にあったが問題はそこからやってきた奴らにある。それらは人間どころか怪異とさえ思えない異形の化け物であり、門が開いた周辺を確保すると少しの間動きはなかったがその後瞬く間にファルマート大陸東部を占領してしまったのだ。

 ここまでならまだ許容範囲だった。門はもともと別の世界の人間がこの地にやってきて永住するための道でもあるのだ。しかし、彼らはあろうことか丘や山を削り、生きとし生けるすべての生物を食い殺す、もしくは門の先に連れていき始めたのだ。門周辺は平らな土地にされ、草木一本存在しない荒廃した土地に変貌している。

 

-早く何とかしないと世界が荒らされるじゃない!

 

 すでに事態に気付いた他の神から責任を取って対処しろと詰め寄られている。とは言えハーディに直接干渉する力はないために自らの使途であるジゼルを向かわせるべきなのかもしれないがジゼルは現在休眠の周期を無視して叩き起こした炎龍を用いて最初の門の対応を行っていてすぐには動けない状態にある。第一ジゼル一人でどうにかするには敵の数が多すぎた。化け物だけでも万を超える数がやってきているのだ。

 

-仕方ないわ。ジゼルには炎龍をこっちの門に充てるように伝えましょう。

 

 門を閉じないといけない事に変わりはないがどちらを先に対応するべきかは一目瞭然である。日本と通じた方は自衛隊が偵察に専念していることもあるが温和的である。一方の東部の門は化け物が行っていることを止めないとファルマート大陸が何もないフラットな土地にされてしまう上に生命が存在しない死の大地となってしまう。

 

-炎龍一匹でも十分だとは思うけど念のために小龍も出してさっさと追い払わせましょう。

 

 今は速度が大事と早速ハーディはジゼルに連絡を行った。

 数日後、炎龍は住みかとしていたシュヴァルツの森より姿を消した。これによりとあるダークエルフの村が救われる結果となったがとある騒動のせいで炎龍討伐を行う事になった自衛官がそのまま炎龍捜索の任務を受けてファルマート大陸を旅する事になる。

 




次話は2023/01/04 23:27投稿予定です。

あ号君の名前に関して

  • 名前なんていらねぇ!
  • 呼びづらいからさっさとつけろや!
  • てめぇに任せられねぇ!変わりにつけてやる
  • あ号君が本名でしょ?何言ってるの?
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