【本編完結】BETA転生   作:鈴木颯手

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おそらく次でGATE編は完結となります。次の世界は日本国召喚を予定しています。GATEと違い完全に蹂躙する予定です。


第十三話「ダウンフォール・2」

「さて、まずはお互いに求める事を出し合おうじゃないか。どうせすべての要求を呑ませあうのは無理なんだ。お互いに妥協点を見つけていく事こそがより良い交渉となる」

「あら? 私は全て飲ませるつもりでいたけどね。まぁいいわ。私が要求するのはこれらよ

一つ、全ての化け物の門の向こう側の世界への撤退

一つ、全亜神の解放

本当は奪い取っていった大地とか生物とかを元通りにしろと言いたいけどとりあえず私が望むのはこれよ」

 

 なるほど。一つ目はともかく二つ目は無理だ。せっかく亜神というG元素を無限に生み出す夢の素材が手に入ったんだ。最低でもその代用品がないと解放なんてする気はない。

 

「ならばこっちの要求を伝えよう。俺はお前らと違って要求が多いからよぉく聞けよ?

1.門の技術の公開及び作成方法の伝授

2.12人いる亜神のうち最低でも半数を引き渡す事

3. すべての魔法の公開及び伝授

4. 我々がここまで侵攻した土地を我々の物として認める事

5.ベルナーゴにいる者たちの半数を引き渡す事。そのうち半数は難民以外とする

6.我々BETAへの今後の直接的・間接的介入・妨害の禁止

まぁ、こんなところだな」

「……ほんとうにそんな無茶苦茶な要求を呑むと思っているの?」

 

 ハーディはいら立ちを感じながらも務めて冷静に聞き返す。まぁ、仕方がないだろう。俺が伝えた6つの内容はどれも衝撃的なものばかりだろうからな。どれか一つだけでも大きな影響を与えてしまう事は明白でありハーディの様子からは絶対に吞みたくないという意思が感じ取れた。

 

「では本格的な交渉に入ろうか。まず、門の技術さえ手に入れば俺はこの世界から手を引いても良いと思っている」

「……ここにこだわらなくてよくなるからね?」

「そうだ。態々ここに執着せずに好きなように侵攻できる。俺らにとっては夢のような話だ」

 

 まぁ、そんな技術も夕呼先生の奮闘で20年くらいで完成しそうだがな。前聞いた時は30年だったが夕呼先生は物凄い勢いで形にし始めている。これなら本当に10年ほどで完成しそうだが俺はそこまで待っていられない。だから手っ取り早く技術を手に入れたいのだ。

 

「亜神たちも魅力的だが門の技術の前にはどうしても数段劣る。どうだ? この世界の神としてどう感じた?」

「……」

 

 悩んでいるのだろう。自分たちの世界を救うために他の世界を犠牲にするのかと。ここで門の技術を渡せばBETAの脅威はなくなるがその代わりにこの世界の何倍もの人々が死んでいく事になるだろう。いくらこの世界の神とは言え少しは葛藤する気持ちがあるようだがここまで来た以上結果は決まっているだろう。

 俺が肉人形を見ているとハーディは結論を出したのか口を開いた。

 

「いいわ。その条件呑んであげる。その代わりにすぐにでも化け物を門の向こう側に戻しなさい。亜神もすぐによ」

「んー、まぁ仕方ないな」

 

 門の技術を手に入れるのが最優先事項だからな。亜神たちを手放すのは少し痛いがなんでかんでほしいわけではないからな。

 

「それじゃ早速門の技術をくれ」

「……いいわよ」

 

 ハーディはそう言うと俺に向かって光の玉を投げてくる。おそらくこれが門の技術なんだろう。そして、光の玉が俺の中に入ってくると確信に至った。脳内に技術が映し出されてくるんだ。ふむ……。やはりかなりすさまじい技術だ。夕呼先生が模倣しようとしていた技術の資料を思い出しながら確認してみたが重要な場所が模倣すら出来ていない状況だった。というか重要で複雑な箇所以外は普通に模倣で来ている。改めて夕呼先生のヤバさが伝わってくるな……。

 

「確かに受け取った。俺には作る能力はないが見ればわかるからな」

「そう。それじゃ約束は守ってもらうわよ」

「ああ、もちろん良いぜ」

 

 俺は捕らえていた亜神たちを解放する。解放のタイミングに合わせて最後の採取を行っていた為に見た目だけなら死肉をあさられた後の死体に見える。これを門を通らせた後は特殊な弾頭に詰め込み突撃砲で()()()()()()。本当に再生できるのかさえ分からない程の損傷を受けるだろうが別に問題はない。この世界にもう要はないからな。

 

「それじゃさっさと帰って頂戴。中々具合の良い体だったけどこれも返すわ」

「いや。いいさ。気に入ってくれたようだし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()返すなんて出来ないよ」

「? それはどういう……!?」

 

 ああ、ようやく気付いたらしい。ハーディは目を見開きながら立ち上がって体をペタペタと触っている。そして、触れば触るほどに驚愕や絶望を感じているようだ。

 それも仕方ないだろう。ハーディは今()()()()()()()()()()()()()()()。これは夕呼先生が門の模倣の過程で生み出したものでここにはない存在を固定する能力だ。事前の調査で神は肉体を持たず、五感すら持たないやつらだと分かっていたからな。俺としては神という面白い素体を見逃す手はない。だから門の技術を持っているハーディで試す事にしたんだ。結果は大成功。

 

「どうだ? 確かお前らはもとは生命体だったんだろう? どれだけの年月ぶりかは知らないが自分の肉体を持った感想はどうだ?」

「っ! 貴方……!」

「ああ、ちなみにお代は君が我々の世界に来ることで支払えるようにしてやるよ」

 

 ハーディは怒りで顔を真っ赤にしており今にも殴りかかって来そうな様相を見せているが俺が指を鳴らせば肉人形の体は力を失ったように椅子に座った。突然の事に何が起こったのか分からない様子のハーディに俺は親切丁寧に教えてやる。

 

「俺が用意したその肉人形は俺の命令に忠実に従う名前の通りの存在だ。それに入ったハーディはともかく肉体方面では俺の意思でどんなこともさせられる」

「下衆ね」

「神を肉体に閉じ込めようというんだ。このくらい保険はかけても足りないくらいだ」

 

 本当ならいつものように脳の改造を行って精神面でも俺の駒にしたいと思ったがこいつの今の状態は出れなくなった状態の憑依だ。肉体をいくら弄っても駒にする事は難しい。だからやるべきなのは相手の心を折って反抗心をなくす事だ。そうすれば忠実な駒と言っても問題ない状況となる。神相手にそれが出来るかという不安はあるがだめならだめで使い道を変更するなり幽閉するなりして何も出来ない状態にして放置すればいいだけの話だ。

 

「安心しろよ。お前の亜神だったドラゴン娘も一緒にいるんだ。寂しくはないぜ?」

「っ!? 亜神は全て開放するという約束だったでしょ!?」

「そうだな。だが、仕える主人がこの状況のあいつを果たして亜神と呼べるかな? 俺は呼べないと判断した。だから開放はしないさ」

「……そう。最初から……」

 

 ハーディはブツブツと何かをつぶやいているが無視して残りの用事を済ませよう。神がいなくなったことはすぐにでも伝わるはずだ。だからと言って俺を脅かすことが出来るとは思えないがさっさとこの世界からおさらばすればいいからな。日本の方はアイリスディーナ達を送り込んでいる。異世界の座標はきっちりと把握、追跡が出来ている。門が開ければすぐにでも向かう事が出来る。

 アイリスディーナ達の体を使った情報収集で俺の世界の原作と思われる作品があるのを確認している。対BETAの動きが出来る前にさっさと繋げて必要なものを確保。最後に滅ぼせばいいだろう。

 

「さて、そろそろ帰るぞ。お前は口を閉じ俺の許可があるまで一切の発言を禁ずる。そして来た時と同じように意思のない人形として運ばれろ」

 

 俺の命令に返事は返ってこない。元々返事は返さないし口を閉じるという命令を受けているからたとえ喋れても返事は出来ないだろう。戦車級にハーディを運ばせて神殿を出る。神官たちが何かを言いたそうにしているが無視をして帰路につく。BETAも東へ向けて動き出しており突撃級が地響きを生み出しながら走っている。俺は戦車級一体を捕まえるとその上に乗り、門へと帰還に入った。

 

 

 

 

 もうこの世界に用はない。滅ぼしてもいいが門という技術を手に入れるきっかけとなったんだ。本当に手を引いてやるよ。

 

 とはいえ大陸を支配していた帝国は崩壊し、大陸東部は平坦な大地となって生態系は消滅した。生き残った者たちが奪い合う戦国時代に突入するだろうが精々頑張ってくれ。侵略する事で繫栄していたお前たちにはふさわしい末路だろうからな。

 




次話は2023/01/14 23:25投稿予定です。

あ号君の名前に関して

  • 名前なんていらねぇ!
  • 呼びづらいからさっさとつけろや!
  • てめぇに任せられねぇ!変わりにつけてやる
  • あ号君が本名でしょ?何言ってるの?
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