【本編完結】BETA転生   作:鈴木颯手

84 / 93
今回から日本国召喚が始まります


外伝2A【BETA召喚】
第一話「ロデニウス大陸」


 自衛隊たちに特地と呼ばれていた世界は俺たちに実りをもたらしたと言えるだろう。おかげで俺は燃え尽き症候群を脱し、門という異世界とを繋ぐ技術を手に入れたのだから。そしてこの技術は夕呼先生によって魔改造が施されている。ハーディがゲロった異世界同士をつなぐデメリットを最小限に抑える事に成功した門となっている。おかげでつなぎっぱなしにしていても起きる影響は万単位の年月で違和感を感じるレベルだ。ほぼないに等しい。

 さて、そんなわけで早速別の世界に門を開くわけだがここで問題が発生した。門を開くことは出来るがその先の世界に関しては行ってみないと分からないのだ。門を開くことは出来てもその世界の情報が見えるわけではない。完全なランダムという事だ。

 その為に場合によってはこちらを一蹴出来る強力な世界と繋がってしまう可能性もあるわけだ。慎重に行くべきなのかも入れないが……。

 

「どうせ失うのはBETAだ。いざとなれば門を閉じれば問題はないだろう」

 

 俺はこのことを楽観視していた。どうせ危なくなったら閉じればいいだけの話だと思っていたからな。その結果として後にひどい目にあうのだがそんなことを今の俺が知るわけがなかった。

 そんなわけで地球を全土手に入れた後に門を開く事にした。ちなみに地球は自然をある程度残した感じになっている。要は地表に人間級が住めるようにしたわけだ。更にそこでは戦術機の武装の工場や食料の生産工場を作っている。国のしがらみを気にする事無く大規模な工場を作る事が出来るから生産率に関しては俺が転生する前よりもはるかに高い物となっている。それを消費しきる事は人間級や牧場の家畜だけじゃ無理だから収穫した作物の大半はG元素に変換しているがな。一つ一つから得られるG元素は微々たるものだが繫殖場の家畜とは違い常に定量のG元素が得られるのが特徴的だ。ドラゴン娘のおかげでそれなりのG元素が供給されている状態だしな。

 

「門の接続を確認しました。この先を潜れば異なる世界になっています」

「よろしい。では早速蹂躙を開始しようか」

 

 夕呼先生が勝手に集めた助手からの報告を聞いて俺はBETAを門に突進させた。前の門は要塞級が入らない程度の大きさだったが今度は要塞級も簡単に入れるサイズになっている。派兵されるBETAの戦力が大幅に上昇するだろう。

 いつも通り突撃級を先頭に要撃級、戦車級が続き、レーザー級を守護するように要塞級が囲んだBETAの基本陣形で門を潜っていく。BETA達から見える景色は草原のようだが突撃級によってそれらが踏みつぶされて言っている。道らしきものや遠くに風車が見える事からすくなくとも人は住んでいるのは確認できた。この世界の技術がどれほどのものか、それはしばらく侵攻を続ければわかるだろう。いざとなれば戦術機級も投入したり門を閉じて別の場所につなげて奇襲するという手もありだな。地球ではその戦法で大国を翻弄して叩き潰したしな。

 

「さて、今度の指揮官は誰にしようかな……」

 

 しばらくはBETAによる蹂躙が続くだろうからその間に今回の世界でBETAを指揮する人物を決めておく。伊隅次女、アイリスディーナ、唯依姫が前回は指揮したが他の面々にも経験を積ませるためにもさせてみようかな。

 三人は能力が高いがゆえに頼りきりになっている面もあるし全体的に能力を上げておきたいからな。となると次に指揮経験があるのはグレーテル、上総、ヴァルターに速瀬あたりか? 後はほとんどないだろうし詳しくは把握していないがとりあえずローテーションを組んで指揮をさせてみるか。やはりこういった失敗しても問題ない状況で経験を積んでいく事が出来るのは良いよな。失敗を恐れずに行えるからな。

 さーてさて? この異世界のレベルはどの程度なのかなー?

 

 

 

 

 

 

 

中央歴1639年1月中旬クワ・トイネ公国

 この日、クワ・トイネ公国は建国至上最大の危機に陥っていた。何しろロデニウス大陸の中央部から大量の化け物があふれて来たのだから。それらはもともと兵数が少ない公国にとって抵抗すら出来ない性能と物量で以て侵攻をし続けていた。

 

「やつらは一体……」

 

 クワ・トイネ公国首相カナタは突如として自国に訪れた悲劇に困惑していた。彼のいる公都クワ・トイネや経済都市マイハークは北部に位置していた為に今のところ無事であったがそれも時間の問題だった。化け物は数を減らす事無く増え続けており、すでに大陸中央部は完全に陥落していた。クワ・トイネが誇る要塞都市であるエジェイがあっけなく陥落した事からも化け物の強さは異常なほどだと理解できる。

 

「首相……。クイラ王国も化け物の襲撃を受けているそうです。……残念ですが援軍は期待できません」

「大東洋諸国も距離の問題から援軍は間に合わないと思います……」

「ロウリア王国が変な動きを見せています。おそらくこちらへの侵攻準備かと」

 

 弱ったところを見せれば近隣諸国に食い殺される。それがこの世界の風潮であり、実際にそれで滅ぼされた国は大量に存在している。そして、今クワ・トイネはロウリアという強国相手に大きな隙を見せた形となっていた。

 人間至上主義を掲げるロウリア王国は秘密裏にとある大国の保護下に入る事でその技術を得て力を増大させていた。そして、自身と領地を接するクワ・トイネ公国を滅ぼす機会をうかがっていたがそれは予想外にも早く訪れていた。

 

「……長い歴史を持つ我が国はもう、生きる事が出来ないという事ですか……」

 

 あまりにもひどい惨状にカナタは絶望した声でそうつぶやく。そんなカナタに誰もが言葉をかける事は出来なかった。皆カナタと同じように現状に絶望を感じていたからだ。抵抗するために兵力はなく、防衛すら不可能。にも拘わらず隣国には攻められそうになっている。クワ・トイネ公国はまさに不運に見舞われたと言っていい状態にあった。

 

「……皆さん。こうなっては仕方ありません。一人でも多くの国民を国外に逃がす準備をしてください。軍は少しでも防衛を行い化け物やロウリアの足止めをしてください」

「了解しました。すぐにでも行います!」

 

 クワ・トイネ公国は首相カナタの迅速な判断により国内からの国民の脱出を始める事となる。しかし、マイハークはともかく、クワ・トイネの民がマイハークの港に到着するころにはクワ・トイネ公国はほぼ滅亡したと言える状況にまで追い込まれていた。到着時にクワ・トイネは陥落。現地に残っていたカナタ以下数名の官僚が即死している。数時間後には化け物はマイハークにまで到着し、船ごと避難民を海に沈めてしまった。海上に逃げたクワ・トイネの民たちを化け物はそれ以上追う事はなく、ロデニウス大陸の制圧を進める事となった。

 クイラ王国はもともとが穀物が育たない大地の国であったために国家としての地力は低く、クワ・トイネ公国の全土が占領された数日後に全滅している。ロウリア王国は諸侯軍による大群で対応しようとするもそれらはただ突撃級に踏みつぶされる結果に終わった。虎の子のワイバーンもレーザー級の攻撃で一匹残らず撃ち落されていき攻撃する事さえ出来ずに全滅してしまった。それ以降はクワ・トイネ公国と同様の末路をたどり、中央歴1639年2月ごろにはロデニウス大陸を化け物、BETAは占領下に置くのだった。

 そして、ハイヴを建設しながらあ号標的は次なる目標を定めつつ何時もの手となっている情報収集や攪乱、妨害工作のための人間級を送り出していく。その数は1000体を超えておりフィルアデス大陸を中心に様々な土地に潜伏してBETAに情報を送り続ける事となる。

 まさにロデニウス大陸陥落はBETAによる侵攻の最初の一手となったのだった。

 





【挿絵表示】

異世界地図です
次話は2023/01/17 23:15投稿予定です。

あ号君の名前に関して

  • 名前なんていらねぇ!
  • 呼びづらいからさっさとつけろや!
  • てめぇに任せられねぇ!変わりにつけてやる
  • あ号君が本名でしょ?何言ってるの?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。