中央歴1639年6月上旬 トーパ王国世界の扉
かつて魔王により人類が滅亡の危機に瀕したときに太陽神より遣わされた使者たちが築き上げた世界の扉。それは魔物であふれるグラメウス大陸と人類の生存圏を分断し、人類を守る壁となっていた。
本来、それが破壊されるときはグラメウス大陸の脅威がなくなったときかグラメウス大陸からあふれた魔物に破壊されるくらいであり、人類側から破壊されることはないはずだった。
しかし、この日世界の扉は破壊されることとなった。魔物すらか弱い存在に見える化け物によって。
「これが世界の扉、ね。魔物というのはこんなんで防げる程度ってことか」
「わかりませんよ。かつて魔王と呼ばれるものにより統治されていたとのことですので烏合の衆になりさがっただけで本来は強いのかもしれません」
「そうだといいけどな」
突撃級を先頭にグラメウス大陸へと進出したがどうも魔物への期待度がどんどん低くなってきてしまっている。魔王が封印されているらしいしそいつがいないと魔物とは烏合の衆になっている。つまり強敵とは言えないということだろう。これなら未だにわずかに生き残っているパーパルディアの残党のほうがマシだ。
「戦術機の出番もないだろうしさっさと次に行くか」
俺の関心はグラメウス大陸ではなくこの世界においてもっとも最強と思われる神聖ミリシアル帝国が存在する中央世界に移っている。ただそいつらもそれほど強くはなさそうだ。実はひと月くらいまえに神聖ミリシアル帝国の艦隊が向かってきた事がある。見た目はかなり近未来的だったから全力で挑まないとまずいと思って全艦隊を向かわせたんだが結果はこっちの圧勝だった。
なんだよミリシアルって。あれで世界最強なの? レシプロ機に性能で負けてそうなジェット機に見た目以外で褒められる場所がない空母。そして海中からの攻撃に無力すぎる戦艦。見かけ倒しだったしもう世界最強(笑)でいいんじゃないかなとさえ思えてしまう弱さだ。これが海軍が貧弱で陸軍はそうでもないとかならいいが少なくとも航空戦力もカスだし期待はできそうにないな。
これが世界最強である以上劣るであろうムーやグラ・バルカス帝国という国々も期待はしないほうがよさそうだな。さっさとつぶして次の世界にいくべきか? ああ、だめだ考えれば考えるほど神聖ミリシアル帝国どころかこの世界への興味が薄れてきた。得る物は得たしハイヴ作りまくって次の世界にいくか。どうせここにはG元素に変換する為の物資としてしか関心がないからな。この世界特有の何か面白い技術でもあればと思っていたがこの調子なら期待しないほうがいいな。
「……あ? 先頭の突撃級がやられ始めたぞ」
「どうやら魔王の封印が解けていない、というのは誤報だったようですね」
一瞬にして突撃級が炎に包まれて灰となった。あくまで5重6重にも存在する突撃級の一層目が少しやられた程度だがこの世界、いや異世界にきて初めての損害らしい損害だ。それも突撃級が正面からやられるなんてな。
「おいおい……。魔王っていうのは何でもありか?」
「どうされましたか?」
隣のアイリスディーナが不思議そうに見てくるが正直にいって構っている暇はない。魔王は何やら巨大な土の巨人を作り突撃級を踏みつぶし始めたんだ。むろん突撃級もやられてはおらず足を吹き飛ばすなどしているがそのたびに回復していっているから意味があるとは思えなかった。しかも魔王はそこから不死鳥のような炎の鳥を生み出して空爆のごとく攻撃を仕掛けてきている。
……なるほど。かなりめんどくさい相手だな。単騎でこれとか大抵のやつでは相手にすらならないぞ。
「レーザー級攻撃」
まぁ、それもレーザー級が出るまでの間だがな。魔王は一瞬にして気づいたようだが展開したバリアごと魔王の肉体を10を超えるレーザーが貫通する。BETAにおいて最大火力であるレーザー級の攻撃だ。これすら防ぐようならちょっと撤退するしかなかったかもしれないな。
「うーん、やはりレーザー級がいないと厳しい場面もあるか……」
「一定の火力さえそろえば要撃級どころか突撃級すら撃破可能ですからね」
「そうなんだよなぁ。ま、こいつらの最大の強みは数だ。津波のごときあらがえない物量こそがこいつらの強み。それが通じる相手である限り問題はないだろう」
そして、物量が通じない相手だと厳しいが……。ぶっちゃけそんな奴は中々いない。核すらまともに通じず、数百数千ではなく数万、数十万で攻め込むんだ。負けるはずがない。可能性があるとすれば宇宙戦艦ヤマトのような宇宙で戦闘するものがメインの世界だがそんなのは逃げ一択だから戦う必要はない。別に無理なら攻め込まなければいいだけの話だし、地上戦力において俺たちに勝てる奴がいるはずがない。局地的、戦術的な敗北がどれだけあろうと俺たちBETAが最終的に勝利する。
「さて、それじゃ残りの大陸も一気に奪うとするか」
「……ついに行きますか?」
「ああ、この世界、文明レベルが低すぎて資源以上の価値が見いだせない。ならばさっさと大規模な抵抗勢力を叩き潰してゆっくりと資源回収させてもらおうじゃないか」
本当は大陸を一つ一つ潰していく予定だったがこの世界のレベルがこの程度ならさっさととれるものを取ってしまった方がいいな。
「せっかくだ。全ての敵を相手出来るように全戦力で行くか?」
「それは過剰すぎる戦力でしょう。何より門の狭さのせいで移動させるだけで時間がかかります。現状の戦力の二倍ほど用意すれば問題ないでしょう」
「ふむ、そのくらいが妥当な範囲か。よし! じゃあ早速用意してこの世界を手に入れるか!」
中央歴1639年8月中旬 神聖ミリシアル帝国帝都ルーンポリス
「眠らない魔都」の異名を持つ世界最大の都市、ルーンポリス。そこにある皇帝の居城であるアルビオン城では緊急の会議が開かれていた。その会議のメンバーは神聖ミリシアル帝国における主要メンバーがほぼ全て集まっていたが参加する者の表情はあまりよくはなかった。
「……やはり、フィルアデス大陸は落ちたか」
「はい。敵の攻撃をかいくぐり、大陸を確認できたものが撃墜寸前で報告してくれたおかげで判明しました。……第三文明圏及びその周囲の文明圏外国が軒並み滅びたとみて間違いないでしょう」
神聖ミリシアル帝国皇帝ミリシアル8世の問いに情報局局長のアルネウスは答えた。しかし、それは決して神聖ミリシアル帝国に、人類にとって吉報ではない。むしろ凶報と言えるだろう。
神聖ミリシアル帝国が
ここでようやくフィルアデス大陸を襲う未知の生物を敵と判断して海軍を送る事となったがそんな彼らの前に現れたのは異形の化け物と融合した鉄の軍艦だった。神聖ミリシアル帝国の主力戦闘機エルペシオ3を難なく撃ち落とす敵のレーザー照射。極太になれば艦船すら一方的に破壊する凶悪なものであり、敵の砲撃の射程もミリシアル側よりはるかに上であったために結局艦隊は一切近づくことができずに壊滅。唯一接近できた戦闘機も発艦した機体全てを撃墜される形となっていた。これらの艦隊にはミリシアル側にとって主力艦も混じっており、決して弱い艦隊ではなかった。それにも関わらず勝てないという事実は神聖ミリシアル帝国を震撼させるには十分すぎた。
「フィルアデス大陸、ロデニウス大陸、そしてグラメウス大陸……。次々と大陸が陥落している事実から見ても次は我ら中央世界であろう。果たして防ぎきれるのか……」
「……残念ですが海軍ではこれを防ぐことができません。そもそも、敵がどのようにして大陸を移動するのかさえ判明していません。水面を泳ぐのであればまだいいですがもし海中や海底を通るのであれば我々に攻撃手段は存在しません」
「そして何よりこちらの戦闘機は全く使い物になりません。あげればあげるだけ撃ち落とされてしまいます。現在のところ艦船以外の情報が少なく、上陸する敵の情報が分からないので判断はできませんが陸上戦力にも戦闘機を無効化できる兵器があると考えています」
「陸地で迎撃するという方法もありますがそうなればわが国土で戦争をすることになります。……そして何より神聖ミリシアル帝国は中央世界の南半分を領土としており、その分海岸線も広大です。敵の戦力次第では全力を出す必要もあるでしょうが敵が素直に東側から上陸してくるとは限りません」
「南や西、あるいは四方八方より攻めてくる可能性もある、か……。それにほかの国々を通ってくることも考えられる」
話せば話すほどどうしようもない現実に会議の参加者は飲み込まれそうになっていた。どうにかしないといけないのにどうにかする手段がなく、自分たちの兵器が一切通用しないという事実に押しつぶされそうだった。
「……こうなったら仕方あるまい。パル・キマイラを全力稼働させる」
「っ! 確かにあれなら問題ないでしょうが……!」
「今は躊躇している場合ではない。パル・キマイラだけではなく搭載されたジビルも全て使って構わない。何としてでも敵の勢いをそぐのだ!」
ミリシアル8世の覚悟を決めた言葉に参加者たちがざわつく中、突如として部屋の扉が開かれ、顔を真っ青にさせた兵士が入ってきた。
「なんだ? 会議中だぞ」
「も、申し訳ありません! ですが緊急の報告があります!」
「……まさか!?」
兵士の慌てようは異常だった。それが意味する事で最悪なものの一つに思い至ったミリシアル8世は目を見開いた。
「フィルアデス大陸を壊滅させた魔物らしき群れが
そしてそれは最悪の中でも最も最悪な、絶望的な予想が当たってしまっていた。
唐突ですが日本国召喚は次で終わらせて次に行きたいと思います。予定では86に行きますがその後の予定は特に決めてないです。EDFか進撃の巨人が今のところ有力候補です(そこまでエタってなければですが)
あ号君の名前に関して
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名前なんていらねぇ!
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呼びづらいからさっさとつけろや!
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てめぇに任せられねぇ!変わりにつけてやる
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あ号君が本名でしょ?何言ってるの?