指定した一月が経過した。この間、敵の攻撃は過激なものになっていた。
まず、BETAに対して長距離砲撃による面制圧で叩き潰されるのが基本となった。それを搔い潜っても敵の戦車砲の如き砲撃が飛んできて生き残りを殲滅していく。突撃級でさえ敵の砲撃を正面で受け切る事は出来なかった。更に敵は門の位置を知っているのか時折門付近に砲撃が着弾することもある。敵の長距離砲撃が門のあたりまで届く以上戦線を引き上げないと危険ではあった。
正直に言って状況は最悪だ。敵はまるでこちらを熟知しているかのように最適な行動をとり、無駄を省いている。おかげでBETAは一定のラインを超えることが出来ずにつぶされている。
数で圧倒しようにも門から出せる数には限りがあるし地球制圧後は生産を緩やかなにものにしていたからかつてのような圧倒的な生産数になるにはまだまだ時間がかかってしまう。
「それで? 夕呼先生。完成はしたんですね?」
「ええ、最高の出来に仕上げているわ」
そして、本日ようやく戦術機の改装機が完成したと報告を受けて夕呼先生が待つ格納庫に来ていた。そこには従来の戦術機とは微妙に違っている機体が複数並んでいた。
まず、飛行を可能としていた跳躍ユニットが外されている。これは今後の戦闘において必須の項目だったな。出撃するたびにバードストライクを受けて撃墜されていてはかなわないからな。次に跳躍ユニットに代わるように脚部にホイールが取り付けられている。収納可能なローラースケートというのがしっくりくるこれでスピードを維持しようというわけだろう。
「ふむ、見た感じ地上で這って戦うようになったという感じか?」
「もちろん飛べない分補強としてアンカーを両肩に二つ付けたわ。跳躍ユニットの代わりにはなれないけど不便はあまり感じないように気を付けたわ」
武装に関してはあまり変わった様子はない。しいて言うのなら長距離砲撃用の砲台を背負った長距離型や近接戦闘型が存在するくらいだな。
「改めて確認するがこれらは全て完成しているんだな?」
「ええ。今すぐ出撃することも可能よ。……まさかもう出すのかしら?」
「ああ、ちょっとした試運転をしてもらう。どうせそれでだめなら何をしてもダメだろうしな。
それよりも夕呼先生は戦術機級の改装も行ってくれ。戦術機だけでは敵の物量に飲み込まれてしまうからな。戦術機級も使って数の差を補いたい」
そうして門周辺を制圧したらハイヴを作り本格的に侵略していくのもありだ。この世界がどれだけ大きいのかはわからないが戦術機たちだけでは手が回らないだろうからな。ハイヴが作れるくらいになればBETAで世界を埋めつくす戦法もとれる。そうすれば後は消化試合、いつもの光景だ。
ああ、それとこれを機にパイロット達の階級を正式に変更した。何時までも改造前の物を使うのはなんとも言えないからな。それと同時に部隊編成も行い、きちんとした軍隊として編成を行った。とはいえ部隊編成に関しては地球の者たちのやつをそのまま使用したから特に変更点はないがな。
BETA型戦術機部隊
総司令:俺
副指令:香月夕呼
副指令:アイリスディーナ・ベルンハルト(第666戦術機中隊長と兼任)
副指令:アルフレート・ヴァルテ
管制官:涼宮遥
総司令直轄起動遊撃部隊“ジークフリート”
隊長:アルフレート・ヴァルテ
隊員:アネット・ホーゼンフェルト
第666戦術機中隊“シュヴァルツェスマーケン”
隊長:アイリスディーナ・ベルンハルト(シュヴァルツ01)
副隊長:ファム・ティ・ラン(シュヴァルツ02)
副隊長:グレーテル・イェッケルン(シュヴァルツ03)
隊員: ヴァルター・クリューガー(シュヴァルツ04)
隊員:シルヴィア・クシャシンスカ(シュヴァルツ05)
隊員:イングヒルト・ブロニコフスキー(シュヴァルツ06)
隊員:テオドール・エーベルバッハ(シュヴァルツ07)
隊員:カティア・ヴァルトハイム(シュヴァルツ08)
隊員:リィズ・ホーエンシュタイン(シュヴァルツ09)
隊員:人間級モデルドイツ(シュヴァルツェ10)
隊員:人間級モデルドイツ(シュヴァルツェ11)
隊員:人間級モデルドイツ(シュヴァルツェ12)
第1戦術機中隊“伊隅ヴァルキリーズ”
隊長:伊隅みちる
副隊長:速瀬水月
副隊長:宗像美冴
隊員:風間祷子
隊員:涼宮茜
隊員:柏木晴子
隊員:臼杵咲良
隊員:御剣冥夜
隊員:榊千鶴
隊員:彩峰慧
隊員:珠瀬壬姫
隊員:鎧衣美琴
第2戦術機中隊“ホワイトファング”
隊長:篁唯依
副隊長:山城上総
副隊長:能登和泉
隊員:甲斐志摩子
隊員:岩見安芸
隊員:伊隅あきら
隊員:伊隅まりか
隊員:人間級モデル日本
隊員:人間級モデル日本
隊員:人間級モデル日本
隊員:人間級モデル日本
ほかにも人間級のみで構成される第3戦術機中隊もありこれが現在BETAが保有する全戦術機となっている。因みに階級は以下の通りに統一した。
将軍:俺
大佐:アイリスディーナ、アルフレート、夕呼先生
中佐:伊隅みちる、唯依姫、
少佐:各部隊の副隊長
大尉:アネット、佐渡島子、リィズ
中尉:その他一部のパイロット
少尉:大半のパイロット
軍曹:なし
一等兵:なし
二等兵:なし
雑に振り分けたが今後はこれで統一する。何の意味があるかはわからないがな。どうせ階級なんてあってないようなものだ。俺を頂点として補佐や副官を配置。その下にいろいろと振り分ければそれだけでいいからな。あとはその辺が得意なアイリスディーナや夕呼先生がやってくれるだろう。二人にはその辺の人事権を与えているからな。報告さえしてくれれば好きにいじくっていいようにしている。
「さて、まずはシュヴァルツェスマーケンに出撃させるか。数十年間戦ってきた猛者たちだ。臨機応変に対応出来るだろうからな」
「それじゃ残りの面々は新しい機体にゆっくりと慣れてもらう方向で良いわね?」
「あまりゆっくりとされても困るがそうだな。シュヴァルツェスマーケンの半分といったところだな」
とりあえず今はシュヴァルツェスマーケンだけで十分だ。だが半月以内に全機出して周辺地域を掃討したいとは考えているがな。
「ではアイリスディーナに連絡して出撃をするように言ってくれ。残りはここで試運転だ」
「ええ、わかったわ」
「俺は自分の機体の調整を行うからな」
「あら? 今回は貴方も出るの? 危険ではなくて?」
夕呼先生の懸念はもっともだ。正直に言って俺にパイロットとしての実力はない。何しろ動かしたことがないからな。シュミレーターで模擬戦をしても基本的に全戦全敗だ。相手の方が罪悪感を覚えてしまうくらいに弱いらしい。
原因は分かっている。俺は複数の処理を一度にこなすことが苦手だからだ。これは転生前から感じている俺の欠点で一度集中すると他が見えなくなってしまうのだ。
故にこの弱点を補えるように機体には補助AIを複数搭載している。これで俺の欠点を補えるはずだ。それに俺が運用する機体、機龍のスペック的によほどのことがない限り問題はないだろう。
全長60m。姿勢がよくなったティラノサウルスのような見た目をしており、方にはミサイルやロケット弾が搭載されているバックパックを装備し、両腕には収納可能な高周波ブレードと36㎜機関砲が搭載された兵装を装備している。本体の武装としては胸部に三連式重レーザー級レーザー照射膜を設置。口内に二連式レーザー級レーザー照射膜があるが本体の武装はそれだけだ。更に武装ではないが腰と背中に使用しないときは収容している跳躍ユニットを搭載しており自力で空を飛ぶことも可能だ。この世界で使用する事はないだろうがな。
一時は燃え尽き症候群でちまちまと作っていた機龍も門を手に入れてからあっという間に完成させた。完全に大物狙いの兵器と化したがこれを使って敵を蹂躙するのもありだが問題は門の大きさだよな。これをあちらで使うとなるといったんバラして向こうで組み立てなおさないといけない。そうなると当然ながら安全区域が必須となるし直ぐにでも作る事は出来ないわけだ。
「そうなると夕呼先生に門の改良を頼むべきか?」
最近は戦術機の改装を優先的に行ってもらっていたから門の改良に関してはほとんど進んでいないだろう。これさえ完了していれば機龍だけではなく要塞級のような大型BETAも送り出すことが出来るんだがな……。
ま、それは今言ったところでどうしようもない。後は改装した戦術機がどこまで戦えるかを見てから今後の事は考えるとしよう。それまではこの機龍の改造やメンテナンスを行おうとするか。
BTシリーズの事すっかり忘れていた……
階級に関しては雑に決めました。軒並み階級が高いのはそれだけの功績を上げたとあ号君が判断したこととあ号君が階級に関する知識がそれほどないためです
あ号君の名前に関して
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名前なんていらねぇ!
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呼びづらいからさっさとつけろや!
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てめぇに任せられねぇ!変わりにつけてやる
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あ号君が本名でしょ?何言ってるの?