【本編完結】BETA転生   作:鈴木颯手

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書いている途中で思ったのですがレーザー級で砲撃迎撃すれば良くね?という事に気づき、書き直そうか悩んだ末にごり押しすることにしました。
因みにエイティシックスが終わったらになりますがマブラヴの原作時空と繋がったらどうなのかなとか妄想しています。


第五話「初陣」

「中隊、出撃!」

 

 再編された第666戦術機中隊“シュヴァルツェスマーケン”がアイリスディーナの命令に従い発進する。彼女たちが乗る戦術機はかつてのように空を駆けることはなく、代わりに飛行時並みの速度で地面を滑っていく。

 

「総員、機体の調子はどうだ? 何か異変があればすぐに知らせるように」

『こちらシュヴァルツ04。今のところ機体に異常はありません。振動が飛行時に比べてかなり感じるくらいです』

『車酔いが酷い人には難しいかと』

「ふむ、確かにこの揺れは初めてだな」

 

 地面と触れている以上振動しないという事はあり得ない。そのために飛行時には感じない揺れが隊員たちを襲っており、多少の気持ち悪さを感じさせていた。

 ふと、アイリスディーナは改造される直前に母艦(キャリアー)級で輸送させられた時のことを思い出す。あの時はリィズがまき散らしたことで全員が一度は吐くこととなった。改造当初はアイリスディーナにとって忘れられない憎悪を感じさせていたものだったが人類に対する思いが完全に消え失せた現在では懐かしい思い出の一つとなっていた。

 

「こればっかりは慣れるしかないな。だが諸君らも経験しただろう? 母艦級の時に比べればマシだ」

 

 アイリスディーナのその言葉に隊員達は軽く苦笑する。

 

『確かにあれは中々きつかったからですね』

『アネットなんてヴァルテ大佐にしがみつきながら吐いてましたからね』

『一番酷い状態だった二人がいないのが残念ですな』

 

 事の発端となったリィズと一番吐き出していたアネットはここにはいない。アネットは思い人のアルフレート・ヴァルテの直属の部下となりあ号標的直下の遊撃部隊として独立している。今頃はアルフレートとイチャコラしながら機体に慣れている頃だろう。リィズに関してはテオドールとともにハイヴの一部に作られた愛の巣で愛を育みあっているだろう。アイリスディーナも改造してから彼女に会ったことはないがあ号標的を通して現在も兄のテオドールと()()()()であることは聞いていた。中隊には在籍しているがあ号標的が呼び出さない限り二人が中隊に姿を見せることはないだろう。

 

「本来であれば中隊にいるはずの二人がいないために10人と定員割れを起こしているがこれはかつての戦場では当たり前のことだった。今更どうとはいうまい」

「その分我らが補充として入っています。前任者程とはいきませんが存分にこき使ってください」

「ああ、期待している」

 

 そして、編成に伴いシュバルツェスマーケンには3人の人間級が配属となっていた。在籍するのがほぼドイツ人であることからドイツ人をモデルとして作られた人間級であるため表面上は違和感を感じさせないようになっていた。パイロットとしての腕も及第点を与えられる程度には能力が高く、シュバルツェスマーケンがよく行う光線級吶喊(レーザーヤークト)にもついてこれるだろう。

 

「さて、この辺から敵の長距離砲撃が降ってくるエリアとなる。総員周辺の警戒を怠るな」

 

 砲撃がよく降り注ぐ位置なのだろう。これまで進んでいた場所は森林と呼ぶにふさわしい場所だったが突如として周囲が開け、あたり一面にクレーターが広がる場所となった。そこにはBETAの死骸が複数転がっており、何度も砲撃を受けたのか、原形をとどめているのはほとんど存在していなかった。

 

「敵の長距離砲撃は固まっていれば全滅しかねない威力と爆破範囲を持っていると確認されている。決して一塊にならずに不規則な動きを取り続けろ!」

 

 アイリスディーナのその指示に従いシュヴァルツェスマーケンの面々はジグザグ走行を開始する。幸いにも敵の砲撃はなく、間もなく敵と初めて遭遇した廃墟にたどり着こうという時だった。

 

「っ!? 総員回避行動!」

 

 遠くから聞こえる砲撃音。それが意味するのを理解した隊員達は即座に機体を動かしてその場を離れる。数秒後、彼女たちがいた場所には敵、レギオンの長距離砲撃が着弾し、巨大な爆発を生み出した。それも一つではなく合計5発。面制圧による駆逐を行ったのだ。

 レギオンがBETAと戦闘をするうえでずっと行われている攻撃方法であり、BETAの足を止めさせている原因でもあった。更にまるでBETA側の計画を知っているかのようにレギオンは即座に対応し、BETAの死骸を増やしていった。

 そんなBETAにとって最大級の障害が今シュバルツェスマーケンに牙を向けているのだ。副指令となったアイリスディーナもその情報は知っており、出来れば早めにたたいておきたいと考えていたが相手は知覚出来ない距離から砲撃を行っており接近は容易ではなかった。加えて、レギオンとの戦闘が本格的に開始されてからというもの上空は常に蝶のような電子妨害機が飛んでおり、レーダーと通信をダメにしていた為に具体的な敵位置を知ることも出来なかった。

 

「(光線級吶喊(レーザーヤークト)を行ってきた私たちでもこの状況は厳しすぎる。今回はあくまで試運転。あまり無茶はせずに近場の敵と戦闘するのが吉か……)敵の長距離砲は厄介だが囮も兼ねてBETA群が吶喊する。そのすきに近場の敵機械を攻撃し、戦闘データを収集するぞ」

『『『『『了解!』』』』』

 

 そうこうしている間にシュヴァルツェスマーケンの横をBETAが通り過ぎていく。突撃級を先頭に要撃級、戦車級が続くBETAの基本陣形だ。

 しかし、それらは敵が放つ長距離砲撃によって次々と吹き飛んでいく。一射目で前半分が、二射目で生き残りが1割となり、三射目で完全に吹き飛ばされた。

 

『敵の砲撃はすさまじいですね。最初は光線(レーザー)級で砲弾を迎撃していたらしいですが次の砲撃が数倍になって結局消耗を避ける為に出さなくなりましたからね』

『その結果がこの苦戦だろう。いつも通りコストを気にせずに攻撃すればいいものを』

『馬鹿言うな。敵の攻撃で光線級の損耗率は地球侵攻時の半分近くまで上っているんだ。下手に出すわけにはいかないだろう』

 

 続く第二群も長距離砲撃によって全滅。第三群目にして敵の長距離砲撃以外の砲撃が飛んでくる。よく見れば敵の中型機(レーヴェ)が近づいてきており、BETAを積極的に殲滅していた。

 

「諸君。獲物が決まったぞ。あれは敵の中でも長距離砲撃に匹敵する火力を持っている。突撃級の正面以外ならBETAを貫通できる。総員、初陣だからと言って撃墜されるなよ! 続け!」

『『『『『了解!』』』』』

 

 一気に加速し、中型機(レーヴェ)に突撃を開始する。それに気づいた中型機(レーヴェ)が迎撃の為に砲を向けるが標準を定めるよりシュヴァルツェスマーケンが射程に入る方が早かった。

 

「射撃、開始!」

 

 アイリスディーナの命令により一斉に36㎜弾が中型機(レーヴェ)に叩き込まれる。しかし、そのほとんどが有効打になることはなく、中には弾かれて表面に傷やへこみを作るだけに終わっているものもあった。

 

「怯むな! 今はまだ有効射程ギリギリのところだ。効かないのであれば敵にさらに接近して撃て!」

 

 ジグザグ走行しているとはいえあっという間に中型機(レーヴェ)には接近できた。故に、あっという間に接近できたシュヴァルツェスマーケンの面々は敵の副武装である12.7㎜機銃をよけながら中型機(レーヴェ)に対して有効打を打ち込んでいく。中には上に上り、下に潜り込むなどの芸当をして破壊していった。

 結果、わずか数分で突出した中型機(レーヴェ)は全滅することとなり、戦術機の改良機の有効性が証明されたのだった。

 

『ベルンハルト大佐、囮のBETA群が全滅しました。データも取れた事ですし撤退しませんか?』

「そうだな……。こいつが倒せれば敵の大半に通じるだろう。よし、我らの任務はここまでだ! 総員撤退するぞ!」

 

 アイリスディーナは撤退を決め、門の方へと戻っていく。そしてその十数秒後、シュヴァルツェスマーケンが先ほどまでいた場所を敵の長距離砲撃が襲い、中型機(レーヴェ)の残骸は吹き飛ばされていった。

 

 

 

 半月後には戦術機級の改造も完了し、前線にはBETAや戦術機だけではなく戦術機級も出撃できるようになり、BETAは少しずつ敵との火力差を埋めることに成功し、前線を押し上げることに成功していくのだった。

 そして、同じころ、BETAがいる場所より遥か西で一人の少女がその国で()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そして、そこから物語は大きく加速していくことになるのだった。

 

あ号君の名前に関して

  • 名前なんていらねぇ!
  • 呼びづらいからさっさとつけろや!
  • てめぇに任せられねぇ!変わりにつけてやる
  • あ号君が本名でしょ?何言ってるの?
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