だからこそ生き残れる。分隊は兄弟。分隊は家族。
嘘を言うなっ!
猜疑に歪んだ暗い瞳がせせら嗤う。
無能。怯懦。虚偽。杜撰。
どれを取っても戦場では命取りになる。
それを纏めて無謀で括る。
誰が仕込んだ地獄やら。
兄弟家族が嗤わせる。
お前も!
お前も!
お前も!
だからこそ俺のために死ねっ!
なおこの小説の世界はそんな邪悪ではありません。
「大和!ゆくぞ!!砲撃用意…撃てぇ!!」
「全艦突撃!魚雷全門投射開始!!」
10日後。ボクたちは鉄底海峡にて一進一退の戦闘をしていた。生き残れれば英雄。死ぬのは当たり前。死にたくなければ撃ち続けろ。ふと隣を見れば誰かが沈んでいる。そんな海域である。実際違う鎮守府の友軍は半数が脱落しており既に4人の死者が出ている。ボクたちの鎮守府の艦隊はまだ脱落者は出ていないが少しずつ被害が増えている。
「響!!暁が孤立している!援護に行って!!皐月!!私と一緒に敵艦隊に突撃するよ!!如月は暁に合流!そのままこっちを援護して!!!」
「暁!!敵機直上!!急降下!!」
「やらせるか!!」ズダダダダ!!
「すまない響!!助かった!!…っ!?響!!前!前!」
「ちぃ!!」ドンドン!!
「皐月!!雷撃行くよ!!」
「了解!!如月!援護!」
「分かった!!」ドンドン!!
「当たれ!!!」バシュバシュ!
ドガァァァン!!
「魚雷命中確認!!皐月!全速で離脱!!」
「川内も早く!!」
「分かってる!!」
この戦いはいつ終わるのだろうか。
「第2支援艦隊は帰投後直ちに出撃。第1主力艦隊の援護に回れ」
「了解。幸運を」
「みんな一旦帰投して燃料、弾薬を補給して。すぐ出撃するよ!」
みんな気付いてないけど疲労が溜まっている。このままでは…
第1主力艦隊、第2支援艦隊が拠点に帰投した。
「皐月?大丈夫?」
「うん?響か…大丈夫。平気さ」
「そう言うな休めるときに休んでおけ…いざ戦闘になって轟沈したら目も当てられない」
「暁…分かった。君たちも早く休んでね。明日も朝から出撃らしいし」
「あぁ。響。休むぞ」
「うん」
「長門。調子は?」
「大和か…最悪だよ。みんな疲労が凄まじい。士気も下がっている。このままではそう遠くないうちに全滅してしまう」
「長門。艦載機への被害が甚大です。戦闘機の被害は少ないですが攻撃機は深刻です。十分な航空支援が出来なくなる可能性があります」
「すまない。次のボーキサイトの補給まで耐えてくれ」
「朧の艤装が中破しています。一応明日までには修理出来ますが今日はもう出撃出来そうにありません」
「分かった。幸運なことに今日は出撃しない。安心してくれ」
(被害がかなり深刻だ…なんとかならないものか…)
ボクは響たちと別れたあとある書類に目を通していた。
ブルネイ泊地急襲事件。その被害者を纏めた書類である。
ブルネイ泊地急襲事件 KIA,MIAリスト
KIA MIA
戦艦長門 軽空母祥鳳
戦艦陸奥 重巡青葉
航空戦艦扶桑 軽巡阿武隈
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
軽巡神通 駆逐艦雷
軽巡那珂 駆逐艦電
駆逐艦皐月Ⅰ
この書類は不明確なものでありさらなる調査が必要。
南方戦線の打開後至急調査せよ。
この書類によればお姉ちゃんは行方不明ということになっている。もしかすると合流出来るかもしれない。そう考えながらボクは眠りにつく。
「総員傾注!!」
「本日。艦隊総司令部は本隊の帰港を決意した。我々はその間防衛線の死守に当たる。状況の打開が困難であり、艦隊の被害が甚大であれば第2防衛線への後退が許可される。現在、我々は脱落者が出ていないものの被害は決して少ないものではない。だが我々は後任の艦隊が到着するまで全力で防衛を行わなければならない。総員臨機応変に。されど大胆に。絶対に第2防衛線より後ろに敵を通してはならない。この戦線の終結後、我々は一歩勝利へ近づく。忘れるな!我々は誇り高き横須賀の精鋭艦隊である!作戦は随時発令する。気を引き締めて掛かれ!!」
撤退が必要に応じて許可されることになった。けどこの戦いはこれまでよりもっと苛烈になる。深海棲艦は1日で水雷戦隊が生まれるぐらい生産力が高い。こんな海域だと尚更だ。今までは本隊が暴れていたおかげで対応出来るぐらいには余裕があった。でも本隊が居なくなった現状恐らく考えるのも嫌になる程湧いて出てくるはず。
「第2支援艦隊!集合!」
川内からの集合がかかった。
「みんなもしかすると死ぬかもしれない。動きたくなくなると思う。でもね?動かないよりも戦うほうが生き残れる可能性がある。だからみんな!戦って、生き残ろう!」
そんな川内の激励にみんな口々に応える。
「うむ」
「もちろん!帰ったらご飯作ってあげるからね!」
「分かってるわ!姉妹に会えなくなるのは寂しいもの!」
「うん!ボクたちはまだまだ生き残るんだ!」
皆がひと通り言い終わる。
「さあ!みんな!出撃だよ!」
「第2支援艦隊。指定海域に到達」
「うむ。そのまま…うん?どうした潮…何!?それは本当か!?」
「長門!?どうしたの!?」
「川内!!直ぐに備えろ!!敵の大艦隊が突っ込んでくるぞ!!」
長門から通信を受け取った川内が叫ぶ。
「皆!!早く迎撃体制を取って!!」
対空電探の反応を確認した響が叫ぶ。
「12時の方向より大量の攻撃機!!皆…来るよ!!」
弾幕を張り応戦する。しかし数機が弾幕を掻い潜り突撃してくる。
「あーもー鬱陶しい!!堕ちろ!!!」ズドドド!
「川内!!横!!」
「え?…ッ!?」
横からの雷撃に気がついたが少し遅く…
ドガァァン!!
命中。しかし咄嗟の防御行動で小破まで抑え込めたようだ。
「くっ…!」
「はぁ…はぁ…」
度重なる空襲に皆かなり疲弊していた。
「本番はこれからだよ!!多分あの規模の空襲だと少なくとも戦艦が10隻以上居るはず!」
川内が発破をかける。すると響が敵艦隊を発見する。
「!!敵艦隊補足!…なんだあの艦隊は!?何隻居るんだ!?」
「絶望している時間があったら動いて!!戦艦からの砲撃が来る!!!」
ズドドドォォォン!!!!!
駆逐艦の主砲と比べ物にならない程の爆音が轟く。
「暁と如月が被害を受けた!!ぎりぎり中破にはなってないけどこれ以上は不味いよ!」
「第1艦隊へこちら第2艦隊!被害が増大している!!撤退の許可を!!」
「第1艦隊より第2艦隊へ。第2防衛線への撤退を容認する。第2防衛線にて待機。第1艦隊の到着後挟撃する」
「了解!」
「皆!急いで退避するよ!!」
「!!!敵の第二次攻撃隊が来襲!!」
ズドドドドド!!!
必死の対空砲火も虚しく
ザバン!ザバン!ズドォォォン!!!!
「しまった…やられた…!」
ボクの機関室に爆弾が命中する。そしてみるみる間に速度が落ちる。
「ボクはもう駄目だ!!殿を務める!!全員離脱して!!!」
それに対して如月が大声で止めようとする。
「何言ってるの!?それ以上は私が許さnーー!!!」
ズドォォォン!!キィィィン!
敵の戦艦の砲撃着弾音とそれに付随する耳鳴りで声が聴こえなくなる。
「君たちに…勝利があらんことを…」
「皐月ーーーー!!!!!!!!(((ドガァァァァァン!!!!」
さて…あとはボクが全て引き付けるだけだ。刀を持ち直し震える剣先を力ずくで抑える。
「…!やぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
轟音とともに質量の雨が降ってくる。それを躱しながら肉薄する。
「はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
気合一閃。タ級と覚しき戦艦を腹から真っ二つにする。そして向き直り今度はル級と覚しき戦艦を突く。
ガギィィン!!
だがその一撃は惜しくも盾によって防がれた。そしてそこから6門主砲から死の凶弾が放たれた。
ズドォォォォォン!!!!!!
そしてボクは大きく吹き飛んだ。沈む…浮力が足りない…まだ…まだボクは沈めない…!沈む訳二は…イかナイ!オ姉ちゃンに再会すルマデは…ゼッタイニ…シズマナイ!!!!
辺りに黒雲が立ち込める。紅く…黒く染まる。皐月からは暗い黄金色のオーラが燃えている。皐月がゆらりと立ち上がる。その目には黄金の炎が右に、左には蒼炎が燃えていた。その次の瞬間。皐月は砲弾をも凌ぐ速さで移動した。傍目には消えたようにしか見えなかった皐月がいつの間にかル級の胸に刀を深々と突き刺していた。それに対し恐怖を抱いたタ級は皐月に向かって砲撃。しかし皐月はル級の盾を持ち上げ弾いた。そしてそのままタ級に向かい砲撃した。それをもろに食らってしまったタ級は轟沈した。本来、艦娘というものは船の記憶に基づいて戦う。だから規格外の武装を持ったり本来の砲門数より多く持つと親和率が著しく下がってしまう。深海の艤装なんて尚更である。それを知らないとでも言うように砲撃を繰り返し遠くに居るヲ級に向かって盾を投げた。ヲ級は辛うじて避けれたが接近する皐月に気が付かなかった。兜割りを食らったヲ級は苦しむこともなく即死した。…残りの敵艦は散り散りに逃げあとには皐月を残すだけになった。そして皐月は倒れた。機関がオーバーヒートしボイラーが溶けたのだ。そして潮に流されていく…着くのは一体どこなのだろうか。誰も知らないまま皐月は流れていく。
アーマードコアⅥ…出ますねぇ…
お前ら金を溶かす準備は出来てるか?
俺はもう出来てる。
やるしかないよなぁ!?
これがアーマードコアだ!
もう誰も俺を止めることは出来ない(フロムは除く)