5人兄弟とセカイの関わり方 夢見る少女編 作:エビデンス海老天むす
ま、いっか(達観視)
紫乃実side
私達は劇場から帰る帰り道、周りはすっかり夕方になっていた。
「悪かったわね、みのり、遥。こんなことに付き合わせちゃって。」
「いえ、大丈夫です。誰も怪我しなくてよかったです。」
「紫乃実ちゃんもありがとうね。」
「ううん、わたしは自分の意思であの場所に行ったから。」
「雫ごめん。わたし、自分のことだけしか考えてなかった。許してなんて言えない。でも、本当にごめんなさい。」
愛莉は再び謝った。
「愛莉ちゃん……ねぇ愛莉ちゃんにひとつ、お願いしてもいい?私、愛莉ちゃんにもう一度アイドルをやって欲しいな。」
「え?」
「さっきね、すごく嬉しかった。わたしのことをちゃんと見てくれる人がいるたんだって。あの一言で本当にたくさんの希望をもらえたの。」
「でも、」
「愛莉ちゃんは今も昔もアイドルでしょ?辛い時に支えになる言葉をくれたのも、それに"本当のアイドルになる夢"を教えてくれたのも、全部愛莉ちゃんだった」
"本当のアイドルになる夢"わたしはその言葉を聞いた時胸が苦しくなった。だんだんと意識が薄くなっていく。動悸と呼吸が止まらない。これやばい…
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みのりside
わたしは今、歴史的な瞬間に立ち会っています。なんとなんとあの、日野森雫ちゃんと桃井愛莉ちゃんがアイドルグループを組もうという瞬間に今わたしはいます。
「よかった。桃井先輩も、日野森先輩も…」
「ふふっ、愛莉ちゃんとアイドルができるなんて夢見たい。」
「そうね!やるからには、世界で1番、ファンに希望を届けれられるアイドルになるわよ!」
「うん!」
はわわ〜本当にこと二人がアイドルグループを組むなんて!すごいよ、すごすぎるよ〜
「どこの事務所に入るとか、二人でどうやって活動するとか、ゆくゆくは具体的なことも考えなくちゃいけないけど……まずは二人で練習から、かしらね。ねえ、雫。明日から屋上で練習しない?」
「え!?本当ですか?」
「それはとっても素敵ね。お邪魔じゃないかしら?みのりちゃん」
「だっ大歓迎です。よろしくお願いします!」
「遥。その、アンタもたまにはやらない?正直に言うと教えてもらいたいのよ。ASRUNの時から見てたけど、歌もダンスもずば抜けてたし。わたし、1日でも早く感を取り戻したいから。」
も、もしかして、遥ちゃんまで!?そ、そんなぁわたしどうなっちゃうの〜
「ごめんなさい、わたしはいいです。」
え?遥ちゃんどうして……
「わたしからもお願いよ。遥ちゃんが教えてくれたらきっと……」
「やめて!わたしはアイドルをやる資格がないの!」
え?資格がないってどうゆうこと?遥ちゃんが?
「アイドルをやる資格がない?それってどうゆうこと?」
「……いえ、深い意味はないです。ただ、言い間違えただけでわたしのことは気にしないでわたしは今、学生として普通の生活を送りたいの。3人とも頑張って応援してる。」
うう…遥ちゃんには断られちゃったけど紫乃実ちゃんなら…あれ?
「紫乃実なら…ってあれ?紫乃実は?」
桃井先輩も紫乃実ちゃんがいないことに気がついたようだ。ずっと後ろにいると思ってたのに…
「!?紫乃実!」
遥ちゃんは紫乃実ちゃんをみつけたのか、後ろに走り出した。
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紫乃実side
「………み!!……のみ!!……紫乃実!!」
わたしは遥に大声で呼ばれ、気がついた。まだ頭がフラフラする。
「な…なに?遥?どうしたの?」
「紫乃実ちゃん!」
さらにみのりも走ってきた。後ろからは愛莉と雫もいる。
「紫乃実、大丈夫?え?アンタ顔色真っ青じゃない!」
「え?ああ、大丈夫大丈夫。」
「びょ、病院に行かないと……」
「病院?だめ、迷惑かかっちゃう。家…近い。これ、住所」
私は住所の書いてあるケータイのメモを見せた。今なら家に誰もいないし、迷惑かからない。
「わ、分かったわ。ここに連れて行けばいいのね。雫、おんぶできる?」
「分かったわ。じゃあ道案内をお願い。」
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みのりside
九十九家前
「ここね。それにしても、誰かいるのかしら。」
「はい、誰かいるといいんですけど…」
見たところ誰もいる気配がない。紫乃実ちゃんも寝たまんまだし、どうしたら…
「あの…うちの前で何やってるんですか?」
話しかけられた方を見ると杖を持った少女がいたが、顔立ちはどこかで見たような…って
「えええええ〜〜〜〜、紫乃実ちゃんがもう1人〜〜〜〜!?」