存在してはいけないタイプの回復担当 作:存在してはいけない回復用務員
……ふむ。やっぱり私は存在してはいけないタイプの回復要員らしい。
タツの組織の幹部になって、そこそこになるが私は改めてその事実に直面していた。
「馬鹿な……私の計画は完璧だった!お前の組織は確かに壊滅して……何よりお前は私が殺した筈だ!何故生きている!?」
私の……と言うか私たちの目の前には血反吐を吐いて、あり得ないと喘ぐ、悪役面の男。
タツが言うに、アメリカの政権を裏から操っているらしい『磁場を操る』
部下の数は軽く千を越え、三割以上が
自己申告でランキング圏外であり、タツ本人を除けば私と一部幹部ぐらいしか
「だが、私達は生きている。誰一人として欠けずにね?」
さっき脳髄をぶちまけたばかりのタツが不敵な笑みを浮かべて言う。
その言葉通り、千人はいた彼らの組織はおおよそ壊滅し、ボスもボロボロ……しかしこっちは百回ぐらい壊滅していたような気がするが、皆私が蘇らせたのは実質無傷である。
やった本人が言うのもなんだが、これはもう反則以外の何物でもないのではないかと思う。
「クソっ……極東のフヌケたマフィアだと思って油断した。まさかお前らの所にクロノスが居たとは」
「ん?クロノス……って言うと確か、時間の神様だったかな?」
「今さらしらばっくれるか?どれだけ高位の
失血で目が見えなくなっているのか、能面のような顔をしてここにいる誰とも視線の合わない彼。
「不死身のタツ…………ハハ、もう少しその二つ名とやらに注意を払っていればこんな簡単な事に気づけていたかもしれんのに…………すまない、マリナ」
それだけ言って、糸が切れたようにもの食わぬ屍となった。
「……最後まで憐れなキミだ。私達の手を取る選択が僅かにでもあれば、最愛の人と再び幸せな人生も謳歌する未来もあっただろうに」
「最愛の人?」
「うん、彼には不治の病に犯された恋人がいたそうなんだ。どれだけ優れた
「成る程……確かに既に埋葬されているならともかく、私なら間違いなく治せるでしょうね」
「…キミが敵じゃなくて本当に良かった。あと何度そう思えばいいんだろうね」
これは作中初期で倒されるような中ボスが、劇場第三作目ぐらいに出てくる劇場版のボスを倒してしまった暴挙であると……私が気づいたのはもう少しあとになってからだった。
劇場版第三作目ぐらいに出てくる劇場版ボス
アニメにすれば100話は越えているだろうか。様々な経験を経て、そこそこ強くなった主人公達に、圧倒的力を以てわからせてくる巨悪の人。
本来ならタツごときがいくら頑張った所で勝てっこない。
正義の秘密結社の人達と協力しても現状ではどうしようもないレベル。
だが、バグキャラのせいでわからせられてしまった可哀相な人。
元はとある資産家の家に生まれた好青年であったが、不治の病で意識不明となった恋人を救う為、世界中の回復系イレギュラーを集めたり、時を操ると噂される伝説上のイレギュラーを探したりしたが、結果的に無駄だと分かって闇落ちした。
クロノス
大戦末期から怪物として恐れられていた伝説の軍人。
時を操るという破格の能力を持っているが、老いには抗えず、今は前線から退いてひっそりと隠居している。
マリナ
上記の人の恋人。
多分、正史のルートとかあったらクロノスの能力で一時的に目が覚めるんだろうが、時の流れは操れてもなかったことには出来ないので根本的な解決にはならないという悲しい結末が待っている。
なお主人公の手に掛かれば一瞬で全快する模様。
主人公
流石にこれだけ派手にやればバレる。