リヒトは今日大事なお役目がありその準備の為に学院のとある施設に朝から来ていた。そこは【闘技場】聖機人専用施設であり、大陸中から選ばれた聖機師が集まる【聖武会】が行われる場所である。リヒトは三年連続で出場果たしている選ばれた者である。しかし、本日来たのはそれとは別の行事である。一人の女子生徒がリヒトを見つけると
「リヒト様こちらにどうぞ」
「ありがとう」
女子生徒の案内で待合室に入り、持ってきた服に着替え始める。上下派手な金色がメインでピンクのラインがいくつか入っており、帽子を被り、立派な付け髭を付けて準備ができた。
「毎年思うが、この格好は凄いな」
リヒトは着替えが終わり、鏡を見ながら確認していると、ノックをして女子生徒が入ってきた。
「リヒト様、お時間になりました」
「ありがとう。おっと忘れそうになった」
リヒトは部屋を出る時、慌てて小袋を持ち部屋を出ていく。
本日闘技場で行われる行事とは、【聖機師称号授与式】である。リヒトが行う大事なお役目とは、クローバー家が代々行っているものである。称号を授与した者が明るい未来になるように、小袋に入っているピンクの粉を、その者ふりかける。それは【クローバーの加護】と呼ばれている。しかし、異世界人からしたら
「花咲じいさん???」
となってしまう。
その日の夜リヒトはラシャラから食事に招待され、ラシャラの屋敷に来ていた。食事をしているのは、主人のラシャラと招待されたリヒトだけ。ラシャラの従者剣士とキャイアはラシャラの後ろに立っている。コース料理を食べ終わり、リヒトは満足していた。
「いや、ラシャラのところのご飯は美味しかったよ」
「それなら良かった。お主は本当によく食べるのな」
「まあ、料理を作るのが趣味だから、食べるのも好きだからな」
「そうかそうか」
そんな和んだ空気だが、急にラシャラは鋭い目線になり、リヒトを見つめる。
「ラシャラ何を聞きたいんだ?」
「そうだな。リヒトお前は異世界人か?」
「何を言ってるんだよ。ラシャラよく会ってただろ」
「なぜ、剣士を知っていた?」
「ラシャラを先読みした時にね」
「貴様の先読みは映像として見るはずじゃよな」
「そうだね」
「なら!剣士のことを知っておる!教えよ!!」
リヒトは諦めて両手を上げて、参ったのポーズをした。
「わかったよ。俺の目は見えすぎるだよ」
「見えすぎるとな?」
「先代までは1週間先の分岐点が見えるぐらいだったんだけど、俺その先まで見えてしまったんだ。そんな時に、別の世界の少年が見えてしまったんだよ。その少年を見るのは本当に楽しかったな」
「まさか?その少年が!!」
ラシャラとキャイアは剣士を見ると
「当たり!俺は剣士を見てたんだよ。だから、剣士がこっちにきた理由も、剣士が作った暗号も知ってだんだよ」
それを聞いた3人は驚いていると剣士が質問をする。
「リヒト様、あの、今、向こう見えますか?」
「今は見えないね。剣士がこっちに来てから全く見てないね」
リヒトは剣士を見ているようで見てない。リヒトの視点は剣士の後ろで動いているモニターから色んな人達が見ていた。
(面白がっているな)
「そうですか」
「ラシャラ今日はもう帰るよ。ご飯美味しかったよ」
リヒトはそのまま屋敷を出ていた。
剣士本当に可愛いよな