ダンまちの世界に何故かいるアザ▼ース(液体) 作:ほんと暇つぶし
ートントン
…zz
ートントン!
…z
ードンドン!!
あー!!うるせーな!朝から!
急ぎ足でドアを開けに行く。
こんな朝っぱから扉をガンガン叩くんだ。俺の眠りを妨げたことを後悔させてやる!!
「うるせぇぞ!!!」
扉を勢いよく開ける。
目の前にいたのは激しい戦いをしていたあの少年。ベルだった。
「す、すみません!!」
咄嗟に頭を下げる。なんだコイツか…じゃねぇ!!なんでこいつここに居るんだよ!
「いや、まぁ構わんがなんで俺の家を知ってるんだお前?」
俺は色んなところに行ったりしているが自分の家を誰にも教えていない。必要な書類など書く時は使用するがそれ以外では絶対に家は教えねぇ。
借金返済を要求されないために。
「ギルドから教えてもらいました!」
キラキラした顔で言われた。いや、個人情報っ!!そう言えば俺にはファミリアとなるハウスが無いから俺の家を書いたんだ…
また家買うか…と考えていると
「あの、先日はありがとうございました!!」
なるほどな。ミノタウロスの件か
「いや、感謝される筋合いはない。アソコで俺は助け舟を出さず見てただけだからな。武器の件も気にすんな。」
あれが大人とか金を持ってるやつなら俺の武器を使ったレンタル料金は貰うけどな!!
流石にガキからは貰えねぇよ。
「あの、良かったら何処かで話しませんか??」
おっと、男からのナンパか。俺は掘られる気は無いぞ。掘る気もないが。
「俺はホモじゃないぞ。そんな軽い男じゃない」
冗談で返す
「いえ、そういう事じゃなくてですね」
クソ真面目に返される。なんか悲しい…
だが、感謝されるのは悪くないな。飯ぐらいなら行ってもいいな。
昔の賭博していた友人とはもう酒飲んだりもしてねぇし
「…分かった。取り敢えず着替えてくるから待っとけ」
「はい!」
そう言って家に戻り服を手っ取り早く着替える。
武器は常備しており背中に掛ける。昔木こりに使っていたただの斧はもうずっと前に壊れている。ニャル様から貰った斧をずっと使っている。
神様に布団を掛けておき出かける
「行ってきます」
ー豊穣の女主人ー
ここか、一応俺とベルが出会った場所第2号だな。
「いらっしゃいませ〜。あ、ベル君!と…」
おいおい、露骨に嫌な顔するじゃねぇかシルさんよ!俺は名前を全員分ミアさんに教えてもらったぜ!
「やぁ、シルちゃん。今日は接客してくれるかな?」
自分でもわかるぐらいきしょく近づく。
「あなたの接客はしませんよ!!」
ベーと可愛く舌を出して挑発される。可愛いな。俺の脳内記憶容量の1GBはくれてやる
「ま、まぁ、はは。ナトラルさんもからかってあげないでください!」
「すまんすまん、楽しくてな。」
笑いながら指示された席に座る。
ちなみにこの店の人からした俺の好感度は下の中である。俺は違反行為はしない。だからブラックリストには乗らないがそれでもたまにこういうセクハラまがいな行為のせいで嫌われている。
基本的にミアさんに頭を全力でどつかれて終わるが
「あ、先日ですがミノタウロスの件は本当にありがとうございました。」
そうまたお礼を言ってくる。俺は本当に気にしていない。
「気にすんなって、そういや、今日はあの彼女さんとは一緒に来てないのか?」
周りの空気が変わる。いや、シルの空気が変わっただけか?こういうことを言って惑わすのガチで楽しいな。付き合ってるなら付き合ってるでおめでたいしな!
「へ!?つ、付き合ってませんよ!!サポーターとして一緒にダンジョンに潜ってるだけですよ!!からかわないでください!!」
いや、初々しいな。とても良きだ。
「まぁ、そうか。何にせよサポーターであっても気をつけろよ。ちょっと前にサポーターに金とか取られたとか言ってた冒険者いたしな」
そう淡々と教える。あいつは間違いなく俺と同類だ。目と顔で分かる。
仲間が大切ならきっとあの場面ならお金より仲間だったが迷っていた時点でダメだ。いつか裏切ると思う。しかし、少し迷っていたというのが気がかりだった。
「大丈夫ですよ!リリは大切な仲間なので…」
純粋だな。純粋すぎる。騙されてもこいつは許すだろうな。
「まぁ、いい。それよりなんの要件で呼んだんだ?何も要件がなかったら俺を呼ぶこともないだろ」
さっさと本題に入るか。結局はこいつが通る道だ。その道を許そうが許さなかろうが俺には関係ない。それはこいつの選択肢であり道であるから
俺なら切り捨てるね。危険因子だし
「はい…ミノタウロス戦での自分はどうだったのかを聞きに来ました。」
ふむ、なるほど。そういう事か
「そうだな…敢えてキツく言うなら動きが下手すぎる。判断力は早い、しかし正確では無いと言った感じだな。ベル、お前は戦闘訓練を受けていないだろ?受けてたとしても数年ではなく数ヶ月、いや数日ぐらいだ。身体に無駄な動きが多すぎる。あと、お前はミノタウロスの脚を狙ってなかった。脚を切り落とせなくても傷をつけてひざまつけさせることは出来た。動きもさっき言った通り無駄で大雑把なところがある…更に……」
と次々に良くなかった点を教える。そういう義理はないが死なないために必要な事だ。少しぐらい教えてもバチは当たらん。何かお返しがあるかもしれんしな!
「…と言った感じだ。」
目をキラキラして俺を見てくる。やめろ、眩しすぎる。
周りの店員も聞こえていたのか少し意外という顔をされた。心外だな。
ガキを見殺すほど腐っちゃいねぇよ。
「ありがとうございます!!」
ふと、気になった
「なぁ、ベルお前はなんで冒険者になったんだ?」
俺は脅迫され、余儀なく冒険者になった。今では型にハマっている。
少しベルは照れながら
「は、ハーレムの為です…」
めちゃくちゃ小さな声で言った。常人なら聞き取れないだろう。しかし俺は聞き取れる。
「ぷ、だはははははははははは」
店中に俺の笑い声が響いた。こいつはガチで面白い。俺よりもアホで間抜けだ。
「ちょ、笑いすぎですよ!!ナトラルさん!!」
少し怒ったのか怒りながら言ってくる。しかし、なんだ。こいつも男なんだな。
「お前も男なんだな、いや、すまんな。」
マジで笑った。こいつの言ってることは簡単に言うと
女のためにダンジョンに命を賭けに行ったって事だ。
昔の女好きで(今も)金の亡者の俺でもそんなことはしない。命に勝るものが無いからな。
「それで、いい女は見つかったのか?」
巫山戯て聞き返す。瞬間タコのように赤くなる
「い、いえ!!いい、いませんよ!!」
おっと、この反応はいるな。俺の予想ではやはり剣聖か…?
「ここだけの秘密、言っちゃえよ!大丈夫!俺口硬いから!!」
嘘である。俺の口はめちゃくちゃ軽い。どれぐらい軽いかと言われれば今俺が箸で掴み取っているこの1切れのレタスぐらい軽い。
「あ…い、言いませんよ!!絶対ナトラルさん口軽いじゃないですか!!」
ちっ、勘は冴えてるな。まぁいいか。
「おい、聞き耳立ててんのバレてんぞ。」
シルとアーニャが聞き耳を立てていた。こいつら油断も隙もねぇな。
「ちぇー!後ちょっとで聞けてたのに」
と、悪態をつきそのまま仕事に戻るシル、アーニャはもう逃げている。どんだけ俺の事嫌いなんだよ。泣くぞ。
「それでなんですが…」
今までにないぐらい真剣な表情をするベル
「なんだ?」
「自分に色々と教えて欲しいです。僕は弱いですし返せるものもありません。でも…」
なるほどな。
だが
「ダメだ。俺は教えれない」
そう言った瞬間しょんぼりする。
教える義理はもちろん無いし俺にはそんな優しさもない。さらに言うと
「そもそも、俺とお前じゃ戦いの主体性が違う。俺は斧をメインとした戦い方だ。だがお前は素早さをメインにしたナイフでの戦い方だ。斧を教えればお前の戦い方は根本から崩れる…言い方を変えよう。弱くなる」
正直教えてやっても別にいいと少しは思ったがメインの理由はこれだ。
悲しそうな顔をするベル。
…ちょっと待て、なんか師匠ってカッコよくないか?しかも、こいつを育てて売名すれば有名になれるじゃねぇか。こいつ成長速度速いし。
「だが、体捌き、技術なら教えてやる」
そうして、俺とベルは師弟子の関係になった。