幻想地憶譚 《とある少年の幻想入り》   作:フォーウルム

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前回のあらすじ
立ち塞がるメガ・スケアクロウを咲夜は自身の『クロックメモリ』を使い見事突破!
男を捕縛し、美鈴を助けた彼女も紅魔館に入る
一方その頃、紅魔館内部では
広すぎる紅魔館をフランの提案で二手に分かれて捜索することに
そしてフランと魔理沙は大図書室に辿り着き、そこで魔導書のドーパント『グリモワールドーパント』を撃破
囚われていたパチュリーと小悪魔を救出したのだった


現在判明している凱達のメモリはこちら

五十嵐凱 H A E
十六夜咲夜 クロック(C)
フラン タブー(T)
魔理沙 シューティングスター(S)




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今回、少し長いです




第5話 動き出す者達/殺意の侵蝕

霊夢と凱が捜索をする一方で二つの出来事が異なる場所で起こった

一つ目は、紅魔館の門の近くで

そこには男がいた、メガ・スケアクロウのメモリを使っていた男だ

美鈴はさっき紫によって運ばれていたため彼一人であった

「くそ、なんで私が」

「負け犬のくせによく吠える」

「! あ、あなたは!」

そこには1人の男が立っていた

強面の顔をしていてかなり筋肉質の体をしている

その腰にはベルトが巻かれていた

「メモリは?」

「…とられました」

「…そうか」

その男は懐に手を伸ばす

「!! 頼む、やめてくれ!」

「雑魚に用はない」

男の手には赤いメモリが握られていおり

それを右腕に突き刺す

《ベリアル》

すると、右腕だけがドーパントになった

その腕は悪魔のような腕になった

手には炎をまとった巨大な剣が握られている

「死ね」

ズバッ

振り下ろされた剣は捕縛された男を叩き切る

その体には炎が燃え移り、あっという間に燃え尽きてしまった

「我ら《Devil Castle》に塵はいらん」

 

 

 

二つ目は、博麗神社で起こった

「これでいいかしらね」

八雲紫は美鈴とパチュリー、小悪魔を運んでいた

「おかえり!紫!」

「ただいま、少しは良くなったかしら?」

出迎えたのはチルノだった

「おう、もちろん!アタイはサイキョーだからな!」

フンッ、と胸を張るチルノ

あとは霊夢たちが戻るのを待つだけだった

そこへ

「ふむ、順調なようだな」

「誰だ!」

不意な声に警戒するチルノ

しかし紫は

「あらハーデスさん、こんな所までご苦労様です」

そう言って会釈をした

その先には黒い鎧に白いマントを羽織ったガイアナイトがいた

その手には二又の槍が握られている

「この姿のまま失礼するよ、紫殿」

そう言って男、ハーデスガイアナイトは近くの柱に背を預ける

「それで、いかがなされました?」

「凱の様子はどうだ?」

「彼は大丈夫ですよ」

「そうか、それなら構わん」

男は視線を変える

その先には紅魔館がある

「奴は我ら《Olympus》に必要な同志、もっと強くなってもらわねばな」

ククク、と低く笑う

と、スタスタと歩き始めた

「どちらへ?」

「あの館にな、様子を見に行く」

「わかりました、お気をつけて」

「ドライバーが足りなかったら言え、用意する」

そう言ってハーデスガイアナイトは姿を消した

 

 

紅魔館内部 廊下

 

 

「ねえ、凱」

「ん?どうした?」

霊夢と凱は廊下を進んでいた

霊夢はふと思った疑問を投げかける

「他のメモリは使わないの?」

「いや、使いたいんだがな」

と言って彼は二本のメモリを取り出す

アラストルとエクリプスだ

「アラストルはベルトに刺さらんし、エクリプスは動かないんだ」

凱はエクリプスのメモリのボタンを押すが、なんともいわない

「不良品かしら?」

「うーんどうだろうな。っとここか」

話しているうちに目的の部屋である「主人の間」にたどり着いた

「この先にレミリアが?」

「多分、フランの話ではそうよ」

「じゃあ行くぞ」

「ええ」

そう言って凱は扉を開ける

 

 

紅魔館内部 主人の間

 

 

「暗いわね」

「窓塞いでんだろ、それよりも」

部屋の中央のところには繭

中にはレミリアが囚われていた

「助けるか」

「ええ、でもその前に」

『バサァ』

二人の前に謎の異形が立ち塞がる

女性の彫像の周りを六本の腕が囲み円をかたどり、光の球が無数に浮いている

六本のうち2本の手には竜の装飾がされている

背中には天使のような羽が六枚

だがその羽は赤い光に覆われている

その光に包まれ照らされる輪はまるで血まみれの運命を暗示するかのようだった

「運命の輪。なるほど、メモリは『デスティニー』か」

「やりましょう、凱」

「ああ、行くぞ!」

二人はベルトを巻き、メモリを使って変身する

「「変身!」」

《へファイストス》

《セイクリッド》

 

 

 

 

「なんだぁ?案外呆気ねえぞ!」

戦闘は思いのほか順調であった

凱が敵の光弾を撃ち落とし、霊夢がダメージを与える

基本的な攻撃はレーザーだけのようで、そこまでキツくはなかった

最もレーザーはガード不可で掠ったら灰も残らないが

「霊夢、一気に行け!」

「わかった!」

凱は両手に三日月斧を持ち、デスティニードーパントに突撃する

「ウオラァ!」

力を込めて叩きつけられたことによってドーパントの体勢が崩れる

「逃さないわ!

瞬間、霊夢はマキシマムを発動させる

《セイクリッド、マキシマムドライブ!》

光が溢れ、何本もの帯となりドーパントを拘束する

そこへ霊夢から光の波動が放たれる

「くらいなさいっ!」

波動がドーパントに直撃し、その体を抉る

 

 

「お、終わった〜」

「お疲れ様、霊夢」

ドーパントを倒し、メモリも回収した

囚われていたレミリアは近くで眠っている

そこに

「霊夢ー!凱ー!」

「お、そっちも終わったみたいだな」

フランと魔理沙が合流してきた

さらに

「あら、遅かったかしら?」

咲夜もやってきた

「お姉さまは?!」

「そこにいるぞ」

「ほんとだ、よかったー」

フランとレミリア、感動の再会だった

 

 

 

「呑気だねぇ、君たちは!」

「?! 誰だ!」

空中には背中に鳥の羽が生えたドーパントがいた

しかも、いつの間にか周りにはかなりの数のドーパントが

「いつの間に!」

「ふん、所詮ガキだね。捕らえろお前たち!」

周りにいたドーパントたちに拘束される

「くそ、離しなさい!」

霊夢たちが捕らえられる

「てめえ!何しやがる!」

「煩いなぁ、家族でもなんでも無いんだし、怒るなよ」

「…なんだと」

「んー?聞こえなかったのか?」

宙に浮くドーパントはめんどくさそうにしている

「まあ、いいさ。僕のこの爪で切り裂いてあげよう」

 

爪…?切り裂く…?

 

凱の脳裏に悪夢(トラウマ)が鮮明に思い浮かぶ

10年前の父の惨殺

7年前の姉の焼死

3年前の母の変死

 

まさか

 

 

 

「なあ、お前ってさ1()0()()()()()()()()()()()()()()()()()

「10年前……ああ、殺したね。五十嵐…なんだったかな?それがどうしたのさ」

 

決まりだ

こいつは恐らく時空を移動する手段を持っていて

それで俺の親父を殺したんだ

 

 

その事実を確認した凱はメモリを握る

体の芯から指、足先、脳の先まで殺意に侵食されていく

(こいつさえ、こいつさえいなければ)

凱の手には『エクリプス』のメモリが

「……凱?」

「お前、いや、もういいか」

「ん?なんだ?」

「死ね」

 

 

《エクリプス》

 

 

 

 

 

 

 

 

何がどうなっている!

男、グリフォンドーパントは焦っていた

先ほどまで優勢だったのに、勝ちが確定していたのに!

「やめてくれぇ!」「いやだ、いやだぁぁぁぁ」

「た、た、助け……ゴボァァ」

あの男がメモリを刺した瞬間、辺りが真っ暗になった

その時にこの場は阿鼻叫喚の地獄と化した

自分の下では部下達が叫びや悲鳴をあげている

ある者は首を斬られ、ある者は引き裂かれ

ある者は体をねじ斬られ、またある者は内側から弾けとんだ

「ヒィィィ、ヒィィィィィィィ!!!」

グリフォンドーパントは逃げ出した

ここにいたら、殺される!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前で、殺戮が繰り広げられる

凱が、エクリプスを使った瞬間だった

辺りは闇に飲まれて、悲鳴が聞こえ始める

すでに相手のドーパントは飛び去っていたが

それでも蹂躙は終わらない

私を拘束していたドーパントも既に死んでいる

凱は

体を闇に飲まれ、目があった場所には赤い光が灯っている

「やめて、もう…やめて」

私は必死に声を出すが、彼には届かない

そこへ、1人の男が現れる

『もしやと思ったが、呑まれたか』

それは黒い鎧に白いマントを羽織った人物

声から男とわかる

『少し、寝ていたまえ』

男は持っていた槍で床をついた

その瞬間、凱は倒れこみ、私の意識も落ちていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、逃げ帰って来たと」

ここは『《Devil Castle》』のなかの広間だった

暗い部屋、グリフォンドーパントの男はひざまずいていた

「頼む、許してくれ」

「お前にしちゃあ珍しいな、烏間」

烏間と呼ばれた男はビクリと肩を震わせる

「トラブルがあったんだ、俺のせいじゃない!」

「どうだかな、どうします?ボス」

ボスと呼ばれた女は烏間に訊ねる

「何があったのかしら?」

「メモリだ、メモリにやられた!」

「メモリ~?んな馬鹿な」

男、蜘手が答える

「んなメモリ有るかっての。笑わせんなよ」

「メモリは『エクリプス』だった」

「「?!」」

二人が息を飲む

「そう、仕方ないわね」

「いいのかよ、ボス?」

「エクリプスじゃ無理よ。相手にしたら面倒だわ」

「まあ、そうか」

「次は失敗しないでね?烏間?」

「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凱は目を覚ました

目に写るのは木の天井

「あ、起きた!」

フランの声、そして

「凱?! 大丈夫?」

霊夢の声

「霊夢、あれから何日経った?」

「1日よ」

「そっか、どうやってここに?」

「それは、私が説明しよう」

聞きなれない声

見ると髭をを生やした男性がそこにいた

「あんたは?」

「亡元蔭久(なきもとかげひさ)だ、よろしくな」

「一体何者なんだ」

「『ハーデスガイアナイト』」

「…続けてくれ」

「どこまで覚えている?」

「あの野郎に『死ね』って言ったとこまでだ」

「なるほど、じゃあその先を話そう」

そこで蔭久は一呼吸おいて

「お前さんはあのあと、その場にいたドーパントを推定27人殺した」

「…」

「メモリの数でカウントしたから、正確にはわからんがな」

「…で?」

「驚かんのか」

「今更、なんだよ」

「結構、それで君にたのみがある」

「あ?」

()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

続く…

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました
凱君暴走した上にいっぱいキャラに組織の《olympus》や《devil castle》が登場してなかなかに大変な話になっちゃいました
今回で紅魔館編は終わりで次回から白玉楼編です
あとアンケートなんですが、よくよく考えたら要らなかったのでカットします
紅魔館+1ヶ所であとは他のOLYMPUSメンバーが出る予定だったのでダイジェストで書きます


それではまた次回お会いしましょう!

ifストーリー、どうしよう

  • このまま地憶譚と一緒
  • 別小説で出して
  • ifはあってもなくてもいい
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