幻想地憶譚 《とある少年の幻想入り》   作:フォーウルム

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前回のあらすじ
ティターニアドーパントに苦戦するフランと凱
そこへフロストメモリを使ったチルノが参戦、協力しティターニアドーパントを撃破し大妖精を正気に戻す
大妖精をチルノに任せ、2人は白玉楼へ
そこには血まみれで倒れている妖夢
彼女を治療した後、さらに奥へ進むと繭に囚われている幽々子がおり、行手を阻むようにDMCのナイトメアが立ちはだかる
かなりの強敵だったが凱とフランの連携で突破、幽々子を救出する
そして帰還した凱はこの一連の流れを前の世界での幼馴染で後輩で現在《Olympos》所属の射山五月雨に伝えたのであった

凱たちのメモリはこちら
凱 H A E ?
フラン T E
レミリア ?
パチュリー ?


三章 人里編
第9話 治安維持隊


「すごく暗くなっちゃいました」

深夜の夜道、足早に歩く少女が1人

白い髪に白い尻尾、頭には狼のような耳を持っている

彼女の名は「犬走椛」

普段は妖怪の山でパトロールなどを主な仕事にしている

だが今日の彼女は休暇をもらい人里まで来ていた

「こんな遅くなるはずじゃ…早く帰ろ」

一応2日の休暇なので明日も休みだが、早く帰って布団に入りたかった

そんな彼女の前に

『うぅぅ、うううぅぅぅ』

何かが現れた

「? なんでしょう?あれ」

暗くて色まではわからないが、何かが浮いていた

手や足もなく、袋のようなものが浮いている

「妖怪?…にしては不気味すぎですね」

首を傾げた直後だった

『お前は食えるのか?』

「? 急に何を?」

『まあ、いいか。この際なんでも』

明らかにおかしい

逃げなきゃ、と椛は思ったが

『お前を、食ってやる!!』

 

遅かった

 

 

ーー治安維持隊ーー

 

紅魔館 主人の間

 

凱が幻想入りしてから2ヶ月ほど経った

以前の戦闘で荒れていたのを片づけ元の見た目に戻った主人の間にみんなが集まっていた

メンバーはレミリアにフランにパチュリー、小悪魔に咲夜と美鈴

そして凱の七人だった

「それで?何かわかったかしら?」

レミリアがパチュリーに聞く

「まあね、とりあえずわかったことだけ」

そういうと小悪魔が何か紙を渡してきた

「これは?」

「資料よ、わからない?レミィ」

「も、もちろん!」

「…はぁ、続けるわよ。その紙にはドーパントと、繭を守っていた魔物について書いてあるわ」

「魔物?あれってドーパントじゃないんですか?」

咲夜の問いは尤もだった

メモリを使っていたのだからドーパントかと思っていた

「正確には違うわ、ドーパントは人間や妖怪を媒体にするのに対して、魔物の方は魔力や妖力が媒体になっているの」

「なるほど、だからあんな馬鹿でかいのが出てきたわけか」

「私はそれを魔製生物(マジェスト)と呼んでいるわ」

魔製生物、か。ナイトメアとかのやつもそれに分類されるのか

「だとすると、今後はそっちの対策も必須になってくるわね」

「そうなるわ。これで私は終わりよ」

「んじゃあ俺か。ドライバーとメモリについて話させてもらう」

「お願いするわ」

レミリアは凱に先を促す

「まずメモリだが美鈴と小悪魔のはまだ未完成だ。完成次第ドライバーと一緒に渡すが、いいか?」

「問題ありません!」「わかりました!」

凱の問いに美鈴と小悪魔が答える

「後は、パチュリーとレミリアのメモリだが。どうだ?使い心地は?」

「悪くない、それに《オーディン》だろう?私にピッタリだ!」

「私の《グリモワール》も良好よ。調整し直してくれてありがとうね」

「ならいいんだ、なんかあったら教えてくれ」

レミリアのメモリは新規で作ったが、パチュリーのは調整をし直したやつだ

元はマジェストのメモリだったがそれを改良した

「じゃあ、これでお開きにしようか」

レミリアがそう言った時だった

コンコンコン、と扉をノックする音が聞こえる

「入れ」

「し、失礼します」

入ってきたのは妖精メイドのリンだった

彼女は妖精メイドの中でも長く紅魔館に勤めており、咲夜の次に仕事ができるとレミリアが誉めていた

「あら、どうしたのかしら?」

「えっと、凱様にお客さまです」

「俺にか?相手の名前は?」

「す、すいません。教えていただけませんでした」

「怪しいわね」

「まあ、なるようにするさ」

そう言って凱は部屋の外へ出ながらリンに指示を出す

「そいつをいつもの…いや日陰のテーブルに案内してくれ」

「わかりました!」

 

 

紅魔館 庭園

 

 

「お待たせして申し訳ないな」

「いえいえ、急に来たのは私だから」

日傘を持ってフランと庭の方のテーブルに来た

そこには真新しい制服を着たツインテールの少女がいた。

「初めまして、五十嵐凱だ」

「はじめまして、姫海棠はたてといいます」

「立ちながらもなんだし、座ってくれ」

「はい」

はたてに座るように促す

しばらくしてリンがお茶と菓子を持ってきてくれた

「さて、俺に何の用かな?」

リンが入れてくれたお茶を飲みつつ尋ねる

すると、はたてはこちらを正面に見て話し始めた

「あなたにお願いがあって来ました」

「へぇ、()()()()()の方が俺にか?」

意地悪く言うとはたては困ったような表情をした

治安維持隊

その名の通り幻想郷の治安維持が目的で、主にガイアメモリの取り締まりをしている組織だ

実は組織ができた当初に凱たちに悪絡みしてきた構成員とトラブルがあったのだ

それ以来、凱だけでなくこの出来事を知ってる連中からはよく思われていない

「…あれは完全にこちらが悪かったです、申し訳ありませんでした」

「あー、もう気にすんな。悪かったな掘り起こして」

「いえ、大丈夫です」

「それで?お願いってのは?」

「ガイアナイトのドライバーが欲しいんです」

なんとなく察してはいた

今の維持隊にはメモリを使う手段がない

「戦力不足か」

「はい、今人里で起きている事件を解決するためにどうしても必要なんです」

「事件? なんかあったっけ?」

「ご存じなかったんですか?」

「…最近地下室に篭ってたからな」

「そうだったんですか」

「んで、その事件って?」

「『失踪事件』です。もっとも今は殺人事件ですが」

「詳しく教えてくれ」

「はい、最初に事件は二週間くらい前でした。人間の女性が1人行方不明になったんです。

そこから1人、また1人と行方不明者は増えていったんです」

「それで?」

「その後も事件は続いて昨日の夜、また被害が出たんです」

「死体か?」

「いえ、正確には腕です」

そう言ってはたてがとり出したのは写真だった

そこには焼け爛れた人間の腕と思われるものが写っている

「これか?」

「はい、それと生存者が1人」

はたてはそこで言葉を止める

見るとその目には涙が溜まっていた

「その生存者は、犬走椛っといって、私の…友人です」

はたての声に嗚咽が混じる

「昨日の夜、襲われて、なんとか無事だったようなんですけど、怪我がひどくて」

「…」

「せっかく、休みがもらえて、とっても喜んでいたのに、こんなのって…こんなのって!」

「落ち着け」

「あなたは!」

「今喚いてなんになる?」

「それは…」

「あんたの話はこうか」

凱はカップを置いて話し始める

「人里で起きている事件に友人が巻き込まれた。一刻も早く解決して被害を抑えたいが戦力不足が否めない。だから追い返される覚悟で俺に頼みに来た。そういうことか?」

「…はい。お願いできませんか?」

「だとさ、()()()()()()()()()()()

「?!」

そう言うと後ろから人影が現れる

「気づいてたのね」

「途中からだがな、でどうする?」

「私は賛成よ、これ以上好き勝手されるのも嫌だしね」

「じゃあ決まりだな」

凱ははたてに手を差し出す

「協力してやるよ」

「ほ、本当ですか?」

「嘘は言わねえよ、その代わりドライバーはしばらく先になるぞ」

「はい!ありがとうございます!」

 

人里で起こった連続失踪殺人事件

凱たちを待ち受けるのは果たして?

 

 

 

 

 

 

続く!

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました
次回から事件の調査がスタートになります
本当は2個書く予定だったのですが、長くなったので1個にしました
まだ戦闘はしていませんがレミリアの《オーディン》が出ました
今後の活躍をお楽しみに


それではまた次回お会いしましょう!



追記
今回の冒頭に登場したのはメモ男さんのアイディアの敵です

凱にDMC4のダンテをイメージした新ドライバーを

  • 使っていいよ
  • まだ使わないで
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