幻想地憶譚 《とある少年の幻想入り》   作:フォーウルム

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前回のあらすじ
人里へ聞き込みに行く凱と文
しかし目ぼしい情報は得られなかった
そこで2人は人里一の知識人である稗田阿求の元を訪れる
そこで知った事実、なんと彼女はエクストラランクの《パスト》メモリに地球の本棚が使えると言うとが判明
そんな彼女の助力があって犯人を特定
そして凱が予め設置していた《トラップ》メモリの罠に反応があった
現地に向かった2人は今回の犯人のストマックドーパントと接敵する


現在の凱達のメモリはこちら
凱 H A E T(トラップ) ?
文 A ? ?
阿求 ?


第12話 限界のその先へ/裏切り

 

 

ーー限界のその先へーー

 

 

 

 

数分前…

 

文と移動している際の時

「なあ、射命丸」

「どうしましたか?」

「何本使えそうなメモリがある?」

「全力で使えるのは2本、少しだけ使えるのが1本です」

「何を持ってるんだ?」

「《アクセル》と《トライアル》が全力、《オーバーヒート》は制限付きで使えます」

「なるほどな、オーバーヒートって?」

「高火力なんですが、長時間使っちゃうと暴走して炎が出るんですよ」

「まじか、まあ使えなくはなさそうだな」

 

 

 

現在

 

 

 

『射命丸!援護してやるから行け!』

『はい!』

ストマックに向かって接近する文

『邪魔をするなぁ!』

ドーパントがこちらに向かって液体を飛ばすが、間一髪で回避する

地面に落ちたそれはシュウシュウと音を立てて土を溶かしていく

『てやぁ!』

文がレッドクイーンで斬り付けるが無傷だった

『な?!』

何度も何度も斬り付けるが一向にダメージは入らない

『よけろ!射命丸!』

その声に横によける

するとドーパントに向かって地面から何かが突き出ていく

それは剣や槍や斧など、さまざまな武器だった

へファイストスを使った凱の新技だった

しかし

『刺すのもダメか!』

ドーパントにダメージはない

『射命丸!手数で押せるか?!』

『やってみます!』

文はドーパントから距離をとるとメモリを入れ替える

《トライアル》

文の体が青く染まる

『てやあぁぁぁぁ!!』

目にも止まらない連撃が繰り出される

しかし

『効かねえなぁ!!』

効果はなかった

『そんな?!』

『連撃もダメか!』

あらゆる手を尽くしたが決定打になるものはなかった

一体、どうすれば…

 

その時、一つの考えが文の頭の中で閃いた

 

 

体には攻撃が効かない

ならば()()()()()()()

いけるかもしれない

 

『凱さん!足場を!』

『はぁ?!一体何を……!』

凱は疑問を持つが、文がやろうとしていることを察する

『仕方ねえな!』

凱はストマックの後ろに回り込み巨大な坂を作り上げる

それはまるで鉄棒の逆上がりに使う上り坂のようだった

『流石です!』

文はドライバーに最後の一本を差し込む

《オーバーヒート》

文の体が再び赤く染まる

しかし、アクセルとは違い、背中についていたウイングなどが変形し、タイヤになる

背中には巨大なスラスターが装着される

 

そして

『いっっけえええぇぇぇぇぇ!!』

思いっきりストマックに体当たりし、そのまま坂を駆け上がり

一瞬にして天高くまで昇る

 

 

それを見ていた凱は

『戻る時どうするきだ?しゃーねーな』

そう言ってメモリを差し直すのであった

 

 

 

 

幻想郷上空

 

 

一瞬にして駆け上がった文はストマックの口に右手を突っ込んだ

『な、何を!』

『あなたの体は強固です。しかし、中から焼かれては耐えられないでしょう!』

『や、やめろ!やめろおおぉぉぉ!!』

オーバーヒートは、メモリの出力の限界に到達し

 

巨大な火柱をほとばらせる

『燃えろおおおぉぉぉ!!』

 

 

「あ?ここは?」

いつの間にか夜は明けている

変身は解けてしまっている

見ればドライバーはほとんど壊れてしまっていた

中のメモリはかろうじて無事だった

ストマックの姿は見えない

しかし、問題は

現在、落下中という事である

「ああ、死にますかね。私」

羽を広げる力も残ってない

ただ下に、下に落ちていく

 

 

『あぶねえな、天狗が落下死は洒落にならんだろう?』

文を支える者がいた

その背中には黒い羽が四枚備わっている

「が、凱さん?」

『おう、お疲れ様だったな』

「はい、疲れました」

 

下に降りた後、既に回収されたストマックの資料を眺めながら、凱と文は並んで歩いていた

ちなみに、ストマックはあまりの怪我だったので永遠亭に運ばれた

「飯塚、平五郎(いいずか へいごろう)ですか?」

「ああ、賭博好きで健食家。金儲けに行った賭博でイカサマをされて破産、そんな中ストマックメモリに出会って、復讐を果たす。

しかし、なんらかの不調でメモリが取り出せず、メモリの毒に侵されて犯行を行なった。以上」

「恐ろしいですね」

「まあな」

なるほど、事情はわかった

しかし、気になることがひとつ

「そういえば一ついいですか?」

「なんだ?」

「なんであの時、すぐに特定できたんですか?」

「ああ、検索の時か」

あんなに的確に候補を絞った理由がわからなかった

「写真と現場を見て、だな。

まず、『捕食』あれは腕の骨の断面から。

切り裂いたにしては荒いし、へし折ったにしては真っ直ぐだった。死体も見つかってないから食ったんじゃ無いかと思った。

次に『浮遊』あれは現場の写真から。

もし相手が地に足をつけるタイプならもっと地面はぐちゃぐちゃのはず、それに足跡も複数あるはず、と思った。」

「なるほど、『酸』に関しては?」

「地面の砂利と腕。変に形が崩れた小石が現場にあったし、腕についてた肉が溶けてたからな」

「…よく見てますね」

「まあな。っと、ここで別れるか」

「今回はありがとうございました」

「おう。気をつけてな」

そこで俺たちは別れた

その後、紅魔館に戻った俺を迎えたのは

ボロボロになった亡元や、泣き腫らした五月雨たちだった

「おい、何があった」

「凱君、落ち着いて聞いてくれ」

亡元から出た言葉は

「《Olympus》は壊滅状態だ」

 

 

 

 

ーー裏切りーー

 

 

「これはどういう事ですか?!」

「わからん」

業連日のオフィスで盤城は声を荒げた

手には報告書があった

内容は

こちらの幹部がOlympusの幹部六人を殺害したと書かれていた

「どうして、何故?!和平を結ぶのではなかったのですか?!」

そう、元々彼らの目的は平和な世界だったはずだ

「なんでこんなことを…!」

「ば、盤城様」

彼の背後には三人の男女が

彼らは盤城の部下だ

「…」

何を思ったか業蓮寺が立ち上がり部屋を出ていく

「ご、業蓮寺様?」

彼に続くように4人も続く

ついたのは拠点の出口、世界移動用のゲートだった

「な、何を」

「俺は組織を裏切る」

「?!」

衝撃の一言だった

「今の組織は崇高な目的を忘れ、地に堕ちた。これ以上はついていけん」

「…」

「お前たちは戻れ」

「嫌です」

「?! 何を!」

「あなたが裏切るのなら我らも行きます!私のこの命はあなたのために捧げると誓ったのです!」

「盤城」

業蓮寺は迷った

そして

「後悔はないな?」

「はい、微塵も」

盤城も彼の部下も覚悟を決めたようだった

『見過ごせねーよなぁ、おい』

「「「「「!!」」」」」

その声は後ろから

白い殻に赤い関節を持つ蜘蛛のような見た目の男がいた

彼の背後にはマスカレイドたちも

「《ファントム》!なぜあんなことを!」

『ああ?あーそっか、てめえらは知らなかたのか』

ククク、と嗤いながらドーパントは告げる

『俺らの目的は殺戮だ、平穏なんざ望んじゃいない。お前らは利用されたんだよ』

「ば…馬鹿な!」

『いい子ちゃんで気に食わなかったが、ちょうどいい、まとめて焼き殺してやるぜ!』

「させるか!』

ベリアルをつかい、ファントムの攻撃を受け切る

『その先は幻想郷に繋がっている!行け!』

「しかし!」

『行けぇ!!』

業蓮寺に怒鳴られ、少しの間固まってしまったが、我に帰る

「…わかりました、いくぞ!」

「「「はい!」」」

盤城と部下は、ゲートをくぐり幻想郷を目指す

 

 

 

 

続く…

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました
察してる方もいるかと思われますが、《Olympus 》の幹部が何人か死亡しました
原因と誰が亡くなったかは次回の最初に
今回登場したファントムはDMCの一作目のやつです
次回から組織の実動部隊や刺客との戦いが始まります
しばらくは三章の物語です

あと、凱が最後に使ったメモリは次回しっかりと登場します


それではまた次回、お会いしましょう…

凱、護以外のカップリング、見たいのは……

  • 盤城×リーナ
  • ジン×ジーナ
  • モナ×ルクス
  • ギルバ×ファス
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