幻想地憶譚 《とある少年の幻想入り》   作:フォーウルム

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こんにちは、フォーウルムです
今回はついに最終決戦です!



凱のメモリはこちら

ヘファイストス ルシフェル リベリオン 
エクリプス プロミネンス トラップ


第23話 完全適合/王の懺悔/エンドロール

 

 

 

ーー完全適合ーー

 

 

 

王の間

 

 

「…来たか」

目の前の玉座に座っている男がいる

その目はこちらを睨み付け、冷酷な表情をしている

「待たせてたみたいだな」

「まあな。だが、感謝しているよ」

「何がだ?」

「妹を連れてきたことに、だ」

そう言って男はリーナを見る

彼女はそれに怯えるかのように一歩後ずさる

「何をするきだ?」

「外の地獄門、あれの真の力を解放させる」

「何でそんなことを!」

男の声に咲夜が反発する

「すべての世界を統治するためだ。そうすることで世界に真の平和をもたらす」

「そのような政治で、本当に平和になるとお思いですか!ギルバ様!」

盤城も反発する

「お前達には関係ない、この場で殺してやろう」

そう言って立ち上がったギルバの手にはメモリが

「仕方ない、行くぞ二人とも!」

「ええ!」「わかった!」

ギルバに対抗するため、メモリを使う

《ルシフェル》《クロック》《チェス》

「ふん、雑魚がいくら集ろうと、俺には勝てん」

そう言ってギルバはメモリをドライバーに挿す

《ユリゼン》

 

 

ユリゼンの性能は文字通り『最恐』であった

攻撃方の多彩さ、使用者の身体能力、そして天性の戦闘センス

それらが完璧に合わさり、本当の魔王と化していた

『咲夜、あれ使え!』

『わかったわ!』

打開の一手を打つために指示を出す

クロックを抜き、咲夜は新しいメモリを挿す

《ヴァルキリー》

背中から翼を生やし、空中近接特化の《ヴァルキリーガイアナイト》になる

『一気に決めるぞ!』

ユリゼンに対し、連携攻撃を叩き込む三人

しかし

『小賢しいな』

ユリゼンはただ腕を軽く振るっただけで吹き飛ばされる

『ガフッ!?』『きゃあ!』『ぐあっ?!』

たったその一撃で、盤城と咲夜の変身が解除される

『ほう、お前は耐えるか』

『くそ…強すぎんだろ』

ギルバはそこに立っているだけで、すぐに凱を殺そうとはしない

『いい機会だ、見せてやろう』

ギルバが手をかざすと、魔方陣が生成される

『なんだよ、それ』

『真の地獄門さ。これを使うのにリーナが必要なのだ』

『てめぇ、本気で言ってんのか!』

『ああ、全ては魔界のためだ』

あくまで冷徹に告げるギルバ

『さて、いい加減疲れたな』

そう言ってギルバは凱の首をつかみあげ、持ち上げる

『く、何のつもりだ!』

『なに、役目を与えてやろうと思ってな』

するとギルバの目が赤く光る

『な、…て…めぇ』

凱の抵抗が、緩み、大人しくなる

ギルバが手を離すと、凱が地面に落ち、変身が解除される

「凱くん!」

立ち上がった凱の目はハイライトが消え、虚ろであった

『さぁ、そいつらを殺せ。そしてリーナを連れてくるんだ』

「……」

まるで操り人形のようになった凱がリーナに近づく

「が、凱…くん」

盤城が止めようとするが力が入らない

「……」

「凱様!正気に戻ってください!」

リーナの声も、凱には届かなかった

そこへ

「…させません!」

咲夜が立ち塞がる

『面倒だ、メモリを使って殺せ』

ギルバの指示に、凱はメモリを挿す

《ルシフェル》

堕天使となった凱が咲夜の首に手をかける

75%…

凱の手は咲夜の首を折らんと力が入る

「が、凱…さん…」

…76%…77%

「やめるんだ…目を醒ますんだ!」

盤城の言葉も届かず、ギリギリと力が籠る

…78%……79%

『さあ、殺るんだ!』

「やめてください!凱様ぁ!」

ギルバとリーナの声が重なる

そのときだった

 

…80%

 

《precision complete》

《New skill Unlock》

 

 

凱の背中に()()()()()()()が現れる

それと同時に咲夜の首を閉めていた手が離される

「げほっ、はぁ…はぁ」

『……咲夜』

咲夜を気遣うような声が聞こえる

「正気に…戻ったんですか?」

『……ああ。すまない、俺は』

目をそらす凱を咲夜は優しく抱き締める

「よかった…元に、戻って…」

咲夜の目には涙が浮かんでいる

『…悪かった』

「もう…いいです。信じてましたから」

咲夜の言葉が心に刺さる

『…謝罪は後でしっかりする、今は…』

「わかってるわ、行ってきなさい」

『…ああ、行ってくる』

そう言って凱はユリゼンに向き直る

 

 

 

 

ーーラストバトルーー

 

 

 

 

『待たせたな、この野郎』

『俺の洗脳を破るとはな』

『俺だけの力じゃないさ、メモリと、あいつらのお陰だ』

『だが、俺が強いことには変わりない』

『おいおい、まさか知らねえのか?俺のこと』

『…なに?』

『俺さ、これが使えるんだよ!』

そう言って凱は右腕を突き出す

その手は青く輝く、悪魔の腕であった

『それは…まさか!』

そのままギルバを掴み、空中に持ち上げ、地面に叩きつける

『ぐはぁ!』

右腕の調子を確かめるように回した凱が、悪魔のような顔で告げる

『行くぜ?ショウタイムだ!』

 

 

デビルブリンガー

それは魔界に存在する最上級の魔族の血をひく者にのみ、完全に扱うことができる代物である

他の魔族ではまともに扱うことができないが

凱は別だった

 

『どうした!さっきまでの勢いは!』

『くそ!なぜお前がそれを使える?!』

『俺の母親はフィオナ・フェルグバルトって言うんだ。知らんとは云わないよな?』

『フィオナ…まさか!』

『俺とお前は従兄弟らしいな、皮肉なもんだろ?』

『……』

凱の言葉に、ギルバの攻撃が止まった

『おい、どうした』

『なぜ、お前に扱えるのかはわかった』

そう言ってギルバはメモリを取り出す

『あ?なんのつもりだ』

「お前の勝ちだ、凱」

『どういう意味だ』

「俺の計画では、デビルブリンガーがある時点で破綻するのさ」

『敗けを、認めるのか』

「そうだな、それにいい頃合いかもしれん」

『何?』

「薄々気付いていた。俺の政治が、民を苦しめていることに。だが、力に溺れ、俺は私利私欲のためにこんな事を続け、さらには、妹まで利用しようとしたのだ」

凱は、ギルバの懺悔を聞いていた

先ほどまでの彼とは違い、何処か憑き物が落ちたようだった

『…お前はどうしたいんだ?』

「これ以上生き恥を晒すわけにはいかん、終わらせてくれ」

ギルバの言葉を凱は理解する

『わかった』

ルシフェルを解き、リベリオンを構える

そして…

 

「やめて!」

 

振り下ろす直前で、剣を止めた

声の主はリーナであった

「リーナ?」

「お願いです、やめてください!」

「リーナ、俺は」

「お兄さまは黙ってて!」

リーナの声に、驚く

「もう、これ以上、戦わないでください…兄が償うなら、私も償いますので…どうか!」

リーナの必死の訴えに、凱はしばし考える

 

 

「そうか、ならこうしよう」

凱の提案、それは

「ギルバ、魔界を今後も統治しろ」

「…だがそれは!」

「まあ、最後まで聞け。リーナも一緒にするんだ」

「私も、ですか?」

「ああ、一人じゃ暴走するかもだが、二人ならいいだろ?あんたもそれでどうだ?」

急な凱の問いかけに、全員が驚く

「気付いていたのか」

壁の影から出てきたのは

業蓮寺だった

「業蓮寺…様?」

「元気…ではなさそうだが、成長したな」

業蓮寺の登場に盤城は涙する

「感動の再開はあとにしてくれ」

「ああ、そうだな」

そう言うと業蓮寺はギルバの前に歩みより、跪く

「ギルバ様、今一度、この魔界を統治なさってください!」

「俺は、欲に惑わされたんだぞ。それでもいいのか?」

「構いません、我々はあなたについて行きます」

いつの間にか部屋の外には城の兵士達が集まっていた

「…お前達」

「どうするよ?ギルバ」

「…わかった、俺でいいなら、この身を、魔界の為に捧げよう」

その声を皮切りに万歳の声が部屋を満たす

 

 

そのときだった

 

 

 

バチバチバチ

 

「な、なんだ!?」

「外からよ!」

凱達は急いで外に出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何ですか、あれ!!」

咲夜の指差す先には

地獄門が

明らかに様子がおかしい

「亡元!どうなってやがる!」

『凱君!我々にもわからん。だが急に…』

「いったいどうなって…ん?」

凱の視線の先には一本の剣が

「ギルバ、あれは?」

「わ、わからん」

「お前も知らないのか?」

「ああ、あれが原因か?」

そう言って凱はその剣を抜く

すると剣の形が変わり、地獄門大人しくなる

それと同時に剣が見覚えのある形になった

「……それは?」

「…《スパーダ》、か」

それは魔剣スパーダであった

「これが原因か?」

「らしいわね」

「あの…」

「どうした?リーナ」

「それ、私のです」

「「「……はぁ?!」」」

盤城と凱と咲夜の声が重なる

周りもその事実に驚いている

「じゃあ、これは返すよ」

「ありがとうございます!」

「これで、終わりね」

「そうだな、終わったんだ」

 

 

こうして、俺たちの戦いは幕を閉じた

 

 

 

 

ーーエンドロールーー

 

 

 

 

あれから数日たった

 

 

現在、魔界はギルバとリーナの二人が統治している

幻想郷と協定を結び、今では両方の世界を自由に行き来できる

…地獄門使ってるのが気になるが

盤城はあいつの部下達と一緒に幹部に昇格した

その幹部を纏めているのが、業蓮寺だった

彼はファントムに焼かれる寸前に紫に助けられたと言っていた

たまに幹部連中が紅魔館に来るようになり、そのときは決まって宴会であった

今はジンとジーザ、モナとレクスの四人が主に遊びに来ている

 

Olympusは新しくメンバーを迎え、今後も安全のために戦っていくようだ

亡元はできるだけ殺し合いのない世界を目指したい、と言っていた

五月雨と時雨の墓参りにも行った

彼女の遺体を見たときは信じられなかったが、受け入れている

来世があるのなら、幸せになってほしいと感じた

 

そして…

 

「何でお前がいるんだ?咲夜?」

「いいじゃない、たまには」

俺と咲夜は夜の人里を歩いていた

「にしても、こんなになるとはな」

「そうね、終わったんじゃなかったのかしら?」

なぜ外にいるのか、それは

「何でこんなとこにスケアクロウがいるんだよ」

魔界と繋がりが強まったせいで、幻想郷に低級悪魔が出没するようになった

「まあいいじゃない、退屈だったでしょ?」

「まあな。さて準備はいいか?」

「もちろん、いつでもどうぞ?」

「掛け声は?」

「問題ないわ」

「よし、やるか」

二人はメモリを差し込む

《ヘファイストス》《ヴァルキリー》

『さぁ、行くぜ?』

『激しく行きますわよ?』

 

 

『『Its Show Time!』』

 

今宵も俺達は、悪魔を狩る

 

 

 

 

_________________________________

 

 

 

 

 

「ふんふんふーん」

早苗は神社の境内を掃除していた

彼女は今回の異変には深く関わっていなかったが、何があったかはある程度把握していた

「五十嵐凱さん、ですか」

初めて会った時に感じた印象はあまりよくはなかった

なにかこう、底知れない闇の様なものを感じたのだ

それでも霊夢や咲夜が羨ましかった

同年代の異性など、近くにいるわけではない

「はぁ、私にも来ないかな~、なんて」

溜め息混じりにそんなことを呟いた

そんな時だった

 

ヴォン

 

「へ?」

彼女の正面に謎の切れ込みが現れる

地面とかではなく()()にだ

そしてそれが開き、中から現れたのは

ローブをまとった1人の青年であった

 

 

「ここが、幻想郷か。んー!いい空気だな」

その人は、すごいかっこよかった

髪は黒髪に白のメッシュが入っていて

目はマゼンタとシアンのオッドアイ

腰に吊るしている刀がさらに彼のかっこよさを引き立てる

顔つきは優しそうで、どこか頼りがいのある雰囲気を持っていた

そんな彼を早苗はまじまじと見つめてしまっている

「なあ、ちょっといいか?」

「ひゃい!な、なんでしょう?」

急に話しかけられ驚いたが、次の一言はさらに早苗を驚かせた

「この世界に『五十嵐凱』ってやつがいると思うんだけど、どこいるかわかるか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました!
今回でついに四章は完結になります!
長いような短いようなペースでの投稿でしたがいかがだったでしょうか?
今後も投稿は続けますので、お楽しみに!


感想や、コメントお待ちしてます!

DMCといえばデビルトリガー(覚醒)!原作みたいにリベリオンをぶっ刺すのは確定してるけど、スパーダの代わりに融合させるものは……

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