幻想地憶譚 《とある少年の幻想入り》   作:フォーウルム

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どうも、フォーウルムです
今回は咲夜のお話です!


第48話 時代が刻まれた証

 

 

 

 

「よくぞ、来なすったな」

「………」

目の前の骨の怪物を咲夜はまじまじと眺める

以前パチュリーの図鑑で見たことのある『恐竜』と呼ばれた生物の骨ばかりが使われていた

巨大な足の骨や、固そうな顎を持つ顔

背中には何枚もの羽のような骨がついている

鋭い歯がついた口からキリッとした女性の声が聞こえる

「私こそがこの空間を支配……」

「その喋り方なんとかならないのかしら?無理矢理やる必要はないわよ」

「おやおや、若いものは手厳しいのぉ」

先ほどの声から一転、しわがれた老婆の声が響く

「この方が受けがいいかと思ったんだがねぇ」

「受け狙うくらいならもう少し柔らかい喋りにすることね。堅苦しすぎるわ」

「それはいいことを聞いたわい」

「それで?貴方が私のお相手?」

「いかにも、我が名は『ファッソル』」

「ファッソル…確か化石とかだったかしら?」

「ほぉ!その違いがわかるか!」

骨の怪物《ファッソル・マジェステルダム》は嬉しそうな声を上げた

「他の者どもは骨と変わらんなどと申す者ばかり。誰も其方のように分かってはくれんくてのぉ」

「骨って、確かに骨の化石とかもあるけれど、全部が全部そうってわけでも無いでしょうに」

「そうなのじゃ」

戦わずにこの2人は話し込んでいる

 

 

数分後…

 

 

「いかんいかん、話しすぎてしまったわい」

「そうね、すっかり試練のことを忘れてたわ」

「それでは、試練を与えよう」

ファッソルは立ち上がり、背中の羽を広げる

「わしに其方の力を示してみよ」

「それだけでいいの?」

「うむ。其方には理解がある。あとは実力があれば十分じゃ」

「わかったわ」

咲夜はそう言って立ち上がり…

 

「一気に行くわ」

クロックメモリをマキシマムスロットに差し込む

《クロック マキシマムドライブ!》

「ほ?」

半秒後、辺り一面に大量の剣が展開され、ファッソルに向かってとぶ

しかし

「効かんのぉ」

放った剣は一本たりともファッソルに傷をつけることはなかった

「わしの体は長い年月をかけ、その硬さを増しておる。剣程度では傷付かんよ」

「でしょうね」

それを見越してか、咲夜はすでに次の手段に移っていた

 

ヴァルキリーメモリを使って変身している彼女はその手に新しい武器を創り出す

彼女のメモリの能力は武器を創り出す『創造系統』の能力だ

しかし、それは凱の持つ《へファイストス》も同様であるが、いくつか違いがある

まず創れる物だ

へファイストスは基本なんでも創り出せるが、ヴァルキリーは武器しか創ることはできない

次に創れる物の総量

へファイストスが無制限に創り出せるのに対し、ヴァルキリーは一つ創ったら新しいのを出すためにその前に創った物を壊さなければならないという縛りがある

だが唯一、ヴァルキリーが優っているものがある

それは…

 

「行きなさい、ミストルティン!」

瞬時に創り出せるものの質だ

へファイストスは高位のものを創ろうとすればそれなりに時間がかかる

しかし彼女のヴァルキリーは『一つしか創れない』『武器しか創れない』というデメリットの代わりに『創れるものは神器級の物』というメリットを抱えている

咲夜は瞬時に創ったミストルティンをファッソルに向けて飛ばす

「効かぬなぁ」

だがそれも弾かれる

「これもダメね」

「どうした、まさかなす術なしかのぉ?」

ファッソルは体を震わせて笑う

(何か、何かないの?)

咲夜は考えを巡らせる

その時に出てきたのは

凱との会話だった

 

 

 

 

 

 

「力の伝わり方?」

「ああ」

それは凱と特訓をしている時だった

「例えば相手がこういう盾を持ってた場合」

そう言って凱はへファイストスの能力で丸く湾曲した面を持つ盾を作り出した

「こういうのが相手の場合、槍みたいな武器では上手く力が伝わらない」

「周りの曲がったところに槍の先がブレるから?」

「そうだ。そんときはハンマーみたいに面で叩く武器がいい」

そう言いながら盾を崩し、今度は一辺が一mほどの石のブロックを作り出す

「逆にこういう平らな面の装甲や盾を持つ相手の場合は一点を貫くようにするんだ」

「それならクロックとかでも…」

「いや。あれは投げる速度に依存する。自分がしっかり持ちながら突かないと威力は出ない」

「なるほどね。要は相手に合わせて武器を変えて戦いなさい、と」

「そういうことだ。余裕だろ?」

「ええ、もちろんよ」

 

 

 

 

 

「まさか、こんなところで思い出すなんてね」

咲夜は不敵に笑う

「まだ、策を弄するのかい?」

「もちろん。私は諦めが悪いのよ」

そう言いながら咲夜は、()()()()()()()をマキシマムスロットに挿し込む

《アラストル バーストアクション!》

咲夜の手に雷の魔剣アラストルが出現する

それを右手に持ち、腕を引き絞り腰を低くする

その姿は凱のスティンガーの構えにそっくりだった

「喰らいなさい!」

雷を纏いつつ、右手を突き出し猛スピードで突進する

「その程度では………?!」

ファッソルは体を覆う外骨格で受け止め弾こうとするが、すでにアラストルは外骨格に突き刺さっていた

「な?!」

「はあぁぁぁ!!」

そのまま、咲夜は突進の力を込め続ける

そして…

ついにその骨格を粉々に粉砕し、ファッソルを貫いた

 

 

 

「見事じゃ、若きものよ」

形を崩し始めたファッソルは咲夜に語りかける

「お主ならわしを存分に扱えるはずじゃ。持っていけ」

「ええ、使わせてもらうわ」

出現した《ファッソルメモリ》を咲夜は手に取る

すると、あたりの背景が眩しい光に呑まれていく

光の中で彼女は

(戻ったらお礼を言わなきゃね)

心の中でそう誓ったのだった

 

 

 

 

 

続く

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回は護と霊夢のお話です!

凱、姫乃、護、三首、音川の五人の紹介は……

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