幻想地憶譚 《とある少年の幻想入り》   作:フォーウルム

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今回は前回のラストからの繋ぎになります


第54話 帰還/早とちり

 

 

ーー帰還ーー

 

 

 

 

「数が減ってきたわね」

パンドラで粗方騎士達を蹴散らし、再び変形させる

今度はガトリングの形になる

そのまま弾をばらまき一掃する

「す、すごい…、貴女達は、一体…」

「大したことじゃ無いわ。上には上がいるのよ?」

弾を撃ち尽くした姫乃はパンドラをアタッシュケースに戻す

「で、でも、雪華様なら…!」

「さっきも言ってたけれど、お知り合い?」

姫乃は首を傾げる

「え、えっと、私の、旦那さん、かな…」

赤くなりながら小さく言う。

「……そうなのね。羨ましいわ」

「え?」

何か分からず、首を傾げる。

「私にもいるのよ、好きな人が」

そう言いながら姫乃は歩き出す

「…ふふっ、頑張って」

穏やかに微笑んで付いていく

「…すごい大変だけどね」

姫乃は少し、俯き気味になりながら歩き続ける

すると、姫乃達が遺跡に来るときと同じゲートが現れる

「行きましょ。彼の所に」

 

 

 

 

 

ゲートの先はFDLの前だった

「これは…、お店?」

「そうよ、彼のお店。……名前は『Fallener don't laugh』」

「…『堕落者は笑わない』、かぁ」

なんともな名前だと苦笑する

「会えばわかるわよ」

そう言いながらドアノブに手を掛け回すが、扉は開かない

「あれ?おかしいわね」

何度やっても開かない

「…壊してもいいなら入れるよ?」

「そうね…それも………危ない!」

姫乃は桜の肩を掴み飛びずさる

彼女達が立っていたところには、火を纏った車輪を持つ人形が現れた

背丈は優に2メートルを越えている

「きゃあ!な、なに!?」

人形に驚き、目を見開く。

魔製生物(マジェスト)、なぜこんなところに?」

「な、何なの、それ…」

聞きつつも、桜は既に発砲している。

炎の人形は軽々とよける

「人間と妖怪そのどちらでもない、言うなれば魔物よ」

姫乃はそう言ってパンドラを展開させようとする

しかし

『ギシャアアアァァ!!』

「何、この音…!」

「な!?しまった!」

後ろからもう一体の魔物が現れ体には雷を纏っている

「体が……痺れて…」

姫乃は雷の魔物に触れられたせいでパンドラを持つことが出来ない

それをみた2体の魔物は徐々に距離を詰めてくる

「これ、もしかしなくてもマズイよね…。姫乃ちゃん!どうすれば…」

今、姫乃はパンドラが使えない。だが、私では奴らを倒せない。

その時だった

「ったく、なにかと思えば」

その声に振り向くと、1人の男が立っていた

「誰…!?」

彼女は、姫乃を守るように立ち塞がる。

「ん?誰だお前、姫乃の知り合いか?」

首を傾げる凱に2体の魔物が飛び掛かる

「危ない!」

あの人は強い。だが、少しでも援護をしなければ。そう思い、拳銃を構えた。が。

すでにそこに男は居なかった

「え…?」

「フェティッシュにブリッツ。懐かしいのがいるな」

男は桜と姫乃の後ろに移動していた

「…!」

姫乃を知っているから、敵ではないだろう。だが、文字通り目にも止まらない速さで移動している。

「凱……君」

姫乃は掠れた声を出す

「姫乃、試練を終えたか。頑張ったな」

そう言って凱は姫乃の頭を撫でる

姫乃は目に涙をためながら凱を見つめている

「……」

桜は穏やかに2人を見る。

「…お願いできますか」

名も知らぬ彼に、頼む。

「ああ、任せろ。少し下がってるんだな」

そう言って凱は立ち上がり何もないところから剣を取り出す。それは骸骨のエンブレムが彫られた、かなりの大きさの剣だった

「……ククク、楽しみだなぁ」

凱の口から笑みが溢れる

しかし、それには殺意が籠っており、彼の全身からも殺意が滲み出ている

「リベリオン、だったかな…」

友人が好きなゲームにそんな剣が出てきたはずだ。彼が持っている剣はそれに酷似していた。

それにしても…

(何、この殺気…!)

「ギシャアァァ!」

ブリッツが飛び掛かる

「遅せぇよ、雑魚が」

一秒も無い一瞬

ブリッツは両断され、消滅する

「グゴォ!」

フェティッシュは狙いを変え、桜に襲い掛かる

「このっ!」

肉薄してゼロ距離で撃つ!

しかし、弾丸はフェティッシュに当たる前に溶ける

「熱っ…、まさか、効かないなんて…!」

「おい、何してやがる」

凱が右腕を伸ばす

そこから現れたのは巨大な悪魔のような腕だった

「…!?」

その腕に驚きつつも後退する。

腕はフェティッシュを掴む

「テメェの相手は……俺だ」

フェティッシュを引き寄せ地面に叩きつける

叩き付けられたフェティッシュは起き上がろうとする

しかし

「消し飛べ」

スティンガーを放った凱によって跡形もなく、文字通り消し飛んだ

「凄い…!」

『彼』にも劣らぬ、強大な力。

「これでいいか。さて」

凱は剣を

 

桜に向けた

 

 

 

 

ーー早とちりーー

 

 

 

 

「…!」

身構える。到底敵わない。そして、飛び退く。ここでは姫乃に被害が起きる。それは何としても避けたい。

「馬鹿な奴だ」

凱はデビルブリンガーを伸ばし、桜の首を掴み、引き寄せる

その力は強く、桜の首を締め上げる

「ぐ…!」

息が詰まる。無意識にその手を外そうともがく。

「人間程度じゃ振りほどくことは出来ない。答えろ」

凱はリベリオンを持つ手に力を込める

「お前は、組織の人間か?」

「何、を…」

答える気はあるようだ。

「時間がないんだ……いや、こっちが早いか」

桜を掴んでいた手を離し、ドライバーを取り出す

「変身」

メモリを挿す

《ルシフェル》

変身し、背中に八枚の羽を持つ堕天使のような騎士の姿になる

「げほっ、げほっ…!」

「もう一度聞く。お前は、組織の人間か?」

「そ、しき、なんて、しら、ない…」

「知らない…だと?」

「知らない…、私は、いつの間にか遺跡みたいな所にいて、そこで姫乃ちゃんに会った」

「いつの間にか?なら、メモリを知っているか?」

ルシフェルの自白効果を桜に使用する

「知らない」

「そうか。お前はこの幻想郷の住人か?」

「分からない。だけど、『ここでは無い幻想郷』に住んでいる」

「…そうか」

凱は変身を解く

「はぁ、はぁ…」

桜は首を押さえている。

「……やっちまったなぁ」

凱は頭を抱える

「初対面の相手の女の子をバリバリに脅した挙げ句に首を締め上げるとか、やりすぎにも程があるだろ!あああーもう!」

「……?」

(もしかして、この人、そんなに悪い人じゃない…?)

「……あー、ちょっといいか?」

「何、でしょうか…?」

「いや、ここじゃ話もあれだから、移動しないか?みんなもそこにいるし」

「はい、分かり、ました…」

そう言って凱は姫乃を抱え、桜と共に紅魔館に向かうのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

次回は地底編になります!
お楽しみに!

凱、姫乃、護、三首、音川の五人の紹介は……

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