幻想地憶譚 《とある少年の幻想入り》   作:フォーウルム

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「グルァァ!!」


「くっ?!」
一体の白色のドーパントの雄叫びが辺りを震わせる。
「真護!華扇!藍!手伝って!」
「応!」「わかっています!」「お任せください!」
幻想の賢者の呼び掛けに老剣士と仙人、式神が応じる。


四人は死力を尽くしたが、ドーパントを討伐するまでには至らなかった。賢者はドーパントをメモリごと少年に封印した。彼が成長した未来で、助けることを誓って。





第62話

 

 

 

FDL店内

 

 

「……どうなってる」

凱は疑問を口にする。店内に居るのは凱に姫乃、猟介とナルだ。凱の手には数枚の紙が握られている。そこに書かれていることはにわかには信じがたい事だった。

「そこに書かれてる通りよ。私たちの世界には()()()()()()魔族は存在していて、人間との交流があった。貴方みたいにハーフもいれば、護君のようにクォーターもいる。」

「なるほどな。メモリに関しては?」

「こっちは相変わらず空想、特撮の産物みたいな扱いですね。」

猟介が資料を指し示しながら答える。

「そう言えば、護は何処だ?」

凱は店内を見渡すが、当然そこには護はいない。

「護先輩なら今日は紅魔館らしいですよ。」

「……そうか、俺も行くかな。」

そう言って凱は席を立った。

 

 

 

 

 

 

ーー平穏は脆く儚く終わりを迎えるーー

 

 

 

 

紅魔館

 

 

 

 

「せやっ!」「オラァ!」

紅魔館の中庭で2人のガイアナイトが戦っている。1人は黒い狼のような外装で爪や蹴りで戦うベオウルフを使っている護。もう1人は……。

「そんなんじゃまだまだですよ!護さん!」

紅美鈴だった。

彼女が使っているのは北欧神話に登場する雷の神、トールのメモリだ。

《トール・ガイアナイト》の戦い方は雷を纏ったハンマーを用いるか、拳で殴り合うかの近接の二択であった。故に、護とはいい勝負となっている。

「くっそ、降参だ降参。」

護はそう言いながら変身を解く。それを見ていた美鈴も変身を解きながら護に近づく。

「中々に格闘術も上達してますね。元から筋が良いんでしょう。」

「ああ。以前、似たようなのを習ってたからな。」

護がそう言うと

「お邪魔するわ」

「華扇さん!いらっしゃい!」

やって来たのは仙人の茨城華扇だ。

「か、華扇姉?!」

「フフッ、久しぶりですね、護くん」

華扇を見た護は嬉しそうな声をあげ、華扇もまた懐かしそうにしている。

「あの〜、2人はどういった御関係で?」

「お、そういえば言ってなかったな。」

 

 

〜〜護、説明中〜〜

 

 

「へー。護さんのお師匠さんみたいな感じなんですね。」

「そうなんだ。昔俺が幻想郷に遊びに来た時にいろいろ教えてもらったんだ。」

「懐かしいですね。あれから大体10年くらいでしょうか?」

「そんなだな。あの時は爺ちゃんもいたっけな。」

護は少し目を伏せる。

「俺、汗かいちまったから着替えてくる。」

「更衣室の場所わかります?」

「大丈夫!」

 

彼が館内に戻った後……

 

「そういえば、今日はどういったご用件で?」

美鈴は華扇に尋ねる。

「ちょっと、様子を見に。」

「護さんのことですか?」

「……そうですね。まあ、問題はなさそうですが。」

「?」

華扇は真剣な表情で紅魔館を見据えるのであった。

 

 

 

「いやー、さっぱりした」

着替えた護は紅魔館の館内を歩いていた。

「華扇姉に会えるとは思ってなかったけど、久しぶりに会えてよかっ……?!」

急な頭痛が護に襲い掛かる

 

「なんだろう、このメモリ?」

ズキンッ

 

頭に何かのイメージが流れる

 

「離れて……護…くん!」

「華扇お姉ちゃん、しっかり!」

「おい、さっさとそいつを寄越しな。」

ズキンッ

 

体が燃えるように熱い

 

《「くっそ、ここは退くか!」

「ぐっ……ガアアアアァァ!」

「護!?…そんな」

ズキンッ

「……ごめんなさい、護」

 

そこで彼の意識は闇に飲まれた

 

 

 

 

美鈴と華扇は庭で護を待っていた。

「…遅いですね」

「ここから更衣室までそんなに離れてるんですか?」

「いえ、すぐ近くのはずですが…」

美鈴は館内に入る。華扇もそれに続く。

「もしかして何処かで迷ってるとか?」

「まさか。護さんだって最近よくここに来てるので迷うことは……危ない!?」

美鈴は急な殺気に体を捩る。その瞬間に紅魔館の壁に巨大な亀裂が走る。

「!? 一体何ですか!」

「か……華扇さん…あれ。」

「え?」

震える指で指し示された先に居たのは……

「そんな……()()()()()

 

白い体を持つ、狼のような怪物であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございます!
どうも!フォーウルムです!

今回のお話は護についてのストーリーとなります。
少し長めになるかもですが、お楽しみに!

凱、姫乃、護、三首、音川の五人の紹介は……

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