幻想地憶譚 《とある少年の幻想入り》   作:フォーウルム

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「凱君、この後どうするの?」
「幽香と合流する。」
凱は背中に背負った閻魔刀を腰に吊るしながら話す。
「作戦通りなら今頃カラミティと護が戦ってるはず。そこに乱入する。」
「わかったわ。妖夢さん、私達は咲夜さんと合流しましょ。」
「了解です!」
「気を付けろよ、2人とも。」
「ええ、そっちもね。」





第66話

 

 

 

ーー牙の獣と黒の厄災ーー

 

「あは「はははは「はは」は」ハハハハ!」

何重にも重なった笑い声が響く。声と共に響くのはビルが崩れ、瓦礫になっていく轟音だ。

「たのし「い!「たの」しいぃぃ!!」

幽香からは()()()()()()()()本気を出していいと言われている。端から見ればやりすぎに見えるこの攻撃も、彼にとってはまだ()()()なのだ。

「グルル……ガラァ!」

ファングは飛んでくる瓦礫や腕を掻い潜りながらカラミティに攻撃を加えていく。

早苗と霊夢はただただその光景を見ているだけだ。

「カラミティってエクストラよね?」

「そのはずですが…なんで護さんは渡り合えているんですか?」

「カラミティが手加減してるからよ。」

「幽香さん!」

2人の後ろから現れたのは風見幽香だった。

「なるほどね。凱が来るまでの時間稼ぎ、ってとこか。」

「ええ、私の言いつけ守ってるみたいだし。」

「とても手加減してるようには見えませんけどね……」

今も轟音は鳴り続けている。正直なところ、早苗は護がほんとうに無事なのか心配なのだ。

「……!どうやら終わったみたいね。」

「何がですか?」

早苗が聞き返すと同時に、空間が引き伸ばされるような感覚がやって来る。

そして

 

護の前に、1人の男が降り立つ。

 

 

 

 

 

 

 

「随分暴れ回ったみてぇだな。」

凱は瓦礫の上に立ち、ファング・ドーパントになった護を見据える。

「終わりにしようぜ、いい加減にな。」

「グゥオォォォ!」

ファングは雄叫びを上げながら凱に襲いかかる。

「………」

それを凱は手にした新たな剣である《魔剣ドラグニス》で受け止める。

「まだそんな元気があんのかよ!」

凱は剣で護を突飛ばし、距離を取る。

「なら、これでも問題ねぇな!」

凱を黒いオーラが包み込む。背中から半透明の羽を出現させ、拳を握る。

「オラァ!!」

そこから繰り出された拳は護の顔面に突き刺さる。

「そらよっと!」

怯んだ護に向かって剣を投げつける。

「グラァ!」

護はそれを弾き、丸腰になった凱に飛びかかる。

「……掛かったな?」

しかし、それはブラフであった。

凱は不適な笑みを浮かべ、本命の閻魔刀を居合の要領で振り抜き護とメモリの繋がりを断ち切った。

 

 

 

 

 

 

「……っつう、なんだ…ここは。」

護は瓦礫の上で目を覚ます。既に変身は解除されている。彼の周りには早苗、霊夢、幽香。そして凱の姿があった。

「護さん!よかった…よかったぁ……。」

早苗は安堵のあまり涙を流す。

「さ……なえ?」

「心配したんですから…」

「ごめんな、心配掛けた。」

護は体を起こす。

「全く、心配掛けんなこの野郎。」

「悪かったな。凱。」

「ほれ、受けとれ。」

凱は護に閻魔刀を渡す。

「まだ俺たちにはやることが残ってる。出来ないなんて言わないよな?」

「……ああ、もちろん!」

 

 

 

 

 

 

 

ーー決着ーー

 

 

 

 

 

 

「おいおい。この程度かよ。」

デュープとの戦いは熾烈だった。複製されるドーパントを処理しつつデュープ本体とも戦わなければならない。人里に影響を出さないためにも、火力の出しすぎは禁物。だがその結果、彼に決定打を与えられずにいた。

「はぁ……はぁ…。」

「限界か?」

「まだ、負けません!」

咲夜は剣を構えるが……

「弱いんだよ!」

「うぐっ!?」

ディープはそれを簡単に弾いてしまう、

「これで、お前も終わりだ!」

「待てよ。」

咲夜に止めを刺そうとするデュープを止める影があった。

「貴様…!」

「よぉ、久しぶりだな、デュープ。」

それはパーティクル・ガイアナイトに変身した護だった。

 

「咲夜!下がれ!」

「!!」

とっさの声に咲夜は反応し瞬時に退く。咲夜の後ろから放たれた稲妻はデュープを直撃する。

「ぐぅっ!?」

「俺も忘れんなよ?」

凱はそう言ってルシフェル・ガイアナイトの羽を広げる。

「こんなところで、こんなところでぇ!!」

ディープは最後の足掻きと言わんばかりに向かってくる。

「決めるぜ、凱。」

「ああ、合わせろよ?」

2人はメモリをマキシマムスロットに挿す。

《ファング マキシマムドライブ!》

《ドラグニス ソードアクション!》

 

2人のマキシマムがデュープを穿つ。

 

『Jack Pot!』

 

「ぐあああああぁぁ!」

 

 

デュープは2人の攻撃を食らい、吹き飛ばされる。

そして、気絶した男からメモリが排出されパキンッという音と共に砕け散った。

 

 

 

 

 

 

ーー再会ーー

 

 

 

凱達は白玉楼に来ていた。霊夢や咲夜達は人里での被害の後始末のために不在だ。凱は護を真護と再会させとりあえずの休息をとっていた。

隣では護に真護。早苗や幽香、そして駆けつけた華扇等が会話に花を咲かせている。

 

「それにしてもよかったわい。護が無事で。」

「俺も。爺ちゃんに会えて嬉しいよ。」

「そういえば、真護はなんでここに?」

華扇が疑問をぶつける。

「いやー、わしは死んだ後、護のことが心配でのぉ。気になって気になって成仏出来んかったのじゃ。」

「なるほどね。」

「んじゃあ、これで心置きなく成仏できるな。俺には頼れる仲間がついてる。」

護は何処か悲しげな表情をする。

「いんや。」

 

「……へ?」

真護の出した答えに護が変な声を出す。

「折角じゃ、曾孫を見るまでは成仏せん!」

「……はぁあ?!!」

真護のその一言に護は驚きの声をあげる。

「なに言ってやがるんだ、爺ちゃん!!」

「だってのぉ、こんなに可愛い嫁さん達がいるんじゃ。曾孫もすぐじゃろ?」

その言葉で早苗は慌てふためき、幽香は顔を逸らし、華扇は噎せて咳き込んだ。

「な?!こんのぉ……。凱からもなんか言ってやってくれよ!」

話を振られた凱は溜め息を吐く。

「悪いが、俺は戻るぞ。」

「おい逃げんなぁ!」

騒ぐ護を置いて、凱は帰路に着く。

(…いい加減本腰いれなきゃな。)

彼が考えているのは、FDLの地下に広がるダンジョン(マジェストの溜まり場)についてだった。

(あそこが溢れないように、管理しなきゃだからなぁ。)

彼は向かう。魔製生物(マジェスト)達の巣くう地下世界の宮殿(アンダー・パレス)に向かって……

 

 

 

 

 

続く

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました!
どうも、フォーウルムです。
ここから先はちょっとした駄弁りになりますので、読み飛ばしていただいても構いませんが、67話以降の設定も少し登場するので出来れば見てほしいです。


ストーリーについて
61~66話の話は実は護のアイディアをくださったルオンさんの提案でした。護の過去を明かすのと、強化をいれたいという話があって、その時に頂いたものを今回の話にさせていただきました。ちなみにそのときは凱のデビルトリガーの話はなかったです。勝手に増やしました。デュープのアイディアもルオンさんから頂きました。
ほかにも「こんなストーリー書いてほしい!」ってのがあったら気軽にコメントください。

次回以降について
67話以降は地下世界《アンダー・パレス》の攻略と化学結社との戦いになっていく予定です。アンダー・パレスの元ネタはDMCシリーズの連戦モードである『ブラッティパレス』がモデルになっています。詳しい説明は省きますがここでは大量のマジェストや新しい武器の素材などを出したり、キャラ達の修行の場になればなぁ、と思います。イメージだと某有名作品の天空城みたいな感じですね。あれをひっくり返して地中に埋めたみたいな感じです。


長くなりましたが今後とも、この作品をよろしくお願いします!

凱、姫乃、護、三首、音川の五人の紹介は……

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