栄光の化学結社 本部
「♪~」
幹部の1人である
「やっぱクレープはチョコバナナね。値段の割に美味しいから得した気分になるわ~♪」
クレープがその値段で買える理由が幹部割なのを彼女は知らない。
そんなとき、ふと見覚えのある顔を見つけた。
「あれ?アザリアちゃんじゃない!」
それは元々は妹分であり、部下である凛のところにいたアザリア・シロッコだった。可愛いもの好きの谷嶋からすれば、人形のような容姿であるアザリアは是非とも自分のとこで可愛がりたい、と思っていた。
「これから任務?頑張ってね!」
谷嶋は笑顔でそう言った。
が………
「……………。」
アザリアは何も言わずに立ち去ってしまった。
「あら?あらあらぁ?」
以前の彼女はもっと明るく、優しげな雰囲気の少女だったはずだ。あんなにも殺気だっているのはおかしい。
「……今度、
ーー戦いへの備えーー
「これからだと?」
「どういうことですか?」
「実は、最近紫から情報があってな。」
「私たちの敵対組織が攻め込んでくるっていう話があったの。」
「そこに予想外の戦力である僕達を加え、敵を撹乱する、ってところか?」
「そう単純に済めばいいけどな。」
「どういうこと?」
「以前巨大な奴が出てきた時も、カラミティが現れたときも、恐らく裏でアイツらは別の行動を起こしていたはずなんだ。予想外のさらに上を行くことが起こるかもしれない。」
凱は真剣な表情で話す。
「正直2人が手伝ってくれると助かるんだが。」
「当然!」
「断る理由なんてありませんから!」
「ありがとな。んじゃあさっそく特訓と行くか!」
「おおっといきなりか…」
「だ、大丈夫なんでしょうか……」
「大丈夫だろ、深層に潜るだけだし。」
「十分ヤバそうなんだが」
「生きて帰れるかな……」
「問題ない…はず。とりあえず武器選ぶか。」
凱はそう言って武器が置いてある方に歩いていく。
「問題無いとは思うぞ。能力で武器なら何でも作れる。」
「そうか?桜はどうする?」
「私は、さっきのライフルと…、接近戦ようにガイアナイトドライバーを持って行こうと思います」
桜の応えを聞いた凱は少し考える。
「銃は、あんま意味ねえかもな…。」
「え?」
「そうなのか?」
「……まさか、凱君…最下層行くの?」
「おう!じゃあ行くぞー!」
ーーLetsボス戦!ーー
アンダー・パレス 第81層
「よし!準備はいいな?」
姫乃は「疲れてるから寝る」と言って部屋に戻ったので、三人で来ている。
「ここだと近接戦闘が主になるかな?」
「近接戦闘は、あまり得意じゃないですけど、頑張ります!」
「大丈夫だ、いざという時は僕と凱がいる」
「今回は俺付き添いだから。ほらさっそくだぞ。」
凱が指で指す場所には騎士の姿をしたマジェストが3体いた。
「行くぞ!」
「は、はい!」
雪華は二刀流、桜はダガーを用いて立ち向かう。
1体目の騎士が桜に向かって槍を突き出す。
「こんなもの!」
持ち前の身軽さとしなやかな動きで躱し、一撃を膝関節へ叩き込み、ぐらついた隙をついて雪華が一刀のもとに斬り捨てる。
それを見た2体目と3体目が2人に襲いかかる。
「当たるかっ!」
今度は雪華が両方を受け止め、桜が炉心へダガーを突き立てる。
2体目が崩れ落ちたのを見て、3体目は盾を構えて突撃する。
「「はああっ!」」
雪華が受け流し、背中へ向け同時に突き立てる。2人の刃は寸分の狂いなく炉心へ刺さる。
急所を突かれた騎士は音をたてて崩れる。
「やったな」
「私にも出来て、良かったです!」
2人は笑顔でハイタッチなどをしている。
「いやー、流石だな。」
凱は感心したように拍手をする。しかし、彼はまるで戦うつもりは更々無いと言わんばかりに丸腰だ。
「昔から一緒に行動していたからな。当たり前さ」
「階梯は違えど、相棒みたいな感じでした」
「いいねぇ。これなら俺がいなくても行けそうではあるな。」
凱は満足そうに頷く。
「さて、どんどん行こうか。」
そうして三人はさらに進んでいく。
アンダー・パレス 第99層
「そろそろだな。」
凱達の目の前には巨大な扉がある。
「…いかにもボス部屋って感じだな」
「2人に倒してもらうのが目的なんだが、ボスによっては俺も加勢する。」
凱は伸びをして続ける。
「まあ、よっぽどじゃなければ勝てるから。準備はいいか?」
「了解」
「が、頑張ります!」
「じゃあ、行ってこい!」
凱が思いっきり扉をあける。
そして部屋の中に雪華と桜は踏み込んだ。
「ん?あ!あそこにあるのは………!」
第100層 剣聖の闘技場
部屋はとても広いが、若干薄暗い。
「ボスなんて居ないぞ…?」
「でも、何かおかしいです」
辺りを見回し、警戒する2人。
そのときだった。雪華の首を狙って何か銀色のものが高速で近付いてきた。
「…っ!?」
間一髪で、雪華はバク転で攻撃を回避する。
「雪華様!」
「問題ない!何だ!?」
2人の前に現れたのは体が黒い靄に覆われた騎士だった。
それは音もなく姿を消す。
「…まるで、
雪華がそう言ったとたん、再び騎士が実体化し、剣を構えて接近する。
「そこだっ!」
雪華は剣を構え、何とか攻撃を受け流す。
騎士はさらに連続で剣を叩き込む。
「くそ…」
何とかダメージは無いが、防御で手一杯だ。桜も介入出来ず、苦い顔をしている
そんな時だった。ベチャリ、と何かが桜の後ろに落ちてきた。
「な、何…?」
その何かは姿を変えて騎士のような見た目になる。
しかし、先ほどと違い武装は刀2本に鎌だ。
「こんなのを、1人で…?」
巨大な騎士は手に持った鎌を横凪ぎ振るう。
「きゃあっ!」
なんとか回避するも、これではジリ貧だ。
「うあっ!?」
「桜!!くそっ!」
掠っただけで数メートルも吹き飛ばされ、雪華から声が上がる。
騎士は2本の刀を交差させる。するとその剣を赤い光が包み込む。
「な、何…!?」
「まずいっ…!!」
なんとか黒い騎士を弾き飛ばし、桜のもとへと向かう。
そんな雪華の動きを邪魔するかのように黒騎士が体を霧状にさせて立ちふさがる。
「くそ…、桜!こっちに来い!」
「は、はい!」
転びそうになりながらも雪華の方へ走りだす。
その時だった。今まで刀に力を収束させていた騎士がその刃を振るった。放たれた光は桜目掛けて飛翔する。
「きゃああああっ!!」
「桜!!」
桜に直撃し、雪華は悲鳴をあげる。
辺りを砂煙が覆う。砂煙が晴れると、そこにたっていたのは……
「間一髪って所か?」
凱が立っていた。
ーーイレギュラーと魔人の乱入ーー
「が、凱、さん……」
「ほぅ……。全く、来るのが遅いぞ!」
雪華は安堵の溜め息をつく。
「すまんすまん。そこの小道に珍しいものがあってな?ついそっちの方に行ってたら遅れちまった。」
「サンキュー、凱。さぁて、さっさとこっちを終わらせてやるか!」
そう言って、雪華は1振りの剣を造る。それを出した途端、周囲が日が出たかのように明るくなった。
黒騎士は分が悪いと見て標的を桜に変えて突っ込んできた。
「馬鹿なやつだ!」
凱は黒騎士の前に高速で移動し右手で黒騎士を掴んで雪華に投げ飛ばす。
「喰らえ、聖剣ガラティーン!!」
剣─、ガラティーンから焔が斬撃となって黒騎士へと向かう。
ガラティーンはそのまま黒騎士を一刀両断する。
「ナイスー。さて、こっちをどうするかだな。」
凱は巨大な騎士に向き直り、右手を顎に当てて考える。
そんな凱に向かって騎士は鎌を振り下ろす。
「凱さん!」
「大丈夫だ、あいつなら」
「そうそう、一々心配してたら胃に穴が空くぞ?」
凱は既に騎士の目の前から2人の背後に移動していた。
「決めた。試運転がてらこれ使うか。凱はそう言って新たな魔剣《ドラゴニス》を出現させる。
「2人とも下がっててな。」
「こりゃまた凄そうな剣だな」
「そ、それは…?」
「1分で決めてやるよ。」
そう言って凱はドラグニスを自分の体に突き刺す。
「え!?」
「何やってんだあいつ!?」
「くうっ………グオオオォォォ!!」
凱が黒い光に包まれ、咆哮が部屋全体を揺らす。
「ぐっ…!」
「す、すごい圧です……!」
桜はおろか、雪華ですら二の足を踏むほどの気合い。
『グルオォォォ!!』
光が消え、凱の姿が露になる。そこにいたのは黒い羽が二枚生え、全身を黒い表皮で覆われた赤眼の悪魔だった。
「
「す、すごい姿です……」
悪魔になった凱は変形し、黒い粒子が溢れ出すドラグニスを騎士に向ける。そして、次の瞬間に凱の姿は掻き消える。半秒後……騎士の右半分が轟音と共に消し飛んだ。
「嘘…!」
「凄まじいな」
その威力に驚く。
『グガァ!』
凱は高速で接近し、目にも止まらぬ速さで騎士を切り刻む。気がついたときには既に騎士だったものは見るも無惨な姿になっていた。
「…もう全部あいつ1人で良いんじゃないかな」
「ど、同感です」
ーー虚無との邂逅ーー
「大丈夫か、凱?」
「………」
凱は何も言わない。
「…かなり消耗するみたいだな」
「………ガフッ」
凱は急に吐血した。
「凱!大丈夫か!?」
慌てて駆け寄り、問いかける
「馬鹿!来んじゃねゴフッ」
「撤退するぞ。桜、斥候を頼む」
「了解しました」
そう言って、桜は戻り始めた
「……馬鹿者め。」
凱の懐から声がしたと思うと凱が急に立ち上がる。
「凱?」
心配に思って近づくと。
「触れるな、雑魚が。」
凱から青白い光が吹き出す。
「なっ!?」
雪華は慌てて回避する。
雪華を睨み付ける凱のその目は普段の灰色の瞳ではなく、深緑色だ。
「なんだ、あの目…」
「……貴様、誰だ?」
凱から発せられる声は普段とは違い、鋭い殺気を帯びている。
「…凱の友人」
「何だと?」
凱は目を細め、2人を見る。
「……こいつにこんな友人は居なかった筈だが…。」
「…そうか。」
辺りを覆っていた光が消える。
「我が名は《ヴォイド》。『虚』を司り、次元を繋ぐ者なり。」
「そうか。ではヴォイド、僕達に敵対の意思はない。そこだけ分かってくれ」
両手をあげて敵意がないことを示す。
「……不愉快だ…。」
「何?」
細められていた
「消えろ塵共!」
凱の背中から4本の腕が伸びる。そこから放たれた斬激は雪華達の後ろに隠れていたマジェスト達を一瞬にして消し去る。
「…気を取られていたとはいえ気づかなかった。まだまだ未熟だな…」
「驚きました…」
「ふん、まあいい。」
凱は背を向け、手をかざす。
次の瞬間には三人ともFDLの店内に戻っていた。
「ここは、凱の店か」
「転移…?」
雪華と桜は辺りを見渡す。そこは既に見知った凱の店であった。
「おい、貴様。」
ヴォイドは雪華を睨み付ける?
「僕か?」
「そうだ。」
「何だよ?」
「名前は何と言うのだ?」
「霜月 雪華だが?」
「私は霜月 桜です」
「『霜月雪華』『霜月桜』…か。」
ヴォイドは2人の名を口の中で反芻する。
「いい名前だ。次会う時はお前達と戦いたいものだ。」
そう言うと目の色が灰色に戻る。
「大丈夫か、凱」
「……頭痛てぇ…ヴォイドの野郎『強制接続』使いやがったな。」
凱は頭を振って椅子に腰かける。
「俺は大丈夫だ。」
「なんなんだ、あいつは」
「ヴォイドメモリ。エクストラの1体で……話すのめんどいから省くが、敵じゃない。」
「なら安心した」
「本当ならエクストラと実践させるのが特訓に効果的だが、今日は疲れたろ?」
「さすがにな」
「怖かったです…」
「だろうな。……にしても、妙だな。」
凱は椅子に寄り掛かる。
「あのフロアのボスは
「桜、怪我は?」
「防具のおかげで、目立ったものは。雪華様こそ」
「心配無用だ」
悩む凱を他所に、雪華達は互いの安否を確認する。
「……まさか……でもそんなことは…。」
凱がそう呟いた時だった。
「凱!居るか?!」
総塚護が慌てた様子で店にやって来た。
「お前、護だったか?」
「ん?………?」
雪華の事がわからず、護は首を傾げる。
「…そいつは雪華だ。」
「おお!あのときの!」
「母さんとはどうだ?」
揶揄うように笑って問いかける。
「……???」
護の頭は疑問符で埋め尽くされる。
「そんなことより、何かあったのか?」
「そうだった!これ見てくれ!」
護は凱に一枚の紙を手渡す。
「………これは。」
「どうした、凱?」
「何か重要なことが…?」
「…護、全員集めろ。」
「わかった。」
護は頷き、部屋を出る。
「面倒なことになった…!」
続く
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
どうも、フォーウルムです。
後書き……何書けばええんやろ?
とりあえず今回はこのコラボ回について少し。
八章のコラボ回はお相手のくらんもちさんと一緒に書いている(2人で会話形式で文を書き、あとから自分が補正する)のですがたまに両者の都合が合わないことがあって進まないことがあるので、一気にがーっとやってしまいます。
コラボ回が4000字を越える理由の1つ『楽しくてついつい伸びる』ってやつです。
今回はあと3、4話ほど書き溜めてあるので、補正でき次第投稿します。
気長にお待ちください。m(_ _)m
それではまた次回、お会いしましょう!
凱、姫乃、護、三首、音川の五人の紹介は……
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簡単にまとめてほしい
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詳しく別々でほしい
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いらない