第77話には以下のタグが含まれます!
『仮面ライダー?居るよ!』
『他作品のキャラの特別出演』
それでは、どうぞ!
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「『姫乃禍月』『能力』『期間』」
遺跡のような世界に少女の声が響く。
辺りにはライオン、鷲、象などの顔を持つ人形の石像たちが銀に輝く砂時計を両腕で掲げている。
『……検索結果。該当情報:0件』
機械的に声を放つのはその空間で一際異質な砂時計だった。
背中には左右四対、八枚の羽を備える砂時計はエクストラメモリの中でも恐れられているものの1つだ。
「……そう。」
がっくりと肩を落とすのはメモリの持ち主…稗田阿求である。以前から凱に頼まれている仕事をこなしているのだ。
地球の本棚は以前からメモリを使わなくても使用できるのだが、このようにメモリを経由した方が負担は大幅に軽減される。
「…もう良いわ。休みなさい、パスト。」
パストと呼ばれた砂時計は、羽を折り畳み休息をとる。
……筈だった。
『警告 未確認の個体による侵入を確認』
「…?!」
侵入…それは俗に言う『幻想入り』である。
本来、幻想郷は博麗大結界と呼ばれる防壁で外界との接続を断ち、守られているのだが。今現在、
そのため、阿求とパストがその代わりを担っている。
「……パスト、もし幻想郷に危害を加えるようなら排除してください。私は一度戻ります。」
『了解 警戒状態を維持します』
阿求はそれを聞くと、パストの領域から離脱する。
その後、パストの前に映し出されたのは、桜と飯綱丸であった。
ーーやりすぎ厳禁ーー
「………おい。」
凱は雪華に正座をさせ、ドラグニスを左肩に担ぎ右腕にはデビルブリンガーを惜しげもなく発現させている。
「………すまんかった。」
「あぁ?」
凱が軽くドラグニスを振るう。その瞬間、空間が呼吸できなくなるくらいに重くなる。
「…まあ我ながらやり過ぎたなと……。反省してる。」
「ほう?他に言い残すことはあるか?」
凱の圧に紅魔館の舗装を手伝ったエクストラメモリたちが震え上がる。
「……すまなかった。」
「弁明は無しか。」
「なあ、許してやったらどうだ?」
背後で見ていた護が声をかける。
「いや、やめてくれ。それに弁明したところでこいつが少しでも許すとは思えん。なら潔く罰されるのみ。」
ある種達観したような意見を述べる。
「………そうか。」
「安心しろ雪華、俺もそこまで怒ってはいないんだ。」
雪華は思った。
それはマジギレしてるやつなんだよなぁ、と。
護や他の面々は思った。
…ぶちギレてるやん。
「護、少し離れてろ。」
「ああ………おい待て何する気だ?!」
凱はドラグニスを頭上に構え____
その後何があったかはご想像にお任せしよう。
──結論を言うならば、雪華はほぼ無傷だった。しかし、それでも痛みは尋常ではなかったらしく、3時間ほど悶絶していた。
姫乃の部屋にて
「全く、雪華も馬鹿だよなぁ。」
部屋にはベットで眠る姫乃の他に護と桜、背中から閻魔刀がぶっ刺さっている凱がいた。
「す、すみません……。でも……。」
桜は護を一瞥して。
「あれはさすがにどうかと……。」
「だよなぁ。………そういえば派閥について話したっけか?」
護がそんなことを言い出した。
「派閥?いいえ、聞いていませんね。」
「派閥ってかグループっつうか、俺らの組織では凱の派閥と俺の派閥と2種類あるんだ。」
護は人差し指と中指を立てる。
「…凱さんのとこは姫乃さんに霊夢さんを初めとした人達、護さんのとこは幽香さんを初めとした方々、でしょうか?」
「ああ、だから自分の派閥のやつに手を出されて血が登ったんだよなぁ?凱。」
「……否定はしない。」
凱は目を背ける。
「あ、あはは……。」
部屋に戻ったら注意しておこう、と思った桜であった。
「さて、そろっと部屋に帰らんきゃじゃないのか?」
「…そうですね、そろそろ快復してる頃でしょうし……。」
「お前も苦労してるんだな。」
「全くだ。あいつの相手は大変じゃないのか?」
「いいえ。確かに面倒事は多いですけど、大変、というより、幸せが大きいです。」
頬を赤らめてそう言う。
「おうおう、お熱いねぇ。」
「多分、姫乃ちゃんも同じようなことを思ってますよ。」
「だってよ?良かったなぁ凱!…それはさておきアイツとはなn」
そう言った瞬間、護がふっと消える。
「馬鹿な奴め。」
「ま、護さんはどこに……?」
「早苗に頼まれててな、桜に変なこと言ったらヴォイドで早苗のとこに飛ばすことになっていた。」
凱は閻魔刀を抜きつつ言った。
「へ、変なこと、言われたっけ……?」
でも早苗さんのとこ、きっと深入りしてはいけないと桜は思った。
「半分は奴への仕返しだ。」
「半分の仕返しで地獄に送り込むんですね……。」
桜は遠い目をした。
「もう半分はあいつの管理不足だ。あの薬はあいつが持ってたはずのやつだからな。」
「…それなら納得です。」
凱は閻魔刀についた血を拭き取り、納刀する。
「そういえば、雪華とはどうなんだ?」
「ど、どうって、ナニが、ですか…?」
明らかに赤くなった。
「何って、君は雪華と一緒に喫茶店をやっているんだろう?」
コーヒーを飲みながら言う。
「そ、そうですね。」
紛れもない事実なので頷く。
「それで、どうなんだ?」
「…今度はどういう意味ですか!」
「だから喫茶店だよ。」
「その通りですよ!雪華様のおかげで繁盛してます!」
叫ぶように言い放つと、走ってドアを開けた。
「ん?桜嬢じゃねえか。」
ドアの前に立っていたのはウォーズだ。
「あ、ウォーズさん…、ちょっと、今はごめんなさい……!」
慌てて走っていった。
「……何したんだ?」
「………わからん。だが悪いのは俺だろうな。」
ーー異分子との邂逅ーー
桜は紅魔館の廊下の床に座っていた。
「もう……!凱さん……!!」
恥ずかしそうに顔を覆った。
「あれ?君は確か……桜さんだったかな?」
「あなたは……?」
声を聞き、顔をあげる。
そこに立っていたのは1人の烏天狗だった。
「失礼、私は飯綱丸龍だ。」
「ああ、あの会議の時の……。」
「覚えててくれたのか。」
飯綱丸は桜の横に座る。
「ええ。」
笑って頷く。
「それで、どうしたんだ?」
「まぁ…、凱さんが不躾な質問をするものですから。」
桜は唇を尖らせる。そんな彼女を慰めていると、
「本当にどこ行きやがった…?」
狐の面を被った少年が現れた。
「あ、紡ぎ手さんじゃないですか。どうしたんですか?」
「あ、桜。それに…、飯綱丸様ではございませんか。」
「おや?貴方は?」
「雪華と桜のセカイでいう、フォーウルムさんのようなものです。紡ぎ手、もしくはキツネと呼ばれています。」
まあこれのせいですけどね、と自身が着けている狐面を指す。
「ふぉ、ふぉぉうるむ?」
「…セカイを紡ぐ者。凱さんに聞けば分かるかと。」
狐面でよく見えないが、どうやら微笑んだようだった。
「………?」
「それはそうと、緑髪の女性に、黒髪の男性を見ませんでしたか?」
いささか焦った様子で彼女達に聞いた。
「いいえ、見てないですよ?」
「見てないな。」
「そうですか……。全くあいつら、一体どこに………!」
「何かあったんですか?」
「…いや、なんでもない。少なくとも、2人には関係がないと思う。」
「大変なのだな。」
「全くです。しかも雪華はトラブルメーカーだし。」
「凱に比べたらそうでもないだろう。」
「あの人は次元が違いますって。…まあ、とにかく探さなきゃ……。」
ため息とともに彼はスキマへ消えていった。
「君のところも大変なんだな。」
飯綱丸は優しく桜の頭を撫でる。
「そうみたいですね。…でも、雪華様と一緒に居られるだけで、とっても幸せなんです。」
柔らかに笑う。
「む。その通りです。」
彼を取り合った仲である友人達を思い浮かべる。
「ふふふ。………そこに居るのは誰だ?」
飯綱丸の雰囲気が急に変化する。それと同時に辺りに異様な圧がかけられる。
「あら、ごめんなさい!盗み聞きするつもりじゃなかったのよ。」
出てきたのは優しい緑色の髪を持った女性だった。
「(……まずいな)君は……誰かな?」
「私?私は
微苦笑を浮かべて事情を語る。
「そういえば、黒髪の、ちょっとキザな、18歳くらいの男の人、見なかったかしら?」
「見てはいない、だが出来れば一刻もはやくここを去った方がいい。」
「何故かしら?とっても興味深いのに。」
「……私も、この少女も巻き込まれたくはない。最後の警告だ。今すぐに去れ。」
飯綱丸の頬を汗が流れる。
「もう、分かったわ。うーん、翔ったらどこに行ったのかしら……。」
そんなことをぼやきながら、彼女はどこかに去っていった。
「………どうやら許してもらえたようだ。」
飯綱丸は深呼吸し座り込む。
「今のって、多分紡ぎ手さんが言ってた方ですよね……。」
桜も驚いていたようで、未だに目を見開いている。
「恐らくな、もう1人が私達のほうに来たら、覚悟を決めた方がいい。」
「た、多分来ないと思いますよ!こんな広い館のこんなピンポイントで…!」
──後に桜は語った。
どうして私はあんなにフラグめいた発言をしてしまったのだろう、と……。
「そうだな。これだけ広ければ……」
そう言って飯綱丸が振り返ったときだった。
「何だよ。どうしたんだよ、お姉さん。」
そこに居たのは、件の青年だった。
「きゃあぁぁぁ!!」
「うぉ、何だよ!?」
急に現れた彼に驚き、桜が悲鳴をあげた。
瞬間、辺りが暗くなる。
すると周りの景色が変わる。
彼らを取り囲むように何体もの銅像が並べられており、それらは巨大な砂時計を掲げている。
「いや待て待て待て!冗談キツイぜ…!」
彼は身構えた。
『警告』
無機質な声が響く。
声の主は祭壇の様なところに居る巨大すぎる砂時計。
背中からは天使、悪魔、虫、機械の羽が対になるように二枚づつ、計八枚の羽を持っている。その異形から滲み出る威圧感は計り知れない。
「しゃあねえ、相棒、行くぜ……!」
彼が取り出したのは、赤と銀の、ガイアナイトドライバーに酷似したもの。
「まずい…!桜さん、こっちへ!」
明らかに焦る飯綱丸が手を差し伸べる。
彼が取り出したのは。
──漆黒の、メモリだった。
『警告 対象者の敵対意思を確認。制圧を開始。』
「くそっ!変身!」
桜を抱き寄せた飯綱丸はメモリを取り出し起動させる。
「間に合え、間に合え!」
《ジョーカー》
「変身!!」
《サイクロン!ジョーカー!》
ハードボイルドな音とともに、そこに現れたのは、ガイアナイトとも違う、疾風の戦士。
《ドラグーン》
飯綱丸のほうも変身が完了し桜を守るためにシールドを展開する。
『全く、何で貴方はそんなに面倒事を引き寄せるのかしら。』
「知るかんなもん!とにかく行くぞ。」
『はいはい。』
『「さあ、お前の罪を数えろ。」』
『敵対対象者確認』
その一言が開戦となり、桜と飯綱丸を巻き込んだ
ーー異分子と防御機構ーー
「おらっ!」
サイクロンの風で近付いてからの蹴り。
1つの砂時計の羽を破壊する。
しかし、それは一瞬にして再生しその衝撃波は跳ね返る。
その衝撃は付近にいた飯綱丸達にも届く。
「げほっ……無事か?」
飯綱丸は桜に尋ねる。
「は、はい…。」
そんな彼女達を他所に…
「っと、めんどくせえことしやがる!」
『エクストリームちゃんは使えないのよねぇ、別世界だし。』
「なら、火力で一気にぶっ壊す!」
《ヒート!メタル!》
情熱的な音とともに、赫と銀の戦士へと生まれ変わる。
『排除』
無機質な声と共に大量の武器が降り注ぎ、戦士に叩き込まれる。
「行くぜー!」
《メタル!マキシマムドライブ!》
『「メタルブランディング!」』
火炎を吹き出す棒を構えて武器をかわし接近、砂時計を1つ破壊した。
『緊急性無し 排除を続行』
砂時計は全く気にせずに攻撃を再開する。
「まだまだぁ!」
『あーもう、分かったわよ。』
《ルナ!トリガー!》
幻想的な音とともに金と蒼の戦士へと生まれ変わる。
『制圧』
砂時計は無数のレーザーを放ってきた。
「早めに倒れてくれればいいんだが………」
飯綱丸はそう言いながら防御の姿勢を崩さない。謎の戦士は別として、パストは非常に危険だ。何せ
「そーれもう1発!」
《トリガー!マキシマムドライブ!》
『「トリガーフルバースト!」』
彼女の心配を無視するかのようにマキシマムドライブを発動。先程の数倍はあろうかという弾丸は、やはり有り得ない軌道を描いて砂時計2つを破壊した。
『最終警告です』
「知ったこっちゃねえぜ、んなもん!」
『うるさいわよ、このハーフボイルド。』
「ハーフボイルド言うんじゃねぇ!ったく…」
《サイクロン!ジョーカー!》
最初の翠と黎の戦士となり、黎のメモリをマキシマムスロットに差し込む。
《ジョーカー!マキシマムドライブ!》
風で宙に浮く。
『警告無視を確認』
「何なんだあいつらは?!」
飯綱丸は絶叫する。五十嵐凱じゃあるまいし、命知らずにも程がある。
『これで決めるわよ!』
「当然だぜ、相棒!」
『「ジョーカーエクストリーム!」』
身体が分割され、それぞれが最後の砂時計へキックを決める。そして、再び1つになった後、風でふわりと着地した。
『損傷確認 巻き戻しを開始』
パストの周りのものが、まるでテレビを逆再生してるかのような挙動になり、すべてが元通りになっていく。
『巻き戻し終了 攻撃を再開』
破壊された砂時計はすべて修復され、攻撃が再開される。
「面倒くせえな、おい。」
『興味深いわね。』
「言ってる場合かよ。」
『Eでも使えればねぇ。』
「ありゃ俺達のもダメにするだろ。」
どうするかと思案していたその時。
「そこまでです。」
『あら?』
「なんだぁ?」
やって来たのは……和服を着た少女であった。
ーー調停者は巫女にあらずーー
『あなたは…?』
「何だ?あんた…、ただもんじゃねえな?」
彼…、いや、『彼ら』は身構えた。
「私は稗田阿求。以後お見知り置きください、『
阿求はまるで冷たい機械のように言い放つ。それに合わせ空間が動き出し、祭壇と砂時計の怪物の場所が阿求の背後に移動する。
『阿求ちゃんね。よろしく。』
「で、そんなLadyがどうしてこんなとこに?」
敢えて聞く。原因は明々白々だが。
「そいつはこっちの台詞だ。」
阿求の隣に現れたのは漆黒の天使の姿をした男だ。
「…あんた、人間じゃねえな?だがドーパントでもねえ。何なんだ、あんたは?」
『後で地球の本棚で調べてみるとしましょうか。』
「ま、とにかく俺達は自己防衛してただけだ。何処とも知れねぇ場所に来て彷徨ってたら、いきなり襲われたからな。」
「それはあなた方が敵対勢力だとこの子が判断したからでは?」
阿求は背後の砂時計を眺めつつ言う。
「いや、特に何かをした覚えは…、いや、そこのお嬢ちゃんが悲鳴あげたからか。」
『翔のせいじゃない。』
「いや違うだろ。俺はどちらかっつーと大人しく去ろうとしたんだぜ?」
『どこまで本当なんだか。』
「……凱。」
傷だらけになった飯綱丸が凱に近寄る。
「ん?おー飯綱丸じゃん。あと桜、何をしているんだ?」
漆黒の天使__凱に飯綱丸が話しかける。
『あの女の子達の知り合いだったのね。』
「めんどくせぇ……。しかもあいつはエクストリームでも倒せる気がしねえぞ。」
何やら話し込んでいる。あまりに異様なので、桜は硬直していた。
それを他所に…
「え?なんすか、どうしたんすかそれ~w」
「笑うな!」
「いやだってボロボロじゃないっすかぁw治安を守る維持隊の幹部さん弱すぎじゃないっすかねぇ?」
「貴様ぁ!」
煽る凱と煽られる飯綱丸である。
「どうした、凱。」
そんな彼らの近くでスキマが開き中から出てきたのは復活した雪華だ。
『あら、貴方雪華君ね?』
「あー、紡ぎ手が何か言ってたな。」
「おう。見ろよこいつ、《パスト》の巻き添え食らってメッチャクチャボロボロだぜ!」
「おいやめてやれ。…飯綱丸さん、ありがとうございます。」
雪華は頭を下げた。
「…これボイコされてね?」
『……まあ、いつか気づくでしょ。』
「んでよ、聞いてくれよ。」
「ああ、何だ?」
雪華は凱のほうを向いた。
「こいつがここまでボロボロになった理由が、元を辿るとどうやらそこの二人三脚人間にあるみてぇなんだ。」
凱は持っていた剣を肩に担ぐ。
「あっやっと気付いた。」
『地味に悲しいわね。ここにきてやっと気付いてもらえるって。』
「原因はお前らか。…なあ、僕は目がおかしくなっているらしい。」
「何だ、アレルギーか?」
冗談を凱は口にするが、声は笑っていない
「僕の目には、あれが仮面ライダーにしか見えないんだが。」
雪華の声は驚愕で震えていた。
「…………あ、そういやそんなのいたな。」
凱は指を鳴らす。どうやら完全に忘れていたようだ。
言われてみればその視線の先にいる者の容姿は凱がよく知る『仮面ライダーW』に酷似、というかそれそのものだ。
「仮面ライダー知ってんのか。」
『これは意外ね。後で調べなおそ。』
ライダーから感心したような声が零れる。
「…で、こいつらどうする?メモリブレイクされたら終わりだが。」
「は?こんな雑魚に負けるとでも?俺が?ありえねえな。」
凱はおどけて見せる。
「まあそうだけど。」
「おい待て待ってくれ!」
『私達に貴方達と戦う意思はないわ。』
臨戦態勢となった2人に慌てて否定する。
「おまえがやるなら俺も殺るが……どうする?」
「そのつもりだったが。桜を怖がらせるなら容赦はしない。」
「待てっつったろ。」
変身を解除すると、そこに居たのは、1人の男。黒いスーツに同色の中折帽を被っている。
「ほう?ならこっちも」
凱は変身を解く。
解除時の風で灰色の髪が揺れる。
「凱さん、あとはお任せします。」
「ああ、わかった。」
彼らが変身を解いたのを確認し、パストと共に阿求は消えた。同時に彼らがいた場所も紅魔館に引き戻される。
そして、すぐそこの角から緑の髪を持った女性が現れる。
「祐綺 風夏よ。よろしく。」
「佐野 翔だ。よろしく頼むぜ。」
「………ああ、よろしく。」
凱は何かを考えたあと、挨拶を返した。
彼らがここに来た理由、推測が正しければ………
「あ、お前ら!!」
「紡ぎ手じゃないか、どうしたんだ?」
スキマからくらんもちが現れる。
「お前が元凶かぁ!!」
凱は即座にメモリを構える。
「待って凱さん待ってお願いだから!!」
「よしやれ。」
雪華はくらんもちに拘束魔法をかける。
「ぶっっ潰す!」
凱が変身する………
スカンッ「馬鹿野郎!」
「イッテェ!?」
そこに現れたのは護だ。その手には閻魔刀が握られている。
「何しやがる護!」
「た、助かった……。」
護の乱入に安堵するくらんもち。
「全く…凱、おまえはいつもやりすぎなんだよ!」
「んだとこの野郎!」
「そうやって何時もおまえは周りをぶち壊そうとするんだ!」
「ああ?!テメェだって閻魔刀使って次元ごと滅茶苦茶にすんじゃねぇか!」
凱と護の口論が始まり、ヒートアップしていく。
「護さん、本当にありがとうございます!風夏、翔!勝手にこっち来てんじゃない!」
くらんもちは彼らを怒鳴りつける。大人しくなった風夏と翔を連れていこうとしたとき、嫌な言葉が聞こえた。
「いいか?やるんならドラグニスだ。あんなことでメモリを使うんじゃない。」
「ああ、気を付けるよ。」
それを聞いて背筋が冷たくなる。メモリとかならまだしも、物理は流石に困る。
「えっどちらにせよピチュるんですがそれは」
「お前がいくらピチュろうと一向に構わん。」
「んな殺生なっ!」
雪華はくらんもちを見捨てる。
「あとやるんなら土手っ腹ぶち抜け。」
「もしかしたらバスターの方がいいのか……?」
「それは駄目だ。紅魔館が壊れる。」
「あの僕だって生きてますよ?法に抵触しますよ?」
「誰がお前なんかの死に法を適用すると思ってるんだ。」
「うわあ辛辣。」
「じゃあどうすれば……」
「ヴォイドで引きずり込むとか?」
「それだぁ!」
メモリを使うな、と言ったはずだがやはりメモリを使う方向に2人の話が進む。
「あ、そこは紡ぎ手なので余裕で戻ってこれますよ?」
「反則だろそれ。」
「そうか……エクリプス使え。」
「だな。」
「えっちょっそれは。」
「よし、いくぞ!」
「アホンダラァ!」
スキマが開き、中からフォーウルムが出てきた。
キャラ出すぎじゃね?
「フォーウルムさん!ベストタイミング!」
「こっちの作者か。」
「あらあら。」
「ただでさえ、パストが起動してたのにカラミティまで出さないでよ?!」
フォーウルムが悲痛な叫びをあげる。
「既にグチャグチャになってるバランスをさらに壊そうとしないでよ!」
「うわあ想像もしたくないな。」
「地獄絵図、ですね…。」
「そうだよね、なら僕を消そうとするのやめようか。」
くらんもちは青ざめた顔で震えている。
「だがこいつは?!」
「凱、死なない体で溶岩遊泳と何度もループする紐無しバンジー、どっちがいい?」
「すまん許してくれ。」
フォーウルムの二択を聞いた凱は深々と頭を下げる。
「別に良いんですよ、別に。」
「手の平球体関節でも入ってんの?」
くらんもちの変わり身に呆れつつ、雪華は翔と風夏を指した。
「それで、彼等はどうするんだ?」
「君らか、勝手にはいってきたの。おかげでパストが暴走気味だったんだからね?」
フォーウルムは2人を見る。
「あー、それは済まなかった。風夏が紡ぎ手の入ってった穴に興味示してな。巻き添え喰らった。」
「だって、あんなに面白そうなものがあったのなら入らないと失礼でしょう!?」
「…結局お前が原因か。」
「ぐ…、肯定も否定も出来ない!」
結局くらんもちが原因のようだ。
「……桜ちゃんの時はこっちが調整中だったからまだしも、ホントに大変だったんだからね!」
普段はヘルメットのせいでわからないが今は珍しく怒っているのがよくわかる。
「…すまなかった。」
「ごめんなさい…。」
「マジですみませんでした!」
3人揃って頭を下げる。
「…桜ちゃん、どうしよっか?」
フォーウルムは桜に話を振る。
「…お2人はまだしも、紡ぎ手さんはエクリプスしちゃってください。」
「エクリプスが動詞になっとる…。……………え?今なんて?」
「うーん、僕はメモリ使えないけど…やろっか。」
そう言ったとたん辺りが歪み始める。
「えっちょっ待っ、( 'ω')ギャァァァァァァ!」
くらんもちの居たところが光の無い闇になったかと思うと、一瞬にして消えてしまった。
「…よし、終わったよ。………そこの2人。」
「…ん。」
「…はい。」
翔と風夏の2人が頷く
「今回は仕方ないけど、今度は俺に言ってから来てほしいなぁ。」
「すまなかった…。…風夏、これに懲りろ。」
「気を付けまーす……。」
猛省した2人にフォーウルムは続ける。
「もし破ったりでもしたらぁ……」
「そ、その先は言わないで!」
「お前怖いの苦手だもんなぁ。」
「い、良いじゃない、別に……。」
「よし!さて僕は戻るよー」
満足したフォーウルムはスキマに入る。
「ありがとうございました。」
「…待て、俺らどうやって帰る?」
「じゃあお詫びも兼ねて僕が送り返す。」
「紡ぎ手!?どうやって抜け出しやがった!?」
いつの間にかくらんもちがそこにいた。
「じゃあヨロシクー」
「はーい、ほらこっち。」
権限を用いて空けたワームホールに消えていった。
「…なんだったんだ、あいつら。」
「さぁ……?」
今頃になって呆気に取られた雪華達だった。
「しーらね。そういえば凱、姫乃が呼んでたぞ。」
「目を覚ましてたのか。わかった、戻る。」
凱と護は部屋に戻っていった。
移動ついでにぼろぼろになった飯綱丸を抱えていった。
「じゃあ僕達も戻るか。」
「そうしましょう。」
そう言うと、桜は雪華の腕に抱きついた。
「ちょっと、さすがに人目が……。」
「…別にいいじゃないですか。」
2人は、とても幸せそうだった。
続く
どうも、フォーウルムです
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ゴールデンウィークはハーメルン書いたりレポート書いたり原神やったりと大忙しですね………。
とりあえず、原神は徹夜でやりまくってナヒーダお迎えしました。
さて、今回登場した風夏と翔は私ではなくくらんもちさんのところのオリキャラです。彼等を出したいというくらんもちさんのお願いで出させていただきました。
最初は迷ったのですが、パストの初陣の相手に良いかな、と思い今回の話を書き上げた次第です。
いつかパストVS凱も書けたらなー、などと思っております。
あと2
3~4話で完結予定です……完結するかな?
首を長くして待っていてもらえると嬉しいです。
それではこの辺で
また次回お会いしましょう。
凱、姫乃、護、三首、音川の五人の紹介は……
-
簡単にまとめてほしい
-
詳しく別々でほしい
-
いらない