【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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第1章10話です。


第1章ー12ー10話ー初めての実技テスト。

ーー1204ー4・21ー朝ーグラウンド

 

ユフィ達は、予告されていたとおりにグラウンドに集まっていた。朝と表記にあるが、朝ではなく、朝と昼の中間な時間帯である。

 

予告されていたものと言うのは、実技テストである。これからⅦ組は、毎月1回は実技テストがあるのだ。それを乗りきって行くしかないのだ。

 

グラウンドに立っている姿は体操着姿である。

 

男子は上着に短パンに、女子は上着にブルマである。女子は男子の視線がどうしても気になるものである。フィーがマキアスに対して

 

フィー「サラ、マキアスがユフィのブルマ姿をガン見してる」

 

ユフィ「えっ!?」

 

マキアス「こ、こら、フィー君…君は何を言ってるんだ!?」

 

フィー「目線でわかるから」

 

マキアス「……!?」

 

ユーシス「ふっ、破廉恥なヤツめ」

 

スハルト「見たいなら、バレないようにしようぜ、マキアスよ」

 

ユフィは、フィーやアリサによってマキアスから見えない位置に連れてこられた。マキアスは、再び女子にジトメで見られた。

 

マキアス「……僕が何をしたって言うんだ…」

 

リィン「ドンマイ、マキアス!」

 

ガイウス「今日は悪い風が吹いたのかもしれない。必ず良い風も吹く。だから落ち込むな、マキアス」

 

マキアス「…それって慰められているのか?」

 

マキアスは、がくしとへこんでいた。

 

そんな光景を見ていたサラ教官から、いつまで続けるのかと怒られた。

 

サラ「ーーじゃあ予告通り《実技テスト》を始めましょう。前もって言っておくけど、このテストは単純な戦闘力を測るものじゃないわ。『状況に応じた適切な行動』を取れるかを見るためのものよ。その意味で、なんの工夫もしなかったら、短時間で相手を倒せたとしても評点は辛くなるでしょうね」

 

ユーシスやアリサが

 

ユーシス「フン…面白い」

 

アリサ「単純な力押しじゃ評価に結び付かないわけね」

 

サラ教官は、4月の最初の実技テストを開始することを宣言する。第1試合はユフィ、達也、エリオット、ガイウスが指名された。ユフィとエリオットはいきなりだと緊張し、達也は別に気にせず、ガイウスは普通とおりな表情をしていた。

 

ユフィ「緊張しますわね」

 

達也「いつもとおりにやるだけだ」

 

ガイウス「承知」

 

エリオット「うん、出来るだけやってみるね」

 

ユフィ達はサラ教官に言われた通りに前へ出る。

 

サラ「ふふ、よろしい。それじゃあ、とっとと呼ぶとしますか」

 

サラ教官は、指をパチンとした後に、近くに謎の物体が出てくる。ユフィ達はみな驚く。

 

ユフィ「サラ教官、それはまさか…!?」

 

達也「これは…」

 

エリオット「ま、魔獣!?」

 

ガイウス「いや、命の息吹を感じない!」

 

サラ「ええ、そいつは作り物の“動くカカシ”みたいなもんよ。そこそこ強めに設定してあるけど、決して勝てない相手ではないわ。…わかってるでしょうけど、力押しで倒しても意味はないから。ちゃんとARCUSの戦術リンクを活用しなさい」

 

ユフィ「ARCUSを活用ですか。はい、やってますわ」

 

ユフィはそう言って、達也達と調査で入った旧校舎でのことを思い出す。旧校舎の調査時に戦術リンクの組み合わせも色々試してみた。それはユフィも達也もエリオットもガイウスもリィンも経験済みである。

 

おそらくサラ教官は、自分達4人を選んだのもそのためではないかと思ったのだった。その事は、達也も考えていたことだった。

 

 

ユフィ達は各々の武器を取りだし、“動くカカシ”と対峙する。

 

サラ「それじゃ、第1試合、達也班…始め!!」

 

試合のゴングがなった。ユフィとガイウス、達也とエリオットで戦術リンクを繋いだ。

 

エリオットは、まず自身のクラフト【エコーズビート】で俺達のDF力をupさせる。そしてガイウスがクラフト【ゲイルスティング】を放つ。渦巻く風は動くカカシに向かって一直線に当たるが、あまり効いているようには見えない。達也が激励を飛ばす。

 

達也「俺の番だな。よーし一気に行くぞ」

 

ユフィ達のステータスがupした。そしてステータスupしたユフィが動くカカシに向かって

 

ユフィ「これはどうですか!弧影斬!」

 

弧影斬が動くカカシに命中するがビクともしない。

 

ユフィ「か、硬いですわ!」

 

達也「硬いか…別の戦い方をする必要があるな」

 

エリオット「どうするの、2人共?」

 

ユフィ「達也さんの言う通りですわ、効かないのであれば、別の戦い方をするまでです。ガイウスさんさっきのをお願いしますわ!」

 

ガイウス「承知!」

 

ユフィ「エリオットさんは後方からアーツで掩護を!」

 

エリオット「うん、わかった」

 

ユフィ「達也さん、アレでいきましょう!」

 

達也「アレか、わかった。ユフィを信じよう」

 

ユフィに指示された通りに2人が、それぞれに動き出す。まずは、エリオットがアーツで牽制をかけ、ガイウスがゲイルスティングを放つ。ユフィと達也はすぐさまに

 

ユフィ「弧影斬、弧影斬」

 

 

ユフィの弧影斬が両サイドから動くカカシを捉えて、空中に浮き上がる。そこに達也が

 

達也「紅葉切り!」

 

紅葉切りで動くカカシに、大ダメージを与えたようだ。動くカカシはピクリとも動かなくなった。

 

勝負は、ユフィ達が勝ったのであった。

 

 

 

 

 

今のところはユフィ達4人とリィンは、この中ではおそらくずば抜けていると思う。ガイウスとエリオットが疲れた表情で声をあげた。達也は何事もなかったようにいるな。ユフィもつかれるほどではない表情をしていた。

 

達也「ふっ、これぐらいか」

 

ガイウス「うまくいったな」

 

エリオット「何とか勝てたぁ…」

 

ユフィ「戦術リンク、旧校舎の調査の時でもそうだったですけど、上手く活用出来れば何とかなりそうですね、みなさん?」

 

サラ「そうね。ユフィの言うとおりに、あなた達は戦術リンクも使えていたようだし、やはり旧校舎地下での実戦が効いているじゃないの?」

 

ユフィ「ははは…そうかもしれませんね」

 

ラウラ「やはり…ユフィの言った通りだな。旧校舎は鍛錬の場所のようだ」

 

スハルト「なるほどな」

 

マキアス「やはり、あのときユフィ君と一緒に行けば…」

 

やはり旧校舎地下で実戦を積んだユフィ達と、それ以外の人間の戦術リンクの差は今の時点では、ついているだろうと思う。ただ埋められないものではない。彼らとて、旧校舎で実戦を経験すれば、ユフィ達を追いつけない距離ではない。それどころか、ユフィ達を追い抜く事さえあるかもしれないのだから。そしてサラ教官は第2戦目のメンバーの名をあげた。

 

サラ「──それじゃ次!ラウラ、エマ、アンジェリナ、マキアス、前に出なさい」

 

ラウラ達は返事をして、ユフィ達の前に出て先ほどの戦術αと戦闘に入った。やはりユフィ達とは違い、上手く自分達の戦闘スタイルに持っていけていない。やはり【戦術リンク】が上手く使えるか使えないかで、大きく違うようだと達也は感じていた。

 

苦労の末にラウラ達は戦術殼αを倒した。やはり達也が予測した通りに苦戦を強いられてしまっていた。ラウラとアンジェリナは、善戦していたように見えたが、やはり戦術リンクが上手く活用しきれていないようだ。あの場合は、ラウラとマキアス、又はラウラとエマ、アンジェリナとマキアスかエマと組んでた方が良かったように見えた。そして最後に残りのメンバーがサラ教官により名を呼ばれた。

 

サラ「残りの全員はまとめてかかってきなさい!!」

 

スハルト「サラ、最後は適当かよっ?!」

 

フィー「サラ、怠慢…」

 

サラ「つべこべ言わずにやる!」

 

ユーシス「チッ、めんどくさいことを」

 

アリサ「なんで、私がこのチームに…」

 

残りのユーシス、アリサ、フィー、スハルトの4人は一斉に戦術殼αに立ち向かった。明らかにさっきのラウラ組と違っていて、さらに戦術がバラバラだ。ユーシスとスハルトはバラバラに行動し、アリサとフィーは、合わせようとやっているが、なかなかあわないみたいだな。

 

最後にアリサとフィー、スハルトの連携プレーにより戦術殼αはガクガクいいながら崩れていった。

 

アリサ「なんとか、なったわね…フィー…それにスハルト」

 

フィー「なんとか~」

 

スハルト「まあな。やるじゃねーか、アリサ」

 

アリサとフィーとスハルトが3人で握手をかわしている。エマやラウラやユーシスが話している。

 

ユーシス「はぁはぁ……」

 

ラウラ「なかなかなひ苦戦させられたものだ」

 

エマ「やっぱり【戦術リンク】が鍵になるみたいですね──」

 

ユーシス「チッ、面倒なものを!!」

 

ユーシス達は色々言ってるみたいだが、【戦術リンク】は慣れていくしかないだろう。ユフィ達は、旧校舎地下で慣れて今回があるわけだから。他の者達も旧校舎で特訓と言うか調査をしていくうちに慣れていくものだから。そしてサラ教官が実技テストの終了を告げる。

 

サラ「これにて4月の実技テストは終了ね」

 

これにて、4月の最初の実技テストが終わった。面倒な事が起きなくて良かったが、ユーシスとマキアスが事が問題がまだ残ってるのである。ラウラがサラ教官に疑問を聞いた。

 

ラウラ「──しかしサラ教官、先ほどの傀儡めいたものはいったい何だったのだ?」

 

マキアス「そ、そう言えば………!」

 

エリオット「機械……?見たことないかも」

 

アリサ「……どこかで…見たような……」

 

達也、スハルト、ユフィ「……」

 

ラウラ達の疑問に対してサラ教官は

 

サラ「んーとある筋から押し付けられちゃった物でね。あんまり使いたくないんだけど、色々設定できて便利なのよねー。まぁテストの役に立ったし結果オーライということで」

 

達也とスハルトとユフィは、あの戦術殼を見たことがある。達也は、RF社の機密エリアで、スハルトは、赤い星座時代に、ユフィは、リベールの異変の時に。一体なんの筋ですかと、サラ教官とユフィ達は思った。

 

ただみんなそんな解答じゃ納得しないだろう。サラ教官はこれから本題を話そうとしていた。

 

サラ「──さて【実技テスト】はさっきも言った通りここまでよ。先日話した通りここからはかなり重要な伝達事項があるわ。君達【Ⅶ組】ならではの特別なカリキュラムに関するね」

 

この特別なカリキュラムが今後のⅦ組の運命を加速させていくものになる。

 

サラ教官が特別実習の説明を始める。

 

サラ「ふふ、流石にみんな気になってたみたいね。それじゃ説明させて貰うわ」

 

サラ教官の話しに、みんな釘付けになっている。確かに聞くだけなら、興奮するかもしれない。サラ教官は話しを続けている。

 

サラ「──君たちに課せられた特別なカリキュラム──それはズバリ【特別実習】よ!」

 

エマ「【特別実習】ですか……?」

 

マキアス「………何だか嫌な予感しかしないんだが………」

 

サラ教官は気にせずに話し続ける。

 

サラ「君たちにはA班、B班に分かれて指定した実習先に行ってもらうわ。そこで期間中、用意された課題をやってもらうことになる。まさに特別な実習なわけね」

 

特別実習、普通なら社会科見学みたいなものを想像するかもしれない。ユフィ達も甘い考えを持っていたかもしれない。

 

だがそんな甘いことがあるわけがない。そんな甘いものなど無いことを後々に気づかされることになる。エリオットが不安そうに

 

エリオット「学院に入ったばかりに、いきなり他の場所へ?」

 

アンジェリナ「その仰り方だと、サラ教官が引率されるわけではないのですね」

 

アンジェリナがサラ教官が引率しないのか聞いている。

 

サラ「ええ、あたしが付いていったら修業にならないでしょう?獅子は我が子を千尋の谷にってね」

 

アンジェリナ「はぁ……」

 

ラウラ「ふむ、修業ならばむしろ望むところではあるが……」

 

ユーシス「──バレスタイン教官。結局、俺達に何時、どこでどこへ行けと言うんだ?」

 

サラ「オーケー、話をすすめましょう。さっきも言った通り君たちはA班、B班に分かれてもらうわ。さぁ受けなさい」

 

ユフィ達全員1枚の紙を受け取った。その紙には、各自どの班に割り振られたのか、行き先はどこなのか、誰が一緒の班なのかすべて書かれていた。

 

【A班・達也・アリサ・ラウラ・エリオット・フィー・アンジェリナ・ガイウス→(実習地─交易地ケルディック)】

 

【B班・ユフィ・リィン・マキアス・ユーシス・スハルト・エマ→実習地─紡績町パルム)】

 

A班7名、B班6名。ちゃんと均等に班分けされてる。行き先の距離に違いはあるが。

 

A班達也達が行く実習先であるケルディックである。

 

正式名称クロイツェン州交易地ケルディックである。交易地ケルディックは帝国東部にあるクロイツェン州にある、昔から交易が盛んな町。帝都と大都市バリアハート、更には貿易都市クロスベルを結ぶ中継地点として知られている場所だ。そしてこのあたりは大穀倉地帯として有名だ。【帝国の台所】や【帝国の食料庫】と呼ばれることもある場所だ。

 

そして大市というのが有名であり、今では外国からも商人達が訪れ、観光客もやって来るようになった。

 

B班ユフィ達が行く実習先は、帝国南部にある紡績街パルムである。

 

 

正式には帝国南部のサザーラント州南部に位置する小都市で、古くから紡績業で栄える町として知られている。

 

導力革命を経た現在においても、水車を動力とした紡績機による伝統的な手法を用いて紡績を行っており、市内に引かれた水路には何台もの水車が連なっている。紡績の原料となる生糸は近隣の養蚕農家から供給されている。

 

繊維製品を製造する上で重要な染色も盛んであり、毎年4月には【春の染上げ】という行事が存在し、毎年染色に携わる職人達がその腕を競い合う。

パルム産の繊維製品の品質は高く評価されており、帝国各地の高級店で取り扱われている他、国外へも輸出されている。

 

 

白亜の旧都セントアーク方面とクロイツェン州方面、リベール王国方面の街道の合流地点でもあり、交易で訪れる商人等の街道の行き来は昔から多い。近年は、パルム郊外に日本からの移住者が増え日本人居住エリアも出来ている。日本企業も多数進出しており、日本人居住エリアの近くに工場エリアも多く出来ている。

 

パルムは、南の隣国リベール王国に最も近い帝国の都市でもある。

 

班分けと行き先が決まったⅦ組の全員の温度差は違った。明らかにA班とB班の雰囲気の違いは明らかだ。達也やアリサは

 

達也「俺は、A班だ」

 

アリサ「良かった、達也と一緒で」

 

ラウラ「ほう……興味深い班分けだ」

 

ラウラがそんなことを言い、ガイウスはケルディックとパルムのことを聞きたいみたいだ。

 

ガイウス「ケルディックとパルム……どちらも帝国なのか?」

 

この疑問に対してエリオットとエマが答える。

 

エリオット「う、うん。ケルディックは東にある交易が盛んな場所だけど」

 

エマ「パルムは帝国南部にある紡績で有名な場所ですね」

 

達也やアリサが話している横で、スハルトやマキアス達が騒ぎ出した。

 

スハルト「あそこか……。めんどくさいな」

 

マキアス「ば、場所はともかくB班の顔ぶれは………!?」

 

ユーシス「あり得んな」

 

サラ「この際だから、2人共仲良くなりなさいよ」

 

サラ教官の問いにマキアスとユーシスは、嫌だと表情をしている。

 

サラ「はぁ~とにかく日時は今週末、実習期間は2日くらいになるわ。A班、B班共に鉄道を使って実習地まで行くことになるわね。各自、それまでに準備を整えて英気を養っておきなさい。───!」

 

 

そして特別実習日の4月24日まで日が進むことになる。

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