ーー西トウキョウ駅→白亜の旧都セントアーク駅内
西トウキョウ駅での出来事で、白亜の旧都セントアークに着いたのは昼過ぎであった。ここでは30分間停車する。セントアークは観光地でもあり、人の乗り降りが激しいからである。
そんな中、ユフィとマキアスはあったか弁当屋から弁当を人数分購入してきた。あったか弁当はセントアークでは人気があり、評判がいい。だから観光客はそのあったか弁当を買いに来るのだ。
ユフィ達が人数分購入出来たのは、奇跡に近かった。
ユフィ達は、列車内で遅れた昼ごはんを食べることに。
昼ごはんを食べてる時にスハルトが何かを聞いてきた。
スハルト「ユフィ、マキアス、ちょっと聞きたいが、この弁当を売ってたのはおばちゃんだったか?」
ユフィ「いいえ、若い女性の方だったですわ」
マキアス「ユフィ君、確かいつも売っているおばさんは、用事があるとかでいないって言ってたな」
スハルト「そうか」
スハルトが窓の外を見ている。その表情は、どこか寂しさと悲しみが含まれている。リィンがスハルトに
リィン「どうしたんだ、スハルト?」
スハルト「別にどうもしないさ」
リィン「別になんでもないようには見えないけどな。悩みがあるなら聞くぞ?」
スハルト「別に悩みなんかねーぞ」
スハルトはそう言うと、あったか弁当を食べ始めた。リィンはとりあえず聞くのをやめ、あったか弁当を食べ始めたのだった。
セントアークで停車していた列車は、紡績の街パルムへと再び走り出したのであった。
ーー白亜の旧都セントアーク→紡績の街パルム
ユフィ達B班が紡績の街パルムに到着したのは、すでに太陽が西に沈みかけている夕方だった。クタクタになりながらパルム駅からパルムの街の方へ歩いてやってきた。
リィン「やっと着いたな、パルムに」
スハルト「そうだな、夜になる前に着けて良かったぜ」
マキアス「こんなに列車に乗って移動はしたことないからな」
ユフィ「お尻が痛いですね」
エマ「そうですね」
ユーシス「これからどうするんだ?宿に行くのか?」
ユフィとマキアスは、もう一度サラ教官からもらったメモ帳に書いてあるのは
パルムに到着したら、【宿酒場(白の小道亭)】に行くこと。
B班の宿泊所は、【宿酒場(白の小道亭)】。人数分の宿泊予約を取ってあるから安心しなさい。
【宿酒場(白の小道亭)】のオーナーであるマケインさんに話を通すこと。彼は特別実習の事も話してあるから。パルム到着したその日はゆっくり休みなさい。
B班は、2日目が事実上の1日目、マケインさんからとあるモノを受け取りなさい。
と書かれていた。
エマ「宿酒場(白の小道亭)のオーナーのマケインさんに会うのが最初の目的みたいですね」
ユーシス「さっそく、行って見るとするか」
ユーシスは、宿酒場(白の小道亭)の看板を見つけて、歩き出す。
マキアス「ま、待ちたまえ!何故君が先に行く!」
マキアスもユーシスの後を追う。
スハルト「はぁ~ここまで来て揉めないで欲しいんだが…」
リィン「そうだな、珍しくスハルトがまともなこと言うんだな…」
スハルト「…言ってろ」
リィンとスハルトもユーシスとマキアスが入って行った宿酒場(白の小道亭)に入っていく。
ユフィ「また、このパターンになりましたね」
エマ「ふふっ、そうですね。それじゃあいきましょうか」
ユフィ「はい、そうですね」
ユフィとエマもそう言うと宿酒場(白の小道亭)へ入って行った。
ーー紡績の街パルムー宿酒場(白の小道亭)
ユフィ達は、宿酒場(白の小道亭)へ足を踏み入れた。
宿酒場(白の小道亭)の内部は、夜ご飯を食べに来ている人間達から、お酒を飲みに来ている人間達もいる。だからお酒の匂いも漂っていた。
マキアス「さ、酒くさ…」
スハルト「当たり前だろ、宿酒場だからな」
ユーシス「フッ…」
マキアス「何故、君はそこで笑う?」
リィン「まあまあ、それでオーナーのマケインさんに会うんだろ?」
ユフィ「そうですわ、マケインさんに会うことになってますけど…」
エマ「誰かに聞いてみますか?」
ユフィが達が誰かに話しかけようとしたら、カウンターの方からも声が聞こえてきた。
マケイン「そうだな、別に大した問題は起きてはいないかな」
静江「そう…他には何かなかったかしら?」
マケイン「……他ね…他…あ、あったな…近くの日本人移民街から逃げてきた少年がいたな…」
静江「……少年!?ちょっと詳しく教えてくれないかしら?」
マケイン「まあ、いいが…。で逃げてきた少年は、酷く怯えていてね、保護した人が、元締めに連絡したんだ。で元締めは、領邦軍に連絡し、保護してもらった。今はセントアークにいるんじゃないか?」
静江「領邦軍に…領邦軍って平民とかに冷たいんじゃないの?」
マケイン「サザーラント州の領邦軍は、他の州の領邦軍とは違う。ハイアームズ侯を始め、いいひとばかりだから。特にハイアームズ侯の二男は出来る人間だよ」
静江「そうなの?」
マケイン「そうだな、来月にセントアークで開かれる貴族平民の融和政策によってパルムの納める税金も減らされたんだ。それ以外でも、帝国政府が打ち出した東方移民団の受け入れも、他の貴族達が渋る中、ハイアームズ侯はいち早く手を挙げ、サザーラント州の中に移民団の街を作られたわけだからな」
静江「それが、今の日本人移民街なのね」
マケイン「そう言うことだな」
静江「ありがとう。有意義な時間を過ごせたわ。お代のミラ置いていくね。それとこれはチップ…。セントアークか…」
マケイン「毎度あり。セントアーク行くつもりなら、急いだ方がいいぜ。次が最終なはずだしよ」
静江「ありがとう、オーナー、それじゃあ」
そう言うと、紫色の帝国婦人服を身に纏った女性が、ユフィ達の側を通っていこうとした時
静江「あら?どこかの学生さんかしら?」
ユフィ「はい、そうですね」
静江「そうなのね、じゃあ頑張ってね」
そう言うと静江は、パルムの駅の方へ歩いて行った。ユフィ達もちょっと不思議思った。今の帝国で女性の1人旅は珍しくはないのだが、とても旅行者には見えなかったからである。だが今は早くゆっくりしたいから、然程気には止めなかった。
マキアス「すいません、貴方がオーナーのマケインさんでしょうか?」
マケイン「そうだが、どこかの学生さん……!もしかして君達はトールズ士官学院の学生さんかな?」
ユフィ「そうですわ」
マケイン「ようこそ、トールズ士官学院特科クラスⅦ組の諸君、紡績の街パルムへようこそ」
ーーパルムー宿酒場(白の小道亭)夜
宿酒場(白の小道亭)のオーナーである、マケインによって夜ご飯をご馳走になることに。その前に部屋の案内とお風呂に入ることを薦められた。長旅で疲れている身体を癒すためにユフィ達は先に選んだ。もちろん部屋は、男女別々である。
そしてお風呂を済ませてきたユフィ達の前に、テーブルいっぱいにご馳走が並んでいる。
みんなは、それぞれの食べたい料理から食べ始めた。
ーー
ユフィ達が食べ終えたのを確認すると、マケインは士官学院から預かっていた封筒をユフィに渡す。
封筒を受け取ったユフィ達は、中身を確認する。そこには、パルム班は2日目(特別実習開始の時に見る)と3日目の午前中まで活動時間とし、活動範囲はパルムと日本人移民街までとする。与えられた課題をこなすことが目的である。
パルム班も今日から、実習内容のレポートを書く。書いたレポートは担任教官へ提出すること。
リィン「今日は本当に移動だけで終わった感じだよな」
マキアス「そうだな」
スハルト「達也達A班は、今日から特別実習の課題をやってるだろうな」
ユーシス「だろうな。向こうは、ケルディック、トリスタから1時間で着くからな」
ユフィ「そうですわね。わたくし達は、明日からが本番ですわね」
リィン「しかし、特別実習の課題って何だろうな?」
ユーシス「何かをさせるつもりなのか?」
スハルト「さあな、何の説明もないからな…」
マキアス「なんにせよ、今日はレポートを書いて明日に備えて寝た方がいいな」
ユフィ「そうですわね……」
ユフィは、窓の外を見ている。
マキアス「ユフィ君、どうかしたのか?」
ユフィ「ううん、さっきの女の人が仰っていた事が気になりまして…」
スハルト「さっきの女の人…ああ…さっきの日本人移民街の事を聞いていた女か?」
リィン「確かに気になることは言っていたな、少年がどうのって」
エマ「マケインさんも何か知ってる感じがしましたが……」
ユーシス「俺達が気にしても仕方がないだろう。俺達は、ただの士官生だ、何が出来るわけでもないだろう?」
ユーシスの言ってることは、正しい。士官生が何を出来るわけでもない。あくまでもユフィ達は、特別実習に来ているだけだ。与えられた課題をやればいいのだ。それ以上の事は、越権行為にしかならない。
ユーシス「話は以上だ。俺は先に休ませてもらう」
ユーシスは、そう言うと与えられた部屋に戻っていく。
マキアス「キ、キミ!勝手なことを!レポートは!」
ユーシス「安心しろ、自室で書くからな」
スハルト「まあ、ユーシスの言うことも一理あるな。さーて、俺も自室でレポート用紙でも書くか」
スハルトもそう言うと自室へ戻って行く。
マキアス「全く勝手な連中だ…」
ユフィ「とにかく、今日の事をレポートにまとめましょう」
リィン「そうだな」
エマ「そうしましょうか」
ユフィ、マキアス、リィン、エマの4人は、今日の出来事をレポートに書き込んで行くことに。
トリスタ駅から西トウキョウ駅までは順調な旅路だった事。
西トウキョウ駅の緊急停車の件。
それは、日本人移民街からの犯罪者が逃げた事が発端。
鉄道憲兵隊、領邦軍、帝国軍情報局が動いて捜査していること。
白亜の旧都セントアークを経て、紡績の街パルムを無事たどり着けたこと。
日本人移民街で起きている事件とはなんだったのか気になるようなことをユフィ達4人を書いたのだった。