ーーー1204・4・25→4・26
パルムの騒乱は、ユフィ達、ミサキ、深夏、ステイル達やハチマン、カズヤとマユミによって鎮圧された。
日本人移民街は、鉄道憲兵隊と領邦軍によって占領された。正規軍も駆けつけたが、ミサキの提案によってパルムの周りの巡回を命じた。
日本人移民街のトップは、今回の事件を黙認していたようで、鉄道憲兵隊が拘束した。
パルムの損害は、結構被害を出してしまったが、住民から死亡者が出なかった。住民達は、先のリベールとの戦争の時に地下のシェルターを作っていたため、万が一の時は地下に避難する訓練をしてるようだ。
パルムの人間は、どの帝国の地域よりも戦争の悲惨さを知っている。だから今回の事件の日本人移民街が起こした事件もあそこで暮らしている日本人の方々が差別されるのではないかと心配している。
深夏が日本国代表として、パルムの街の方々に謝罪し、日本国からの復興支援をすることをその場で決めた。
ミサキも帝国政府代表として謝罪し、帝国政府からの復興支援をすることを決めた。
後々にフデレリック卿もハイアームズ候爵家として、パルム支援を行うことになる。
だがこれが、この事件がサザーラント州内の貴族派の勢いをつけることになる。
ユフィ達は、山中を倒した後、鉄道憲兵隊や領邦軍からの取り調べがあり、そこで色々と説明していた。取り調べが終わったのは、日付けが変わり、朝を迎える頃であった。ユフィ達は、この日の朝にパルム駅を出発しなければ、その日の夜にトリスタに到着できない。学院が用意しているのは、今日の朝のキップ予約であり、爆睡中のユフィ達は気づくはずもなかった。
今回の件は、トールズ士官学院にも報告は入っており、何でも屋【エルフィン・スナイパー】がユフィ達をトリスタ近郊まで送る手配になった。どうやらケルディックに行っているA班達也達も面倒事が起こり、鉄道憲兵隊が出ることになったようだ。
ステイル達は、帝国政府、日本政府、教会の了承を得た後、拉致された日本人を連れて日本を訪れることになっている。静江もステイル達と帰ることに。おそらく真由美に報告するためだろう。深夏も留学先のリベールに帰国するのではなく、母国の日本へ一時帰国するようだ。深夏もミサキから情報提供されたものを日本政府や四葉家に報告があるのだろう。
ミサキも今後のために、ステイル達と日本へ行くことにした。やはりゴールド・マウンテン社や日本人移民街のことについて、話し合いが秘密裏に決定されたのだ。そのためにカズヤ達が拘束した猟兵を回収したのだろう。
ハチマンは、すぐにトールズ士官学院に帰り、トマスに報告した。ゴールド・マウンテン帝国支部が持っていた幻影のアーティファクトを回収したこと、パルムの礼拝堂の教会関係者にも事情を説明をしたことも報告して、いつもの日常に戻る事にした。
だがそんな日常は、ハチマンには訪れない。
ーー1204・4・26・夕方ーサザーラント州上空。中型挺アリストテレス内。
昼過ぎに起きたユフィ達は、慌てて帰る準備などをしていた。彼女達は列車で帰るつもりでいたからである。カズヤはユフィ達に学院から自分のところに依頼があったことを説明した。
何でも屋【エルフィン・スナイパー】だと。
スハルトは、カズヤ達の事を知っていたようだ。ユフィ達も色々聞きたかったが、疲れでそんなことは聞けなかった。そしてしばらく空の旅を楽しむ事にした。
リィンもユーシス、スハルト、エマも疲れて座席で寝ている。ユフィは座席から立ち上がって外を見る。夕陽に雲が照らされて、綺麗に見える。それを見たマキアスが
マキアス「ユフィ君は眠れないのかい?」
ユフィ「マキアスさん、わたくしはたっぷりと寝ましたから。マキアスさんはよろしいんですの?」
マキアス「僕はもう大丈夫さ。その…ユフィ君は身体の方は大丈夫なのか?」
マキアスは、ユフィが身体が心配しているのだ。仮にも悪魔の身体の山中に捕まってしまい、制服を破れたのだから。それだけではない、山中はユフィの胸を鷲掴みしたのだ。そのことは許せなかった。自分自身の不甲斐なさを知ってしまった。リィン、ユーシスやスハルトより、力がないことを痛感してしまった。
マキアス「本当に済まない。君が山中に捕まった時、何もできなかった…」
ユフィ「……マキアスさん…」
マキアス「ぼ、僕は…スハルトやリィン、あいつは…やれたのに僕は…」
ユフィ「マキアスさん…ありがとうございますわ。貴方は、わたくしが捕まった時、怒ってくれたのでしょ?」
マキアス「……」
ユフィ「マキアスさん、貴方には貴方の役目があるはずです。それも貴方にしか出来ないことが…。今は分からなくても、必ず答えが分かるときが来ますわ…だから…」
マキアス「ぼ、僕にしか出来ないことがある…か」
マキアスはそう言って外を見る。そしてユフィに頭を撫でられた。それとユフィは
ユフィ「それとマキアスさん、制服の上着、ありがとうございました。制服の上着は必ず洗って返すので」
マキアス「あれ?制服の方はもう直ったか?」
ユフィは、破かれたブラウスと制服の上着は破られが、カズヤの再成により、ブラウスと上着は復活した。だがカズヤに口止めされているから、詳しくは喋らなかった。
ユフィ「ええ、エルフィン・スナイパーのカズヤさんに直してもらいましたわ」
マキアス「そうなのか。あの人は何でもできるのか…」
ユフィ「そうみたいですわ」
マキアスは、夕陽で照らされるユフィを見て、心が落ち着かなかった。ユフィはそんなマキアスを見てニコニコと笑っていた。
そんな姿をカズヤとマユミは、微笑ましく見守っている。スハルトとリィンは、温かく見守ることにしていた。ユーシスは、何も気にせず、エマは、ユフィ達に気がつかれないように、密かにカズヤ達と会話していた。
カズヤ「久しいね、エマ」
エマ「ええ、約1年半ぶりですか」
マユミ「ごめんなさいね、エマさん」
カズヤ「みんなの前では話しにくかったからな…」
カズヤとマユミとエマは、以前からの知り合いである。カズヤ達はエマの故郷の長と知り合いであり、その長はカズヤの師匠でもあるのだ。
カズヤ「今はゆっくりと話してる時間は無いな。時間がゆっくり出来た時、話そうか」
エマ「ええ、それが良いと思います」
マユミ「学院生活、頑張ってね~」
エマ「はい」
中型挺アリストテレスは、サザーラント州からクロイツェン州に入った。帝都近郊都市トリスタは、すぐそこである。エマは、みんなのところへ戻った。
パルムで起きた事は、これから帝国で起きる事の一幕でしかない。
ユフィ達、トールズ士官学院Ⅶ組。
ステイル達、何でも屋【ラリクマ】。
カズヤとマユミの何でも屋【エルフィン・スナイパー】。
ミサキ・K・カミジョウと司波深夏。
日本の心の怪盗団【ウロボロス】
それらが互いに運命という線に絡み付いて行く。
物語は、少しずつ歩み出していく。
第1章ー初めての特別実習編~闇は動き出す~編 完
第2章ー白亜の旧都編~騒乱の足音~編