【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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第2章白亜の旧都編1話です。


第2章ー白亜の旧都編~騒乱の足音編~
第2章ー白亜の旧都編ー26ー1話ー5・04→5・05→5・22ーいろんな出来事。


ーー第2章ー白亜の旧都編~騒乱の足音編~

 

ー1204・5・04ー東ゼムリア海上空ー

 

ー日本護送挺【暁】

 

日本のFLT社が作った高速護送挺である。今では政府専用挺としても活躍している挺である。

 

しかし今は、政府要人や外国の要人が乗っているわけではない。

 

ゴールド・マウンテン帝国支部の人間が乗せられている。

 

彼らは、帝国の南部の都市パルムで、騒乱の罪、高校生の集団拉致、殺害、武器の不正密輸などの罪で逮捕され、帝国で取り調べられた後、日本へ強制連行され、日本にて再び逮捕されることになっている。

 

このニュースは、世界を駆け巡った。だが日本ではほとんど報道されていない。

 

日本の首相の桐条は、帝国に対して公式に謝罪をした。だが首相が謝罪したこともほとんど日本では報道されていない。三流週刊誌や三流新聞社、海外の報道機関の支部は、獅童一派、十師族の圧力に苦しめながらも、何とかしようとしている。

 

桐条政権は何とかしようとしているが、報われずに、批判ばかりされている。それは、年明けからの不祥事で謝罪の連続となっていて、支持率も下がる一方である。

 

だがマスコミは、政府に対するバッシングから、とある高校の教師のバッシングへ変わった。とある教師が、日本警視庁に出頭してきたことから始まった。

 

スポーツの世界大会のメダリストの教師が、自分の教え子に対してセクハラ、パワハラ、モラハラ…を繰り返していたと。

 

ある女子生徒に対しては、毎日朝の列車の時間を調べて、一緒の列車に乗り込んだ。そしてその女子生徒に痴漢を繰り返していたと。

 

ある生徒に対しては、肉体関係まで迫ったと。それを断れると、その女子生徒の親友を呼び出してレイプをしたと。

 

本人が供述している。他にも自分に逆らう生徒達も辞めさせたり、怪我を負わせたりした。

 

この教師がやったことも、世界を駆け巡った。

 

話は、ゴールド・マウンテン帝国支部の話に戻そう。

 

帝国支部の生き残りが、この護送挺【暁】に乗せられている。彼らは、死んだようにしていた。日本の裁判だって彼らがやったことは、死刑になるのは間違いではない。

 

山中「……死刑は確実…はぁ~あのガキども…情けなどかけやがって…」

 

多村「……覚悟を決めたらどうですか?元支部長の山中さん?」

 

山中「多村…お前…」

 

多村「まあ、貴方が無能だったから、こうなったんですよ?」

 

山中「な、何だと多村!」

 

すると突然護送挺の警告音が鳴り響く。

 

山中「な、なんだ?」

 

多村「警告音?何が起こった?」

 

明智「君達は死に行くときにさえ、見苦しいな!」

 

明智が護送挺の横を生身で飛んでいる。ロビンフットに捕まって飛んでいる。

 

山中「あ、明智さん!飛んでいる?」

 

多村「明智!」

 

明智「君達を日本に入国させるつもりは、あの人には無いよ。だからここで死ね!クズども!!出でよロキ!!」

 

日本の護送挺【暁】は、ロキによって粉々に切り裂かれた。もちろんゴールド・マウンテン帝国支部の生き残りのメンバーもロキによって切り裂かれた。

 

暁の残骸は、東ゼムリア海へ落下して海底へと消えて言った。

 

明智「ふっ、ゴミの片付けも終わったし戻ることしよう」

 

明智は、ロビンフットに捕まりながら、自分の国、日本へ帰る。

 

このニュースは再び世界を震撼させることになる。

 

 

 

ーー1204・5・04・午後・クロスベル空港

 

5月のクロスベルのクロスベル空港にエルフィン・スナイパーの中型挺のアリストテレスは補給をしていた。

 

ーー中型挺アリストテレス内

 

アリストテレスの従業員達が右に左に動き回っている。アリストテレスは、帝国と日本の問題に巻き込まれる形で、補給も出来ずに事件解決のために動き回っていたのだ。

 

やっと解放され、クロスベルにて補給をやっているのだ。

 

カズヤ「全く、帝国軍情報局の連中は人使いが荒いな…別にクロードが悪いってわけじゃないが」

 

マユミ「ふふっ、それだけ、帝国も人手が足りないのか…はたまた別の問題があるのか。まあ両方って可能性もあるわね」

 

カズヤ「大有りだろうな。ユフィ達のパルム問題の他にケルディックでも問題が起こってるからな…」

 

マユミ「ケルディック問題、税の増税ですか…」

 

カズヤ「こればかりは、俺達にはどうすることもできないからな」

 

マユミ「そうね…」

 

1ーリベールから司波深夏を帝国、パルムに護送。四葉家から報酬はもらった。

 

2ー帝国軍情報局の手伝い。帝国軍情報局から報酬はもらった。

 

つまり報酬はもらったので、文句はそうそう言えないのもある。カズヤはクロスベルの様子を見て

 

カズヤ「大分、クロスベル騒乱の時の混乱は無くなってきたな」

 

マユミ「そうね、一時期はかなり混乱してたし、帝国、共和国に侵攻されかねなかったわね」

 

カズヤ「そうだな。帝国に関しては、あのミサキさんが、なんとか鉄血宰相を説得したってステイルが言っていたな」

 

マユミ「ステイル・アレフガルド…この世界の和也さん…」

 

カズヤ「そうだな…。まさかこの世界の俺が七耀教会に入っていて、ステイルって名乗ってるなんて思わなかったが」

 

カズヤは、北海道にて新ソヴィエト軍の侵攻により、クラスメイト、恋人、親友、恩師を失っている。これはこの世界のステイル(和也)と同じ境遇である。その後和也は、司波龍郎と共に禁書世界へ行き、学園都市製の能力を身につけ、能力者が使うことが出来ないとされていた魔術も扱ってしまう。

 

そして、和也は、ステイルや神裂火織、土御門、八代綾奈、六塚孝宏に看取られながら、イギリス清教に改宗した。

 

改宗した理由は、恋人の朱里や親友の定晴、恩師の大久保、クラスメイトの魂を天国に召させてやりたい一心だった。

 

マユミは、この世界のステイル(和也)もそんな気持ちでいるのではと思っている。深夏からもやはり同じ事を聞いていたから、こんなことを思うのであった。

 

カズヤ「俺としたら懐かしさすらあるがな」

 

マユミ「ふふっ、嬉しいんでしょ、カズヤさん?」

 

カズヤ「まあな」

 

カズヤは、今更七耀教会に入るつもりはない。ただ七耀教会、星杯騎士団からの依頼などは受けたことはある。アイン総長、トマス副長、ケビン、ステイル、バルクホルン、ワジとも交流をしている仲でもある。

 

アイン総長が自らカズヤをスカウトをしてきたこともあったが、マユミと結婚していることや自ら設立したエルフィン・スナイパーを置いてはいけなかったからである。そんな過去話をしていたら、灰色の髪の色のマシュマロヘヤーの男性が話に入って来た。

 

??「カズヤさん、マユミさん頼まれてたもの終わりましたよ」

 

カズヤ「流石、悠だな。これならなんでも任せられるな」

 

悠「たまたまですよ、カズヤさんやマユミさんが教え方が上手かったからですよ」

 

マユミ「まあ、悠君ったら!」

 

カズヤ「悠、お前は筋がいい。本来なら、社長としてエルフィン・スナイパーに採用したいくらいだ」

 

悠「すいません。俺にはやりたい事があるんで。でも俺がそうなりたいと思ったのは、カズヤさんのおかげですよ」

 

カズヤ「俺のおかげ?」

 

マユミ「カズヤさんのおかげって?」

 

悠「それは…」

 

カズヤと悠は、日本のとある地方都市、稲羽で出会っている。その時、稲羽市では殺人事件と霧、マヨナカテレビなるものがあった。

 

悠は、両親がレミフェミアに仕事で赴任することになり、稲羽に住む母方の叔父宅に預けられた。

 

カズヤは、エルフィン・スナイパーに稲羽の八十神高校から用務員怪我のため、臨時用務員募集の依頼が来ていたので、それを受けたのだ。

 

カズヤも悠も稲羽の地で大事件に巻き込まれる。大事件とは殺人事件から始まる。

 

悠率いる自称特別捜査隊が、事件解決に動いていく。

 

カズヤが直接悠達に関わり出したのは、八十神高校の教師である諸岡が殺された時だ。その時に悠達と初めて接点を持ち、彼らも情報提供を受ける。

 

それからも色々あって、カズヤは最後まで面倒を見たのだ。少なくとも、悠や千枝(里中)や直斗(白鐘)には影響を与えている。悠は、遊撃士、千枝は警察官、直斗は、探偵を辞めて警察の公安に入っている。陽介や雪子、完二、りせは、それぞれの道のために頑張っている。

 

カズヤ「ふっ、堂島さんから話は聞いている。お前が遊撃士になったってことをな」

 

悠「お、叔父さんが!?」

 

カズヤ「まあ、たまたま、堂島家に用があって行ったときに聞いた」

 

悠「そうですか、で、堂島さんは何て…?」

 

カズヤ「喜んでいたよ。悠、お前が決めた道だ、ちゃんと諦めずに頑張れよってな」

 

悠「堂島さん…」

 

カズヤ「菜々子ちゃんもお前の事応援してたぜ。いつか菜々子ちゃんにも会ってやれ」

 

悠「カズヤさん」

 

マユミ「本当にごめんね、悠君。人手が足りないからって頼んじゃって」

 

悠「いいですよ、カズヤさんとマユミさんは、恩人なんですから」

 

カズヤ「言うようになったな、悠」

 

悠「俺は、カズヤ・アレイスターの弟子でもありますから」

 

カズヤ「そうだ、そんなお前にプレゼントだ、受けとれ」

 

悠「はい、プレゼントか、なんだろうか」

 

悠は、カズヤから箱に入ったものを受け取る。中身を見てみると、中には導力腕時計が入っていた。この導力腕時計は、カズヤが作ったもの。悠が遊撃士になったお祝いにカズヤが作ったのだ。ちゃんと時計の裏側には、【Y・N】と彫られている。

 

悠「ありがとうございます、カズヤさん!」

 

カズヤ「喜んでくれて良かった。社会人として、時間は守らないといけないからな」

 

悠「はい、わかっています」

 

カズヤ「明日は、いよいよ帝国入りか。誰かに会うんだったな」

 

悠「ええ、オリビエという方から依頼を受けまして。まずは帝国の帝都のヘイムダルへ来てくれと」

 

カズヤ「オリビエから!」

 

マユミ「オリビエさんからなの?悠君!」

 

悠「お二人はオリビエさんをご存知で?」

 

カズヤ「オリビエは俺達の親友さ」

 

カズヤとマユミは、オリビエとのことについて話し始めた。

 

 

 

ーー1204・5・04・午後・クロスベル空港

 

ーー中型挺アリストテレス内

 

悠から、オリビエの名前が出たからカズヤとマユミは驚いている。悠も驚いている。

 

そしてカズヤとマユミの2人は、オリビエの事を話す。

 

オリビエ・レンハイムとは、一番の親友であり、色々語り合った仲だと。リベールで、リベールの異変を一緒に戦った仲間の1人だと説明をした。

 

カズヤは気づいていないかも知れないが、オリビエが第3の風を起こそうとしたのは、カズヤの話しからである。

 

カズヤが話していた中の、どの国、どの組織に所属しない部隊

 

【トリニティ・セブン】

 

トリニティ・セブンとは、カズヤとマユミが元いた世界の遊撃部隊なものである。

 

その部隊のリーダーがカズヤであった。

 

カズヤとその6人の仲間は、世界のために戦ってた事をオリビエは真剣に聞いていた。

 

そして世界を危機から守るため、カズヤとマユミは命をかけたこと。

 

こっちの世界に飛ばされ、右も左もわからないカズヤとマユミをオリビエとミュラーは世話してくれたこと。

 

カズヤ達は、自分達の世界の事やオリビエが皇族であることは伏せておいて大体を話したのだった。

 

悠「なるほど」

 

カズヤ「悠も遊撃士なったんだから、いつかはリベールを訪れるといい。良き先輩遊撃士がいるからな」

 

マユミ「エステルさんやヨシュア君…元気にしていて安心したわね」

 

カズヤ「あのエステルだからな。ヨシュアが振り回されてるようだが、上手くいってるようだし」

 

マユミ「そうね。苦難を乗り越えてカップルになったんですもの。私達みたいにね、カズヤさん」

 

カズヤ「そうだな、俺達も苦難の連続の中でだったな」

 

悠「苦難を乗り越え…契りあった絆は何者にも劣らない力と成す…って事ですよね?」

 

カズヤ「まあ、そうだな。縁は時には、己の力の限界以上の力を引き出してくれる」

 

その事は、カズヤも稲羽市で神と死闘を繰り広げた悠も感じている。

 

カズヤ「とにかく、遊撃士になったんだから、まずは縁をたくさん作る事だ。その縁が後々に己の助けになるはずだ」

 

悠「はい!」

 

このあと、ささやかだが悠の遊撃士になったお祝いをアリストテレス内でやることに。

 

もちろんクロスベルを離れて、クロスベル上空から帝国上空へ入っていく。

 

 

ーー1204・5・04・夕方→夜ーお台場海浜公園と呼ばれていた場所

 

ここは昔は、港区お台場海浜公園と言われていた場所。この場所は、先の大戦にて大漢軍に奇襲上陸を許した場所でもある。今では廃墟であり、誰も近づかない場所になっている。

 

警察の見回り外なのを、良いことに、不良少年グループや、ヤクザや猟兵団もこの辺りをうろついているのだ。

 

そんな中、元々警備会社が入っていた建物の中に不良達がたまっていた。

 

どうやら高校生の集団のようだ。休みだということもあり普段着でいる。ただ1人だけ制服を来た人間がいた。その高校生とは秀尽学園の制服を着ている。つまりは秀尽の生徒である。

 

不良1「どうするつもりだ?鴨志田が捕まってしまってやつが喋りでもしたらどうするよ!」

 

不良2「俺達もお縄ってことだよな」

 

不良3「ったくなんでこうなったんだ!答えろ、北沢!」

 

北沢康宏。秀尽学園の通う2年生。新聞部の部員で、鴨志田に色々と情報を教えていた人物である。

 

北沢「俺に言われても困るな。鴨志田が勝手にゲロっただけだろ。全校集会時に俺達の名前は出さなかった。まあ出したとしても、あの方に頼んで消してもらうだけだが…」

 

不良1「大丈夫なんだろうな、そのあの方は」

 

北沢「大丈夫だ。警察の横流しの情報でもヤツははいてはいないようだ」

 

不良2「そもそも、その鴨志田はゲロったんですか?」

 

北沢「わからん。だが…あの連中…前科持ちのヤツと坂本が何か鴨志田にしたんじゃないかと言われているな」

 

不良3「前科持ち?秀尽にはそんなヤツが通ってんのか…どんなヤツなんだそいつは?」

 

北沢「とても前科持ちには見えないな。もっともトゲはかくしてるのかもしれないが」

 

不良2「とにかく俺達は、警察に見つからないようにする必要があるよな?」

 

北沢「まあ俺達は捕まった鴨志田の尻拭いをしているものだ。ヤツの不祥事を今まで片付けてきた」

 

不良1「そうっすね。ただ鴨志田以外の何の報道もないけどな」

 

北沢「まあ上のお偉い方も鴨志田もゴールド・マウンテン社も両方つぶしたいんだろう。そんな気がしてきたぜ」

 

北沢は、ゴールド・マウンテン社を潰すため、あえて報道を控えてるのではないかと思っている。今の状態で損得勘定をするなら損害が大きい。だから庇えば庇うほど損害が出る。だから捨てる時期を見極めていると感じとった。

 

北沢「とにかく、お前達には、ゴールド・マウンテン社の後を引き継いでもらう。金城達にも援助してもらうことになっている」

 

不良2「オレ達が会社経営をですか?無茶ですよ!」

 

北沢「バカか、誰がお前達に経営をさせるか。ちゃんとあの方から指示を受けた人物が社長になっている。お前達はその新社長の指示に従え」

 

不良1「わかりました。それで北沢、あんたは?」

 

北沢「しばらくは、おとなしいしてるさ。秀尽の周りには刑事や公安が居やがるからな」

 

不良1「わかりました。それじゃあ、俺達は行きますんで」

 

そう言うと不良3人組は、廃墟のどこかに消えていった。

 

北沢「さてと…俺は俺の仕事があるんでね…」

 

北沢はそう呟くと廃墟の闇に消えていった。

 

 

ーー山本エリア。

 

北沢と違う場所では、秀尽の不良達がたむろしていた。廃墟の箱の上に座っているのが、この不良グループのリーダーである山本である。容姿はイケメンの分類に入る顔立ちをしている。副リーダーの川澄は、インテリ系のイケメンの顔立ちをしている。手下達はどこにでもいる顔立ちが多い。

 

副リーダーの川澄は、下っぱの高杉の腹を蹴った。

 

川澄「なんだ、なんだ…高杉君…稼ぎが悪いですよ?もっと盗んでこいよ!」

 

盗むとは、秀尽学園の女子生徒達の下着を盗めと言って

 

再び川澄は、高杉の腹を蹴った。苦痛で痛がる高杉。

 

高杉「ぐはぁ…む、無茶を言わないで下さい…鴨志田事件で…警察やらが沢山いて盗めるような状況じゃ…ないですよ…」

 

川澄は高杉の髪を握ってから、吹き飛ばす。吹き飛ばされた高杉もすぐに起き上がって

 

高杉「なら、川澄さんがやればいいじゃないですか?なんで僕が…」

 

すると今まで黙っていたリーダーである山本が喋り出す。

 

山本「川澄、高杉が言ってることも一理はあるだろう。そいつが捕まってゲロられても困るな」

 

高杉「山本さん…」

 

山本「川澄、そんなに女子のパンツが欲しいのなら、やるよ!」

 

山本は制服のポケットに入れていたピンクのパンツを川澄の方に投げた。

 

山本「川澄、やるよ。女子のパンツが欲しいんだろ?」

 

川澄「……一体…誰の…?」

 

山本「お前が気に入っていた1人、第1高の女子の三丸だよ」

 

川澄「三丸…!!」

 

山本「安心しろ。別にお前の手前、やってはいない。“お前のパンツが欲しい“って言ったらくれたんでな」

 

川澄「……ありがとうございます、山本さん…」

 

山本は、高杉の方にやって来て、

 

山本「高杉…お前も怪しまれずにやれよ。鴨志田がいなくなって、支配体制も揺らぎ始めているようだからな。誰が何をしてくるか、わからないからな」

 

高杉「わかってます、山本さん」

 

川澄「…………」

 

山本「今日はこれで解散だ。せっかくのゴールデンウィークなんだからな、お前達も楽しんでこい」

 

山本はそれを言うと、廃墟の暗闇に消えていく。山本のグループの人間達も副リーダーの川澄に挨拶をしてから帰って行く。

 

そこに1人残った副リーダーの川澄は、水辺のところまで来て

 

川澄「山本…いつまでもいい気になるなよな!この俺が…強くなって…テメエをひざまつかせてやる!!」

 

川澄は、山本からもらった三丸のピンクのパンツを水辺に捨てた。

 

川澄「ふふっ、とある筋から手に入れたこのグノーシス…ふふっ…」

 

暗闇の中に不気味な笑いを浮かべる川澄がいた。その姿を見たものはいない。

 

鳴上悠side(1)

 

ーー1204・5・05・午後・14:20・バルムフレイム宮にて。

 

悠は、バルムフレイム宮のとある人物から呼ばれている。そのとある人物とは誰であろうか。悠が呼ばれた個室はかなりの立派なもので作られており、古さも感じられる。

 

オリヴァルト「悠君、お久しぶりだね」

 

悠「オリヴァルト皇子、お久しぶりでございます」

 

悠とオリヴァルト皇子とは、ちょっと前に会っている。彼がトールズ士官学院特科クラスⅦ組設立のために奮闘していた時に悠に会ってアドバイスを貰っている。それ以来ぶりである。

 

オリヴァルト「かしこまらなくて良いよ。僕と君の仲ではないか」

 

悠「いえ、流石にバルフレイム宮内で無礼講は…」

 

悠が戸惑っていると、後ろから話しかけられる。オリヴァルトの護衛役兼親友のミュラー・ヴァンダールである。

 

ミュラー「悠、コイツが気楽に話そうと言ってるからそうしたやってくれ」

 

悠「ミュラーさん、良いんですか?」

 

ミュラー「構わんさ」

 

悠はミュラーにそう言われて、ちょっと考えた。そして彼はこう導き出した。

 

悠「オリビエ、これでいいか?あくまで俺は、エレボニア帝国皇子オリヴァルトではなく、旅の吟遊詩人であるオリビエ・レンハイムとして接していると」

 

オリヴァルト「悠君、まあそれでも構わないが、君も真面目だね〜」

 

ミュラー「私としたら、悠の真面目さを少しは見習ってほしいがな」

 

悠「ミュラーさん、一応はバルフレイム宮に入るから真面目にしてますが、外に出れば冗談も言いますよ」

 

ミュラー「悠、そうやってお前は弁えているが、アイツはそれがなっていない」

 

オリヴァルト「ミュラーと悠君は何コソコソしてるんだい?」

 

悠「オリビエ、世間話をだな…」

 

オリヴァルト「コホン、悠・鳴上、5月23日付けで、トールズ士官学院の教官になってもらうよ」

 

悠「トールズ士官学院の教官!?トールズ士官学院って帝国では名門の士官学院じゃないか?そんなおいそれた士官学院の教官ってどういうことだよ?」

 

オリヴァルト「前にも説明したと思うんだが、忘れたかい?」

 

悠「いいや覚えてる。オリビエが真剣に話してくれたからな、特科クラスⅦ組の事、帝国に新しい風を起こしたい事も」

 

悠は、日本で培った知識や価値観等をオリビエにアドバイスをやってオリビエ自身で考え抜いて作られたのが、身分を超えた教育方針である。

 

悠「教員免許は、レミフェミアで取得しましたが、帝国の士官学院の教官をやれるような資格は…というか俺は遊撃士なんですが!」

 

オリヴァルト「今の帝国では、遊撃士は生きづらいと思う例の件でね」

 

帝国において遊撃士協会の支部は、レグラムを除いて全て閉鎖されている。全ては数年前の爆発事件から始まっている。

 

悠「そのことは、共和国の遊撃士の先輩方達から聞いている。だからオリビエは、士官学院の教官…サラ先輩みたいにやってくれと言うんだな?」

 

オリヴァルト「飲み込みが早くて助かるよ」

 

悠「1つ良いか?」

 

オリヴァルト「なんだい?」

 

悠「トールズ士官学院という名門士官学院が、俺みたいのを採用すると思うか?」

 

オリヴァルトはニヤニヤと笑いながら悠に答える。

 

オリヴァルト「トールズ士官学院の理事長は、この私だ。私の推薦状とカズヤ君の推薦状もある。それに3人の理事の承諾もある。つまりなんの障害もないというわけだ」

 

悠「カズヤさんまで…」

 

ミュラー「悠、頑張れ。私も応援している」

 

こうしてトールズ士官学院の教官を務めることになる。彼自身もⅦ組の運命に巻き込まれ、もがいていくことなる。

 

 

ーー1204・5・22・朝・第3学生寮・306号室ーユフィの部屋。

 

朝早く起きて、達也やアリサ、リィンにラウラ、アンジェリナと朝練をしていたが、いつしかマキアスやスハルトが加わっていたのだが、ある時達也とリィンが自分の身の上を話したのだ。

 

達也とリィンは、マキアスに自己紹介をした時、貴族ではなく平民だと答えていた。達也は、先にA班に自分の身の上話をしていたらしい。A班のみんなにB班、ユフィ達にも話すように言われたのだ。

 

そして達也とB班だったリィンと一緒にユフィ、マキアス、スハルト、ユーシス、エマに話したのだ。

 

スハルトとユーシスはさほど気にする様子もなく、ユフィとエマは自分達にも秘密があるので、何も言わなかった。だがマキアスは“嘘をつく人間は信じられない”と切り捨てたのだ。ただそれだけではない、再びⅦ組に新たに加入する生徒がいるのだ。

 

1ー4組ーカトリーナ・クラリス。

 

1ー4組ーハチマン・ヒキガヤ。

 

この2人が、5月の学院理事会でⅦ組への移籍が正式に決まり、5月の初頭にⅦ組へ編入した。

 

Ⅶ組男子ー達也、リィン、エリオット、マキアス、ユーシス、スハルト、ガイウス、ハチマン。

 

Ⅶ組女子ーユフィ、アリサ、ラウラ、フィー、エマ、アンジェリナ、カトリーナ

 

の15人となる。

 

女子の新加入のカトリーナは、すぐに女子陣に溶け込んだ。ユフィと友達であったこともプラスに働いた。

 

男子の新加入のハチマンは、普段は1人で本を読んでいる。エリオットやリィン、ガイウスが話しかけると、話す程度か。ただ、ラウラがハチマンのことを知っているようで、2人で何か話してる時もある。

 

そんな感じで、1204・5・22・自由行動日前日が始まるのである。

 

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