【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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第2章7話です。


第2章ー白亜の旧都編ー32ー7話ー5・23(12:15〜)ー自由行動日③

 

ーー1204 ・5・23・12:15・旧校舎の外。

 

ユフィと達也はすべての依頼を終わらせ、学院長の依頼である旧校舎の依頼をするために、ユフィと達也は、旧校舎入口で一緒にやってくれるクラスメイトを待っている。達也がユフィに

 

達也「…ところでユフィ、家庭教師の方はどうだったんだ?」

 

ユフィ「とてもわたくしの為になりましたし、それにエミール君もとても良い子でしたわ」

 

達也「そうか。なら良いんだ」

 

ユフィ「なぜそんなことをお聞きに?」

 

達也「別に大した意味はないさ。ただ報告書がトワ会長のところに来ていて、家庭教師先の奥様や子供さん達が、ユフィのことを褒めてたからね」

 

ユフィは、正直不安だった。代理で来てるとはいえ、クライン部長の顔に泥をぬるわけにはいかない。セドリックやアルフィンの勉強を教えてた教訓が、生かされたことになる。

 

ユフィ「ところで、達也の方はどうだったんですか?」

 

達也「俺の方はよくあるパターンだな。遊撃士みたいな依頼だな」

 

ユフィ「そう遊撃士みたいなですか。おそらく今月の特別実習も」

 

達也「俺も多分そう思う」

 

ユフィと達也と世間話をしてたら、アリサ達がやって来たので、話をやめて、旧校舎の方へ向き気持ちを引き締めて入ることした。

 

今回、ユフィ、達也の呼び掛けで来てくれたのは、リィン、ハチマン、エリオット、スハルト、アリサ、ラウラ、カトリーナである。

 

エリオット「ここに来るのはだいたい1ヶ月ぶりかぁ。ちょっと怖いけど…やっぱり放っておけないよね」

 

エリオットが開閉一口目でそんなことを言いだした。みんな少なからず怖い気持ちはあると思うけど、みんなと一緒だからなんとかなるってユフィは思っていた。達也が2番手に口を開く。

 

達也「ああ、学院長の依頼でもあるし、少しずつ調べを進めないとな。みんなまたよろしく頼むよ」

 

ラウラ「ふふ、心得た。《Ⅶ組》メンバーとして、しかとハチマンと共に協力させてもらおう。“魔物”とやらが現れても相手にとって不足はない」

 

ハチマン「まあ、ラウラと共に頑張らせてもらうさ」

 

カトリーナ「ユフィ、達也さん、任せて下さいね」

 

ラウラとハチマンの言葉は安心をくれるとユフィは思った。もちろんカトリーナもだが。

 

アリサが建物の構造がかわるなんてあり得ないみたいに、話していて、ハチマンが直接自分で見た方がいいと、言った。確かに自分達の目で見るのが一番早いし、説明をするよりかは断然良いだろう。

 

ユフィ達は扉の向こうに行ったら、4月の時と再び構造が変わっていることに、アリサ、ラウラ、カトリーナ以外のメンバーも驚いている。ですら驚いてますからね。達也やハチマンは

 

達也「2日前にサラ教官が入って調べてたらしいが、その時は何も異常はなかったみたいだが…」

 

ハチマン「何者かが侵入して、仕込んだにしては大掛りすぎるな。再び構造が変わったと考えるのが妥当か」

 

リィン「そうだな、誰かが侵入すれば何かしらの痕跡が残るはず。だけど、そんな痕跡すらない」

 

サラ教官が2日前に旧校舎に入ったときは、まだ構造が変わっていない。昨日そう言えばフィーがこんなことを言ってった言葉をユフィは思い出す。

 

フィー【この建物。先月からまたかなり構造がかなり変わってるよ】

 

フィーの言葉を当てはめて考えれば、サラ教官が出た後から、フィーが入るまでの間に構造が変わったということになる。ラウラが

 

ラウラ「なかなか興味深い場所のようだ」

 

ハチマン「ラウラは、こういうの好きだからな。まあとにかく調べるしかないだろ」

 

達也「そうだな、ここで立ち止まっていても、仕方がない。まずはあの台座のような装置がなんなのか調べて見るとしようか」

 

達也の一声でみんなが、台座のような装置に近付く。これは昇降機か何かに見えるが、アリサだけが何やら頭をひねって何かぶつぶつと言っている。

 

アリサ「ええっと…ちょっと待ってて。…うんやっぱりここから第2層まで降りれそうよ。まだ下がありそうだけど、その先はロックされてる見たいね」

 

達也「確かにアリサの言うとおりだな。しかし、随分と下位下層まであるな」

 

ハチマン「……なるほどな」

 

スハルト「ハチマンもわかるのか?」

 

スハルトがハチマンにそう聞いてる。ユフィも達也、アリサもいやリィンやエリオットも驚いてるようで

 

ハチマン「何?この空気?俺が機械系に強いのが可笑しいのか?」

 

みんなが驚いている中、ラウラだけは当然の反応で

 

達也が台座のような装置を隅々まで調べながら

 

達也「いや、おかしくはないさ。アリサもカトリーナもユフィも女子としては上出来だからね。それにこの昇降機、型番、製造年月日も記載されてないし、ただ2つだけ言えるのは、旧校舎自体とこの昇降機は同じ中世だと言えることと4月に探索した場所が第1層と言うことか」

 

アリサ「わ、私もよりもリィンの方がすごいと思うけど?」

 

達也「俺は、アリサの説明から導きだしただけだ」

 

アリサ「私は、別に…達也のために…」

 

そんな2人を見て、スハルトが笑いながら

 

スハルト「…達也にアリサ…イチャイチャするつもりなら俺達がいないところでしろよ」

 

アリサ「べ、別にイチャイチャなんかしてないわよ!さあそんなことより下に降りるわよ!」

 

アリサの操作により昇降機は下に降りて第2層にたどり着いた。ただ扉だけは先月と同じように見える。ただおそらくはあの奥には“魔獣”がいるのだろう。そんな気配を感じているユフィ達。達也はみんなに

 

達也「みんな、決して無理はするなよ」

 

アリサ「ええ、いきましょう」

 

アリサがそう答えて、ユフィ達は第2層を探索開始する。

 

 

 

第2層は第1層よりも、魔物が強く構造も多少は複雑になっている。戦術リンクを駆使して魔物を倒していく。再び最奥の方でボス、第2層の番人みたいなものと戦闘になり、前線組は、達也、ユフィ、リィン、ラウラで後方組がハチマン、アリサ、エリオット、カトリーナである。遊撃にスハルトが当たる。

 

達也とアリサで戦術リンクを組み、ラウラはハチマンと組み、ユフィはエリオットと組み、リィンはカトリーナと組んだ。

 

ユフィはエリオットの援護射撃をもらいながら、接近戦で攻撃を仕掛ける。一番息が合ってたのはリィンとアリサである。しかし達也は何かずっと考えているようで

 

ユフィ「どうかされましたか、達也?」

 

達也「うん?ユフィか。いや気になったことがあってね。4月…1ヶ月前と同じだなと。前回も最奥でボスが現れたが今回も…最奥でボスが現れた…」

 

ユフィ「そう言われれば!」

 

エリオットが、だけの言ったことに思い出したように言ってハチマンは

 

ハチマン「単なる偶然じゃないのか?」

 

達也はまだ確証はないから何とも言えないらしい。とにかく、これ以上は探索不可能のようですので、ユフィ達は地上に戻ることにした。

 

 

ーー1204・5・23・16:30・本校舎・学院長室

 

そしてユフィ達は、この事を学院長に報告するため学院長室に行くことにした。

 

ヴァンダイク「更なる地下へと降りる昇降機、まさかそんなものが現れるとはのう」

 

サラ「あたしが2日前、1週間前に調べてたときには確かにそんなのはなかったのに…むむむ…狐につつまれた感じだわ」

 

ユフィはフィーとの会話の時の事を言った方が良いと思い話し出す。

 

ユフィ「サラ教官、わたくしから宜しいでしょうか?」

 

サラ「ユフィ、何かしら?」

 

ユフィは例の事を言って見ることにする。

 

ユフィ「2日前にもサラ教官は、旧校舎に入られたんですよね?」

 

サラ「ええ、そうよ」

 

ユフィ「実はフィーが、昨日1人で旧校舎に入ってたみたいなんです。その時はすでに構造が違うと言ってましたわ」

 

フィーが1人でと言ったが、達也やハチマンとスハルトはフィーは強いから大丈夫だろうと。サラ教官は1日で構造が変わるとはびっくりしていて、ヴァンダイク学院長も。

 

まだ答えを導き出すにはまだ早いし結論にはいたらない。

 

ただユフィ達が、入学式でオリエンテーションをやったときまでは、ユフィ達がサラ教官に、落とされた階までしかなかったみたいだ。

 

そしてヴァンダイク学院長は、もしかすると【ドライケルス大帝】に関係するかも知れないと話してきた。それを聞いてアリサが

 

アリサ「獅子心皇帝が?」

 

ヴァンダイク「うむ、学院が設立されてから、歴代の学院長には大帝からの“ある言葉”が伝えられている。あの建物…旧校舎を”来る日“までしかと保存するようにとな」

 

エリオット「来る日とはなんですか?」

 

来る日ってなんだ?ユフィもエリオットと同じ事を思っていて、ハチマンは何かを考えている。ヴァンダイク学院長は続けて

 

ヴァンダイク「その言葉の意味するところは未だに分かっておらん。250年前の【獅子戦役】そして聖女【サンドロット】にまつわる話だという説もあるからのう」

 

アリサやラウラやカトリーナが

 

アリサ「聖女サンドロット」

 

ラウラ「【槍の聖女ーリアンヌ・サンドロット…【獅子戦役】の時代、大帝と共に【鉄騎隊】を率いて戦場を駆け抜けた救国の武人」

 

カトリーナ「聖女サンドロットの話は小さい頃よくお父さんに聞かされたな」

 

後は七燿教会にも聖女として設定されてますし、帝国の人間なら誰でも知ってますよ。ガイウスも

 

リィン「俺達の故郷のユミルにも聖女の話は伝わっているからな」

 

アリサが

 

アリサ「【聖女には確かに、様々な伝承やミステリアスなエピソードがありますけど…それもあの旧校舎に関係があるということですか?」

 

ヴァンダイク「確かなことは言えんのう。確かに最近になって起き始めた異変…かの大帝の言葉が全くの無関係ともおもえじゃろう」

 

達也「そうですね。“来る日”が一体何なのか…わからないことには…」

 

達也がそう言った後に、ユフィと達也の頭が急に痛くなりました。それはリィンも同じで、エリオットにつかまってるようだった。達也はアリサに捕まっていた。ユフィはカトリーナの肩につかまっている。

 

カトリーナ「ユフィ!大丈夫なの?」

 

ユフィ「ええ、大丈夫ですわ。ただ頭が痛いだけで……」

 

エリオット「リィン、大丈夫なの?なんだか具合が悪そうだよ?」

 

リィン「大丈夫だ。ただ目眩がしただけさ。もう大丈夫だから」

 

アリサ「大丈夫なの、達也?」

 

達也「大丈夫、すまないな、アリサ」

 

スハルト「達也、リィン…お前ら、ユーシスやマキアスの事でかなり悩んでるだろ?」

 

達也「スハルト…まぁな。だが自分達とマキアスの事もあるからな」

 

リィン「マキアスの事で色々考えてはいるんだけど、中々解決策がわからなくてさ」

 

達也とリィンは、そこまで悩んでいた。達也、リィン自身は自分の問題は自分で解決しないとって言われてるユフィだから見守るしかできない。達也達のは疲労で、ユフィの頭痛は一体なんだろうか?同じく疲労なのか?

 

そうユフィが思った時、ふと彼女の頭の中に何かが流れた。

 

【来る日…流星が流れし時…緋に生まれし者…灰に生まれし者…、翡翠に生まれし者、七の縁者の者共に運命の壁打ち破らん……】

 

ユフィは、それ以上は読み取ることが出来なかった。緋、灰、翡翠がなんのことを言っているのか、七の縁者達というのは、トールズ士官学院特科クラスⅦ組のことを指しているのかは、誰もわからない。具合が悪そうにしている3人を見て

 

サラ「ユフィ、達也、リィン、あなた達は、今日は早く休みなさい」

 

ユフィ「サラ教官、はい、わかりましたわ」

 

リィン「はい」

 

達也「…いえ、まだやることが…」

 

アリサ「達也、残りは私がやっておくくら安心して休んで」

 

達也「アリサ…わかった、頼んだぞ」

 

アリサ「任せておいて」

 

サラ教官やⅦ組の仲間から休めと言われたユフィ、達也、リィン。彼らの仕事は、アリサやハチマン達に引き継がれて終わらせたのだった。

 

 

 

ーー1204・5・23・夕方・18:10・ギムナジウム

 

ハチマンとラウラは、ギムナジウム内のプールで泳いでいる。30分前までユフィ達の仕事をやっていたのだ。もちろんアリサも手伝ったのだが。アリサは達也の残した仕事を片付けて、再びラクロス部に戻って行ったのだ。ハチマンとラウラは、ユフィの仕事の残りを片付け、リンデ&ヴィヴィの依頼もこなしたのだった。

 

ラウラ「まさかあの2人が双子だったとはな」

 

ハチマン「見た目は、リンデとヴィヴィ共に似てるが、性格は違うみたいだな」

 

ラウラ「そうだな、ハチマンにも妹がいたんだったな」

 

ラウラはハチマンの方を向いて聞いてくる。ハチマンは突然にそんなことを聞かれたためビックリする。

 

ハチマン「いきなりだな。前にも言ったかもしれないが、妹は1人いる。だがアイツは、俺を見捨てたんだ。だから俺には妹なんかいねぇーな。兄貴分や姉貴分ならいることになるのか」

 

ハチマンの兄貴分、姉貴分、それは守護騎士の彼らのことである。彼らはハチマンのことを弟分だと認識している。

 

ラウラ「教会の人達だな」

 

ハチマン「まあな。ステイルを含めお節介焼きが多いんだよな。でもそれがあのときの俺は嬉しかった。だからも褒められもせず、認められなかった俺は、あいつらの前で大泣きもしてしまったが…」

 

ラウラ「ハチマン、私は何があろうともそなたと共にありたいと思っている。まだ腕は、そなたにも及ばないが、いずれはそなたと共に並びたいと思っている」

 

ハチマン「ラウラ…ふっ、ありがとな」

 

ハチマンはラウラに感謝している。彼女の叱咤激励で、今までやってこれたのもある。過去の事を思い出し、恐怖したこともあるが、ラウラとなら乗り越えられるかもしれないと思えるぐらいまで成長したのかもしれない。

 

ラウラ「さて、もうひと泳ぎするか」

 

ハチマン「そうだな」 

 

ラウラは先に泳ぎ始める。それを見送ったハチマンは、ラウラのスクール水着を拝んだ後、彼も泳ぐのであった。

 

 

ーー1204・5・23・夜・22:30・第3学生寮・202号室

 

アリサは、ラフな格好で達也のレポートを変わりに書いている。夕方、ハチマン達とユフィや達也の残り仕事の分担をやってなんとかこなしたのだった。あとは達也が毎回付けているレポートを書き終われば、終わりである。

 

アリサ「達也は毎日こんなレポートを書いているの!」

 

達也のレポート、それはラインフォルトの開発部、それもイリーナ・ラインフォルトの直属の部下としてのものである。彼の机には、導力銃の設計図やら導力車の設計図などもあったのだ。

 

アリサ「達也は、私よりも先に進んでいる。なのに私は、まだ母様に反発しているだけ…ねえ、達也、私は貴方と同じ道に立てるかしら…」

 

アリサは机から窓を開けて、星空が照らす外を見る。まだ5月だけあって、風はひんやりとして気持ちがいい。

 

アリサ「ううん、達也とトールズを受験するときに決めたはずよ。困難な道であっても達也と共に歩むと」

 

母親であるイリーナに反発しているのも事実。だけど達也と共に歩みたいのも事実。だからこそ隣に立てるように立派になると決めたのだ。だから諦めるわけにはいかない。

 

アリサ「よし、頑張るぞ」

 

そう決意して達也のレポートを書き始めたのだった。

 

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