ミサキside
ーー1204・5・16・昼・日本国成田国際空港ー
ミサキは、再び日本を訪れている。東ゼムリア海にて墜落したFLT社製の高速護送挺【暁】の調査資料などを帝国政府、帝国軍情報局に報告をかねて、帝国へ一度は戻っていた。
少し前…
帝国軍情報局の自分の机で、資料整理や日本政府要人や七草家とのパイプ作りをやったことを資料として残すために紙の報告書もまとめていた。そんなときレクターから話しかけられた。
レクター「ミサキ、オヤジがお呼びだぜ?」
ミサキ「閣下が?」
レクター「ああ。お前に何か言うことがあるそうだ」
ミサキ「報告書がどこか間違えたとか?」
レクター「知らん、自分で聞いてろ」
ミサキ「ノリが悪いわねぇ、レクターは」
レクター「あのな、俺も忙しいんだよ」
ミサキ「へぇー、レクターが忙しいんだぁ…」
レクター「あのな、ミサキ…。まあいいや。とにかく伝えたからな」
そう言うとレクターは、帝国軍情報局の入る部署から出ていく。レクターもレクターで、オズボーンの命により別の案件のため帝国を出るようだ。
ミサキ「…レクター…西ゼムリアの端…中東ゼムリア…カルバード共和国とサウジアラビア連邦内のエルザイム公国の間にあるあの鎖国エリアに行くのかしら?」
カルバード共和国とサウジアラビア連邦の間にある砂漠化する中に城壁みたいな壁で囲まれている都市がある。ずっと鎖国状態が長年続いていた。
だが、あのD∴G教団壊滅作戦の時に、城壁の中の人間達が協力を申し出てきた。
彼らは、自分達のことを“学園都市”の人間であると名乗った。
カズヤ・アレイスター、マユミ・アレイスターとガイ・バニングスとそれと学園都市を掌握して間もないアレイスター・クロウリーが会談を行っている。学園都市は、長年D∴G教団を潰すために、息を潜めて機会を窺っていた。
学園都市は、D∴G教団に対しての情報を各国に渡す。各国は、学園都市の技術を提供する取り引きを決めた。
そして、クロスベル、リベール、レミフェミア、ローザンブリア、アルテリア、サウジアラビア、日本、台湾などとは直ぐに国交樹立するが、帝国やカルバードとは交渉が難航し、帝国とは今年の1月に国交樹立。カルバード共和国とは、先月国交樹立したばかりである。
学園都市は、クロスベル、レミフェミア、日本とは、医療協定条約を締結している。
ミサキ「レクターは、学園都市との通商会議のための地ならしってとこかしら…。って私も閣下に呼ばれてるのだったわ」
ミサキは軽くウインクして舌を出した。まあ誰もいないから、ミサキは悪ふざけをやっただけなのだ。帝国軍情報局内には、人がいっぱいいるのだが、ミサキは部屋を与えられており、今はその部屋にいるのだ。
ミサキは、自分の机を片付けた後、オズボーンの元へ訪れるのである。
ーー帝国政府宰相執務室
帝国政府宰相執務室は、帝都ヘイムダルのバルフレイム宮の中にある。もちろん帝国議会もあり、ここで帝国の政治が行われる。
ミサキは、宰相執務室の扉を叩く。すると中から
オズボーン「ミサキか?入りたまえ」
ミサキ「はっ、閣下、ただいま参りました」
ミサキは敬礼をかわす。今のミサキの鉄血の子供達の立場である。
オズボーン「改めてになるが、東ゼムリア海での海底調査は、ご苦労であった」
ミサキ「はい、ありがとうございます」
オズボーン「ミサキ、君はどう思うのかね?日本の高速護送挺【暁】が粉々になって東ゼムリア海海底に沈んだ件についてだが?」
ミサキは、七草家の麦野静江と一緒に色々と調べ尽くしたのだ。あらゆる確度から見て判断したのが、事故で墜落したのではなく
人為的な原因で墜落したと判断。
なら内部のゴールド・マウンテン帝国支部の人間が、護送挺を乗っ取ろうとして、それが原因として墜落したのか?
それも違うと判断。
内部の人間が外からどうやって護送挺に傷つけるかが問題である。
外に仲間がいて、護送挺の中の人間を助け出そうとして、誤って墜落させたからなのか?
それも違うと判断。
ゴールド・マウンテン帝国支部の人間の遺体から判断するにそれは無いと判断。何故ならば、助けが来たのならあのような表情にはならないと。
彼らの表情は、絶望に満ちた感じであった。
どうして、そうなったのかは、検討もつかなかった。
ただ外から護送挺が切り裂かれたとしかわからなかった。引き続き七草家は、調べると連絡はあった。ミサキも納得はしていない。護送挺の事は、静江に任せて、帝国へ帰還したのだ。だからミサキは素直な今の気持ちで答えた。
ミサキ「護送挺の件は、私は疑問だらけですから。日本当局の発表は隠蔽工作ってことはわかってますから」
オズボーン「なるほど、資料を見て判断したが、私もそう思っている」
ミサキ「閣下もですか?」
オズボーン「そうだ。帝国政府と日本政府の犯人引き渡し条約の協定とおりにゴールド・マウンテン帝国支部のマフィア、猟兵団の団員を日本政府に引き渡すことになっていた」
ゴールド・マウンテン帝国支部の人間が日本政府に捕まることを良しとしない連中、それは獅童一派ってことになる。七草家もゴールド・マウンテン社に支援もしていたが、人身売買などをやっていることが明るみに出た為、手を切ることになった。
ゴールド・マウンテン帝国支部の人間が逮捕され、真実を話されて一番不味い連中、金城達の人身売買組織、獅童正義一派だろう。だから支部の人間を亡き者したのではないかとミサキは仮説を立てた。
ミサキ「ゴールド・マウンテン帝国支部の人間が日本政府に情報を売る可能性もあったから、金城達か獅童一派に消されたと考えているわ」
オズボーン「ああ、そう考えると、筋が通るな。だが金城達や獅童一派が手を下したという証拠は無いが、どうする?」
ミサキ「難しいとこでしょうね…。連中がおいそれとしっぽを掴ませてくれるはずもないし」
ミサキは、あごの下に手を置いて考える。
オズボーン「鴨志田卓…ミサキ、この人物がなんなのか分かるだろう?」
ミサキ「ええ、わかりますよ、日本の金メダルリストで、高校教師の鴨志田卓ですよね。教え子に手を出した教師…」
オズボーン「そうだ。日本政府もゴールド・マウンテン帝国支部の件があるのだろう。帝国政府と協力して事に当たりたいと桐条から打診があった。帝国政府の代表として日本へ行ってくれないか?四葉、七草とパイプを持っている、ミサキしか出来ないと思っている。日本に行き、日本の警察組織の特殊捜査班を訪れてくれたまえ」
ミサキの回想はそこで終わり、意識は再び成田国際空港に戻ってきた。
ミサキ「まずは…日本の警察組織、警視庁を訪れないと」
ミサキはそう言うと成田国際空港内を歩き出す。
ミサキside
ーー1204・5・16・13:45・警視庁
ー成田国際空港→警視庁
警視庁、日本の東京都を管轄する警察組織である。
桐条首相が半年前に作り上げた警察組織である。国内にて、犯罪等に迅速に解決できる部署を作るのが目的であった。これは表向きで本当の目的は、遊撃士の少ない日本でその代わりの組織が欲しかったのもあるが、クロスベルの特務支援課のようなものになってほしい期待を込めてもあるのだ。
そんな警視庁は、東京都千代田区霞ヶ関2丁目1ー1にあるのだ。
ミサキは、警視庁の建物を見上げている。カルバートの警察の建物と同じくらいだなと考えていた。
ミサキ「ここが警視庁、向こうに見えるのが、警察庁だったかな」
ミサキはARCUSを操作しながら確認する。日本に何度も来ているとはいえ、警察組織を訪れるのは初めてである。
オズボーン宰相に警察組織の特殊捜査班を訪れよと言われたミサキは、意を決し警視庁の中に入る。
中に入るとすでに、出迎えの人間がいたのだ。
??「これはこれは、遥々帝国からいらっしゃいました。ミサキ・カミジョウ特務少尉」
??「彼女が帝国の情報局から来たカミジョウさん」
出迎えてきた人間、相棒の杉下右京みたいな感じな男性と亀山薫みたいな男性である。
ミサキ「はっ、エレボニア帝国から参りました、ミサキ・カミジョウであります。今後ともお見知りおきを」
??「丁寧な自己紹介、ありがとうございます。警視庁特命係の杉下左京と言います。そう硬くならずに気楽で構いませんよ」
??「同じく特命係の亀山徹です。宜しくお願いしますね。硬くなくていいよ」
ミサキ「警視庁特命係の杉下さんに亀山さん、わかりました」
ミサキはそう言って杉下と亀山と握手をかわす。今までも日本の関係者とは握手をやってきた。その国その国の挨拶方法も違うからちゃんと勉強をしていなければならない。
ミサキ「お互いのトップから聞いてると思いますが…」
左京「鴨志田卓、もしくは、ゴールデンマウンテン帝国支部の幹部を乗せた護送挺が東ゼムリア海上で沈んだ件…色々と帝国と我が国とは問題を抱えているようですから」
ミサキ「アハハ、まあそうですね」
左京「とにかく、話は別の場所でしましょうか」
ミサキ「そうですね」
警視庁にミサキがいること自体が目立つのだ。西ゼムリアで目立たなくても東ゼムリアではどうしても目立ってしまう。
徹「いきましょう、いきましょうか」
ミサキ、左京、徹の3人は警視庁から出て話せる場所へ移動することになった。
ーー警視庁・刑事部長の部屋。
そこには、刑事部長の中村と参事官の神園の2人がいた。刑事部長の中村完二は、相棒の内村刑事部長、参事官の神園輝明は、中園参事官の容姿である。性格も似たり寄ったりである。
この2人は何かこそこそと話していた。
神園「刑事部長、帝国からの使者を特命係に預けて良かったのでしょうか?」
中村「良いも悪いも、上からの命令だ」
神園「大神官房長官からでしょうか?」
中村「馬鹿者、我妻副官房長官からだ。考え見たまえ、大神が依頼してくるなら特務課に回してくるはずだろう。上もオズボーンからの依頼を疎ましく思っているのだろう。だから特命に回せなどと言って来てるのだろうな」
大神武夫官房長官、首相の桐条の片腕、1人。容姿は、サクラ大戦の大神一郎みたいな感じである。
我妻拓郎副官房長官。彼も桐条の片腕の1人であったが、彼に見切りを付け獅童に近づいている。そのため大神とちょくちょくと対立している。容姿は、インテリ風のメガネをかけた青年である。
神園「特命の2人に任せて大丈夫なんでしょうか?後で帝国から何か抗議でも来たらどうするんでしょうね……」
中村「何か帝国からあれば、特命に責任を取らせればいいのだ。我々が責任を取る必要はないのだよ」
神園「はい、仰るとおりです」
中村「我々も忙しい、帝国からの要望など聞いてる暇は無いのだよ」
そんな話をしばらく続ける中村刑事部長とと神園参事官であった。