ミサキside
ーー1204・5・16・21:30・花の里
ミサキは、左京と徹ととある場所に連れて来られた。とある場所とは、2人の行き着け場所である小料理亭である。ミサキを歓迎のつもりで、連れてきたのだ。
女将の陽本幸子は、ミサキを快く歓迎したのだ。その陽本幸子は、相棒の月本幸子のような感じである。
陽本「ミサキさん、これからよろしくお願いしますね」
ミサキ「はい、こちらこそよろしくお願いしますねぇ」
陽本「ミサキさんは、まだ未成年でしたよね?」
ミサキ「はい、まだ19歳ですねぇ」
徹「ミサキさんってまだ19歳だったの?」
ミサキ「そうですよぉ。私って老けて見えるのですか?」
陽本「亀山さん、あまり女性に年齢の事を言ってはいけませんよ」
左京「亀山君は、ミサキさんは若いのに立派なお仕事をしてらっしゃるって言いたかったのでしょう」
徹の失言に左京がフォローを入れた感じになった。徹もミサキに謝る。
ミサキ「別に怒ってはいませんよぉ」
ミサキは、そう言って陽本が作った小料理を食べている。
陽本「ミサキさんのお仕事は、帝国軍情報局ってとこで働いてるんですよね?情報局って言うのだから、この国で言えば公安みたいなものですか?」
ミサキ「まあ、そんなとこですねぇ」
ミサキはそう言ってノンアルコールの飲み物を飲み干す。
ミサキ「杉下さんや亀山さんの目の前で言うのは、気が引けますが日本の警察の腐敗は、私の想像以上に酷いですねぇ」
左京「面目ないです」
徹「ミサキさんの言うとおりです」
ミサキ「でもその腐敗で、杉下さんや亀山さんの特命係、御坂さん達の特務課に出会えたから一概には言えませんけどねぇ」
前にも言ったがミサキは、縁を大事にする性格であり、そこで出会った人間との繋がりを大事にすると。
左京「僕もですよ、ミサキさんという人間と出合えたのは、光栄ですよ」
徹「俺もですよ」
ミサキ「そして、花の里という小料理屋と陽本さんという女将さんと出合えたことは、嬉しい限りですよぉ」
陽本「私もですよ、ミサキさんという女性と出合えたのは、嬉しい限りです」
ミサキ、左京、徹、陽本幸子の4人はそんな会話をしながら楽しんでいた。
ミサキside
ーー1204・5・19・11:30・港区のとある廃工場跡
この日のミサキと左京と徹は、港区のとある廃工場跡で、暴力団とある組織が麻薬の密売を行うというタレコミがあり、今現在組織犯罪対策課の五課に協力をしている最中である。
第五課の墨田課長が特命係に朝方協力依頼をしてきたため、左京達は協力をすることに。ミサキも左京達に協力する形で参加することに。ミサキ、左京、徹も物陰に隠れて様子を見ている。今のところは変わりはない。
ミサキ「暴力団ととある組織ですか」
左京「暴力団の方は、指定暴力団の【鞠山組】と新興勢力の闇組織ですね。こちらの名前まではわかりませんが、近頃犯行を行っているようですね」
徹「鞠山組とその新興勢力を組織がクスリを取り引きするとは、鞠山組も資金繰りに苦しんですかね」
左京「暴対法で資金稼ぎ等が封じられてますからね。それに外国勢力にも押され気味でしょうからね」
ミサキ「なるほどぉ」
すると、墨田課長から無線連絡が入る。
墨田【マルジー達が廃工場跡に入って行く。マルYも一緒にそちらに向かっている】
左京【了解】
どうやら鞠山組の構成員と新興勢力の構成員がミサキ達が息を潜めているエリアへやって来てるようだ。鞠山組の構成員と新興勢力の構成員が廃工場に入るのを確認後、組織犯罪対策課五課の刑事達が周りを取り囲む。
ミサキ達の前で鞠山組の構成員と新興勢力の構成員の計10名が取り引きを開始した。鞠山組5人、新興勢力の構成員5人。2勢力のリーダーが喋り始めた。
鞠山組構成員リーダー「我々のブツを本当に買ってくれるのか?」
新興勢力構成員リーダー「ああ、心が広いマスターに感謝することだな」
鞠山組構成員リーダー「ああ、そちらのマスターに感謝する。暴対法のせいで我々の活動が狭くなるばかりだからな」
新興勢力構成員リーダー「なるほど。こちらとしては、鞠山組のブツは、西ゼムリアで高く買ってくれる方々がいるから、良いんですがね」
鞠山組構成員リーダー「お褒めに頂きありがとうございます。これからもご贔屓に」
新興勢力構成員リーダー「こちらこそ」
鞠山組構成員リーダーは、黒のトランクを新興勢力のリーダーに渡す。新興勢力の構成員リーダーは、紺のトランクを鞠山組構成員リーダーに渡す。そして互いのトランクの中身を確認して
鞠山組構成員リーダー「それでは」
新興勢力構成員のリーダー「ああ」
二組の構成員のリーダーが互いのトランクを受け取ったのを確認すると、組織犯罪対策課五課の刑事達とミサキ、左京、徹は一気に2組の構成員達をも囲む。
ミサキ「そのまま帰れないですよぉ。大人しく捕まって下さいねぇ」
鞠山組構成員リーダー「なんで、警察がこんなとこに?」
新興勢力構成員リーダー「警察がこんなところまで来るとはな…。そちらが付けられてたのでは?」
鞠山組構成員リーダー「そんなわけがあるか!」
墨田「お前達がここで取り引きをするのは、タレコミからの情報だ」
新興勢力構成員リーダー「タレコミですか、なるほど…」
鞠山組構成員リーダー「タレコミだと、誰かが俺達を売ったやつがいるって事かよ!」
墨田「大人しくお縄になってもらおうか!」
墨田達組織犯罪対策課五課の刑事達は、構成員達に手錠をかける。鞠山組構成員リーダーも手錠をかけられたが、新興勢力構成員リーダーは、ニヤニヤとし始める。
新興勢力構成員リーダー「日本の警察は腐ってると聞いていたが、まだまともに動いている連中もいるわけか」
ミサキ「日本の警察がみんな腐敗しきってるわけじゃないわよぉ!」
新興勢力構成員リーダー「なるほどな、ちょっとは甘く見ていたと言うことかな」
新興勢力構成員リーダーは、指をパチンと鳴らす。すると廃工場の奥から人形兵器がぞろぞろと出てくる。
ミサキ「人形兵器!そんなものを持ち込んでいたのねぇ!」
ミサキは、隠し持っていたトンファーを取り出して構える。
左京「ミサキさん!」
徹「な、なんですか、あれは!」
墨田「人形兵器って…まさか!」
ミサキ「人形兵器、結社…身喰らう蛇が使っているものです!リベールの異変、クロスベル騒乱、帝国のパルム騒乱で何度も使われてきたヤツですよぉ!」
新興勢力構成員リーダー「そうか、あんたは、クロスベルの英雄の1人、ミサキ・K・バニングスか。どおりで見たことあるなと思ったわけだが!」
ミサキ「私の本名…を知っているなんてぇ…貴方、クロスベル人なのかしらぁ?」
新興勢力構成員リーダー「確かに俺はクロスベル人だった。だが今となっては、そんなことどうでもいい。力が手にするためにお前達には犠牲になってもらうがな!」
ミサキ「杉下さん、亀山さん!この場から逃げて下さいねぇ!」
ミサキは、懐から何かを取り出して、腕に付けた。その腕に付けたものをカチャカチャと操作する。すると何かの魔法が発動する。彼女が腕に付けたのは、CADであった。
左京「魔法ですが、やはりミサキさん貴方も魔法が使えたんですね」
ミサキ「ええ、何とか魔法は使えますよぉ」
徹「魔法って十師族の血筋しか使えないんじゃ…」
ミサキ「確かに日本の魔法はそうかもしれませんが、西ゼムリア…導力魔法は、血筋とか関係ありませんからねぇ。才能ももちろんですが、努力次第でも大いに化けますからねぇ」
新興勢力構成員リーダー「まあ、導力魔法は、日本の東方魔法よりかは、マシだよな!」
ミサキ「貴方が持っているのは、エニグマ!」
新興勢力構成員リーダー「御明察だよ、ミサキ・カミジョウ・バニングス。
新興勢力構成員のリーダーは、導力魔法を使い、風の魔法を発動させてきた。向かってきた風の刃をミサキは右に避けて体勢を整う。新興勢力構成員リーダーは、簡単にいかないことは、身体で身にしみている。
新興勢力構成員のリーダーは、風の刃を盾に逃げる体勢に入っている。騒ぎで外の待機部隊が、工事内に入って来ている。
新興勢力構成員リーダー「外の待機部隊か!まあ、それも計算の内だがな」
新興勢力構成員リーダーは、外の待機部隊である警官隊を簡単に制圧していく。
左京「やはり、警官隊くらいでは、確保するのは難しいでしょうね」
徹「左京さん、涼しい顔で言われても困りますよ」
左京、徹がそんなことを言っている時、ミサキは、トンファーと格闘術で、人形兵器群を破壊していた。新興勢力構成員リーダーを確保しに行きたいが、人形兵器群をほっとく訳にはいかない。
ミサキ「あっ!も~う、!!」
ミサキは跳躍を利用し新興勢力構成員リーダーの前に着地する。
新興勢力構成員リーダー「流石だな、ミサキ・カミジョウ・バニングス!簡単には逃がさせてはくれないか!」
ミサキ「当たり前でしょう。犯罪者は逃がさないわよぉ!」
新興勢力構成員リーダー「逃がさないか……。国家権力の犬共に捕まるわけにはいかないんだよ!」
新興勢力構成員リーダーは、そんなことを突然言い出した。雰囲気もどんどん変わっていく。
ミサキ「なに、この感じ…嫌な感じが膨れ上がっていくわねぇ……」
新興勢力構成員リーダー「ふふっ、俺の名前は、ジェラール・ダンテス。新興勢力…アルマータをいずれはビックになる男よ。ミサキ・カミジョウ・バニングス、覚えておけ!」
ミサキ「ジェラール・ダンテス。アルマータ…貴方、カルバードの人間ねぇ?」
ジェラール「そうだな」
左京「ジェラール・ダンテス、アルマータ、貴方は、カルバード北部の都市オラシオンに居城にしているマフィア組織ですね?」
ジェラール「ほぉー日本の警察でも俺の事を知っている人間がいるとはな、警視庁特命係の杉下左京…」
徹「ジェラール、なぜ左京さんを知っている?」
ジェラール「俺達の組織の情報網を甘くみてもらっては困るな。まあ今回は顔見せ程度のつもりだったわけだ」
ミサキ「顔見せ程度ですってぇ!ジェラールは貴方は何を企んでいるのぉ!」
ジェラール「何を企んでいるのかって。愚問だな、ミサキ・カミジョウ・バニングス!俺はただ、この国に生息しているゴミを排除してきただけさ」
徹「生息しているゴミを排除だと?」
ジェラール「そうだ」
ミサキ「ジェラール、貴方、まさか獅童達と!?」
ミサキはジェラールに対してそう言った。ジェラール達と獅童達が手を組めば、最悪なパターンが出来上がるからだ。だがジェラールは、ミサキの問いを否定する。
ジェラール「獅童正義と組んでるのかと?それはNOだ。奴等と何故組まなくてはならない?奴等と俺達が目指してる先は違うのでな。むしろ獅童達は邪魔な存在と言えるがな」
左京「なるほど」
ジェラール「少々しゃべりすぎたかな。それでは失礼させてもらおうか」
ミサキ「待ちなさい、そのまま行かせるわけにはいかないわ!」
徹「ミサキさんの言うとおりだ!行かせるわけにはいかないな!」
ジェラール「顔見せだけだと言ったはずだが?」
ジェラールは、ミサキと徹を睨めつけた。ミサキと徹は、背筋がゾクッと走る。
ジェラール「立ちふさがるなら仕方がない、ちょっと力を見せてみるかな!」
ミサキ「ちょっと力をですって!」
ジェラール「これぐらいで死ぬなよ、ミサキ・カミジョウ・バニングス!」
ジェラールの回りから何かざわめきに近い力が動き出している。それが何なのかはミサキはわからない。もちろん左京も徹も組織犯罪対策課の五課の人間達も。
ざわめきから空気が一気に膨れ上がり、膨張爆発が起ころうとしている。それに気がついたミサキはここにいる人間達に逃げるように
ミサキ「みんな、ここから逃げてぇ!!!」
大声で叫んだ。するとここにいる人間達は、海の方に走り出してそのまま飛び込む。ミサキ、左京、徹も海の方へ走り出している。
ミサキ、左京、徹が海に飛び込んだのと同時に廃工場跡の場所が、膨張爆発したのだった。廃工場跡は木端微塵に吹き飛び、回りに凄まじい衝撃波を撒き散らすのであった。
この日のニュースの一面は、【廃工場跡で謎の大爆発、廃工場跡に大きなクレーターができる】と報道されるのだった。
ミサキside
ーー1204・5・19・13:20・東京湾の漁船にて。
ジェラールが起こした膨張爆発によって東京湾に飛び込んだミサキ、左京、徹。凄まじい衝撃波を海に潜ることによって回避出来た3人であったが、さすがに岸まで泳いでいく体力は残っていなかったので、沖から帰ってきた漁船に助けてもらったのだ。
漁船の船長も衝撃波に襲われたが、なんとか耐えしのいでいたようだ。よくみれば、船の窓は衝撃波によって粉砕していた。
徹「なんとか、なりましたね、左京さん、ミサキさん」
左京「ええ、なんとかなりました」
ミサキ「まさか、ジェラール、あんな隠し技を持ってるなんてぇ…迂闊だったわねぇ…」
ミサキは、びちょびちょになった上着を脱いで絞っている。もちろん左京や徹も上着を絞ったが、濡れていることには変わらない。さっさと着替えたいのは本音だろう。
ミサキ「ジェラールはもう日本にはいないでしょうねぇ…海の中で衝撃波を避けた後、成田空港方面から西ゼムリアへ飛んでいく高速挺がありましたし」
左京「あの状況下での観察力、素晴らしい能力ですね」
ミサキ「そう杉下さんもわかってたんでしょ?」
左京「ええ、なんとかでしたが」
徹「よくあの状況下でそんなこと、出来ましたね」
ミサキ「どんな状況下におかれても、“頭は冷静さを保って、心は熱く事に当たれ”…ガイさんの言葉ですねぇ。私はこの言葉とおりにやってますが、中々と上手くいきませんねぇ……。肝心なとこで熱くなってしまいますし」
徹「わかっていても中々できないものなんですよ。俺もそう決意していても、ついつい熱くなってしまう…」
左京「僕は熱くても構いませんよ。それが亀山君やミサキさんを動かす原動力なんですからね。かのガイ・バニングス氏も仰っていました。【後輩や弟や妹には、“頭は冷静さを保って、心は熱く事にあたれ”とか言ってるのに、俺自身が一番出来ていない】って仰っていましたね】
ミサキ「ガイさん……」
徹「ガイ・バニングス捜査官…」
左京「しんみりになってしまいましたね。とにかく今は、陸に戻り警視庁に戻ることが先決でしょうね」
ミサキ「組織犯罪対策課第5課のみなさんと墨田課長は大丈夫でしょうかねぇ?」
左京「あの人達は大丈夫でしょう。何度も修羅場を潜り抜けてきた方々ですから」
徹「怪我とかしてなきゃいいですけど」
そしてミサキ達を乗せた漁船は、とある港に帰港し3人を降ろした。船長もさすがにすぐに漁には出れないと話した。何故なら衝撃波を受けた船の船体をドッグに出さなくてはならないと。
そしてミサキ達は、港から警視庁へ向かうことにしたが、途中に警視庁特務課の課長である御坂から、ミサキのARCUSに着信が入る。
ミサキ「はい、ミサキ・カミジョウですが…」
御坂「ミサキさん、突然の連絡だが、君達はどこにいるんだ?」
ミサキ「どこにいるって、東京湾から、23区内に入ったわよぉ」
御坂「お前達、特命係と組織犯罪対策課5課が、とある港区の廃工場跡の謎の爆発に巻き込まれたと報告が上がってきたんだが。5課の面々は、海から救出された後、病院に運ばれたみたいだな」
ミサキ「…墨田課長は、大丈夫なんでしょうか?」
御坂「墨田課長は、大丈夫だ。怪我1つもしていない。ピンピンとしているよ。とにかくカミジョウ達は、特務課まで来てくれ。話はそれからだ」
ミサキと御坂の会話は終わり、一通りの説明を左京と徹に話した。
左京「墨田課長、大丈夫だったんですね」
徹「これで一安心ってことですかね」
ミサキ「とにかく、特務課までいきましょうかぁ」
ミサキと左京と徹は、導力タクシーを広い特務課がある場所まで行くことにした。
ミサキside
ーー1204・5・19・14:30・警視庁特務課が入るビル。
ミサキ達は、警視庁特務課が入るビルへやって来た。御坂課長が海に落ちた汚れを取って良いと言われ、特務課のシャワー室を借りるミサキ達。
約1時間の休憩の後、ミサキ達と御坂達のはなしが始まった。
ーー1204・5・19・15:30・御坂課長の執務室。
御坂「改めて言おう、港区の事件、お疲れ様でした」
ミサキ「私達、褒められるような結果は残せてないと思いますが?」
御坂「いや、そうでもないのだよ、ミサキさん達のおかげさまで、別の組織犯罪対策課の班が、新興勢力のアルマータと取り引きをしていた指定暴力団の鞠山組の建物に強制捜査が入っている。強制捜査と言ってもさっき入ったばかはらだからな。あいつら鞠山組とアルマータが取り引きしていたものは、大麻と合成麻薬だったそうだ」
ミサキ「合成麻薬とは、クロスベル騒乱の時、ヨアヒムが使ったグノーシスなのでは?」
御坂「ああ、ビンゴだ。【クロスベル→共和国→日本】、【クロスベル→帝国→日本】この2つのルートがあるみたいだが、この経由で日本に流れたのは間違いないだろうな」
ミサキ「帝国経由は、あのゴールド・マウンテン帝国支部経由で日本に入ったと断言できますよぉ。ゴールド・マウンテン帝国支部の幹部達は、みんな死にましたが、帝国で事情聴取は取りましたから。彼らも自白しましたし」
左京「先の東ゼムリア海上で墜落した護送挺に幹部達を乗せてたんですよね」
ミサキ「ええ、護送挺の探索も七草家と四葉家の協力の下で東ゼムリア海の海底の探索もやりましたよぉ。そこには海に沈んでいる護送挺がありました。沈んでいる護送挺を引き上げて調べたんですが、とても導力エンジントラブル系統では無いことがわかったんですよぉ。あれは、護送挺が飛行しているときに、外から攻撃を加えられた後がありました」
御坂「一応、七草家から報告は受けているが、なるほど…外からの攻撃か。対挺攻撃か何かか…」
ミサキ「いえ、あれは…対挺攻撃ではありませんよぉ。剣で外から斬り裂いたような感じでしたよぉ」
御坂「剣で斬り裂いたような跡があったのは、報告書で確認済みだが……。改めてミサキ君に聞いてあれが本当だと確信したよ」
左京「その言い分だと七草家の報告書を、完全には信用していないように聞こえますが?」
左京は自らの疑問を簡単に何度も聞く。それが相手がどうとるかは相手次第になる。
御坂「まあね。あの七草家だからな。ちょっと前までは、全面に獅童正義達を支援していたわけだから。今は距離を取り始めたと言われてるが、正直どうなってるのかわからないと言った方がいいかな?」
ミサキ「七草家はともかく、麦野静江は別ですよぉ。彼女は、七草家のエージェントですが、ちゃんとわかってくれる方ですから」
御坂「それは知っているさ。彼女は、七草家の内部情報も教えてくれたからな」
七草家の内部情報。ゴールド・マウンテン社が、人身売買や武器の不正輸出に関わっている可能性が高い。
獅童正義達がそれを支援しており、七草家としては、獅童一派とは手切れにして、帝国にパイプを持っている四葉家と協力することで、帝国との関係や共和国との関係強化。
共和国の元日本人である徳川家との関係改善。
クロスベルのマクダエル家との関係改善、強化。
等々。
ミサキ「なるほどぉ、静江がそれを教えてくれたんですねぇ。私も獅童一派との手切れの話は聞きましたけどねぇ」
御坂「今の獅童一派は、今さら七草家の支援など要らないと言うことか」
左京「獅童一派は、帝国の貴族派、共和国の反移民派とも繋がりがあると噂がありますが、ミサキさんどうですか?」
ミサキ「……杉下さんの言うとおりですねぇ。獅童正義は、帝国の貴族派、共和国の反移民派と協力体制を築いていますしねぇ。表立っては、見れないですが」
徹「隠れてこそこそとしてるってことですよね?」
ミサキ「簡単に言えばそうですよねぇ。ただあの“悪魔の薬”が、日本にかなり流れてると考えると、申し訳ない気持ちがいっぱいですよぉ」
御坂「グノーシスか…。ミサキさんが、気に病む必要はないさ。ヨアヒムに買われた連中が悪いのだから。それに特務課と組織犯罪対策課と協力体制で事に当たるのでな」
左京「御坂課長、なるほど、良く警察のトップが許可を出しましたね」
御坂「官房長官である大神の勅命で言うことを聞かせたさ。我妻の方は、七草弘一氏に圧力を加えてもらったがな」
ミサキ「なるほどぉ!」
左京「圧力には圧力ですか」
徹「それで、獅童達が黙りますかね?」
御坂「黙らないだろうな、あの手この手で妨害活動はしてくると思った方がいいだろうな」
ミサキ「でしょうねぇ、日本政府に対しての妨害も活発になってきてますしねぇ」
御坂「ああ、今年になってから獅童一派が活発に動き出している。与党に所属しながら野党側の意見を述べているからな」
左京「そのようですね。野党と共同歩調を取ってるようにも思えますが、真意のところはわかりませんが」
ミサキ「……西ゼムリアも不安定さが増して、東ゼムリアの日本も不安定さが増しつつあります…。激動の時代がやって来つつあります」
御坂「確かにな。日本内部で幕末以来の紛争まで起きるのだからな。激動の時代が始まってるかもしれんな」
ミサキ、御坂、左京、徹は、それぞれ考えていた。これから先どうなって行くのかを。日本、世界とどう変化していくのか。
まだ誰も予想の付かない激動の時代の入り口でしかないのだから。
ミサキ達は、そんな否応なしに激動の時代にすでに飲み込まれているのだから。