1ー1ー04月◯◯ー平塚春雪。
ーー1204・4月上旬・日本・千葉県とある市ー平塚家
千葉県とある市に陰キャラと言われる男がいる。その男の名前は、平塚春雪という。容姿は陰キャラキモキャラとしてクラスでは認定されている。本人もブサイクだと認知している。頭は優秀の方だが、妹の小雪が可愛いため、両親は小雪に愛情を注いでいた。
家族構成は、父、母、姉、春雪、妹の5人家族である。姉は優秀で、クロスベルに留学している。春雪は普通で妹もまた優秀であるため、父親と母親は春雪のことは疎ましく思っているのだ。春雪の母親は3姉妹であり、母親は二女であり、三女はあの平塚静である。長女は、カルバード共和国の男性と結婚しカルバード共和国へ移住していった。
姉の名前は、雪子。妹の名前は、小雪。
特に妹の小雪は、兄である春雪を嫌っている。嫌ってる理由は簡単、ブサイクであるから。姉、雪子がいるときは、両親は大人しくしていて、小雪も無視をしていたぐらいか。周りや家族(雪子以外)からブサイクと言われ続けた為、本人もそう思った。彼は黒髪で髪もボサボサ、厚底メガネをはめている。だから陰キャラと言われている。
だが、姉、雪子がクロスベルへ去年留学してから、春雪に対してのイジメが酷くなっていく。
元々は八幡と同じ学校、総武中学に通っていた。彼がイジメられていた時に、彼もイジメられていた。いや八幡がイジメられる前から、春雪が家族、学校でイジメられていたのだ。
彼がイジメを苦に自殺をしたが、何もなかったように学校ではなっていた。
全ては十師族の体制であるこの国の現状だと春雪は考えていた。
だから勉強をして、日本を変える事を夢見ていたが、春雪自身の精神が持たなくなりつつあった。
春雪が通う高校は、魔法科高校を除けば、最高の学校である私立の高校である十文字千葉高等学院である。
普通の親なら喜ぶはずだが、両親は喜ばなかった。すでに妹の小雪が魔法科高校…第1高校に来年から入る事が決まっているからだ。平塚家は、十師族の十文字家を陰で支える一族である。だから小雪に魔法の才能があるのは当然。姉の雪子も第1高校を卒業して、クロスベルへ留学している。
春雪は寂しく冷えた晩御飯を食べて、自分の食器類を片付けて、自室に戻る時、小雪に出会す。
小雪「うわっ、ブサイク…ご飯食ってたのかよ。てかっ、くさっ…近づくな!」
春雪「…臭いって…ちゃんと風呂も入ってる…」
小雪「バカ、しゃべんな、キモいのが移る!」
そう言うと、春雪に対して弱い魔法を放つ。その魔法が春雪の身体を切り裂く。
春雪「うっ…小雪…魔法は…家庭内では使用は禁止されてるだろ?」
春雪は、傷口から血が滲み出る。痛みを堪えながら、小雪に問う。
小雪「はぁ?何を言ってるの?それは人間に対してでしょ?ブサイクは人間じゃないもの…だから魔法の使用も許されるでしょ?」
小雪は悪魔の笑みで春雪を見ている。狂喜の目で春雪を見ている。春雪は急いで自分の部屋に入る。
部屋の布団の中に潜り込んだ春雪は、震えながらスマホを見ていた。ローゼンシルに助けを求める事はできる。だけど立派な迎えに行くと言った以上、彼女を頼るわけにはいかない。ローゼと一緒に写った写真を見た。彼女に会いたい気持ちを押さえ込み、そして色んなサイトを見回った。
そして色々見ていたら、お助けチャンネルというサイトを見つける。
震えながらお助けチャンネルに書き込んだ。
【平塚春雪は、学校、家族からのイジメから助けてくれ】と
【お願いします、ヴァイオレッド様…助けて下さい】
春雪「ローゼ、僕はどうしたら良いのかな?わからないよ…」
しかし、このSOSはヴァイオレッド事、すみれには届かなかった。この頃は、すみれ自身も母親と姉のかすみを失った悲しみ、鴨志田問題もあったから、チャンネルを隅々まで見れていなかった。
そして……
ーー1204・5・05・昼間・千葉、千葉の廃工場跡
廃工場の中、罵声と殴る蹴るの音が聞こえていた。
モブ1「今日も楽しくモブ雪をボコりましょう!」
モブ2「今日も仲良くボコりましょう!」
モブ3「今日も仲良くボコりましょう、モブ雪!!」
モブ4「今日も春雪をボコれるのは嬉しい限りだな」
山田「春雪、素直にボコられに来たな。偉い、偉い」
5人のメンバーは、春雪をボコボコに蹴るは殴るはでいつも以上にやり続けていた。
春雪の絶望の声だけが、工場内でこだまする。
春雪は、心の中でヴァイオレッドに助けを求めた。なのに何で助けてくれないんだ、と。
神、エイドスは、何故自分を救ってくれないんだと。
こんなに助けてと叫んでるのに何故…
助けてくれないのか…。
エイドスもヴァイオレッドも…
春雪「…僕は…いらない存在なのか…アハハ…ローゼ、ごめん…君を迎えに行けそうにない…ごめん」
春雪の心が壊れ掛けていた。そんな彼に5人のメンバーは、一斉に蹴りを入れ、鉄パイプで殴り付けていた。
そんな暴行は夕方まで続き、春雪はピクリとも動かない。
モブ3「モブ雪のヤツ全然動きませんね?」
モブ4「まさか、死んだんじゃないのか?」
モブ1「……息してませんよ!死んでる」
モブ2「どうするんですか!」
山田「仕方がない、この廃工場に火を付けるぞ。廃工場事燃やして、春雪ごと燃やせ!」
リーダーの山田は、手下共に火をつけさせた。火の回りが早くなるように油もまいた。
みるみる廃工場内に火の手は上り真っ赤に燃えていく。
パトカーや消防車のサイレンが聞こえてくる。火の手が上がったのを誰かが見ていて通報したのだろう。
春雪を殺した5人組は、この廃工場跡から逃げた。なんの罪の意識も微塵にも感じさせないままに…。
燃え盛る炎の中で、息を吹き返した春雪。だが起き上がるだけの力もない。身体のあらゆる骨が折られ、立てる力すら残っていない。
春雪「…アハハ…炎に巻かれて死ぬのか……。どうせ僕が死んだとしても誰も悲しみはしない…。ローゼ、ごめん、こんなところで死ぬ僕を許してください。コホコホ…今度生まれ変わるなら、イケメンで生まれてきたい…ローゼともう一度会って、ちゃんと……こ、告白…を………た…い」
身体の痛みすら感じなくなってきたと思う春雪。廃工場の鉄骨のヤツが崩れ落ち始めていた。
鉄骨に下敷きになり死ぬのか
火に巻かれて死ぬのか…
2択しか残っていない…。
春雪は痛いのは嫌なので、目を瞑ることにした。眠ったまま死ねるようにと…春雪が意識を失った後、炎で燃え盛る中、くたびれたスーツを来た青年が立っていた。黒のアルベリヒという帝国の地精の長である。
黒のアルベリヒ「全く酷い事をする。同じ人間のすることかね」
黒のアルベリヒは、春雪を見ている。すると、もう1人がこの場所までやって来た。金髪のロン毛の貴族の服を着た男である。名前はルーファスという。
ルーファス「フッ、何故、私をこのような場所に呼び出したのか、説明を願い出たいが…うん?その少年は?」
黒のアルベリヒ「あれが、イジメというものか。全く酷い事をする連中だな…」
ルーファス「イジメ?この少年は、誰かにイジメられていたのか…。うむ…酷いことをするものだな…。うん?」
黒のアルベリヒ「どうかしたのかね?」
ルーファス「いや、なんでもない」
ルーファスは何かに気がついた。目の前の少年が、自分に似ているように見えたのだ。生まれも国籍も育った環境も違う。なのに自分に似ているとそう思えるのだ。
黒のアルベリヒ「…何かの利用価値があると思ったのだが、無駄足だったようだ…」
ルーファス「いや、彼を治療してやってはくれまいか?」
黒のアルベリヒ「ほおぅ?」
ルーファス「彼もこんなところで、死ぬなんて不本意ではないかね?」
黒のアルベリヒ「…まあ、良いでしょう…ただ肉体の方は……。黒の工房の方に帰って何とかしましょう」
ルーファス「ああ、頼む」
廃工場が完全に崩れ去る前に、黒のアルベリヒは、春雪を連れて転移した。ルーファスも光輝く日本の都市を見て、そして転移したのだった。
春雪の鞄とスマホは、火の中に消えて行った。