【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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ステイル編1話です。


ステイル・アレフガルド編【星杯騎士団】
1ー1話ーガセな情報。


ーー日本ー九州ー博多港

 

ここは東ゼムリアに位置する国日本。東ゼムリアの大国である。

 

ちょっと前までは、大亜細亜連合という国が大国であったが、日本、帝国、共和国との戦争で、東ゼムリアでの権威は失い、国土もほとんど失い、小さな小国に成り下がっている。

 

元々大亜細亜の領土であった領土は、帝国と共和国、そして日本が領土を分け合っている。

 

中国東北部(旧満州)には帝国の傀儡国家、東ゼムリア共和国が建国され、カルバード共和国よりには、南中華国が建国された。

 

東ゼムリア共和国は、帝国の属国。

 

南中華国は、カルバード共和国の属国。

 

大亜細亜連合は、小さな小国。それでも新ソヴィエトとは同盟関係は続けているため、東ゼムリアも南中華国も大亜細亜連合には侵攻はしない。

 

東ゼムリア、南中華国もアルテリア法国の承認は得ており、日本も東ゼムリア共和国も南中華国も国家として承認している。

 

話は日本の方に戻るが、博多港は、ゼムリア大陸へ行くための玄関口であり、陸路の玄関口である。九州と朝鮮半島は、陸路(海底トンネル)で繋がっており、大陸横断鉄道の終点である東京駅まで繋がっている。そう言う理由で企業の倉庫もたくさんある。もちろん帝国や共和国の企業倉庫もある。

 

そんな博多港の倉庫エリアに2人の女性がいた。

 

1人はブラウンの髪にツインテールで、活動的な服装をしている。もう1人は、とあるのインデックスの髪の色をしていて、こちらも活動的な格好をしている。

 

そんな2人は、倉庫エリアで何かを探している。

 

??「桜子先輩、そちらにありましたか?」

 

桜子「無いわ、本当にここで良かったのかしら?クラレットと方はどうだった?」

 

クラレット「ありませんね。この情報ってエツァリ先輩からもたらされたんですよね?目的なものは見つかりませんでしたが、武器の密輸の証拠は見つかりましたけど」

 

桜子「そうね。武器の密輸の証拠を見つけたのは偶然だけどね。本来はこれはじゃないのよね。エツァリに聞こうにも、どこかに潜入したっぽいし…」

 

桜子がそう言いかけると、懐の木刀を取り出す。クラレットも気付き戦闘態勢にすぐに移行できるようにした。

 

桜子やクラレットの回りをいつの間にか取り囲むように黒服の連中がいた。その連中のリーダーと思われる男が喋り出す。

 

??「おやおや、弊社の倉庫エリアに何用でしょうか?」

 

桜子「…ただの一企業ってのはおかしいんじゃない?」

 

クラレット「そうですね、一企業がこんな武器をどこの勢力にお売りになるんでしょうか?」

 

桜子とクラレットは大量の武器を取り出して黒服の連中に見せつけた。これは偶然に見つけたものであり、本当に見つけたいものは見つかっていない。

 

??「貴女方は、政府の回し者ということでよろしいでしょうか?」

 

桜子「政府?日本政府ってこと?なんであたし達が日本政府の回し者ですって!」

 

??「違うのですか?なら十文字や一条や四葉の回し者か?」

 

クラレット「すべて日本の組織ばかりですわね…」

 

??「なるほど…外国の回し者ってことでよろしいかな?」

 

黒服の連中は、一斉に拳銃を取り出す。

 

桜子「拳銃…日本製ね…」

 

クラレット「拳銃…ですか」

 

桜子は木刀を黒服の連中の方を見て構える。クラレットも構えのポーズを取る。

 

黒服の連中は、一斉に桜子達に拳銃を撃ちまくる。しかし桜子には効かない。彼女は、加速移動魔法を発動させながら避けている。

 

桜子「無駄よ…」

 

桜子は黒服の1人の目の前に現れて、木刀を振り下ろす。

 

黒服の何人かは、拳銃の標準をクラレット定めて撃つ。

 

クラレット「無駄ですわ!!」

 

クラレットの身体に当たったはずの拳銃の弾丸は、撃った本人の側を通り、音をたてながら後方の地面にめり込んだ。

 

クラレットが発動したのは、肉体硬化の魔法である。魔法や魔術系は跳ね返せないが、火薬を使った拳銃や導力銃の弾や戦車の砲弾などは跳ね返せる。

 

クラレットは、拳銃の弾丸が横をすり抜けていったことに驚いている黒服の連中の何人かに

 

クラレット「これでも喰らいなさい」

 

黒服の連中の何人かの腹に気を送りつけて、吹っ飛ばした。吹っ飛ばされた黒服の連中の何人かは、博多港の海に落ちた。

 

??「ちっ…!中々やりますね…ならば、この私が出る必要がありますね」

 

リーダーの男は、何かを懐から取り出して口に中に入れる。それは緑色していて、かつてのクロスベル騒乱時に使用されたグノーシスにも似ていた。

 

桜子「まさか、グノーシス!?」

 

クラレット「グノーシスは、クロスベル警察がすべて押収したのでは…!?」

 

??「グノーシス…確かにD∴G教団のグノーシスでもありますが…あんな紛い物と一緒にしないでいただきたい。あんな失敗したグノーシスとね」

 

桜子「…あれが、失敗作なら、貴方達が作ったグノーシス擬きはどんな効果があるのかしら?」

 

??「見ればわかることさ。まあ見たことで生存率も限りなく0になるがな」

 

黒服のリーダーの身体が徐々に変化していく。赤や青のような暴走するような感じはしない。それにヨアヒムのように悪魔に変化するわけでもなく、人間らしさは変わらない。

 

桜子「どこから、グノーシスを得たのかしら?グノーシスは世界中で回収の対象なんだけどね」

 

クラレット「まさか、横流ししているような組織があると言うわけですか?

 

??「そんなところでしょうか。それでは貴女達には死んでもらいます。まあ死体はどこかの組織に再利用してもらうとしましょう」

 

桜子「悪趣味ね…貴方…今、どのような状況になってるかわかる?」

 

黒服のリーダーの周り、いや桜子やクラレットの周り以外でも、春の夜だと言うのに、寒いと言いたくなるほど冷えてきていた。空気も冷え冷えになり、息を吸うのも痛い感じに黒服のリーダーはなっていた。そして空からは、白いものが舞ってきた。

 

??「なんだ…これは…?…氷の破片?」

 

桜子「ふふっ、貴方はもうあたしの術中にはまってるの…」

 

??「お前の術中だと!?」

 

桜子は、氷を自由自在に操る能力を持っている。空気中の水蒸気を凍らせる。もちろん身体の中の水分すらも凍らせる事ができる怖い能力である。能力の名前は、【氷の息吹き】と呼ばれる。

 

黒服のリーダーは、己の身体が内外から凍りついていくのが染々とわかる。そして恐怖にかられながらこう言う。

 

??「お、お前達はまさか…何でも屋稼業のラリクマ…か!?お前が氷の女王…!」

 

桜子「そんな名前で呼んで欲しくはないけどね」

 

??「……この私を捕らえたところで、状況は…何も変わりはしない…お前らのような何でも屋稼業の連中に…我々の……」

 

何かを言う前に凍りついていてしまった。

 

桜子「…バックに大物がいるってわけか…」

 

クラレット「桜子先輩、この者達はどうしましょうか?」

 

桜子とクラレットとの戦闘で、破れた黒服の連中が凍りついて転がっている。

 

桜子「そうね…日本人みたいだし、日本の警察に引き渡して…!!クラレット!海に飛び込んで!!」

 

クラレット「え!?……!!わかりましたわ!」

 

桜子とクラレットは、博多湾に飛び込んだのと同時に、一発のトマホークミサイルが、黒服達がいた場所に命中し大爆発を起こした。凍りついていた黒服のリーダーや黒服達は、衝撃と熱波で跡形も残ることはなかった。

 

 

桜子とクラレットの運命は…いかに。

 

 

 

ーー日本→東ゼムリア共和国上空

 

ーーメルカパ第漆号機

 

博多湾を泳いでいたのをすぐにメルカパ第漆機が見つけ、すぐさま2人を助ける。

 

助けられた桜子とクラレットは、すぐにメルカパに備え付けられているシャワー室で海に置いた汚れ等を落としたのだった。身体を暖めてからみんなのいるエリアを尋ねた。

 

??「間に合って良かった、桜子、クラレット、怪我はないか?」

 

桜子「か、ステイル、ええ、怪我は無いわ」

 

クラレット「ステイル卿、どうして日本の方へ?」

 

ステイル・アレフガルド。七耀教会の守護騎士である。階級は守護騎士第7位であり、別名は魔女狩りの王(イノケンティウス)とも呼ばれいる。容姿は光井ほのかの髪の色で、顔のパーツは、達也のような感じである。本当の名前は、光井和也なのだが、先代のステイル・アレフガルドから名前を継承しステイルと名乗るようになった。

 

桜子「そうよ、ステイル、貴方はカルバードへ行くって言ってたよね?」

 

桜子がそう言うとステイルの後ろから、赤髪のツインテールのシスターがやってきた。容姿は説明すると、とあるの結標淡希みたいな感じかな。彼女の名前は、アクアエル・レインフォード。第漆号機の操縦士。能力は、結標淡希と同じ座標移動(ムープポイント)である。位は、桜子と同じ正騎士である。桜子とは修行時代からの同期。

 

??「全く貴女方は、助けてあげたのにお礼の一つも言えないのかしら?」

 

桜子「げっ、アクアエル、レインボー」

 

アクア「だ、誰がレインボーですって!わたしの名前は、アクアエル・レインフォードだから!桜子、貴女、わざと間違えてるでしょ!」

 

桜子「さあーね…」

 

アクア「桜子、貴女ね!」

 

クラレット「クスクス」

 

ステイルは咳払いをすると、すぐに静かになる。メルカパ第漆号機の中では、ステイルが長なのだ。

 

アクア「ステイル卿、失礼しました」

 

桜子「ごめん、ステイル」

 

クラレット「はい」

 

ステイル「別に怒ってるわけではないんだ。桜子とクラレットには、危ない任務をさせてしまって」

 

ステイルは頭を下げた。

 

クラレット「ステイル卿、頭を上げてください!」

 

アクア「そうですよ、ステイル卿は、何も悪くはないのですから」

 

桜子「ステイル…」

 

ステイル「いいや謝らせてくれ。桜子やクラレットを危険な目に合わせた俺に責任がある」

 

桜子「あれはエツァリがもたらせた情報でしょ?ステイルが謝る理由にはならないでしょ?」

 

ステイル「エツァリも謝っていたが、最終的に判断したのは、俺だ。俺の判断ミスだった」

 

ステイルは再び頭を深々と下げた。この性格は、和也であった時から変わらないのだ。元々からの性格であり変えられるものでもない。

 

だが、今回の桜子とクラレットが受け持った件。元々は、エツァリがとある筋から手に入れたものである。日本の博多港から帝国、クロスベル方面に人身売買組織が高校生を運びだそうとしていると。

 

ステイルは、ちょっと疑いながらも了承し博多港に桜子とクラレットを送り込んだ。だが、見つけたのは、運びだされる高校生ではなく、武器の不正輸出の品だった。人身売買組織が武器までも不正に輸出しようとしていたら、大問題だとステイルは考えた。

 

武器を不正に外国に輸出しよとしている先も、帝国やクロスベル、カルバード方面で間違いないと踏んでいた。

 

帝国は、貴族派と革新派の対立で、内戦の可能性も秘めている。クロスベルは、近頃、頻繁に猟兵団が出入りしている。カルバードも帝国と同じような状況だ。移民容認派と移民反対派で分かれて対立している。

 

日本においても同じようなものか。帝国派と反帝国派で分かれてるようなもの。

 

西も東も火種の温床みたいなところがあるのは間違いない。

 

そんな時、特殊な導力通信が入ってきた。モニターに映っているのはミサキだった。

 

ミサキ「は~い、何でも屋のラリクマさん、ステイルさん、みなさん、こんばんは」

 

桜子「ミサキ・カミジョウ!あんたの情報、間違ってじゃないの!エツァリによくも偽物を寄越してくれたよね!」

 

ミサキ「博多港のことには謝るわ。私達が捕まえた連中の情報によれば、前日に博多港から、クロスベル方面、帝国方面に運ばれたみたいね」

 

ステイル「やはりな…」

 

クラレット「ステイル卿、まさかこれって…」

 

ステイル「…人身売買組織にまんまとやられたわけか、俺達もミサキさんも」

 

桜子「…人身売買と武器不正輸出。人身売買よりも武器不正輸出の方が罪も世間的なバッシングも全然違うだろうし…」

 

ミサキ「そうね。人身売買は、あのD∴G教団を潰した時に、各国の取り決めで禁止になったわね。その条約は、帝国もクロスベルも日本も調印してるわ」

 

ステイル「でも裏社会では、まだまかり通っているわけか…」

 

ミサキ「そうね、そういう裏ビジネスをやってる組織、猟兵団は、片っ端から潰してきたんだけど…もぐら叩きのようなもので、数は全く減らない…。人身売買の元締め…【金城潤矢】を捕まえない限りは、いつまでも続くでしょうね」

 

桜子「金城潤矢、日本の警察や遊撃士が探してるんでしょ?」

 

ステイル「探しているが、しっぽも捕まえることはできてないようだ」

 

ミサキ「金城潤矢は、おそらく日本の警察の一部や一部の議員に守られてるでしょうね。これはあくまでも私の見立てだから。帝国政府や遊撃士協会の意見じゃないからね」

 

ステイル「わかってますよ。ミサキさん、貴女には感謝してますから。今の俺があるのも、貴女が背中を押してくれたから、守護騎士になれたんです」

 

ミサキ「私は背中を押しただけよ。後は貴方の実力だから」

 

ステイルとミサキが2人の世界を醸し出しているのを面白くない2人がいた。

 

桜子とアクアエルである。

 

桜子は、先代ステイルの従騎士であり和也と修行仲間である。和也が守護騎士になるための修行をしていた時の相棒であった。先代ステイルは、和也に力を継承して引退するつもりで、過酷な修行を敢行した。むしろ先代ステイルは、そこまでするつもりはなかった。むしろ過酷な修行を望んだのは、和也自身だった。

 

己の秘めた力を使いこなすために、抑え込む力を身に付けるために。

 

そんな修行に桜子は付き合った。桜子は和也をほっとけなかった。和也の身の上話は先代ステイルから聞いていたから、余計に気にかけていた。それが恋心だと気づかない桜子であったが。

 

 

 

 

 

 

3ヶ月前に桜子は、一度和也に告白している。だがフラれたのだ。

 

和也は、桜子が嫌いで振ったのではない。むしろ彼女の告白は嬉しかったのだ。

 

でも和也には、桜子の思いを受け入れるわけにはいかない。そう心に誓っている。

 

恋人であった藤林朱里を守れなかったこと。

 

親友であった風間定晴を失ったこと。

 

恩師であった大久保先生を死なせてしまったこと。

 

6ー3組のみんなを死なせてしまったこと。みんなの未来を奪ってしまったこと。

 

そういうものが、和也の心の枷になっている。

 

和也はそれを自らの戒めだと言っているが、アイン総長を初め、トマスやケビン、ワジ、バルクホルンは、彼の心が壊れないか心配している。

 

だから和也(ステイル)には、桜子やエツァリ、クラレット、アクアエルを部下に持たせている。

 

そして、アイン総長は和也にはある程度自由を効かせている。そのため星杯騎士団の遊撃部隊として活動している。

 

そう表の役割は、何でも屋【ラニクマ】として。

 

アクアエルは、和也に能力を見いだされて、彼の仲間になった。彼女は、星杯騎士団の中でくすぶっていたのだ。

 

くすぶっていたアクアエルの力を和也の助言により、彼女は使いこなせるようになったのだ。

 

【座標移動(ムーブポイント)】

 

とあるの結標淡希が使っているあの【座標移動(ムーブポイント)】と同じである。

 

つまり何でも物を飛ばせるし、人間だって瞬時に遠くに飛ばすことができる能力である。飛ばせると言っても限度はある。重すぎるモノは飛ばせない。

 

簡単にいってしまえば、瞬間移動と言っても良いのかな。

 

七耀教会では、魔女達が使う転移術と似てることもあり、好かれてはいなかったし、アクアエル自身も好きな能力ではなかった。ある時、【座標移動(ムーブポイント)】使用して、空間の狭間にはまりこんだことがある。その時はなんとか自力で外へ出て来られた。それから自身の能力を恐怖するようになった。

 

 

だが和也は、アクアエルの【座標移動(ムーブポイント)】に注目していた。

 

アクアエルの【座標移動が(ムーブポイント)】が嫌われる能力なら、自分自身のこの力も周りから見れば、異端ではないかと和也は思っていた。だからアクアエルの事も、自分のことのように考えていたのだ。

 

桜子もエツァリもクラレットも、周りからは良いと思われてはいない能力の持ち主だった。たがらアクアエルの事も理解して、共に歩む事を決めていた。

 

一度危険な任務での事だ。和也達が全滅しそうになった時、アクアエルだけ逃げるように言われた。だが彼女は逃げなかった、またみんなを失って1人ぼっちになりたくなかった。その気持ちがみんなを守りたいという気持ちが、【座標移動(ムーブポイント)】に対しての畏れが無くなり、みんなを無事に帰還させることができたのだ。

 

アクアエルの心をもっとも動かしたのは、和也の言葉である。

 

和也(ステイル)【「アクアエル、自分を信じろ!信じきるんだ!失敗を恐れるな、例え失敗しても俺がアクアエルを支える!支えてやる!だから自分を信じろ!」】

 

この言葉に触発され、アクアエルは【座標移動(ムーブポイント)】を自由に使かえるようになり、それだけではなく、メルカパの操縦の腕もあることがわかり、操縦士としての役割もこなしている。

 

そんなことを思い出していた桜子とアクアエルは、クラレットの声で我に帰る。

 

クラレット「桜子さんもアクアエルさんもどうしたんですか?」

 

桜子「…えっ!?」

 

アクアエル「…ど、どうしたのクラレット?」

 

ステイル「桜子、アクアエル、どうかしたのか?」

 

ステイルが桜子とアクアエルを心配そうに見ている。

 

ミサキ「2人共、海に落ちたり、能力を使いすぎたとかでは無さそうね…」

 

ミサキは桜子やアクアエルの表情を見てそう思った。2人共にステイル(和也)に好意があることを。

 

桜子「コホン…色々言いたい事があるけど、ステイルやミサキさんには、聞いてもらった方が良いわね、クラレット?」

 

クラレット「そうですね」

 

桜子「実は……」

 

今回の博多港での出来事、あの黒服の連中のリーダーが、D∴G教団の残党、ヨアヒムが作っていたグノーシスが、クロスベル警察や遊撃士に回収されたはずのものが、なぜか持っていたこと。

 

そして自分達は、こう推理したことも。

 

誰かが、クロスベル警察や遊撃士が回収したグノーシスを日本国内に持ち込み、国内の闇組織に売り渡したのではないかと。

 

ステイルもミサキも渋い表情をしながらも桜子やクラレットの推理は間違ってはいないと思った。

 

ミサキ「日本国内に持ち込んだ連中は…恐らくは、獅童一派の金城あたりかしらね」

 

ステイル「そう考えるのが妥当ですね、まあクロスベルの誰かが横流しに加担してそうですが…」

 

ミサキ「うん、それはわかってるわ…。クロスベルの混乱に乗じて誰かがそんなことをしてるのはね…」

 

桜子「ヨアヒム・ギュンターによるクロスベル騒乱…」

 

ミサキ「…彼は死んだわ。私やロイド達特務支援課やエステルとヨシュアとレンちゃんの前でね…」

 

ステイル「ミサキさん、気は晴れましたか?過去との因縁に…」

 

ミサキは、ちょっと驚いた表情でステイルを見る。

 

ミサキ「…うん、1つ…私の過去の因縁には決着をつけたかな…でももう1つはまだ終わってない」

 

ステイル「…クロスベルの伝説の熱き刑事…ガイ・バニングス捜査官…」

 

ステイル(和也)は、ちょっとだけミサキに身の上話を聞かされていた。当然ガイ・バニングスの話も聞かされていたのだ。

 

ミサキ「…か、ステイルさんには以前話してたものね」

 

ステイル「まあ、プライベートなら和也でも構いませんよ…。メルカパ内も俺の部下しかいませんし、桜子達も俺が和也あることも知ってるので…」

 

ミサキ「…日本国内では、死んだことになってるんだよね?」

 

ステイル「ええ、死んだことになってます。親も妹達もあいつにも死んだことが伝わってますよ」

 

ステイルは、ちょっと寂しそうに言った。口では強がっていても家族と会えないのは、寂しいものだろう。桜子もエツァリ、クラレット、アクアエルも家族はいない。メルカパ第漆号機の仲間達は、1つの家族みたいになっていた。先代ステイルからそうだったようだ。

 

ステイル「…そんなことよりも、仕事、仕事…」

 

ミサキ「…和也さん…全く貴方は…。で、今メルカパ第漆号機は、帝国方面に帰って来てるのかしら?」

 

ステイル「そうですね、それが何か?」

 

ミサキ「貴方達、何でも屋【ラニクマ】には、パルム方面に向かってほしいの」

 

ステイル「パルム、帝国南部の街ですね。この辺りで何かあったのですか?」

 

ミサキ「ええ、博多港から運び込まれた高校生達がパルム近郊、日本人移民街の工場団地の……」

 

ステイル達は、ミサキから詳しい情報を聞いて、メルカパ第漆号機のスピードを上げて、帝国南部の街パルム方面へ向かったのだった。




ステイル編1話を読まれましたら、ミサキ編2話に行ってください。そっちの方に話がつながっていますので。よろしくお願いします。
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