ーーー1204・4・27・朝ー秀尽学園ー1階の掲示板付近
朝早く、竜司と雪奈は秀尽学園に来ていた。なんで早く来たかと言うと掲示板に予告状を貼るためである。
学園内は無人である。モルガナが外から人払いの魔法をかけているので、誰も学園には近づかない。学園という認識が無くなるのだ。
竜司「雪奈、ここで良いか?」
雪奈「ここの掲示板なら鴨志田もよく目に入る場所でしょうから、予告状も目に入るでしょ」
竜司と雪奈は、予告状を掲示板に貼り付ける。
予告状の文章はこうだ。竜司が考え雪奈が竜司風にアレンジしたものだ。
【色欲のクソ野郎、鴨志田卓殿。抵抗出来ない生徒に歪んだ欲望をぶつける。お前のクソ加減はわかっている。だから俺達は、お前の歪んだ欲望を盗ってお前に罪の告白させることにした。鴨志田卓殿、覚悟してもらおうか。心の怪盗団・ウロボロスより】
竜司「なんか雪奈に修正してもらった分カッコよくなったよな」
雪奈「まあ竜司の文章をきれいにアレンジしただけだから。文字にも魔力をこめてね。さすがに新聞紙の切り抜きじゃね」
雪奈は魔女の力を使って、竜司の書いた文字の上から文字に魔力を込めた。鴨志田を本気でひびらせるために。
掲示板に貼り終えたときモルガナがやってくる。
モルガナ「雪奈、竜司!もうすぐ結界が消える。消える前に学園をいったん出るぞ」
雪奈「わかったわ。竜司、一端学園から出ましょ!」
竜司「わかったぜ」
雪奈、竜司、モルガナは一端学園から出る事にした。
ーーー秀尽学園にて。
みんなが登校してきたのを見計らって、雪奈と竜司も登校する。鈴井志帆の飛び降り自殺未遂が起こったというのに、学園の平穏さは変わらない。学園の教職員が、生徒達にかん口令を敷いているから誰も事件の事はしゃべらない。雪奈と竜司は不快になりながらも生徒達の反応を見る。
しかし掲示板を見ている生徒達は、ただ鴨志田が何かやったのかわかっていない。いや疑問にもならないのだろう。
学園内では、鴨志田は優しくて良い先生と通っている。
噂程度がたったとしても、生徒達は信じない。
蓮や竜司の方が問題児だとレッテルを貼られているわけだから。そこに杏や雪奈が加わっても学園の状態を覆せるものでもなかった。
ただ、内容はともかく、予告状には生徒達も興味津々だった。
その様子を遠くで見る、蓮、雪奈、竜司、杏。
竜司「中々のモンだろ?導力ネットや雪奈にそれらしいものを教えてもらったからな」
杏「ほとんど、雪奈に教えてもらっただけでしょ?」
雪奈「文章は竜司が考えたわ。それを私がアレンジしたんだけどね」
蓮「文章はともかく、様にはなってると思う」
モルガナ「まああのマークも竜司のやつから、雪奈に描き直させたんだ」
竜司が子供の落書きみたいな絵を描いたものだから、モルガナが雪奈に頼んで身喰らう蛇のエンブレムに似たようなモノを描いたのだ。
怪盗団らしく、一度狙った獲物は逃さないという意味で、蛇を描いたのだ。それを雪奈は説明をした。
杏「最初は何で蛇とも思ったけど、雪奈の話を聞いたら良いんじゃないかなと思うし」
掲示板を見ている生徒達が騒いでいる。だが、騒ぎも鴨志田の登場によって終わる。
鴨志田「だ、誰が!?」
鴨志田は、掲示板の予告状を見るなり苦虫を潰したような表情をしている。
モルガナ「見ろよ、歪んだ欲望に心当たりありまくりのリアクションだ」
竜司「相当、効いてるな」
雪奈「でしょうね、文字に鴨志田の被害者の心の叫びを込めたからね」
鴨志田は、怒りのあまりに掲示板を見ていた生徒達を犯人扱いにしている。鴨志田は、雪奈達に気づいた。そしてこっちの方へやって来る。
鴨志田「貴様らか!!」
雪奈「何の事ですか?」
鴨志田「とぼけるつもりか?」
蓮「とぼけるとは?」
鴨志田「まあいい。どうせお前達は、じき退学だ」
鴨志田がそう言うと、突然空間が歪み、鴨志田のシャドウが見えた。
シャドウ鴨志田「来いよ、盗れるもんなら盗ってみろよ!」
鴨志田は雪奈達を睨んで、去っていく。
モルガナ「今の鴨志田の反応…。パレスに絶対影響が出てるはずだ!」
杏「オタカラ出現ってこと!?今日ならイケんだよね?」
雪奈「ううん、杏、今日しかないわ」
モルガナ「予告状を目にするインパクトは、長続きはしないし、二度は起こせない」
雪奈「オタカラを盗めるチャンスは、たった一度きりしかないわ」
竜司「1日あれば十分だぜ!」
蓮「ああ、後はやってやるだけだ」
雪奈達は、鴨志田と決着をつけるため、鴨志田パレスへ乗り込むことになった。
ーーー1204・4・27ーカモシダパレス。
雪奈達は、カモシダパレスに潜入した。今日は攻略のために潜入したのではない。鴨志田と雌雄を決するためである。雪奈達は、鴨志田の被害者をこれ以上出すわけにはいかない。
カモシダ城の入り口に降り立った、フィクサーとジョーカー達。
こちらの世界では、みんなコードネームで呼び合う。
雪奈は、フィクサー。
蓮は、ジョーカー。
竜司は、スカル。
杏は、パンサー。
全てがこちらの方に来た時の姿、怪盗服姿からコードネームを決めた。
雪奈の姿は、大胆な格好である。蓮も竜司も最初に見た時は、興奮したものだ。黒の仮面にビキニに黒マント、黒のニーハイという格好。雪奈自身も最初に怪盗服になった時は驚いたものだ。杏も雪奈の格好を見て驚いた。委員長タイプのメガネをしていて、みつあみにしていた。露出も控えめにしているから、怪盗服の露出大なのは、正直驚いている。おそらく雪奈の反逆の心がそうさせているのか。コードネームは、自らフィクサー【断罪の魔女】と名乗った。
今では慣れたものか堂々している。
ジョーカーは、黒を基調した怪盗服である。怪盗団の切り札、リーダーである。
スカルは、仮面が特長である。キャプテンキッド、海賊のドクロマークが目立つ。コードネームもそこから持ってきた。
パンサーは、格好から女豹。怪盗服が赤く、ジョーカー、スカルが女豹と言ったため、フィクサーがパンサーと名付けた。
モルガナは、人形になり、コードネームは、モナ。
フィクサーのペルソナは、キューコ。断罪の魔女らしいペルソナである。
ジョーカーは、アルセーヌ。
スカルは、キャプテンキッド。
パンサーは、カルメン。
モナは、ゾロ。
みんなそれぞれの特徴を生かしたペルソナであるのは間違いない。
雪奈達みたいに、内なる心の仮面で戦う者をペルソナ使いとも言う。
ミサキ、深夏、静江みたいに天性の能力を持っているものや、激しい怒りなどで、眠っていた力が呼び覚まされる場合もあるとされている。
雪奈達は、大人達への怒り。
大人達への反逆。
もう覚悟は出来ている。
フィクサー「もう後戻りは出来ない。やるしかないわ」
ジョーカー「ああ!」
スカル「ああ、やってやるさ!」
モナ「ワガハイはいつでもいける!」
パンサー「雪奈、私はやるよ。志帆の思いを、志帆の味わった苦しみをわからせてやる!」
フィクサー「わかったわ。なら行きましょう!鴨志田と雌雄を決しに」
雪奈達は、カモシダ城のオタカラ確保ルートをひた向きに走る。やけにカモシダ城が静かなのは、逆に不気味だが気にしている暇はない。
すぐにカモシダ城のオタカラの合った部屋に突入する。巨大な冠が出現している。
モナ「よおっしゃああ!!オタカラ、大出現!」
スカル「つーか、デカッ!」
フィクサー「モナが言ったとおりに、オタカラが出現したわね」
モナ「どうよ!言ったとおりだろっ?これで言えてるぜ!」
パンサー「なんかムカつく。なんでこんなキレイなの?鴨志田の欲望なんでしょう!」
フィクサー「欲望に忠実何でしょうけど」
モナ「…欲望に忠実…まあそうなんだろう。雪奈達、これを運び出すぞ!」
雪奈「そうね」
モナ「ジョーカー、スカル、ほらっ運べ」
スカル「ったく命令ばかりしやがって。まあ思ったより簡単だったな。スゲー罠とかあるかなと思ってたけど」
ジョーカー「そうだな」
パンサー「これ持って帰っちゃえば、パレスが消えるんだよね?それで鴨志田が変わる」
フィクサー「ええ、そのはずよ、ねえモナ?」
モナ「ああ、そのはずだ」
スカル「今のうちに持って帰るとするか」
ジョーカー「そうしよう!」
フィクサー達は鴨志田の欲望の王冠を持ちながら帰り道を進み出す。すると
???「ゴーゴーレッツゴーカーモーシーダ!」
???「そりゃあ!!」
フィクサー達が運んでいる王冠にボールが当たり、落としてしまう。そして目の前にピンクブルマを穿いたマントを付けた鴨志田が現れた。シャドウ鴨志田が手をかざした時、王冠がヤツの手に収まっていた。それも玉座に座りながら、鴨志田の欲望から生まれた杏擬きが側にいる。
鴨志田「これだけは、絶対に奪われるわけにはいかないからな。これは俺様が城主である証明、この世界のコアだからな」
パンサー「あいつ…私のことあんな風に見てるってことよね?」
フィクサー「そうよ。以前私のアレもいたわ。ジョーカーやスカルには見られたけど、自分でもおぞましかったから」
ジョーカーとスカルがこっちの世界に迷い込んだ時に、フィクサーとモナとで救いだした時に、鴨志田と遭遇した。
それときに連れていたのが、エロイ下着を付けた雪奈であった。それだけではない、鴨志田が雪奈擬きをなめ回していて、身体中におぞましかったから、キューコで叩き斬ったのだった。
ーーカモシダパレス
スカル「よう変態、待ち伏せかよ?」
ジョーカー「覚悟してもらうぞ!」
カモシダ「探す手間が省いてやっただけだ。俺様がじきじきに始末してやる」
スカル「こっちの台詞だ、セクハラ野郎!」
カモシダ「フン、勝手な勘違いだな」
パンサー「勘違い!?どこがよ!人に言えない事をしてきたくせに!」
フィクサー「どうやら自分がしてきた事がわからないのね。ゲスが!」
カモシダ「ゲスだと?何を言うか、隠してくれたのは、周りの連中だ。俺様の実績にあやかりたい大人や、勝ち組願望が強い生徒達…そいつらが進んで俺様を守ったんだよ。みんなで【得】をするためにな」
スカル「得だぁ!?」
フィクサー「ふふっ、そうね、お前が言う通りこの国の連中はそんなヤツばかりね…。正直ヘドが出るわ…」
ジョーカー「フィクサー」
パンサー「フィクサー…」
カモシダ「利口な生き方だろう?貴様ら青臭いガキどもも、飛び降りやがったあの娘もな!」
パンサー「そうね。アンタに良いようにされて死んじゃおうとか…ほんと、バカ…それに気づいてやれなかった私はもっとバカ!どんなバカでもね…生きていくために、アンタの許しなんか要らないのよ!」
フィクサー「よく、言ったわ!パンサー。あんたみたいな小物のオオサマ…はっきりと言って…五流以下ね」
カモシダは、それを聞いて表情を曇らせる。
カモシダ「偉そうに吠えるなよ。取り柄もない凡人共が!俺だけの才能を俺のために使うのが何が悪い?俺様は他の人間と違うんだよ!」
フィクサー「そうね、お前は人間じゃないわね。D∴G教団の人間と同じぐらいゲスの極みの悪魔ね」
フィクサーにそう言われ、本性を表すカモシダ。
カモシダ「D∴G教団かぁ…フハハ、違うな。そうだ、オレはそいつらやお前らとおなじなんかじゃない…この世界を統べる悪魔さ…」
カモシダは、色慾の化けモノに変化した。
カモシダ「全部、俺様の勝手だろうがぁぁ!」
フィクサー「色慾の悪魔、カモシダ!(お前みたいなヤツは、執行者No.22断罪の魔女が盟主に仇なすカモシダを殲滅する)決着をつけさせてもらうわ!」
フィクサーは、小さな声で()の部分を言った。スカルやパンサーにはやはり聞かれたくないことなのだ。
ジョーカー「覚悟してもらおうか、鴨志田!」
カモシダ「来るなら来いよ!お前ら全員、返り討ちにしてくれる!」
ジョーカー達の戦いは始まった。スカルは先鋒として、カモシダへ攻撃をする。
スカル「来い!キャプテンキッド!」
スカルのペルソナであるキャプテンキッドによる雷撃がカモシダを襲う。
カモシダ「小賢しい真似を!」
パンサー「カルメン!」
パンサーのペルソナ、カルメンがカモシダに対して炎の攻撃が炸裂する。
カモシダ「くっ、くそガキどもが!」
モナ「我が意を示せ!ゾロ!」
モナの風撃をカモシダはくらう。だが
カモシダ「そんなものか?ああ!」
カモシダは、何本もある手足を使ってジョーカー達に攻撃を加える。しかしジョーカー達はそれぞれ攻撃をかわし、次の態勢に備えて構える。
カモシダ「もう終わりなのか?あっけないものだな」
ジョーカー「まだ終わりではない!アルセーヌ!」
カモシダの顔にジョーカーはアルセーヌで攻撃を加える。カモシダの顔に傷がついた部分から血が流れる。
カモシダ「よくも俺様の顔に傷をつけたな?」
フィクサー「それぐらい、なんとも無いでしょ?今までどんだけの生徒を傷つけて来たか!思いしれ!」
フィクサーは、キューコを呼び出す。呼び出しと同時にキューコの目が光る。光は氷を呼び覚ます。部屋の温度がどんどん下がっていく。カモシダは、足下から氷始めてるのがわかる。それは本人ではなくてもわかるほどに。
フィクサー「絶対零度の檻(アブソリュートプリズン)」
フィクサーがそう言った後、カモシダは完全に凍りついた。フィクサーはジョーカーにバトンタッチをする。
フィクサー「バトンタッチ、ジョーカー!」
ジョーカー「わかった!」
ジョーカーは、カモシダの凍りついた身体に対して、アルセーヌで斬り刻んだ。
カモシダは、苦しみの絶叫を叫びながら悶えている。だがカモシダは苦しみながらも何か飛ばしてくる。
モナ「お前ら、避けろ!」
フィクサー「わかってるわ」
ジョーカー「ああ!」
スカル「ぐはぁ!」
パンサー「キャーー!」
スカルとパンサーは、謎の球体みたいなものを背中と右足に当たった。
ジョーカー「スカル、パンサー!」
カモシダ「空気を球体にしたものをぶつけただけだ。当たれば痛いだろうがな」
フィクサー「空気の球体…。衝撃波みたいなものね」
モナ「気をつけた方が良いだろうな!」
カモシダ「さてと」
カモシダは、懐からグラスを取り出すと、中には何か入った物を飲み干す。するとカモシダの傷がみるみる内に回復していく。
フィクサー「さっきのは回復薬みたいなものね」
カモシダ「だとしたらどうする?」
フィクサー「だったら、回復が出来ないようにしてあげるだけよ!」
カモシダ「できるのか?お前によ!」
カモシダは、フィクサーに対して空気砲を飛ばしてくる。それをフィクサーはかわしまくる。
ジョーカー「フィクサー、大丈夫か?」
フィクサー「大丈夫よ」
スカル「わりぃ…さっきの食らってた!」
パンサー「ジョーカー、フィクサー、大丈夫?」
ジョーカー「俺達は、大丈夫だ。それより取られたオタカラは…ヤツの頭か」
フィクサー「王冠だから頭につけるのは、おかしくはないけど」
パンサー「本当にムカつくわね」
スカル「でも、どうするよ、アレ?あんなの簡単には取らせてはもらえねーだろ?」
モナ「そうだな…誰かが王冠を奪うヤツと囮になるヤツが必要になるな」
ジョーカーとフィクサーは、回りを見る。すると王冠の上の位置から行ける道を見つけた。だが、ジョーカー、フィクサーがいないとなると、カモシダも気づくだろう。ならスカル、パンサー、モナの3人になる。そんな中、スカルが
スカル「なら俺が行く」
ジョーカー「大丈夫か?」
スカル「何とかなるっしょ。伊達に陸上部で鍛えてたわけじゃねーし」
フィクサー「スカルの運動能力にかけるしかないわね」
ジョーカー「わかった、スカル任せたぞ!」
スカル「任された!」
スカルは、頃合いを見て、戦線を離脱。カモシダの頭の上の王冠が見下ろせる位置まで行く。それを察知されないようにするため、ジョーカー達の戦いは始まった。