ーー1204・5・02・ルブラン・
すでにルブランは、clauseの札を出しており、惣治郎ももう自宅へ帰って行った。
ルブランには、蓮と雪奈の2人だけだ。
雪奈は、蓮の入れてくれたコーヒーを飲みながら話している。
雪奈「今回は本当にお疲れ様」
蓮「雪奈の方こそ、お疲れ様」
モルガナ「ワガハイには、労いの言葉はないのか?」
雪奈「モルガナ、お疲れ様」
蓮「モルガナ、お疲れ様」
モルガナ「分かればいいんだ」
雪奈「全く、モルガナは」
雪奈は、そう言いながら導力テレビのチャネルを変える。
桐条内閣の支持率の低下。鴨志田の報道がほとんとだ。
蓮「雪奈、ほとんどのテレビ局はそれだけだと思うよ?」
雪奈「まあ、待ってなさい」
雪奈は、導力テレビに何かしている。彼女は何やら暗号を入れているようだ。
すると日本の放送だけではなく、クロスベル、帝国、共和国の放送も観れるようになった。
蓮「す、凄い、何をやったの?」
雪奈「うん?ちょっとね、結社のあるものを装着しただけよ」
蓮「結社、身喰らう蛇(ウロボロス)…」
雪奈「私達は、盟主(グランドマスターの為にやっているの」
蓮「盟主(グランドマスター)…俺に力をくれた人か…」
雪奈「盟主(グランドマスター)を人と表現するのは、どうなんだろうけど」
雪奈は、帝国の放送を観始める。
【日本の企業、ゴールド・マウンテン帝国支社、日本の高校生を大量拉致】
【帝国軍情報局、エルフィン・スナイパー、七耀教会、トールズ士官学院特科クラスⅦ組によって救助される】
【パルム郊外の日本人移民街は、依然としてサザーラント州の領邦軍に占領されている】
【ゴールド・マウンテン帝国支社の社員、帝国軍情報局にて取り調べ。全面的に罪を認める】
【帝国政府と日本政府、秘密裏に極秘会談】
【近くゴールド・マウンテン帝国支社の社員、日本へ引き渡しへ】
【日本の高校教諭、鴨志田卓、自分の教え子達にセクハラ、パワハラ等をふるい、逮捕される】
【クロスベル自治州政府、クロスベル警察、クロスベル警備隊再編を強硬】
【クロスベル騒乱の罪で、帝国派、共和国派議員が多数逮捕され、マクダエル臨時議長兼市長が緊急で法案を議会通過させた、クロスベル警察、警備隊再編法案】
【クロスベル警察、警備隊再編法案を通過させたヘンリー・マクダエル市長、市長を辞任、新議長として就任することが決まる】
【マクダエル市長が辞任により、クロスベル市長選挙が近く行われる運びになる】
【日本国の世界大会メダリストで秀尽学園の鴨志田卓教諭が、生徒達を奴隷のように扱っていた。セクハラ、パワハラ、モラハラ等もやっていた罪で日本の警視庁により逮捕される】
モルガナ「鴨志田の逮捕は、西ゼムリアにまで流れてるな」
雪奈「まあ、バレーの金メダリストだったわけだしね…」
蓮「これで、鴨志田は二度と金メダリストって名乗れないな」
雪奈「鴨志田にとって、この方が死ぬよりも辛いだろうし」
モルガナ「しかし、日本の放送では、ゴールド・マウンテン帝国支社の話し全くしてないな」
雪奈「十師族に押さえられてる日本が、ゴールド・マウンテン社をどうこうできる訳がないわ」
蓮「十師族…絶対…権力…くぅ…」
雪奈「どうしたの、蓮?」
蓮「ちょっとめまいがしただけさ」
雪奈「今日は早く寝た方が良いわ。片付けは私がしとくから」
モルガナ「お前、今日は早く寝ろ。換金は明日にでも…」
蓮「ああ、そうさせて貰うよ」
蓮は、そう言うと、自分の部屋である屋根裏へ行ってしまった。
雪奈「うーん、蓮、大丈夫かしら?」
モルガナ「心配か?」
雪奈「まあね。取り引きとは言え、巻き込む形になってしまったしね」
雪奈は、手足となる仲間が欲しかった。ただ最初はそれだけであった。だけど竜司、杏が仲間になり、一緒に戦って行くうちに、仲間意識が目覚めていったのも事実。
前に戦ったエステル達や司波深夏、ユフィ達を見て、心のどこかに仲間が欲しいとあったのは間違いない。
雪奈は、蓮が上がって行った屋根裏を見て、心配な眼差しで見ていたのだった。
ーー1204・5・02・ルブラン・
雪奈とモルガナは、ルブランの方を片付けてから、屋根裏へやって来た。初めて蓮の部屋?みたいな所に来てみたが、物置小屋みたいな場所である。
その中でも綺麗に片付いている場所が寝床のようだ。そこで蓮は寝息を立てて寝ている。
モルガナ「まあ、人が住むような場所ではないな」
雪奈「うーん、確かにそうね…。蓮自身から話は聞いてたけど…」
蓮は、傷害事件を起こし裁判で保護観察処分を下され、前通っていた学校も退学させられ、両親からも遠ざけられた。
両親は最後の情で、知り合いの佐倉惣治郎に預けられた。ちゃんと両親からも教育費は支払われいる。
蓮は、傷害事件なんて起こしてはいない。へんな男が女性に乱暴しようと導力車に連れ込もうしてから、助けようとした。そのへんな男は、酔っ払っていたため足下がおぼつかなかった。
そして自分で転んだ。頭に怪我を負った。
そして騒ぎを聞き付けてきたパトカーがやって来たが、その男の意見を聞いて、一方的に蓮を悪者に仕立て上げた。
蓮がその男に暴力を振るって怪我を負わせたと。
襲われた女性もその男に屈し蓮が暴力を振るった事を証言。
蓮は、本当の話をしたが、取り調べの刑事はさっさと罪を認めろと。さっさと認めた方が、罪を軽くなるだろうと言った。
蓮の味方になる弁護士も罪を認めて、情状酌量を狙った方が良いと、言っていたようだ。
つまりその男は、権力側の人間で、警察や検察、弁護士協会に圧力を加えられるような人間。十師族の人間、または、政府中枢の人間ってことになる。
雪奈「だから、盟主(グランドマスター)は蓮を選んだのかもね」
モルガナ「かもな。負の力…心に大きな傷があればあるほど…」
雪奈「…う~ん、何だか眠くなってきたわね…」
雪奈はそう言って屋根裏のソファーに寝転ぶ体勢に入る。
モルガナ「な、何してるんだ、雪奈?」
雪奈「何って…寝るんだけど?」
モルガナ「まてまて、なんで蓮の家で寝るんだ?転移魔術や魔法で自分ん家にかえれるだろう?」
雪奈は一端起き上がると、制服の上着を脱ぎ始め、上着をそこにあったハンガーに掛ける。そしてモルガナに
雪奈「蓮の事が心配だからよ。帰るなら、モルガナだけ家に帰って良いわよ」
モルガナ「雪奈…バカ言え。使い魔であるワガハイが主人から離れてどうする!」
雪奈「これ…掛け布団代わりになるわね」
雪奈は、しまってあった掛け布団代わり?みたいなのを取り出して、ソファーのところに再び寝転ぶ。
雪奈「お休み…Zzz」
モルガナ「はぁ~大の男がいる前に無防備に寝るとは……。まあこいつは只の女じゃないか…執行者No.22 断罪の魔女だったな…ワガハイも寝るとするか…」
モルガナも雪奈の近くで丸まって寝ることにした。