【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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緋里雪奈編9話です。


9ー9ー5・08ーメメントスと初の依頼。

ーー1204・5・08・昼間・渋谷駅→メメントス。

 

雪奈達は、休日だというのに渋谷駅の出入口付近にいた。何故休みのにここにいるのかは、モルガナの提案から始まったのだ。

 

メメントス、ここは大衆のパレスのようなものだ。並々ならぬ欲望の持ち主ではない人間のパレスの集合体と言った方がいいか。

 

イセカイナビでここに来たのだ。

 

何故、雪奈(フィクサー)達がここにいるのかは、修行の一環でもある。

 

これから先、どんなパレスの持ち主が現れるかわからないから、力をつけておくのは当然のことである。

 

雪奈(フィクサー)は、このメメントスで修行をしていた。結社の第6柱が作り上げたと聞いている。どうやら盟主から力を与えられて作り上げたとも言われている。

 

フィクサー「みんな、どう…ついて来れてる?」

 

ジョーカー「なんとかな」

 

スカル「ああ、あれぐらいのシャドウ、どってことはないぜ!」

 

パンサー「私もやれる!」

 

モナ「これぐらいで、根を上げてもらっては困る。これからどんな敵が来ても戦って勝たなきゃならないわけだ」

 

フィクサー「だけど、長時間は出来ない。すぐに中間テストもあることだしね」

 

スカル「……テストか…」

 

パンサー「テスト……」

 

スカルとパンサーが落ち込んだ表情をする。

 

モナ「…シャドウと戦うのは、ここまでにして、怪盗お願いチャンネルの依頼でも見てみるか?」

 

モナは怪盗お願いチャンネルを見ないかと、フィクサー達に言ってきた。シャドウがいないエリアで、スマホを操作する。

 

チャンネルに書かれているものを1つずつ見ていく。するとパンサーがあるものを見つける。

 

パンサー「元カレがストーカー化して困っています。名前は中野原夏彦…区役所の窓口係だって…」

 

スカル「役所の奴がストーカーかよ…」

 

フィクサー「案外、そういう…公務員がストーカー化しやすいかもね。公務員としてプライドが高いだろうし」

 

モナ「手頃だな。よしその中野原のシャドウをメメントスで探すぞ!」

 

スカル「居場所ってどうやってわかるんだよ?メメントスを調べ尽くすのかよ?」

 

フィクサー「こういうヤツは、鴨志田のようにパレスは無くても、メメントスの中で異様な感じでいるものだから、わかるはずよ」

 

フィクサーは、魔力探知の能力を使い辺りを探す。するととある場所から、中野原のおぞましいオーラを感じた。

 

フィクサー「見つけたわ!モナ!例のアレに変身して!」

 

モナ「例のアレか!わかった!」

 

モナはフィクサーに言われてとあるモノに変身する。それはネコバスである。ジョーカーもスカル、パンサーも驚く。

 

フィクサー「メメントスの中を歩いて行くわけには行かないでしょ?」

 

パンサー「確かにって…モナってネコバスに変身できたんだ?」

 

モナ「ネコバスになるのは、朝飯枚だぜ!」

 

スカル「なんで、ネコバスなんだよ?」

 

ジョーカー「さあ?」

 

フィクサー「大方の人間達がネコバスって認識があるんでしょうけど」

 

モナ「とにかく、お前達乗り込め!」

 

ジョーカー、スカル、パンサーは後ろの席に、フィクサーは運転席に座る。

 

パンサー「フィクサー、車の運転できるの?というか免許持ってるの?」

 

フィクサー「日本の免許は持ってない。けど国際免許は持ってるわ」

 

パンサー「日本の公道では、国際免許では運転出来ないんじゃ?」

 

ジョーカー「確かに運転は出来ないが、メメントスでその法律は通用しないんじゃ?」

 

モナ「法律はともかく、フィクサーは、前々から運転している。大丈夫だ」

 

フィクサー「さあ、中野原のとこへ行くよ!」

 

フィクサーは、モナが変身したネコバスを運転して、中野原がいるエリアを目指した。

 

 

 

ーー1204・5・08・午後・メメントス内

 

フィクサー達は、中野原がいる場所を見つけ、彼を問い詰めるため中野原のシャドウが待つ異質の空間に入る。

 

フィクサー「あれが、中野原のシャドウね!」

 

スカル「確か、区役所の窓口係がストーカーになったんだっけか?」

 

パンサー「どこまでワルか分かんないけど、誰かを困らせてんなら、何とかしなきゃ」

 

モナ「よし、まずは話してみろ」

 

ジョーカー「わかった」

 

ジョーカーは、中野原のシャドウに近づき話そうとした。だが中野原のシャドウがこちらに気付き

 

中野原「誰だ、お前ら!」

 

パンサー「アンタがストーカー男ね!?相手の気持ち、考えたことないの?」

 

中野原「あの女は、俺の女なんだよ!俺の物をどう扱おうと、俺の勝手だろ!俺だって物扱いされたんだ!同じことやって何が悪い!?」

 

中野原は、昔に物扱いされたから、今度は自分が女性を物扱いして何が悪いと言っている。自分が物扱いされたからと言って他人を物扱いしていい理由にはならない。

 

フィクサーとパンサーは、中野原を睨み付ける。

 

フィクサー「自分がやられたからって、人を物扱いするなんて…可哀想な人ね」

 

パンサー「フィクサーの言う通りよ!」

 

スカル「テメーみたいな野郎は、改心させなきゃならないよな!」

 

中野原「俺よりも悪いやつはいくらでもいるだろう!そうだ、マダラメ…俺から全てを奪ったアイツはいいのかよ!」

 

スカル「マダラメ?何を言ってんだコイツ?」

 

フィクサー「マダラメ…斑目…?」

 

中野原は暴走しシャドウになる。モナの掛け声にフィクサー達は構える。

 

中野原「俺のモノを取るんじゃねーよ!やっと手に入れたんだ!世の中、強いものが生き残る!わかるか、弱肉強食なんだよ!」

 

中野原は、フィクサー達に攻撃を仕掛けてくる。だが中野原の攻撃は単調で、鴨志田よりも弱く、フィクサー達4人の連携プレイにより中野原は倒されてしまう。

 

中野原「わ、悪かった、もう許してくれ!俺、執着心が止められなくなってた。悪い先生に使い捨てにされてさ…」

 

フィクサー「悪い先生?マダラメって人かしら?」

 

スカル「アレか?さっき言っていたマダラメってヤツ…」

 

中野原「また物みたいに捨てられるのが恐かったんだ…」

 

中野原がそんなことを言い出した。

 

パンサー「そっちも身勝手なヤツのせいで、苦しんでいたってことか。けど、だからと言って関係のない女の人、巻き込むのはよくないよ」

 

中野原「本当、そう通りだよな。もうこの恋は終わりにするよ…なあ、お前らって、【改心】させられるのか?そしたらマダラメ…!アイツも改心させてくれ。たくさんのヤツが犠牲になる前に…」

 

そういうと中野原は光輝いて消えた。

 

パンサー「マダラメを改心?」

 

スカル「ん?なんだその光ってんの、なんだ?」

 

モナ「オタカラの【芽】だな。ほっとけば、パレスに育ったかもしれない。ジョーカー、報酬にいただいとけ!」

 

ジョーカー「わかった」

 

ここにて最初の任務を達成したのだった。

 

 

ーー1204・5・08・午後・メメントス内

 

中野原を改心させた後、再びメメントス内を探索していた。そして下のエリアに降りれるエスカレーターを見つけて下のエリアに降りる。

 

そこはすぐにホームのような場所に扉がある。ジョーカーとスカル、パンサーが驚いている。

 

フィクサーとモナが手を扉に置くと扉が開いた。

 

フィクサー「…やはり、皮肉にも第6柱の言う通りだったわね…」

 

モナ「そうだな…“親愛なる仲間と共に”だったか…ジョーカー達でも良かったってことだな」

 

ジョーカー「それは、合言葉なのか?」

 

ジョーカーが不思議そうにフィクサーに話しかける。

 

フィクサー「まああの第6柱がまともな情報をよこしたことがなかったから、半信半疑ではあったのだけど、まさか上手くいくとは思わなかったのよね」

 

モナ「いい加減なガセばかりを掴まされた事が多いからな」

 

スカル「メメントスってさらに下のエリアがあるのかよ!」

 

フィクサー「鴨志田のパレスが無くなって、現実世界でも彼の噂は広がっている。それにメメントスは、大衆のパレスみたいなもの…変化が起きてもおかしくはないわ」

 

ジョーカー「なるほど、それで今から下のエリアに降りるのか?」

 

モナ「今回は行かないぜ。ただ確かめたかっただけだからな」

 

フィクサー「詳しくは帰りながらでも教えてあげるわ」

 

フィクサー達は、再びメメントスの入り口に向かい歩き出した。

 

 

フィクサー達がメメントス入り口に来た時、その場所に人間らしき人物がいたのだ。

 

普通の人間ならメメントスに入ってこれないはずだ。だが実際に入口の場所にいる。

 

フィクサー達は、先にその人間に話しかけられて、話すことになる。どうやら名前はジョゼというようだ。そのジョゼは、絶賛人間を勉強中だそうだ。

 

彼が言うには、メメントスの中にある花を拾って来て欲しいと。その花のジュースを飲んで勉強するようだ。

 

ジョゼも持ってきてくれるかわりに、フィクサー達にも必要なものをくれると言うようだ。それはジョゼがメメントス内で拾った星。ジョゼ曰くホシは願いを叶えるもの。だからフィクサー達の願いを叶えてくれるそうだ。

 

ジョーカー達が半信半疑の中、フィクサーが返事をする。

 

フィクサー「ええ、それで構わないわ」

 

ジョゼ「交渉成立だね。黒髪のおねーさん」

 

交渉成立後、ジョゼはどこかへ行ってしまった。その後、フィクサー達もメメントス内から現実世界へ戻っていった。

 

ーー1204・5・08・夕方・渋谷駅前広場

 

メメントスから渋谷の駅前広場に来た雪奈達は、先程のことを話していた。

 

メメントスのこと

 

中野原のこと、中野原が話したマダラメのこと。

 

ジョゼのこと

 

ホシ…それは願いが叶うこと。

 

モナ「小物は、メメントスで改心させられる事がわかった。目につく情報があれば、実戦練習のついでに退治するのもアリだな」

 

杏「他にめぼしいのはいなかったけどね」

 

竜司「大物を改心させて、怪盗団の名前を売れば、そんなもん山ほど書き込まれんだろ。俺らの目的はあくまでも【大物】だぜ!早め大物を見つけねえとな」

 

雪奈「大物も見つけるのは良いけど、まずは試験を乗りきれた後ね」

 

竜司「……勉強しねえーとな」

 

雪奈達はしばらくしゃべった後、それぞれの家路に着いた。

 

そんな雪奈をずっと見ていた人物が1人いたのだ。

 

雪奈はそんな気配を感じながらも家路に着いたのだった。

 

 

ーー1204・5・08・夜・ルブランの屋根裏

 

メメントスから帰ってきて、ルブランの屋根裏で、雪奈と蓮は中間テストの勉強を軽く見直しているところに竜司からチャットの着信が鳴った。2人ともスマホを取り出して見る。

 

竜司【つか中野原、余裕!これで次の大物やれば、俺ら絶対に目立つな】

 

杏【ちょっと!それじゃあ目的変わってるでしょ!】

 

竜司【目立たないと、弱いやつらにも勇気与えられねえーじゃん】

 

雪奈【下手に目立ってどうするのよ。私達は目立つために怪盗をやってるわけじゃないのよ。弱い立場の人達を助けるのが目的でしょう?】

 

蓮【雪奈の言ってることも竜司が言ってることも間違ってはいないと思う。ただ鴨志田の時のように大義名分が無いのはどうするかだな】

 

竜司【それってクビを突っ込むなって話しか?困ってるヤツいたら助けんのがスジだろ?】

 

杏【私だってそう思ってるよ。今回はストーカーのこと解決できて嬉しかったし】

 

竜司【つか、そのためのペルソナだろ?雪奈も蓮だってそう思うだろ?】

 

蓮【ああ、そう思っているさ。だから助けたい】

 

雪奈【まあ…そうね】

 

杏【それも私と同じ】

 

竜司【あんま迷っているヒマはねえぞ。マダラメってのも気になるし】

 

杏【わかった。でも調子に乗るのはダメ。目立つのも止めてよ。テストで全部赤点とか】

 

竜司【やべー!勉強の続きをしないと!そう言えば、アレホシだっけ?ジョゼがくれたヤツ…】

 

雪奈【竜司、そんなズルは駄目よ、ちゃんと自分の力でやりなさい!】

 

杏【雪奈の言うとおりよ、自分でやりなさいよ!】

 

竜司【赤点回避だけでも】

 

雪奈【駄目に決まってるわよ!】

 

竜司【へーい】

 

雪奈と蓮はスマホを制服のポケットにしまった。

 

雪奈「全く竜司は、楽な方ばかり考えて」

 

モルガナ「まあ、竜司だからな」

 

蓮「アハハ。それで、結社からは何も連絡はないんだよね?」

 

蓮は真剣な表情で雪奈を見ている。

 

雪奈「別に結社からは何もないわね。私と蓮は、ある程度自由にやらせてもらってるわけだしね」

 

蓮「そうか。なら良いんだが」

 

蓮は自分の椅子に座る。そして改めて屋根裏部屋の置物を見る。明らかに自分の物ではないものがある。

 

姿見の鏡、化粧台、1人が着替えられるようなエリアにカーテンが引かれている。

 

蓮「雪奈、これは一体…?」

 

雪奈「ああ、これね。貴方がマスターに呼ばれていた時に、軽く持って来て、設置したわ」

 

蓮「設置って…いくらなんでもこれはまずいのでは?」

 

モルガナ「安心しろ、蓮。その雪奈が設置ヤツは、他人には見えない。雪奈が魔力で作り出したものだからな」

 

蓮「そ、そうなんだ」

 

雪奈「私の部屋よりこっちにいる方が都合が良いと思ってね。それに私は、蓮を信用してるからね」

 

蓮「そうなんだ」

 

雪奈「私は少し勉強するけど、蓮はどうするの?」

 

蓮「俺はちょっと銭湯行ってこようと思ってる」

 

雪奈「そう?じゃあ行ってらっしゃい」

 

蓮は、自分の銭湯の道具を持って近くの銭湯へ行ために、下へ降りていきルブランの扉が開きそして閉まった。

 

雪奈は蓮が帰ってきてから、転移で自分の部屋へ戻り銭湯へ行くことにしたのだった。

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