【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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緋里雪奈編10話です。


10ー10ー5・09ー次なるターゲットは。

雪奈side

 

ーー1204・5・09・朝・とある駅のホームにて。

 

ここ最近、花粉症注意報が発令されている。別に雪奈は花粉症ではないが、花粉症で悩んでいる人々を見たぐらいだ。

 

だが、雪奈は別の悩みができてしまったのだ。誰かに見られているような感じだ。どこかの刺客かと思い辺りをキョロキョロしてみたが、殺気を出しているような人物は見当たらない。

 

ここが戦場なら、引きずり出すことも可能だが、ここは戦場ではない。どうしたものかと考えていたら蓮と杏がやって来た。

 

杏「雪奈、おはよー」

 

蓮「おはよう、雪奈、どうかした?」

 

雪奈「うーん、別にどうかした訳じゃないけど、なんか誰かに見られているような感じがして」

 

杏「見られる?」

 

蓮「ストーカー?」

 

杏と蓮は、回りをキョロキョロし始める。だが怪しい人物は見当たらない。

 

杏「特別怪しい人物はいないみたい」

 

蓮「ああ、いないね」

 

雪奈「…ごめん、2人共。私の勘違いかもしれない」

 

モルガナ「雪奈、勘違いって…それで良いのか?」

 

雪奈「うん、いいのよ。それより学校へ行きましょう!」

 

そして乗り換えの導力列車が来たので、雪奈は乗り込む。

 

杏「一応、気を付けましょ、蓮?」

 

蓮「そうだな」

 

杏と蓮はそう言って導力列車に乗り込んだ。

 

 

ーー1204・5・09・午前中・秀尽学園・雪奈達の教室。

 

雪奈達が授業を受けていると、スマホのバイブが鳴る。すぐさま雪奈、蓮、杏はスマホを取り、グループチャットに参加する。もちろん竜司からだが。

 

竜司【なんか学校の雰囲気が変わったよな?】

 

杏【鴨志田のこと?】

 

竜司【こんなおおっぴらに話してなかっただろ?】

 

雪奈【まあ、そうでしょうね。今までは、鴨志田に密告されるのが怖かった生徒達もたくさんいた。生徒同士が見張っていたようなものだった。でもその恐怖の大魔王がいなくなって、密告される事がなくなった。恐怖の対象がいなくなって、みんな自由を手に入れた】

 

蓮【まあ、そんなところだろう】

 

竜司【誰か俺らに感謝してくれねえかな】

 

雪奈【あのね、竜司…。感謝されるためにやったわけじゃないでしょ?】

 

杏【雪奈の言うとおりよ。鴨志田は罰を受けたんだし。今回はそれでよしとしよ?】

 

蓮【ああ、そうしよう】

 

竜司【あいつ、これからどうなるんだろうな。有名人で犯罪者だろ?ずっと後ろ指指されながら生きていくのか…】

 

杏【だからって同情なんかできない】

 

雪奈【そうね。鴨志田はそれだけの罪を犯したのだからね。当然の報いね】

 

竜司【当然の報いだよな】

 

そして怪盗団のグループチャットを終えた、雪奈、蓮、杏は、再び授業に集中することにした。

 

雪奈side

 

ーー1204・5・09・夕方・放課後・雪奈達の教室。

 

蓮や雪奈が帰る支度をしていると、蓮のスマホの着信が鳴った。

 

どうやら三島からのチャットだった。

 

三島【新しい情報見つけた】

 

蓮【情報?】

 

三島【怪チャンにあったんだけど、学校内にも噂で聞いてて】

 

蓮【学校内に?】

 

三島【ちょっと度か過ぎたイジメをやっているヤツが入るって】

 

蓮【なるほど】

 

三島【助けてあげたいけど、俺には無理だ。怪盗団なら何とかならないかな?ストーカーも改心させたんだし余裕なんだろ?】

 

蓮【余裕ってわけじゃないが、何とかしてみよう】

 

三島【それでこそ、怪盗団だ。それでイジメてるのは、よく校門前で見かける茶髪のヤツで、高梨大輔ってヤツらしい】

 

蓮【高梨大輔ね】

 

三島【期待しているよ!】

 

三島とのチャットを終え、スマホをポケットにしまう。雪奈は蓮の方を向き

 

雪奈「何かあったの?」

 

蓮「実は…」

 

蓮は、雪奈に三島からの情報を雪奈のスマホに送る。

 

【学内でのイジメに関する事案】

 

【イジメている人物、高梨大輔】

 

【いつも校門前で、不良仲間とたむろをしている】

 

雪奈「なるほどね」

 

モルガナ「どうする?アジトに集まるか?」

 

蓮「ああ、情報を共有したい。集まろう」

 

雪奈「わかったわ」

 

雪奈と蓮は、杏と竜司をそれぞれ屋上へ呼び出すことにした。

 

 

ーー1204・5・09・夕方・放課後・屋上。

 

雪奈達は、屋上に集まった。

 

竜司「今日集まったってことは、行くんだろ?メメントス」

 

雪奈「中間テスト前に行くわけないでしょ!」

 

杏「そうだよね、中間テスト勉強しないとね」

 

竜司「細けえことは気にするなって!勉強なんかやめてパーッといこうぜ!」

 

杏「行くって言ったけど、ターゲットもいないんだよ?」

 

蓮「まあ、ターゲットならいるんだが…」

 

雪奈「三島君からもたらされた情報だよね」

 

竜司「願ったりじゃねえか。せっかくだから今から行こうぜ!」

 

雪奈「……よっぽと勉強したくないんだね、貴方は…」

 

雪奈は、諦めのため息を吐いた。モルガナがみんなに

 

モルガナ「慌てる必要はない。中間テスト前にメメントスに行って、テストは赤点でしたってシャレにならないからな、なあ竜司?」

 

竜司「な、何だと!」

 

杏「それで、その高梨大輔って男子生徒にも予告状を出すの?」

 

モルガナ「いや、出す必要はない。パレスを持たない小物は、中野原の様にメメントスでけりをつければいい」

 

パレスを持つ人間、鴨志田のような人間には、予告状で相手の潜在意識を変える事で、オタカラを実体化させた。これがパレス攻略でのルールだ。

 

だがメメントスでは、いきなりターゲットを狙うだけで、大丈夫というわけだ。予告状の代わりになるのが、三島が作った怪盗お願いチャネルである。

 

三島が、好都合なことに【怪盗が狙っているぞ】と書き込んでいるのだ。小物程度のターゲットにとっては、実質予告状と変わらない。それだけでしばらくはビクビクしてるしかない。

 

雪奈「おそらく、あの中野原も怪盗お願いチャネルを見てたんじゃないかな」

 

モルガナ「だからナビが反応したのかもな」

 

杏「それ、人任せでいいの?」

 

モルガナ「メメントスのシャドウは、欲望や個性がパレスの主ほど強くない。そこまではシビアじゃないってことだ。ただ小物だからって人選に手抜きはナシだぜ!ちゃんと【アジト】で全会一致してからだ。さて!なら早速、集めたターゲット情報について会議するぜ!」

 

雪奈「わかったわ」

 

蓮「ああ、始めようか」

 

傲慢な茶髪のイジメっ子の情報が、モルガナから伝えられる。

 

茶髪のイジメっ子は、秀尽学園の生徒。

 

人格否定や恐喝まがい、イジメにしては度が過ぎていると思われる。

 

竜司「改心させるには充分のネタだな。さっそくやっちまおうぜ!」

 

杏「メメントス行きたいだけじゃないの?でもまあ、ほっとくわけにはいかないし、私も賛成」

 

蓮「そうだな。!俺も異議はない」

 

モルガナ「後は雪奈だけだぞ。お前が賛成なら全会一致だ」

 

雪奈「みんなやる気になってるのに、水を指すみたいで重苦しいけど、もう少し表で物的証拠を掴んだ方が良いかなって」

 

雪奈は、蓮達にそう言った。彼女の念には念を入れるのは、執行者の時からやっていることだ。決して失敗が許されない仕事をしているから、用心深くなるのだ。

 

雪奈「ダメかな?」

 

蓮「確かに物的証拠は欲しいかもしれない」

 

モルガナ「相手に反論さえさせないためにか」

 

竜司「でもよ雪奈、メメントスではかせれば良いんじゃねえか?」

 

雪奈「確かにメメントスではかせれば良いかもしれない。でも私はイジメの確たる証拠も掴んでいたいかな」

 

杏「私も雪奈の意見に賛成かな」

 

竜司「……うーん、雪奈の言ってる事もわかるんだが、イジメられてる側は、一刻も早く助けて欲しいものだ…」

 

雪奈「わかってるわ、竜司。貴方は優しいもんね」

 

竜司「…ちゃかすなよ、雪奈…」

 

杏「あっ、竜司、赤くなってる!」

 

竜司「はぁ~なってねーよ!」

 

こんな会話をしながらアジトでの怪盗団会議は終わった。

 

雪奈side

 

ーー1204・5・09・夜・牛丼屋【俺のべこ】

 

雪奈は、牛丼屋【俺のべこ】から、チャットで今日アルバイトに来てくれないかと連絡を受け行くことにした。中間テストの勉強は、やるだけはやったので後は試験日を迎えるだけだ。

 

 

そしてアルバイトに入ったら人が沢山来ていて、シフトに入る前から忙しい事がわかるものだった。

 

モルガナ「こりゃ、大変だな~頑張れよ、雪奈!」

 

雪奈「わかってるわよ、こんなもの執行者の仕事より楽だわ!」

 

すると数人の客から注文が入ってくる。

 

男性客1「納豆丼、大盛下さいー」

 

男性客2「ホイコーロー丼、大盛ねー!」

 

男性客3「おーい、牛丼、並みで」

 

女性客1「並盛りでホイコーロー丼、1つ!」

 

雪奈は、手際よく丁寧に1つ1つの注文をこなしていく。複数の人間の注文にも冷静に対処していく彼女を見て、感心する人達もいた。そしてあの駅前広場で演説していた男性もやって来て、注文をしてくれた。店のお客が落ち着いてきた頃、あの男性が話しかけてきた。

 

スーツの男性「大変だね」

 

雪奈「はい、大変ですね」

 

スーツの男性「人、増やしてもらえないのかい?度を過ぎた忙しさに見えたけど?」

 

雪奈「ええ、人は増やしてもらえないですかね。経費削減のためにとかで…」

 

スーツの男性「経費削減…うーむ、それが慢性的な労働環境ならなんとかしたいもんだね。うむ、覚えておこう。お代、ここに置いておくよ。ごちそうさま」

 

スーツの男性は、そう言うと席から立って牛丼屋【俺のべこ】から出ていった。

 

雪奈「ありがとうございました」

 

このあとも、しっかり働いた。そして勤務時間を働いた雪奈は、バックヤードでエリアマネージャーから、給金をもらう。

 

エリアマネージャーが去ったあと、モルガナが

 

モルガナ「雪奈、よく頑張ったな」

 

雪奈「まあね」

 

モルガナ「あの政治家と話せたみたいだな」

 

雪奈「少しね。まあ本当に社交辞令程度だけど」

 

モルガナ「そうか。さてと、帰るとするか」

 

雪奈「ええ」

 

雪奈は、牛丼屋【俺のべこ】から出て自宅へ帰るため渋谷駅へ向かった。

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