【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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緋里雪奈編11話です。


11ー11ー5・10→5・13ー丸喜先生。

雪奈side

 

ーー1204・5・10→1204・5・11・朝・秀尽学園・玄関にて。

 

中間テストの日の前日まで、竜司と杏に勉強を教えたり、蓮と勉強をやって今日を迎えた。

 

いつものように、まあ前日には、新島生徒会長にうだうだと文句を言われたが。そんなことは言いとして、蓮と共に学園へ登校すると、掲示板あたりに人集りができている。

 

だるそうな男子生徒「めんどくさ…試験期間中に全校集会とか何考えてんだよ」

 

真面目そうな女子生徒「試験3日目だから明後日だよね。また鴨志田先生の話かな?」

 

だるそうな男子生徒「勉強の邪魔をすんなよな、学校のクセに…なにすんのか知ってる?」

 

真面目そうな女子生徒「なんでも良いけど、私ら関係ないし。巻き込まないで欲しいわ」

 

モルガナ「試験期間中に全校集会か。雪奈達は大変だな」

 

雪奈「まあ…大変というより、めんどくさいよね…蓮もそう思うでしょ?」

 

蓮「そうだな」

 

雪奈と蓮は、そう言いながら自分達のクラスへ向かった。

 

そして雪奈達の中間テストという戦いが始まった。

 

ーー1204・5・11→5・12→5・13

 

ーー1204・5・13・午後・体育館。

 

中間テストの最中だと言うのに学園の校長が、全校集会を開く事を決めた。生徒達の心のケアと断言しているが、一部の生徒達は学園の面子のためにそんなことをしているとしか思っているのだ。

 

そんな中、校長の説明がむなしく体育館に響く。

 

校長「…例の事件以来、みなさんからの不安の声は、私の耳にも届いています。早急にみなさんのメンタル面のケアが必要と感じ、担当の先生に来ていただいた次第です。それでは、先生」

 

校長に呼ばれて、白衣を着た眼鏡をかけた男性教師がやって来た。女子生徒達の黄色い声援が飛び交い始めた。

 

丸喜「初めまして…」

 

黄色い声援で、丸喜の声が聞こえてこない。それだけではなく、どうやらマイクのスイッチも入っていないようで、彼はマイクのスイッチをONにした。

 

丸喜「僕の名前は、丸喜 拓人と申します。よろしくどうぞ」

 

頭を下げる位置を間違えたようで、マイクに頭をぶつけ笑いが起きる。

 

丸喜「担当はカウンセリングです。堅苦しく構えなくて大丈夫だから。相談ならなんでも…あっ、お金(ミラ)の相談は困るかな」

 

校長は、無言のまま丸喜をマイクの位置からどける。

 

校長「ありがとうございました」

 

校長の話がちょっとあって、全校集会は終わった。

 

 

全校集会が終わり、雪奈、蓮、杏が教室に戻る途中、竜司に話しかけられた。

 

竜司「うっす。まさかうちの学校が、メンタルケアとか言い出すなんてな」

 

雪奈「国内ニュースどころか、世界に報道されてるからね。学校側も放置はできないと判断したのでしょうね」

 

杏「そうだよね。西ゼムリアの方でも報道されてたっぽいし」

 

竜司「つか、なんだっけ、名前…?」

 

蓮「丸喜拓人、丸喜先生だよ」

 

竜司「ツッコミどころ満載すきじゃね?本当にカウンセリングできんの?」

 

雪奈「竜司、やめなさい」

 

雪奈がそう言ったのは、背後から丸喜がやって来たからである。

 

丸喜「どうも。緋里さんに坂本君に高巻さんにそれと雨宮君ね」

 

雪奈達は全員名前を知っているのか驚いてしまう。

 

竜司「なんで名前を知っているんすか?」

 

丸喜「うん、それは鴨志田先生と……色々あった生徒は、前々から聞かされていたからね。雨宮君も転校早々大変だったね」

 

蓮「まあ、確かに大変でした」

 

丸喜「本当にそう思うよ」

 

竜司「つか、俺らに何か用っスか?」

 

丸喜「あ、そうだった、さっき集会でも言ったけど、君達カウンセリングに興味あたりするかな?」

 

竜司「別にねぇスけど」

 

丸喜「えっ…!?」

 

竜司「いや、【えっ!?】じゃなくて」

 

丸喜「思ったより、直球で断られたからさ…あ、今ならお菓子もあるよ?食べ放題は、無理だけどそこそこは食べられるし、どうかな?」

 

雪奈「丸喜先生、私達は小学生ではありませんので、お菓子で釣られませんよ」

 

丸喜「実は、鴨志田先生の事で、深い関係性を持つ生徒は、必ずカウンセリングするように言われてね。一応、学校側の気遣いなんだけど…」

 

竜司「気遣いね…」

 

雪奈「……気遣いですか……」

 

丸喜は、中庭の方を見ながら雪奈達に話し出す。

 

丸喜「いきなり、見ず知らずの僕と話せと言われても、困るのは分かるよ。こういうの強制でやっても意味はないし、せっかくなら、君達にもメリットが…そうだ!カウンセリングを受けに来てくれたら、代わりにメンタルトレーニング教えるよ。テスト前の集中力の上げ方とか、デートの時に緊張しない方法とかさ。どうかな?」

 

雪奈と蓮は、顔を見合せながら考えた。メンタルトレーニングで、怪盗団の役に立つ可能性や彼女の魔力や詠唱の速さ等を鍛えられる可能性を秘めている。そう考えると、メリットになるだろう。

 

丸喜「今なら、お菓子も…」

 

竜司「お菓子はもういいっつの!なあ、お前達どうする?」

 

雪奈「私は受けようと思う」

 

蓮「…俺も受けようと思うかな」

 

竜司「まあ、受けねーで面倒なことなりそうだしな」

 

杏「んーそうだね」

 

丸喜「本当かい?そうじゃあ、取引成立って感じかな。僕は保健室にいるから、都合のいいときにでも来てよ」

 

竜司「じゃあ、俺はこれで」

 

丸喜「うん、またね」

 

竜司と杏は先に行ってしまう。丸喜は雪奈と蓮に

 

丸喜「ありがとう。カウンセリングを受ける気になってくれて」

 

雪奈「まあ、私達は受けなきゃならならないだろうし」

 

蓮「そうだな」

 

丸喜「取り引きした分、君達の力にならないとね」

 

雪奈「丸喜先生、ありがとうございます」

 

丸喜と雪奈達は取り引きが成立したのだった。

 

竜司「雪奈、蓮、どうした?」

 

雪奈「ううん、何も…」

 

丸喜「引き留めちゃってゴメン。それじゃあ」

 

雪奈と蓮は、竜司と杏のいる方へ丸喜は保健室の方へそれぞれ歩き出し出したのだった。

 

 

 

雪奈side

 

ーー1204・5・13・午後・雪奈達の教室。

 

クラスメイトの人間達は、全校集会で紹介された丸喜の話を主に女子達がしている。話をしているのだが、担任の川上もいるのだが。

 

川上「はいはい、静かに。さっきの集会でも出たけど、カウンセリングのことで補足。今日の放課後から保健室で誰でも受けることができます。丸喜先生の赴任は、11月までだから受けたい人は、早めにね。受ける受けないのは自由だけど、その…学校側が必要だと判断した人は、こっちから声をかけるから」

 

川上が言っているのは、鴨志田と関係がある人間は、受けることは絶対と言っているようなものである。

 

それは、雪奈、蓮、杏、竜司は絶対と言っているのだ。

 

すると雪奈達のスマホの着信が鳴る。雪奈達は川上に気づかれないようにスマホを取り、グループチャットを見る。

 

竜司【お前ら、結局あれ受けんの?】

 

杏【カウンセリングのこと?】

 

雪奈【川上先生の話じゃ、私達は強制的に受けるのは決まってるみたいね】

 

蓮【そうだみたいだな】

 

竜司【丸喜には行くって言ったけどよ、やっぱメンドーだよな…】

 

蓮【行くしかないさ】

 

雪奈【そうね。拒否して学校側から睨まれたくないし】

 

杏【そうだよね、雪奈。とりあえず私、今日行ってみるよ】

 

雪奈【私も時間があれば行ってみようかな】

 

蓮【俺もそうしようかな】

 

モルガナ「学校側に目をつけられないようにカウンセリングを受けるのは間違いないだろう。いつ行くのかは、雪奈達に任せる」

 

こうして、杏は今日カウンセリングを受けることにしたのだった。雪奈と蓮も時間があるときに受けようと決めたのだった。

 

ーー1204・5・13・ ・放課後

 

雪奈と蓮が、教室を出ようとしたら、杏から着信があった。2人ともスマホを取り出す。

 

杏【カウンセリング行ってきたよ、雪奈と蓮はこれからでしょ?】

 

雪奈【うん、まあ、杏、カウンセリングどうだった?】

 

杏【うーん、思ったより嫌ではなかったかな】

 

雪奈【そうなんだ】

 

杏【とにかくさ、雪奈も蓮も行ってみなよ。丸喜先生、大人にしては結構話しやすいし】

 

雪奈【そうなんだね】

 

蓮【じゃあ、今日、行ってみるよ】

 

杏【じゃあ、また明日ね】

 

雪奈【また明日ね】

 

蓮【また明日】

 

杏とのチャットを終えた雪奈と蓮は、丸喜がいる保健室へ行くことにした。

 

 

ーー雪奈達の教室→保健室

 

雪奈と蓮が保健室へ来たとき、保健室の前で丸喜と話している女子生徒がいた。どうやら先客がいたようだ。仕方がないだろう。杏がカウンセリングを受けてから時間が経っている。次の受ける生徒がいたとしてもおかしくはない。

 

ちなみにモルガナは、その辺りを散歩しているのこと。丸喜と話している女子生徒が雪奈と蓮に気がつき

 

すみれ「あ、緋里先輩、雨宮先輩、お疲れ様です」

 

雪奈「芳澤さん、お疲れ様」

 

蓮「お疲れ様」

 

何故、雪奈と蓮とすみれが知り合いかと言うと、すみれが不良達に絡まれていた時に2人で助けたことで知り合うのだが。

 

すみれ「先輩達も丸喜先生のカウンセリング、受けられるんですか?」

 

雪奈「うん、そうね」

 

蓮「そんなとこかな。芳澤も?」

 

すみれ「はい、丸喜先生、良い先生ですよ。私、先生が秀尽学園に赴任される前からお世話になってるんです」

 

丸喜「あれ?すみれ君と君達は知り合いなんだね。ってすみれ君、そんないいものでもないから、ハードルあげないでよ」

 

すみれ「私は、もう行きますね。緋里先輩、雨宮先輩、それじゃ失礼しますね」

 

すみれは、雪奈達に一礼すると保健室の前から去っていく。

 

丸喜「それじゃあ、保健室に入ろうか?」

 

雪奈「あの~2人いっぺんにカウンセリングを受けるんですか?」

 

丸喜「ううん、1人ずつだよ。流石に2人いっぺんにカウンセリングは出来ないからね」

 

保健室に入った雪奈と蓮。保健室の中は、どこでもある保健室の中と変わらなかった。

 

 

カウンセリングは先にどちらから受けるのか、丸喜に聞かれると、雪奈から受けることにした。蓮は、近くのソファーに座り、スマホにイヤホンを付けて音楽を聞き始めた。

 

丸喜「緋里君、良く来てくれたね」

 

雪奈「私達の担任からも、確実にカウンセリングを受けるように言われたものですので」

 

丸喜「あっ、そうだったね。でもそんなに固くならなくても良いんだよ。いつもとおりの君と話したいからさ」

 

雪奈「わかりました」

 

それから雪奈と丸喜は、世間一般の話などをしながら喋っていた。その中にはちゃんとカウンセリングを交えながら。

 

丸喜「うん、なるほど。うん、ありがとう。緋里君の状況は大体把握できたよ。君は、中学まで他県に住んでいて、高校受験を気に東京に上京してきたんだね」

 

雪奈「そうですね。数年前に《母を事故死》で失ってから1人で生きてきましたから」

 

丸喜「その事は、学校側から聞いているんだ」

 

雪奈「ええ、私が入学時に学校側に説明しましたから」

 

丸喜「そうなんだね。あの君と話していてわかった事があるんだけど、君は自分の中と外にある現実できちんと折り合いをつけて生きているんだね。凄いことだと思うよ。大人だって皆ができるわけではないから」

 

雪奈「………」

 

丸喜「ほらっ人ってさ、自分の中にある現実…こうありたいって理想があるわけじゃない?」

 

雪奈「……確かにそのような理想は誰にでもあると思います」

 

丸喜「そうだね、テストでいい成績を残す自分、他人を助けて、役に立ちたい自分みたいなさ。けど外の現実は、理想とおりにいかないこともある。多くの人はその内と外のギャップに苦しむんだ。誰しもがテストで100点を取れて、人を救うヒーローになれるわけではないからね。君に起きたことを思うと、苦しむどころか歪んでしまっても不思議ではないと思う」

 

雪奈「…………」

 

丸喜「けど君は、辛いはずなのに現実にまっすぐに立ち向かっているように見える。それが凄いと思った。それでも何か心の奥には何か秘めてる感じもするんだ。って会ったばかりのおじさんにこんなこと言われるなんて、ちょっと変かな?」

 

雪奈「うふふ、確かに変ですよ。私ってそんな風に見えるんですね…」

 

丸喜「緋里君、…直球だね…。まあ僕個人の印象だから気にしないで」

 

丸喜が時計を見て申し訳無さそうに見る。

 

丸喜「さて……ごめん、少し長くなっちゃったね」

 

雪奈「いえ、とても有意義な時間でした」

 

丸喜「そうかい?ありがとう。君と話していると、時間や話が進んじゃったてさ…。あのさ、最後に1つ提案があるんだけど、聞いてもらえるかな?」

 

雪奈「提案とは?」

 

丸喜「僕はカウンセリングの他にやってる事があるんだ。それはカウンセリングとは違う。心理療法のようなものについてなんだけど。人の心を知るための研究でね。上手く行けば、沢山の人を救ってあげられると思うんだけど、どうかな?」

 

雪奈「…沢山の人を救える?どのように?」

 

丸喜「ごめん、緋里君には、僕の話を聞いてもらって、気づいたところや思った事を教えてもらいたい。頼むよ、君が気が向いたときとかでいいし、時間も融通するからさ…ほらお菓子も食べていいから!」

 

雪奈「……わかりました。私も何だかカウンセリングに興味が湧きましたし」

 

丸喜「ありがとう。見返りは、そうだな、とっておきのメンタルトレーニングを伝授ってのはどうかな?僕のノウハウを尽くした僕だけのスペシャルコースだ。努力次第で君の持つ潜在能力を最大限に引き出せるようになるはずだよ!」

 

雪奈「はい!私は構いません」

 

丸喜「よし!改めて取引成立だね」

 

雪奈と丸喜は、取引を成立させた。雪奈は、丸喜のカウンセリング等に興味が涌いてきたこともあるが、彼を味方につけるのも悪くないと思ったからだ。

 

丸喜「緋里君、連絡先を交換しない?時間の都合がついた時や相談したい事があれば、連絡するから」

 

雪奈「連絡先ですね、わかりました」

 

雪奈と丸喜は、連絡先を交換をした。

 

丸喜「さて、今回の見返りを渡さないとね、メンタルトレーニングを教えるよ。最初は、そうだな……」

 

雪奈は丸喜にメンタルトレーニングを教えられるように。そのお掛けで、雪奈の魔力は上がった。

 

雪奈の次の蓮も丸喜に会い、彼女同様にメンタルトレーニングを受けるようになった。

 

怪盗団のリーダーと参謀が丸喜のカウンセリングを受けることに。

 

後々に自分達の役に立つことになるとは、この時の2人にはわからなかった。

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